これは嵐君の名前を借りた妄想物語です。腐要素有。嵐君好き、BoysLoveにご理解のある雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ
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【戦慄】
#4
ハッとして振り返る吉塩牛と智の間に黒い影が割り込んで来る。黒い影は智の眼前に立ち塞がり、「智に手ぇ出すんじゃねぇ！クソデカ野郎が！！」と、今にも食いつかんばかりの勢いで吉塩牛を睨みつけた。見るからに不良じみた濃い顔立ちの美青年である。
吉塩牛は一瞬たじろいでからすぐさま虚勢を張って、「刑事脅すとはいい度胸だな小僧！何者だ？！」と、喚いた。周りの刑事達も色めき立ち、犯罪捜査の邪魔をするなと青年を威嚇する。
「俺か？あんたら腐れ警察共よりゃよっぽど優秀な探偵だ。この先生の事務所に連絡入れたら、情報開示請求の手続きをして渋谷のネットカフェに行ったってんでな。慌てて追いかけて来たっつ～訳よ。そしたら寄りにもよって警察が民間人に暴力か？犯罪捜査が聞いて呆れるぜ」
そこに居たのは紛れもなく私立探偵の潤だった。調査の途中経過を二宮にメールで報告した後、『大野法律事務所』に電話したのだ。智の声が聞きたかったからである。
すると何か重要な証拠を探す為にパラリーガルを連れて渋谷の『Only Time』なるネットカフェに行ったと言うではないか。即座に智の危険を察知した潤は、念の為二宮と連絡を取り、超特急でここに駆けつけて来たのだった。
「探偵だと？！♭」吉塩牛は背後の同僚達を気にする素振りを見せて少し後退する。そこにエレベーターからゆっくりと歩み出て来たのがにのあいコンビだった。「何やってんのよヨシギュウ。ここは渋谷西署の管轄だよ？合同捜査はとっくに解散になったってのにウチのシマ荒らさないでくれる？」
吉塩牛の同僚の刑事達がざわつき、「ヨシさん、合同捜査解散ですか？♭」と吉塩牛に確認する。どうやら吉塩牛は渋谷西署との合同捜査本部が解散になった事を同僚達に伝えないまま、このネットカフェに突撃したらしい。
「う、うるさい！♭こっちは殺人事件の捜査中だぞ！♭たかが生安課ごときが捜査一課の邪魔するな！！♭」尚も虚勢を張る吉塩牛に、相葉が「出た！部署差別！」と、人差し指を突き出した。二宮が両手をパンパンと打ち鳴らし、まるで犬でも追い払うみたいに片手を仰ぐ。
「ほら、後はこっちで引き受けるから西麻布署はとっとと帰んなさいよ。それともしつこく粘って黒塚センセーに迷惑掛けんの？ヨシギュウ」「何？！♭二宮お前…！♭♭」たちまち吉塩牛の顔色が変わった。
「あのさぁ～ヨシギュウ。ここに居る濃い顔の男前探偵は猪突猛進で滅茶苦茶気が荒いのよ。あんま駄々こねてっと何処に突っ込んでくか分かんないよ？例えば西麻布の某選挙事務所とか？新橋のスナックとか？何か昔入れ込んでたお姉ちゃんがいたらしいじゃん」
目に見えて狼狽する吉塩牛に、更に二宮の猛毒が吐き出される。「しっかしヨシギュウもいい度胸してるよね～。あれ黒塚センセーの女だったみたいだけど知ってた？まさに猛牛ヨシギュウってか？確かミヨ…」「やめろ二宮！♭分かった帰る！♭帰ってやるから黙れ！♭」
這う這うの体で逃げ出す吉塩牛と、怪訝そうに立ち去る同僚達に向かってにのあいコンビが「お疲れ～～～～～～！」と、大きく手を振りながら陽気に叫ぶ。二宮の発する言葉のカウンターパンチは吉塩牛にかなりのダメージを与えたのか、その背中は完膚なきまでに打ちのめされていた。
「さっすがぁ～♪ニノちゃんの猛毒に掛かるとヨシギュウも1発KOだねっ！♪キングコブラ並！♪」相葉が両手の親指を立てて二宮を囃し立てる。パラリーガルの小瀧がヘタリ込み、「ホンマ怖かったわぁ～♭♭」と、冷や汗を拭いた。
「あんな悪徳刑事相手に正面対決せんといて下さいよ若先生～♭♭」小瀧のそんな言葉に、にのあいコンビが即座に反応する。「悪徳刑事？大野先生何か発見したの？」「ああ見つけたよ。あれは小諸若希君からのダイイング・メッセージだ。あの吉塩牛刑事には絶対に見られちゃいけない衝撃内容さ。彼に渡せば握り潰される事請け合いのね…」
