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とある総合内科医の苦悩

ある関西の中小病院で働く総合内科医の独り言です。
ちょっと毒もありますがご注意ください。

京都のとある病院で感染症と総合診療と時々リウマチを学んで過ごしています。


※なお、原則的に医療的な内容の相談はいっさい御受けしません。

みなさま、お久しぶりです。

mydearestdarlingです。

新年度からは少しだけ感染症の診療は小休止して総合診療科の業務を中心に仕事をしています。

久しぶりにどっぷり内科医な日々で少し楽しくもあります。

日々、修行の毎日ですがこの道がどこに続いていくか楽しみでもあります。

みなさまにお聞きしたいことがあります。

それは身近な大切な人が死にそうなときに徹底的に闘って、生きていてほしいのか。

もしくはできるだけ苦痛の少ない形での対応(治療)を望むのか。

かなり究極的な選択が時として目の前に突きつけられます。

これからは多死時代となります。

段階の世代の方々が続々と亡くなられていく時代になります。

人ごとではなく、近い将来自分の身にふりかかることになります。

あなたの大切な人ともしものときの話をしていますか。

実はたわいもない時間がとてつもなく貴重であることを医療従事者は知っています。

そして、それをみなさんに伝えておきたいと思います。

人の人生は限られています。

もしものときに悔いのない選択をするために、もしも私が病気になったら、あなたが重症になったら。

そういった話を大切な人ときちんと話すことができるうちに話しておいたらいいかもしれません。
忙しいと個々のマネジメントがおろそかになることがあります。

急性期病院にいるとどうしても医師のキャパを超えて患者さんが押し寄せてくる事があります。

そうなった場合にはキャパを超えている状態では安全性が担保されないというジレンマが生じてきます。

マンパワーや資材が足りなくなる事はあり得る事であり、そのときにプロフェッショナリズムが問われる事も多いです。

果たして自分がキャパを超えてしまったら・・。

時には同僚や他の科や他の病院へ仕事をふる事があります。

こういった場面では自分の責任感とのジレンマを経験します。

主治医という感覚が医師側も患者さん側も日本は強いのでなかなか自分の中でも折り合いを付けることが難しくなります。

誠実に対応していきたい。

しかし、無理をして患者さんを危険にさらすこともしたくない。

医療は中々に難しい。
先日、報道ステーションを見ていた。

HPVワクチンについて批判をする論調のようだ。

それを受けて専門家である感染症専門医の青木先生が記事にされている。

⬇以下、参照


個人的には今回の話は慎重に論議をした方が良い。

日本特有の「悪い人」探しはいい加減にやめておいた方がよい。

ワクチンは予防目的であるので「打たなければ有害事象が出ないし、予防されている事は実感できない」というは他の医療行為とは少し異なる性質を持っている。

医療に携わっているものはある病気の、今回では子宮頸癌だが、人生に与えるインパクトの大きさを間近にすることが多い。

しかし、それは医療従事者だからこそわかるのであって、医療とは関係のない世界に生きている人にはピンと来ない可能性が高い。

「薬害」を批判したい人たちがいる。

果たして、それは本当に適切な批判なのだろうか。

薬がなければ救われない命も多い。

もし、薬害オンブズマンの人は日本産婦人科学会の先生にConflict of Interest:COI(利益相反関係)を明らかにしてからモノを言っていただきたいとおっしゃっていた。

僕にはCOIはないので普通に発言できますが、サーバリックスもガーダシルもいっしょくたに議論はできないことを強調しておきたい。

そして不幸にもワクチンによる有害事象が疑われる状態になったときにどのように救済をしていくのかを検討する事が抜け落ちていないだろうか。

また、定期接種を止めるというように要請するのであれば、薬害オンブズマンの方は子宮頸癌で亡くなった遺族の方々の想いや子宮頸癌のために子宮や卵巣を出産前に切除しなければならなかった人たちの話は聞いた事があるのか明らかにしてから発言をしてもよいのではないのでしょうか。

ワクチンはとても難しい問題ですが、個体免疫・集団免疫を含めて考える事が大切なのですが、日本の社会はそういった成熟した議論ができる土壌はあるのだろうか。

もっともっと情報を発信して行かなければ。