私達のような士業(さむらいぎょうと言う人もいます)の人間は、
法律のプロとして、仕事はもちろんパーフェクトに行わなければ
いけません。

でも、人間としてパーフェクトであるかというと、それは別問題だと
思います。

でも、時々、人間としてもパーフェクトであるかのように思い込んで
しまう人がいるのは、悲しいことです。

法律的にパーフェクトだからと言って、お客様のお気持ちに
パーフェクトに寄り添えることが出来たか?という疑問を
常に持っていなければいけないと思っています。

私が中学2年生ですから、随分と前のことになりますが、担任
のT先生が、いつも私達生徒に語りかけて下さいました。

君たちは完全な人間じゃない。もちろん、私も完全な人間じゃない。
この世の中に完全な人間なんてどこにもいない。
だから、私のことで君たちが疑問に思うことは何でもぶつけてきなさい。
私も一緒に成長していこうと思うから。

私は、今でもこのT先生のことをとても尊敬しています。
今から30年以上前のことです。

子供の考えることは全て間違っている。
お前たちは、黙って大人の言う事を聞いていれば良いんだ。
大人のすることは全て正しい。

そんな考えが当たり前で、先生の言うことは絶対だ!みたいな
時代でした。

その時代に、T先生は自分自身の未熟さを生徒の前にさらけ出して、
共に成長し合おうと言われたのです。

「そんなの逃げ口上じゃないの」と思われるかもしれません。

でも、中学生は敏感です。大人が本気で言ってるかどうかぐらい、
すぐに見抜きます。

T先生の誠実なお人柄と優しい語り方が、私の心に深く響きました。

パーフェクトは目指すものですが、パーフェクトだと思った瞬間、
人は成長できなくなります。

何歳になっても、自分の未熟さを直視して、成長し続ける事のできる
人間になりたいと思っています。

ちなみに、カフェでよく食べる「パフェ」は、フランス語の「完璧な」の
意味の「パルフェParfait」から来ていると聞いたことがあります。

アイスクリームと生クリームとフルーツの美味しさの組み合わせは、
完璧なスイーツと言えるのかもしれませんね。