それを聞いた潤が堪らず智をしっかりと抱き締める。驚愕する小瀧の目をすかさず相葉が両手で塞いだ。「ったく…。あんま心配させんじゃねぇ…。あいつがもし智を殴ってたら、俺吉塩牛のことボコっちまうじゃねぇか…」「ごめん..潤…」
2人の様子を見兼ねた二宮が、バッサリとその甘々ムードを断ち切った。「ハイハイお二人さん。仲がいいのは結構だけど、それ情報交換の後にしてくれる？」
＊＊
情報交換はにのあいコンビの調査結果から始まった。会合場所は恒例になった中丸の店『クッキング野郎』である。店は未だ休業中で、誰にも邪魔される心配がないからだ。それににのあいコンビには、中丸の身の安全を確保すると言う目的もあった。
合同捜査が打ち切りになり、事件を追えなくなったにのあいコンビが目をつけたのが吉塩牛の身辺調査だったのだ。吉塩牛にはどうでも中丸を犯人にしたい理由がありそうだと二宮が疑惑を持ったからである。
例え何者かの圧力により捜査が打ち切られたとしても、別の捜査なら文句はないだろうと、にのあいコンビはターゲットを吉塩牛刑事に定め、吉塩牛の過去に遡ってその身辺をつぶさに調べ上げた。
そして吉塩牛が未だ新人だった頃に良く通いつめていた新橋のスナックを突き止めたのである。そこで働いていたのが田淵実余子（たぶちみよこ） と言うホステスだった。
田淵実余子は線の細い、淑やかそうな雰囲気の美人で、男の保護欲を掻き立てる様なタイプだったらしい。彼女を目当てに店を訪れる常連客も多く、吉塩牛もその中の1人であった。だがおとなしそうな見た目と違い、実余子は中々にしたたかな女で、彼女の部屋には常に色んな男が出入りしていた様だ。
彼女には小学生位の息子が居たそうだが、殆ど育児放棄の様な状態だったらしい。実余子には遊びで付き合う男とは別にパトロンが居たらしく、彼女が住むマンションの部屋もそのパトロンが買い与えた物だった。
そのパトロンと言うのが当時西麻布署の署長だった黒塚磐男である。黒塚には妻子があった為に実余子とは不倫の関係だったが、互いに干渉をしない割り切った付き合いで、かなり長く続いていたそうだ。
所が実余子の部屋に出入りしていた男の1人が実余子のマンション付近にある河川敷で刺殺体となって発見されてから、黒塚との関係は途切れ、田淵実余子は容疑者として手配される身となった。実余子は当時10歳の息子を置き去りにして逃亡。その行方は杳として知れなくなったのである。
この殺人事件を担当したのが西麻布署の吉塩牛刑事だ。姿を消した田淵実余子を追う傍ら、吉塩牛は実余子ではない別の犯人の可能性もあるとして事件を捜査し、遂に真犯人を突き止めたのである。その犯人と言うのが前原勝廣（まえばらかつひろ）。殺された男と実余子を巡って争っていた会社員だ。
前原は実余子にかなりの金を貢いでおり、その事で男と争っていた事実は認めたが、殺人は否定。だがアリバイもなく、また殺人事件が起きた当日に実余子のマンション付近をウロついていたと言う目撃証言もあって、逮捕、起訴された。
所が裁判を前に前原が刑務所の中で自殺してしまい、この件は有耶無耶のまま犯人死亡として西麻布署によって強引に幕引きされたのである。私立探偵の潤から二宮のスマホにメールが送信されたのは、にのあいコンビがここまで調べ終えた直後の事だった。
『南山楼』と言うデイサービスで、潤が高濱なる老人から聞いたアポ電強盗の詳細。殺害された加賀屋のぶ江さんがかつて経営していた小料理屋の常連客だった黒塚磐男の存在。そしてその黒塚の選挙事務所のスタッフとして加賀屋さんにアプローチして来た “ヨシ” と、その電話の通報を握り潰した吉塩牛刑事。
にのあいコンビの調べと合わせても、吉塩牛刑事が黒塚磐男や “ヨシ” と深く関わっている事はほぼ間違いなかった。とどめが小諸若希の残した “ヨシ” の画像や映像である。
