署に戻って男を引き渡し、

三宅さんと長い廊下を歩く。

「ねぇ岡田。あの男って何やったの？」

何やったの...とは。

そうだ、三宅さんに説明してなかったんだ。

「殺人ですよ」

俺がそう言うと三宅さんの肩がピクっと跳ねた...気がした。

「誰を？」

「多分自分の彼女をだと思います。推測ですが」

「その人亡くなった？」

「はい。駆けつけた時にはもう」

「...そう」

三宅さんの一歩後ろを歩いてる俺からは

三宅さんの表情は一切分からない。

「その女性の遺体の写真撮ったよね？ある？」

「...はい」

俺は胸ポケットから写真を取り出しこちらを見ずに手を出している三宅さんに渡そうとした。のを後ろから誰かに取られる。

「森田さん」

「おう、お疲れ」

森田さん署にずっといたのかな。

俺の横を通り過ぎて三宅さんの肩に腕を回す。

「森田。その写真見せてよ」

「ヤダ」

「はあ？」

「いんだよお前はそんな警察官っぽいことしなくて、体だけ動かしてりゃ」

「ぽいじゃなくて警察官なの！一応！」

「一応って自分で言っちゃってんじゃん」

「う...」

「朝飯でも食おーぜ、腹減ってんだ」

「.......俺はいいや」

「ノリ悪くね？」

「岡田と行けよ」

森田さんが俺を冷めた目で見る。

俺は行きたいなんて一言も言ってませんよ？

三宅さんが俺と森田さんにいつもの営業スマイルを見せて俺と来た道を戻る。

どこか元気がない？

ま、俺には関係ないか。

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