これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し


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第一章『エレガント・テティス』

7

遡る事数時間前。自分の愛車を諦めて相葉のワンボックスカーに乗り込んだ二宮は、愛犬のノスケを連れ出す為に自宅マンションに戻り、滅茶苦茶に荒らされた部屋の光景を見て愕然とした。恐らく二宮の愛車に爆弾を仕掛けたのと同じ連中であろう。二宮の愛用するノートパソコンを探していたのか、自宅にあるデスクトップがバラバラに破壊されていた。


だが、二宮の命より大切なノートパソコンは常に二宮と行動を共にしている。デスクトップに保存しているのは調査とは何の関係も無い音楽や動画のファイルばかりなので、さした痛手にはならなかった。


「ありゃま〜♭派手にやってんね♭余程ニノちゃんの動きが怖いんだねぇ〜♭」呆れる相葉をよそに、二宮は留守番をしていた筈の愛犬を探す。「ノスケ!♭ノスケ〜?!♭」


いつもなら喜んで迎えに来る愛犬の気配をまるで感じない。人の命を何とも思わない連中だ。もし侵入者に対し、ノスケが吠えかかろうものなら何の躊躇も無く殺してしまうだろう。アレクサも心配して「ノスケちゃん!?♭何処なの?!♭」と一緒になって探してくれた。


だが、荒らされた部屋の何処にもノスケはおらず、血痕らしき物も見当たらない。するとマンションの廊下の向こうからテッテッテッテと言う軽快な足音が聞こえて来た。「あ”っ何か来たっ!♪」


誰よりも早く廊下に飛び出したのは相葉だ。次の瞬間にはモゾモゾする柴犬を両手に抱えて部屋に戻り、「ノスケってこいつ?」と二宮に聞いた。


黄色い首輪をつけた賢そうな柴犬である。口に何か咥えている様に見えた。ノスケはワン!と鳴いて相葉の腕から飛び降り、真っ直ぐに二宮の元へと駆けて来た。


「ノスケ!♪無事だったか?!♪」ちぎれんばかりに尻尾を振るノスケをワシャワシャと撫でてやりながら、二宮が目を潤ませる。それを見たアレクサが「可愛いコねぇ〜♪無事で良かったわぁ〜♪」と貰い泣きして目をウルウルさせた。


しゃがんで名前を呼ぶアレクサに気づき、ノスケがソッコーでアレクサに飛びついて行く。普段はツンデレ気味のノスケだが、何故かSatoshiとアレクサにはすぐに懐き、同じ様な反応を見せた。ただSatoshiと違い、アレクサに対してはやたらと胸に顔を押し付け、尻尾を振りながらクンクンと匂いを嗅ぎまくっている。


「お前やめろよ〜♭俺がオッパイ好きだと思われるだろ?♭」愛犬に文句を言う二宮に、相葉は「本物かどうか確かめてんじゃないの?♪」と嬉しそうに暴言を吐いた。「やだぁ〜♭分かっちゃうの?♭」


喜ぶノスケを見つめ、アレクサが問いかける。ノスケはワン!と鳴いてアレクサの顔をペロペロと舐めた。「んもぉ〜♪可愛いから許しちゃう♪」どうやら相葉の空気が読めない暴言は日常茶飯事らしい。アレクサはそれを気にする様子もなく懐くノスケを優しく撫でた。


「それにつけてもさすがはジャーナリストの愛犬だねっ!♪さっきノスケが吠えた時にこれ落としたんだけど、どうやらこいつ部屋荒らした奴を尾けてったみたいだぞ♪」そう言って相葉が示したのは、茶色い革製のベルトが着いたキーホルダーである。


恐らく犯人の1人が尻ポケットにでも入れていたのを咥えて逃げたのだろう。キーホルダーには3本の鍵が着いていて、その全てに番号が振られていた。しかも革製のベルトには『Tokyoサンマリノ』と言う最近新設された大型商業施設の名前が書かれてある。