この映像の中で “ヨシ” は吉塩牛刑事と合流しており、加賀屋のぶ江さん、そして『タイムカプセル』マスターの懐深壮亮さんを殺害した事を認めているのだ。しかも “ヨシ” は田淵実余子にネグレクトされていた息子だった事も判明した。
映像で “ヨシ” が語るあの人とは、恐らく黒塚磐男であろう。これで連続殺人鬼 “ヨシ” は黒塚磐男の隠し子である疑いが濃厚になったのである。これまで曖昧な姿だった “ヨシ” の輪郭が捜査線上に明瞭に現れた瞬間だった。
「こりゃすげぇ…♭まさに小諸若希君のダイイングメッセージだ……♭♭」相葉が渋谷西署から持って来た備品のノートパソコンで、改めてCD-ROMのファイルを確認した一同は、そのあまりの衝撃に揃って感嘆の声を漏らした。
「これで筋が通ったぜ…。『南山楼』を出た後、俺もチョロっと黒塚磐男の周辺を探ってみたが、あのおっさん、てめぇの選挙事務所で若い男と一緒に居たのを近所の住人に目撃されてたぜ。人相風体は中丸さんの似顔絵と良く似てたらしい。黒塚磐男はその男を義哉（よしや）と呼んでたそうだ」
智のピンチに駆けつける前、黒塚磐男の選挙事務所周辺で聞き込みを行っていた潤が言った。相葉が焼きそばをすすりながらギョッとして二宮に視線を向ける。「そんな顔しなくても分かってるから、相葉君は驚くか食べるかどっちかにしてくんない？」
二宮にツッコミを入れられ、ニッと微笑った相葉は急いで焼きそばを飲み下し、ノートパソコンの画面を指さした。「俺らが調べた田淵実余子の息子の名前も義哉だったねっ！♪もう決まりじゃん！♪」「相葉君。俺達が今問題にしなきゃなんないのはむしろその先」
二宮はノートパソコンを操作するパラリーガルの小瀧に映像を巻き戻しさせると、“ヨシ” が冤罪逮捕と、実余子の死に関する証言をしていた部分を再び確認した。
「“ヨシ” …。多分田淵義哉（たぶちよしや）だろうけど、この田淵義哉がヨシギュウに言ってる話が本当なら、息子に金の無心をする為に10年振りに姿を見せた田淵実余子は、その後ヨシギュウと会って殺されたって事になんない？
確かに田淵実余子は西麻布駅の地下道で3年前に絞殺されている。殺したのは実余子がホステス時代に、彼女に入れあげていた若い美容師だ。この男の美容室に月一で実余子が通っていたのが知り合ったきっかけらしい。
美容師は実余子に夢中で、彼女が姿を消してからもずっと行方を探し回ってたらしいから動機は充分だ。その上実余子を絞殺した凶器ってのがこの美容師が身につけていたスカーフだったみたいでね、物証も揃ってた。
美容師は逮捕され、懲役15年を求刑された。でも美容師は今でも実余子殺害を認めていないんで控訴してるね。しかも美容師を逮捕したのはまたまたヨシギュウだよ。刑務所で自殺した前原さんの事を考えても明らかに胡散臭いよね～」
口調は軽いが、二宮の顔はいつになく真剣だった。同じ警察組織の人間として、吉塩牛や黒塚磐男のやった事が許せないのだ。だが、これだけの状況証拠や物証が揃ったのである。さすがにこのまま捜査を打ち切りにする訳には行かなくなるであろう。
「ヨシギュウも始めは本気で田淵実余子が犯人じゃないって信じていたのかもねぇ～。前原勝廣を逮捕した時まではこれで田淵実余子の無実が証明されたって本当に思ってたんじゃないかなぁ～。
でも前原が刑務所で自殺して、もしかして冤罪だったんじゃないかって怖くなったのかも知れないよっ。俺、ニノちゃんみたく頭良くないけど、何となく署長の黒塚磐男は実余子が犯人だって知ってたんじゃないかって思うんだよね。
なのにそれを隠して自分の愛人逃がす為にヨシギュウの誤認逮捕をあえて見過ごしたんじゃないの？そうやってヨシギュウに恩を売っといてずっと便利に使ってんだよきっと」
珍しく力説する相葉に二宮が「相葉君にしては冴えてるじゃん。ゆっちーの特製焼きそばが脳みそ活性化させたの？」と、ひねた褒め方をする。智も相葉に同調して頷いた。
「そうだね。吉塩牛刑事は10歳の田淵義哉に実余子の無実を証明すると宣言してるから、その時は実余子の嘘を本気で信じていたんだろう。でも預金を下ろして口止め料を払っている事を考えると、10年後に田淵実余子が姿を見せた時にはもう自殺した前原さんは誤認逮捕だったと分かっていたんだ」
