カリュウシコウ、ウチダタツル

「下流志向」内田樹著

 

 ふらりと本屋をさまよい、お目当ての本がないなぁとウロウロと哲学のところへ何故か吸い寄せられるようにして…。最近は引きこもりの問題も社会問題になっており、私もいつドロップアウトして孤立するかという淡い危機感とともに手に取りました。内田さんの本と言いうことも大きいです。私は本を20分は立ち読みしてから買いますが、読めば読むほど、「これ!」という思いを強く持ちレジヘ。

 

 これは哲学の世界の論壇で活躍されている内田樹さんの、学力・学校問題とニートに対する考察です。

 そこにはある価値観、言い換えるとイデオロギーがあるとのこと。

 経済至上主義の弊害、自己責任というものや共同体としての機能という社会論、ひいては人間というものについての論説がとても府に落ち、己に自然に身についた社会観、人間観に大きな波紋を呼んでくれました。

 

 

 人はつくづく非言語意識が自分にも他者にも大きく伝わるものだと思います。

 さて今日は表現についてですが、学説ではさまざまですが相手に伝わわるメッセージの最低7割がノンバーバルコミュニケーションと言われます。ノンバーバルコミュニケーションとは非言語表現のことで、具体的には表情や声音や姿勢、服装身なり、体形などなどのことです。よく「ああ言ったのになんでこうなるんだろう」と言ったり思ったりする場合、このことが大きく関わっているのではないかと思います。

またその非言語表現も意図したもの以外のものが大きいのではないでしょうか。0.1秒以下のちょっとした表情からも多くのものが相手につたわります。どんな詐欺師も完全なうそはつけないと思います。ならば訓練されていない人はどうでしょうか。

そこでやはり重要になってくるのはマインドやフィーリングです。つまりどういう思い、またどういう感覚を持っているかということです。マインドとは思考的な部分も大きいですが、思考とは対象や自分の中のものの整理をしたり組み替えたりするのものです。つまりざっくり言ってしまうと起きたことがらや体験をどうとらえるか、どういう面を強調するかという解釈です。その思考はとても大きな影響力を自他ともに及ぼします。

しかし表現においてもっと重要なのは、そもそもどういう経験をしてきてどう行動してきたか(生きてきたか)ということではないでしょうか。自分の中にないものは出てきようがないからです。そして何を受けてきたかということよりも、手持ちのカードで何をどうしてきたかということこそがその人の時々の言葉や行いにおいて最も表現されるのではないでしょうか。

 

タイ・アユタヤ

 最近は本当に大切なものは何だろうと言うことに気づきはじめています。

 わたしは多くの人に助けられてきましたし、多くの素晴らしい信念で活動されている方々に活躍する前から接っささせていただいてきました。

 そこで学んだことは、やる人は何もなく誰もいないところから自分ひとりからやっているということです。結果としてそれを見て援助やともに協力する人が現れるのであって、何かがそろっているから何かができるということではないということです。

 そこで何がことを成し遂げられる秘訣かというと、やはりビジョンとひたむきな想い、人生の大半をかけてもやらざるをえない、やりたいというひたむきな情念だと思いました。結果成就しなくてもその人はその道筋がとてもエキサイティングなものになるのでしょう。ただ周りのそういう人は必ず結果を出しています。

 しかしその結果、成果もあくまで手段であって、目的は自他の心の充足のようなもののような気がします。

 私も見失わないようにしたいです。

「猫はためらわずにノンと言う」

ステファン・ガルニエ著

 フランスでヒットした猫を見本とした自己啓発書です。

 新たな、生きやすい幸せな人生への提言です。

 猫は基本的に群れをなさない動物です。

 それゆえ人間や犬などとは違った側面があります。

 購入して半日もたたず読んでしまいました。

 読みやすさ、楽しさながら、貸していたのが返ってきたら鞄に持ち歩いてときたまひも解いて楽しんでいます。

 猫好きにも、それ以外の人にもお勧めです。

「代表的日本人」

内村鑑三著 

鈴木範久訳

 これは外国人に向けてもともと英語で書かれたものです。

 世界に日本の心を伝えるべく、五人の人物の伝記をつづっています。

 西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の五人です。

 力強く、清く、あきらめず、私心ない美しい日本の心です。

 内村は生粋のキリスト教徒ですが、日蓮上人が選ばれている点も興味深いです。

 不屈の精神、あきらめなければ夢はかなう・・・そんな勇気とすがすがしさを与えてくれる一書です。

「話し言葉で読める、西郷南洲翁遺訓」

長尾剛訳

 西郷さんは生前一冊も本を書いていないようです。

 これは教えを受けた人が後に思い起こして書き留めたものです。

 肖像画を描きたいとの依頼も「それだけは平に」と言って一切応じなかったようです。

 一般的に広まっている肖像画は近親者の肖像画からの想像です。

 そんな西郷さんの魅力がいっぱいつまった本です。

 ちなみに最近、現代語訳が広く浸透して誠に喜ばしいことです。

 少しぐらいの誤訳があってもわからなければ、また読んでいて投げ出したくなってしまっては元も子もないですから。

 

 

 

「大人になっても敏感で傷ついやすいあなたへの19の処方箋」

長沼睦雄著

 

 これはある一定数いらっしゃる敏感な人へのメッセージです。

 わたしはここに書いてあるほどではないです。

 ではなぜ購入したかというと、身体の病気で鬱屈していたり自信がなくなっている私にも参考になるところが多くあったからです。

 また同調傾向の強くて自分を窮屈にしてしまう人にも参考になると思います。

 弱ったり、苦しくなったときにここに書いてあることのいくつかを実践してみるのもいいかもしれませんね。

「心に火をつける言葉」

遠越段編著

 一ページずつ有名な人の一文が載せられ、その下に文章をよせています。

 これは気軽に読める。ふっと手に取ってなんかそこから新たな視点を見せてくれることがります。

 わたしはこの類の本を好きで、気分に任せてひも解きます。

 ときに迷った時の整理にも役立ちます。

 

「本当の発見の旅は

 新しい風景を探すことではない。

 新たな視点を持つことだ。」

  (マルセル・プルースト)

「コテコテデラックス」

原田和典著

 本のなかでもマニアック的なデータ的な要素もあるものは面白いですね。

 これはジャズなどで踊るレア・グルーヴのときにもてはやされたソウルジャズのデータ的ガイド本です。

 文章に独特のノリもあり楽しめます。それまでの日本のジャズムーヴメントでは除外視され、無視されてきた類のジャズの再評価と楽しみを教えてくれ、新しい価値観を提示してくれました。今ではもう流行りも去り、捨てられていますが、わたしは今でもたまに聴いています。 

「99%の人がしていない、たった1%の仕事のコツ」

河野英太郎著

 わかりやすく、簡潔に仕事における人間関係について書かれています。

「報・連・相」

「コミュニケーションのコツ」

「チームワークのコツ」

「会議のコツ」

と大きく4つです。

当り前じゃないかと思う内容かもしれませんが、その当り前をもれなくすることが成長と成功のコツなのかもしれませんね。

漫画版がとてもすんなり入ってきておすすめです。