三度目の性病検査
家から歩いてすぐの小さな診療所。
いかにもビーチタウンらしい内装の
この診療所にノアと二人で来るのはこれで三度目になる。
それぞれ別の診察室に案内され、
まずは、ノアの方から診察を受けることに。
彼が案内された部屋のすぐ隣の診察室の壁一面に飾られた波の絵のすぐ横の椅子に腰掛け、
問診票の記入を終え、自分の番が来るのを静かに待っていた。
15分か20分経った頃、
医師成り立てと思われるほど若い、
長身で顔立ちの整った白人ドクターが入ってきた。
「今回はどうなされましたか?」
非常勤のダニエル先生は、少し緊張しているようにも見える。
「不正出血、膣の痛み、異常おりもの」があるので、
性病検査をお願いします。
本来なら、性病検査をお願いする張本人の私の方が緊張して
恥ずかしく、悲しくあるべきなのだろうけれど、
もう、そういう感情すら無くなっている自分がいる。
ノアと一緒になってから、ここ4年で二回、
クラミジアを経験してきた。
今回も似たような症状なので、
おそらく、またクラミジアなのだろう。
過去二回とも、膣内のおりものを専用綿棒で採取する検査だったので
今回の検査に当たっての心構えはできていた。
家を出る前に、シャワーも浴びてきた。
できれば、女性医師、あるいは老齢の医師にお願いしたかったけれど
予約の時点では、医師の指定はできないとのことだったので
仕方ないとは思いつつも、気後れする感は否めない。
早口で検査の説明をする落ち着かない様子の若手ダニエル先生。
産婦人科医でもない、一般外来のこの先生は
どんな思いなんだろうと考えながら
検診台に横たわった。


