これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し


雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶


【君がいればいい、何もいらない】


番外編1


吉塩牛有紗が無事に復職出来た福祉センターでのクリスマスイベントは、何とも心温まる優しい空間だった。


サンタクロースの衣装をワンピースにした様なコスプレでサンタの帽子をかぶり、イベントに参加した子供達に長靴型のお菓子セットと、文房具セットを配っていた有紗は、訪ねて来た潤と智の報告に大層喜び、髭のないサンタクロースの格好で寄り添っていた前原廣人と思わずハグしてしまう程であった。


このイベントには晴れて釈放になった鶴岡荘司も参加しており、アシスタントの八名朋美と共に、特設ブースでイベント参加者への無料ヘアカットサービスなどを行っている。


無精髭を剃り、髪をさっぱりとカットした鶴岡荘司は、かつてカリスマ美容師と呼ばれていた頃のイケメン振りを取り戻し、智の姿を見掛けると爽やかな笑顔で一礼した。ブースの前には行列が出来ており、このヘアカットサービスの好評さを物語っている。


「鶴岡さん法廷の時と全然違うじゃねぇの♪あの分じゃ来年からの美容室再開は何も問題無さそうだよな♪」満足気に呟く潤に智も頷き、「彼は大丈夫さ♪何せ『ホワイトアリス』の神白夫人がバックに付いているからね」と、微笑んだ。


「有紗ちゃんには竹内耀子さんが、鶴岡荘司には神白夫人かぁ~♪どっちも超強力なバックボーンだぜ♪俺は鶴岡さんが自分を嵌めた男の妹だと、有紗ちゃんに対して恨みに思わなかった事が嬉しいよ♪智の頑張りのおかげだよな?♪」智の背中をポンと叩き、その肩を抱いた潤は、まるで自分の手柄の様な笑顔で智の顔を覗き込んだ。


「君だって色々頑張ってくれたじゃないか。最後の公判では君がクラブで聞き込んでくれた証言と、あの再現音声が決め手になったんだ。あれが無ければ田淵義哉が小諸若希君を殺害した事は立証出来なかったよ。


最終的に黒塚磐男が自らの罪を認めたのはそれがはっきりと分かったからだったろ?田淵義哉がアポ電強盗をした事や、ビニール傘の目撃者を殺そうとしていた事は知っていたけれど、小諸若希君の殺害は知らなかったみたいだからね。


病弱な母親の為にラーメン屋のアルバイトをして頑張っていた未だ年若い小諸若希君を、自分の息子があれ程無惨に殺害した事実は、さすがの黒塚磐男にもショックだったらしい。もっと早くに警察に突き出していれば良かったと、後に警察の事情聴取で話したそうだ」


そうなのだ。第2回の公判で田淵義哉との親子関係を立証され、うっかり語るに落ちてしまった黒塚磐男だったが、『時計じかけのアンブレラ』事件では始めのマスター殺害以外の小諸若希、才原登米子の殺人は、黒塚磐男の預かり知らぬ所で起きた、田淵義哉の単独犯で黒塚は何も関わってはいない。


だからこそ、智は潤の調べて来た小諸若希と田淵義哉に関する事実を、法廷の最後の証拠にしようと温存していたのだ。最終弁論に役立てる為に、である。鶴岡荘司の冤罪事件が何故起こったのか、それはひとえに黒塚磐男がひたすら保身の為に動いていたからだ。


もし田淵義哉のアポ電強盗を黒塚磐男が始めに知った時点で彼を警察に突き出していたなら、懐深壮亮、小諸若希、才原登米子が殺害される事は無かった筈なのである。そこを主張した智の最終弁論は、保身に走る黒塚磐男の心を大いに動かしたのだった。


「ま、あの冷酷なオッサンにも人の血が流れてたっつ~事だよな?全てを失ってみて自分が固執していたもんの儚さにやっと気づいたんだろうぜ」福祉センターを後にした潤と智は空から舞い落ちる雪花を見上げて、互いに「メリークリスマス」と微笑み合った。


**


それから数日後。最後の浮気調査を終え、仕事納めをした潤は、その足で『大野法律事務所』へと向かった。あの事務所では午前中に仕事納めをして今頃大掃除をしている筈である。人手が不足しているらしいので、手伝いに行くつもりだった。