潤が「黒塚磐男が話したんだな…」と、訳知り顔で続ける。「おおかた “お前の不祥事の尻拭いをしてやったんだから俺の命令を利け” って吉塩牛を脅したんじゃねぇの？あいつ、見るからに権力弱者だもんな。
だとすりゃ次の田淵実余子殺しの容疑者は完全に吉塩牛のでっち上げ臭ぇよな？絞殺すんのに美容師のスカーフを使う辺り、今回の中丸さんのパターンと似てんじゃねぇか。」潤に名前を呼ばれた中丸が「それじゃあ懐深マスターの現場にあった俺の証拠ってあの刑事さんが細工したって事ですか？♭酷ぇ♭」と、震え上がる。
「結局さ、前原を誤認逮捕してからヨシギュウはずっと黒塚磐男の下僕なんだって。黒塚センセーが右を向いたら右に向くし、白いものでも黒塚センセーが黒だって言ったら黒って言うんだよ。
昔は黒塚センセーの女に、今は黒塚センセーの隠し子に、ヨシギュウがいいように扱われてんのもあいつが弱いからなんだろうね。ひとつの嘘を隠す為に更に大きな嘘をついて、そうやってヨシギュウはもう引き返せないトコまで行っちゃってんのよ」
そう言ってノートパソコンからCD-ROMを取り出した二宮が、「案外ヨシギュウ自身もそろそろ止まりたいって思ってるかもよ？」と、相葉の背中を叩いた。「大野先生。このCD-ROM預かってもいい？」
銀色の盤を掲げて聞く二宮に、智が穏やかに微笑んだ。「勿論。亡くなった小諸若希君もそれを望んでいた。君達で吉塩牛刑事の暴走を止めて欲しい。僕は弁護士としての立場から、もう少しこの事件に関わってみようかと思う」
智はパラリーガルの小瀧に向かって「小瀧君。田淵実余子殺しで逮捕された美容師の担当弁護士を調べてくれないか？」と要求した。「えぇ～？♭まさかやりますのん？♭警察絡みは厄介ですよ若先生♭」
先程怖い思いをしたからか、何となく気が進まなそうな小瀧とは逆に、潤は至って乗り気である。「智がその気なら俺も私立探偵が出来る範囲で情報を収集してやるよ！♪リアル『Lawyer＆Detective』と行こうぜ！♪」
智が好きだと言うアメリカのドラマ（架空です💦）のタイトルを言って拳を握る潤に、二宮が「その調査料は大野先生に回しなさいよ」と、セコい注文をした。だが巨悪の壁は、実に思いがけない形となって、彼らの前に立ちはだかるのであった。
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どうにか潤君ハピバに間に合いましたね～
次回はだいぶ間が空いて、大ちゃんのお誕生日企画となりますので、今回のお話で事件の真相の殆どは解放しておきました～
なので今回は大ボリュームでお送り致します(๑•🐽•๑)
次回はだいぶ間が空いて、大ちゃんのお誕生日企画となりますので、今回のお話で事件の真相の殆どは解放しておきました～なので今回は大ボリュームでお送り致します(๑•🐽•๑)次回からは巨悪を追い詰める反撃編的な形になって行きます
何となく法廷闘争になりそうな予感なので、ちょっと裁判の事勉強しておきたいと思っております🧐それでは次回『時計じかけのアンブレラ』【冤罪】でお会い致しましょう
何となく法廷闘争になりそうな予感なので、ちょっと裁判の事勉強しておきたいと思っております🧐それでは次回『時計じかけのアンブレラ』【冤罪】でお会い致しましょう
改めまして松本潤君、お誕生日おめでとうございます～💜ℋᵅᵖᵖᵞℬⁱʳᵗᑋᵈᵃᵞ💜🍰🎁
『どうする家康』の撮影は順調でしょうか？大河ドラマの撮影は縛りが厳しいと聞きますが、ストイックな拘りの潤君だからきっと真剣に役に取り組んでいる事でしょうね♪来年の放送が今から楽しみです🎶
聞くところによると大ちゃんを飲みに誘ってくれたり、今でも気にかけてくれているみたいですね
一見真逆な2人に見えるけど、気持ちの部分では潤君って何気に大ちゃんと寄り添う部分も多いんじゃないかと私は個人的に思っておりますので、やっぱり私の中のイチオシカップルは潤智です💜ﾉﾉ｀∀´ﾙ人(´･∀･｀)💙
潤君に取って充実したいい39歳の年になります様に｡｡｡