6月29日に書いた「羽柴太郎さんの遺産分割協議」
の結果をお知らせしましょう

随分遅くなってしまったので、どんな話だったか
忘れてしまった人は、6月29日のブログを
チェックして下さいね

遺産分割協議には、「正解!」がありません。

どんな結果であっても、相続人全員が納得すれば
OKです。

ですから、様々なパターンが考えられます。
市民センターの講座生の皆さんからも
色々な意見が出されました。

一番多かったのは、
「土地建物は、妻の良子にして、残りを子供たち4人で
475万円ずつ分ける」

確かに、分けやすい預貯金だけを分割して、分けにくい
不動産は妻名義にするというのは、実現しやすい
考え方です。

しかし、こういう意見もありました。

「長男の一郎は、もうちゃんと生活しているから
預貯金はあげなくて良いんじゃないの」

「豊臣秀子は、太郎の財産の形成には一切関係して
いないから、あげなくても良いんじゃないの」

でも、世の中そんなに簡単でしょうか

一郎自身は、妹や弟が大変だから、まあ貰えなくても
良いやと思うかもしれない。

でも、一郎の家族、妻や子供もそう思うとは限りません。

ちょうど、子供が受験や結婚などでお金が必要な
時期なら、「ぜひ貰ってきてね!」と言われるかも
しれません

また、前妻との子供である豊臣秀子は、どう思うでしょうか。

本来なら、父母が揃った暖かい家庭で育ちたかった。
「父親に捨てられた」という感情を持っていて、その分
しっかり遺産をもらおうと思っているかもしれません。

預貯金の4分の1の475万円では、法定相続分925万円
には到底及びませんから、増額を主張される可能性も
あります

また、長女の明智光子は、「母親の面倒を見るからもっと
お金をちょうだい」と言うかもしれません。

二男の羽柴二郎はどうでしょう。

自身の体調や将来に不安がありますから、
貰える時に貰っておこうと、
法定相続分を目一杯主張するかもしれません

と、相続人の思惑をいろいろ考えていくとなかなか
大変ですね。

それならと、こういう案も出ました。

「不動産を売却して、全てを現金化して、7400万円を
法定相続分にそって分割する

これも、一手です。スッキリしています。
もめることがありません

と思いたいのですが、実際の今後の生活を考えてみてください。

妻の羽柴良子と二男の二郎は、住む家を失うことになります。

良子は3700万円貰えますから、高齢者施設に入って、
年金で生活することも出来るかもしれません。

でも、長年住み慣れた、家族との思い出の詰まった自宅を
手放すことが、良子さんにとって幸せでしょうか

また、二郎は925万円貰っても、アパートを借りたり、新しい
生活の準備をするだけで、お金はすぐに無くなりそうです

体調に不安のある二郎さんがこれから一人で生活していける
でしょうか。

それに、不動産の売買は、思ったような金額では売れない
事も多いですし、手数料や引越など思わぬ出費も必要です

正解がないだけに、本当に色々なことが考えられます。

お互いに自分の主張を通すことばかり続けていては、
いつまでたっても話し合いはつかない可能性もあります。

あまりこじれれば、家庭裁判所で調停や裁判にまで
なる事例もあります。

遺産分割協議って、結構大変だなあって事が
わかっていただけましたか

アナタはうまく解決策を考えついたでしょうか

遺産分割協議の大変さを感じていただいたところで、
遺言について考えていきましょう

浜田行政書士事務所
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