東京駅にほど近い丸ノ内のセンタービルである。地下の駐車場に愛車の4WDを駐車した潤は、そこに見覚えのあるシルバーのリムジンが駐車してあるのを見て思わず顔をひきつらせた。「旬?♭」


旬と言うのは潤の友人の大富豪で、日本屈指の巨大企業、花澤グループの若き創始者である。兄の淳平から引き継いだ『グッドラック探偵社』の1番始めの依頼人で、それ以来の付き合いだ。


確かクリスマスから年末、新年に掛けて、フィアンセと一緒に南国のリゾートホテルに行く予定だと聞いていたので、何故このビルの駐車場に彼の車が停まっているのか潤には至極意外であった。


「何であいつが日本に居るんだよ♭」何だか嫌な予感がする。あの男が智を訪ねるとしたら理由は1つしかない。猫だ。花澤が家を空ける時は必ず智に猫を預けに来るのである。いつもは潤が預かっていたのだが、あの猫は何故か潤にはちっとも懐かず、智にばかり懐くのだった。


すぐに花澤に電話を掛け、エレベーターで『大野法律事務所』のあるフロアに行く。猫を預かる時は花澤の所有する別荘やあの男の大豪邸を借りて、智と共に過ごしたりする事も多い潤だったが、今年の年末は智のマンションでまったりと過ごし、初詣に行こうと約束しているのである。


その猫。頭と尻尾に茶黒の虎柄のある垂れ耳のスコティッシュフォールドのオスで、名前は茶々丸だ。顔は滅茶苦茶可愛いのだが、兎に角智の側から離れないので、潤にしてみたら何気に邪魔な存在だった。第一茶々丸がいると初詣にも行けなくなる。


だいたい花澤は智の隠れファンなのだ。超美人のモデルみたいな婚約者が居ると言うのに、この頃は家を留守にする度に茶々丸をダシにして『大野法律事務所』を訪問しては世話を頼んで行く様になった。


櫻井教授と言い、花澤と言い、猫と言い、どうしてこうも智に寄って来る男が多いのか…♭自分がその1番最初の男だと言うのを事を棚に上げ、1人憤る潤なのである。


『大野法律事務所』の入り口ドアには “本年の営業は終了しました” と言う貼り紙が貼ってあったが、全体をブラインド付きのガラスに囲まれたモダンで広い事務所フロアの中では、主である大野浩二弁護士始め、数人の弁護士達が、事務所スタッフやパラリーガル達と共に、大掃除に勤しんでいた。


潤に向かって事務所の中から手を振っているのは片手にスマホ持った花澤である。良く見ると櫻井教授や菊池まで居て大掃除を手伝っている。「マジかよ♭♭」そう言えば大学は冬休みだ。どうやら智の事務所の大掃除を手伝おうと思ったのは潤だけではないらしい。


「おおっ、松本君も来てくれたか?助かるよ」手に雑巾を持った智の父の大野浩二弁護士が、ドアを開けて潤を中に招き入れる。大野浩二弁護士の、ノーネクタイでワイシャツの袖を捲ったカジュアルな姿は珍しいが、それでも相変わらずダンディーで、眼鏡が似合うその知的な風貌とも相まってまさにイケオジそのものだ。


フロアに入ると、『大野法律事務所』に所属する弁護士達それぞれのオフィスがあり、智のオフィスは1番奥にある。「旬、お前クリスマスから南国リゾートだろ?♭何で居るんだよ♭」歩み寄って来る花澤に潤が尋ねると、花澤は「いや、それがさ。雪でプライベートジェットが飛べなくなったもんだから急遽船旅に変更したんだよ」と、呑気に言った。


花澤の場合船旅は船旅でもどうせ豪華客船か何かであろう。見るからに高級ブランドかオーダーメイドかと言う仕立てのいいチェックのジャケットとパンツのインナーに薄いカシミアのセーターを着た花澤は、それにそぐわぬハンディーモップをベルトに挿している。


だが、長身のイケメンなのでそのハンディーモップすらお洒落に見えるのが小憎らしい。高収入で高顔面で高身長はまさしく無敵である。


「今日の夕方に出航だから、それまで掃除を手伝おうと思ってね。帰国するのは来年の8日頃になるんで俺の家好きに使っていいぞ。2階のゲストルームの窓から初日の出も拝めるし、超高級な四段重おせちのデリバリーも頼んであるからまた茶々丸を宜しくな♪」


