前回、遺言が必要になった理由の一つに、
子供世代と親世代の考え方のギャップが
あるとお話しました。

今回は2つ目の理由について説明しましょう。

それは、ズバリ!情報が簡単に手に入ること
です。

昔は、遺言や相続の話を聞くには、弁護士さんなどの
法律の専門家の所へ行く必要がありました。

また、本で調べるにしても、難しい専門用語が
並んでいて、すぐには理解できませんでした。

ところが、今はどうでしょう。
インターネットを使えば瞬時に答えが返ってきます。

まあ、大学入試の時間中に解答が返ってくるような
時代ですからね。

例えば、私が「父が亡くなりました。家族は母と兄と私の
3人です。相続で私はどれだけもらえますか?」と
書き込めば、法定相続分の話から遺留分の話まで
懇切丁寧に答えが返ってくるでしょう。

ですから、実際の相続の場面になったら、子供達は
全員、知識をバッチリ収集して、戦略を巡らせて、
臨戦態勢なのです。

チョット前までは、「ハンコ代」という考え方がありました。

遺言のない遺産相続の場合、相続人全員の実印を押印した
遺産分割協議書を作成しなければなりません。

その実印の押印だけのために「ハンコ代」として、数万円か
数十万円を渡して、後は長男が全部独り占めというパターンです。

相続に対する知識も何もない兄弟姉妹は、「お兄ちゃんの
言うことだから仕方ない」で済ませていたわけですね。

でも、イマドキはそんな事はまずありません。
必ず皆さん、自分の権利を主張します。

ですから、話し合いで相続をまとめるという事は、
最初から無理だと思っていたほうが正しいのです。

そこで、遺言の必要性がますます高まってきた訳です。

さて、私が考える3つ目の理由については、また次回、
じっくりお話しましょう。