第十八回:<銀狼>
発砲後…森のざわめきだけが残る。
狩猟銃では傷を付けることの出来なかったロイの体から、胸部から緑色の血が流れた。
弾丸が体を貫いた。
「くぅー。さすが、俺の愛銃、魔法式8型だな。なんでも貫くぜ。」
巨体は体勢を崩し地に膝を着いた。
「ロイ…!」
ケムはロイに近づこうとする が、 銃を向けられることに気付き、動きが止まる。
「この狼捕えたら、あのちっちゃい方の娘が連合様は欲しいそうだ。お前ら、捕まえてくれ。」
猟師達はロイを捕獲するため、捕獲用の網を打ち出す砲を銀狼に向ける。
「待ちなさい!」
レイはロイの前に立ちふさがった。
「なんだぁ?」
「なんで貴方達はこの子達を襲おうとするの!」
「そりゃ、連合から雇われたんだヨ!村を襲う怪物を捕まえてこいとな!」
「嘘!お前嘘ついている!ロイ人襲わない!森 おとなしい!静か!」
「チッ、ガキがウルセーな少し痛い目見て、黙らせるかァ?」
先生が二丁拳銃を再び構える。
ケムは目を伏せた。
同時に、一瞬にして猟師全員が姿を消した。
「なんだ?」
先生は戸惑う。
猟師は全員吹き飛ばされ奥にいた。そこにはレイの姿もあった。
「止めなさい!次は貴方の番よ!」
「なんだテメェ!」
「貴方から名乗りなさい!」
「俺様は連合の雇われ怪物ハンター、ジェロだ。」
「私はレイ。怪物よ。」
「ふざけたこと、言ってんじゃねーぞ!」
ロイとは反対側にレイが移動することで、ジェロと名乗る男からケムとロイを視界から外し逃がそうとした。
ジェロは二丁拳銃から火を放つ。
レイは素早く回避。
「私は貴方を殺してしまう。だから、もう止めて。今なら間に合う。」
「調子乗るなよ!」
ジェロはさらに二丁拳銃から火を放つ。
レイは跳躍し回避しつつ後ろへ下がる。
「クソ!待ちやがれ!!…しまった!狼とガキは…。」
既にロイとケムはレイの時間稼ぎによって森へ姿を消していた。
「これでいいのよ。じゃあ。貴方達もう森へ物騒なことをしてはいけないわ!」
レイはそう言って高く跳んでいった。
「ちくしょう…これじゃあ顔が立たねぇ。こうなったら…。」
ジェロは猟師を起こし村へ引き返した。
「三人とも…三人ともだ。」
レイは村でジェロに鉢合わせる訳にはいかなくなったため、森で体を休めることにした。