署の食堂に入り森田さんの向かいに座る。俺の目の前に置いてある昼飯は森田さんの奢りだ。
「すみません、頂きます」
反応無し。冷たいのか冷たくないのか。
「で?何が知りたいの?」
「この前三宅さんに『復讐はやめろ』って言ってるところを聞いてしまって…」
「盗み聞きか」
「違います!聞こえてきたんです」
「ま、どっちでもいいけど」
「復讐…って何なんですか?」
「……」
昼飯にがっつきながら上目遣いで俺を思い切り睨み付けてくる。こ、答えてくれるんだろ…?
「健、両親殺されてるんだよ、警官に」
え…?
「まだ犯人捕まってなくてさ、そいつを殺したいんだと。
三宅、正義の味方とかで警官やってる訳じゃねぇんだよ。
あいつがこの世で1番嫌いなの、警官だから」
「あいつは表に出さないし言わないから教えてやるけど、お前みたいなタイプが三宅は1番嫌いなんだよ」
「お互い様じゃん。関わんなよ」
冷静に淡々と俺を責める。
的に何度も何度も確実に矢が刺さっている。
そう、だったんだ…。
「もういいか?」
「…も、もう1つ、
森田さんと三宅さんの関係って…?」
「……幼馴染」
本当にそれだけ?
「じゃな」
森田さんはトレーを持って足早に去って行った。
いつもいつも俺を射抜く鋭い目が一瞬泳いだ。
そりゃ、イライラするよな。
自分の……な人が全く無関係の俺に色々言われてるんだから。
謝ろう。
俺は味合わないで口にご飯を詰めた。