どうやら智との初詣は猫連れで行く事になりそうだ。「あの猫俺に懐かねぇんだって ♭」文句を言う潤に櫻井教授が「松本くーん!♪」と嬉しそうに手を振り、櫻井の支える脚立に登って棚の掃除をしていた菊池が、「教授♭動かさないで下さいよ~♭♭」と慌てている。


その時、奥のオフィスから智が笑顔で飛び出して来た。父親の大野浩二弁護士と同じ様にワイシャツの袖を捲ったノーネクタイの姿だが、コンタクトを外した眼鏡顔がちょっと懐かしい。


思えば最初に智と出会った時、彼は司法試験浪人生で眼鏡を掛けていたのだ。あれからもう4、5年は経つと思うが、こうして見ると智はあの頃からちっとも変わっていない。たまには眼鏡もいいじゃね~の…♡思わずニヤける潤に、花澤が「おい顔顔♪」と笑った。


**


花澤は夕方の出航に合わせ、豪華客船でフィアンセと共に海外旅行へ行き、大掃除が終わった『大野法律事務所』では、少し早い年越しそばのデリバリーで今年1年を振り返った。何と言っても今年一番の抱負は智の担当した鶴岡荘司の冤罪事件だったと、満場一致である。


息子の成長に大野浩二弁護士も少し誇らしげだ。とは言え、今回の白星は智だけの力ではなく、渋谷西署のにのあいコンビだったり、潤だったり、櫻井教授や学生の菊池青年だったり、他にも大勢の善良な人達の協力があっての勝利である。


そんな智の言葉に大野浩二弁護士は「それが分かっていればいい」と、潤や櫻井教授、菊池青年と、順繰りに視線を巡らせ、「智を助けてくれてありがとう」と頭を下げた。こうして『大野法律事務所』も穏やかな仕事納めを終えたのである。


それぞれが帰宅する中、潤と智が向かったのは花澤の豪邸だ。東京よりも神奈川に近い、山あいの郊外には、まるでタージ・マハルみたいな花澤の自宅が、広い敷地の中で荘厳な威厳を放ち、大迫力にドドンと建っている。


手入れの行き届いた余りにも広すぎる庭園は、玄関まで車で向かわなくてはならない程で、ニューイヤーのお祝いか、美しいイルミネーションの装飾が成されていた。その絢爛な光景に、瞳を輝かせる智とは逆に潤は「ったくよ~♭相変わらず金の使い方が馬鹿なんだよな~♭」と、呆れている。


2人が玄関に到着すると、センサーで探知された観音開きの自動ドアが開き、背中に茶色で “茶々丸” と編み込まれた、白い手編みのセーター姿の茶々丸がチョコンと座ってニャアーと鳴いた。茶々丸は智を見るとまっしぐらに近づいて来て、その足元にまとわりつくと、“抱っこして” と言わんばかりに甘えた声で頭を擦り付ける。


「茶々丸~♪元気そうだね♪」智に抱き上げられた茶々丸は嬉しそうに喉をゴロゴロ鳴らし、チラッと潤を一瞥するとニャッと短く鳴いて、智の胸を前脚でふみふみした。「こいつマジで可愛くねぇ~♭♭」


明らかに自分をライバル視している様子の茶々丸に、潤が顔をひきつらせる。相手が猫なだけにある意味最強の恋敵だ。これから数日間はこの可愛くも憎らしいライバルと智を取り合う事になりそうである。


「負けねぇからな~♭茶々丸~♭♭」猫相手に闘志を燃やす潤に、傍らの智が困った様に微笑んだ。


雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶


潤君のお友達の大富豪は旬君でしたウインク花沢類君の “沢” をわざと難しい漢字にして誤魔化しておりますが、要するに小栗旬君的なキャラクターでございますてへぺろ


飼い主が飼い主なら猫も猫と言う事で、ライバルが次から次と湧いて出て潤君も大変ですね~💜因みに私の中での智パパは石坂浩二さんのイメージなんですよね~ニコニコ『魔王』では敵役でしたけど、石坂さんも絵を描かれる方なので、智パパの役が似合いそうな感じを勝手に持っております照れ


次は限定です18禁大晦日までにはしっかりあげて行きますので、もう少しだけお付き合い下さいませお願い