30分ちょっとで、武候祠に到着。
武候とは、劉備に使えた軍師、諸葛孔明のこと。成都には劉備のお墓(と言われている)が元々あって、孔明とは別々に祀られていたそうだ。しかし、明の時代になって、君臣は合祀されるべきであるという考えから、劉備の廟に孔明を祀ることになったそうだ。
これが、武候祠のチケット なんとなく重々しい感じ
車から出ると、やっぱり暑い。。汗が一気に出てくる。
入り口には「漢なんとか烈廟」って書いてある。う…日本語には無い文字だぁ。
一歩中に入ると…左右には松の木などが生い茂り、真正面の奥には劉備の像が見える。
真直ぐな参道。あたかも劉備の精神そのものという感じ。参道の脇には、石碑があって劉備の徳を称えている。彫られている文字は素晴しいものだった。昔の文字なので、そんなにも崩してもいないし、簡略化もされていないので、却って意味が判るような気がした。
参道の門を一つ潜り抜け、「昭烈殿」へ。ここは数段の階段を上がるようになっていて、周りよりも一段高い。蜀の国の皇帝であった劉備を敬っているからこのような造りになっているのだろう。また、その階段の中央には皇帝を意味する龍の彫刻もあった。
昭烈殿の正面には劉備の像、そして両脇には張飛、関羽の像があり、更に左右にはそれぞれ文官、武将達の像がずらりと並んでいた。かつての部下達に囲まれて、劉備は祀られているのだ。
劉備
張飛
関羽
そしてここにはかの有名な「出師の表」(岳飛の筆)が石に刻まれてある。前・後と左右に並んでいた。劉備亡き後、孔明は劉禅宛にこれを上奏し、軍を動かしたのだっけ。
そして、その奥には諸葛孔明を祀る廟がある。
ここは劉備の廟よりは一段低くなっている。やはり臣下であるという意味からそのような造りになっていると、全さんの説明だった。やっぱり昔は儒教が根底にあった国だなぁと納得。
白羽扇を持った諸葛孔明

そこをお参りしたあとは、三人の英雄達を祀った「三義廟」へ。ここは劉備、張飛、関羽が並んで祀られている。
そして、三人の像の上には「義重桃園」との文字が。
う~~ん!三国志ファンにはたまらない文字だろうなぁ。(ってか、演出?上手すぎ!)泣かせるぜ~って感じ。 なんせこの桃園での義兄弟の契りから全てが始まったのだから。
そうそう、言い忘れたけど、この廟の前にはお線香を上げられるようになっていたけど、そのお線香が太いのなんのって(「ぶっとい」って表現のほうがしっくり来る)。長さも長い(80cmくらいはある)し、太さも直径2cmくらいはある。おまけに色は真っ赤。まぁ、赤は魔よけでもあるのでね…。いいんだけどさ、でかけりゃいいってもんじゃないだろ~って(笑)
最後はいよいよ、クライマックス、劉備のお墓へ向かう。
途中赤い壁で竹に覆われた小道を通る。
このコントラストがたまらなくいい。ちょうど人も途切れたときで。壁の上には魔よけの瓦が置いてあった。この辺は日本と同じ。というよりも日本がこの文化を取り入れたのだろうけれどね
お墓を表す石碑
劉備のお墓は日本の古墳と同じようにこんもりとした丘だった。高さは12m程だとか…草木がうっそうと茂っている。写真は何故か写す気が起きなくて写してこなかった。
全さんの説明によると、中国にはここだけではなく、劉備の墓と言われるところは数箇所あるらしい。でも、どこも発掘調査などはしていなく「昔からの言い伝えの場所」としてそのまま残されているそうだ。
科学はある意味、真実を伝えるからいいのだけれど、この場合は科学がメスを入れないほうがいいのかもしれない。そうそう、この場所を春先から秋にかけて訪れる人は虫除けスプレーをしていったほうがいいかもしれない。草木がうっそうと茂っているので、蚊などが飛んでいたし。
再び赤い壁の小道を通り、三義廟の前に出る。その先の出口から外に出ると、錦里といってかつての成都の街並みを再現した場所に出る。
何を売っているのかというと、殆どが飲食店で、軽食って感じかなぁ。
饅頭(こちらのは甘くないのが普通。肉まんを想像してください)などもあったし、スイーツ?らしいものも…中には鳥の姿焼きみたいなのもあった。
しっかりとした食事ではなくて、歩きながら、軽く小腹が空いたのを食べて満たすだけって感じ。驚いたことに、この街並みの中にスターバックスもあった。恐るべし、シアトル系Caféの進出力。中国にも進出かぁ。別に覗き込む気もなかったし、マニアではないのでタンブラーも買わずに通り過ぎる。
それにしても、暑いし喉が渇いた。アイスを食べている人を見て、思わず食べたくもなる。それは母も同じだったようで、出口付近のお店でアイスを買うことにした。しかし…まだ両替をしていない私達、母が以前中国に行った際の残りの僅かなお金では間に合わないので、ホテルまで全さんに借金することに。
なんせ中国の元は日本でも換金出来ないから、不便なのだ。ホテルで換えればいいかと思って、空港でも換えなかったのだ。まさかね、こんなところでこんな買い物をするとは思わなかったし(笑)。
選んだのはシンプルなオレンジの氷のバーのアイス。それが一番喉の渇きと暑さを癒すのにちょうど良いと思ったからだ。1本4元(60円くらい)を全さんと王さんの分を含めて4人分。はじめは遠慮していた全さんだったけれど、やっぱり嬉しそうな顔をして食べている。
ドライバーの王さんは駐車場に車を止めて待っていたのだけれど、携帯に連絡が入ったのになかなか現れない。別に先を急いでいるわけじゃぁないのだけど、暑さでアイスが溶けてしまうのが心配で(笑)。
王さんを待つ間、武候祠の前でアイスを食べながら待つ日本人。あんまりいないんだろうなぁ、成都市民じゃない観光客がアイスを食べながら立っているのって。ジロジロ見られたりもしたけど。食べ終わった後のゴミもゴミ箱が側にあったので、そこへ捨てた。見るとあちこちにゴミ箱が設置されている。ふ~ん、こりゃ~、下手な日本の観光地よりもキレイなのは納得できるわ~。
ゴミを捨てに行って目に付いたのが「犬入園禁止」の案内。
そういえば、ペットとして犬を連れている人はかなり見かけた。でも、野良犬は一匹も見なかったなぁ。最近もまだあるのかどうかは判らないけど、中国では犬を食べる食文化があるとは言え、ここ四川省では犬を食べるのだろうか?全さんに聞こうかとも思ったけど、なんとなく聞きづらい感じがして、聞かないで済ませてしまった。
暫くして、王さんが現れたけど、アイスは大分溶けてしまっていた。で、先に食べてから出発してねと勧めたけれど、また、この王さんはまじめな人だから「後で食べるから」と言って出発。まぁ、袋がしっかりしているから、自宅の冷蔵庫で再度凍らせれば、全然OKなんだけどね。
