「すごいわねぇ〜♪ノスケちゃん♪お手柄よぉ〜♪」アレクサに頭を撫でられ、尻尾を振るノスケは少し得意気に見えた。その顔を相葉が写真に写し、智のタブレットにメールを送信する。目的地は『Tokyoサンマリノ』だ。


「取り敢えずここに行ってみようよ♪場所は分からないけどカーナビなら分かるだろうしね♪おおちゃんとMJも呼んどいたよ♪」部屋の後片付けをする二宮を急かし、相葉はさっさと二宮の部屋を出て行く。


「ちょっと待ってくれよ♭警察に連絡は?♭」「アヒャヒャヒャ♪そんなのされるとこっちが困るんだよねっ♪この制服盗んだやつだしさっ♪ほら行くよニノちゃん!♪」


二宮のジャケットの襟首を掴み、ほぼ引きずるように部屋から連れ出す相葉に、アレクサが「先輩、乱暴はダメ♭」と注意しながらノスケを抱いて一緒に部屋から連れ出した。


だが、マンションの駐車場に降りた時、明らかにノスケを追って戻って来たと思われる、人相の悪い3人の外国人と鉢合わせると、相葉の呑気な状況は一変する。「アレクサ!ニノちゃんとノスケを!」「任せて!」


アレクサが二宮を背後に庇って駐車場の奥へと移動するのと同時に、相葉が瞬時に飛び出して、面食らう3人の外国人に向かって突撃する。

 

英語とスペイン語が入り交じる怒号の中、ドカドカ!バキバキ!と物騒な音を響かせ、最後には「弱過ぎて面白くな〜い!♪」と叫ぶ相葉の声と共に、3人の外国人がおかしな方向に曲がった脚や腕に、もんどり打ちながら地面に沈んでいた。


「すげぇ…♭♭」アレクサの影から二宮が唖然としてその驚愕の現場を眺めている。港で襲われた時、自分の何倍もあるいかつい外国人労働者を一瞬で倒したSatoshiと言い、この相葉と言い、櫻井の養成所で訓練を受けた工作員達の戦闘能力の高さは半端じゃない♭♭


「マジで意味分からねぇ…♭スーパーサイヤ人かよ♭♭」ノスケを抱いてビビる二宮に、アレクサが「ね?私達が来て良かったでしょう?♪」とウインクする。「パスポートと運転免許証ゲット!♪これでまたひとつ証拠が増えたぞ!♪」3人のポケットを探った相葉が戦利品を手に明るく笑った。


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今年の春、『Tokyoサンマリノ』なる大掛かりな商業施設がお台場方面で完成した。今流行りのグランピングと言う手ぶらで出来る豪華なキャンプをコンセプトに、植林された人口的な森の中、宿泊出来るロッジや動物公園、ホームセンター等、沢山の施設が併設されている。


相葉のメールでこの場所に呼ばれた潤と智は、先に到着していた相葉やアレクサと合流し、一緒に居た二宮に今回の捜査についての簡単な経緯を説明した。「前回と同じ様な感じで悪いんだけど、全部終わるまではオフレコで頼むよニノ。ノスケもそうしてくれって言っているみたいだし」


智を見た途端全速力で駆けて来たノスケを撫でてやりながら言う智に、ノスケもワン!と鳴いて二宮を見つめる。ノスケは智が大好きなのだ。久しぶりに会ったせいかちっとも側を離れようとしない。


アレクサが少し残念そうに「あら?あたしのオッパイもサトシには勝てないみたい」と言った。「ダメだよノスケ♪おおちゃんのオッパイは本物だけどMJのもんだから♪」余計な事を言う相葉に潤が「お前うるせぇ♭」と、眉を吊り上げる。


二宮が「相葉さんやめなさいよ♭アレクサが可哀想じゃん♭」とアレクサを気遣った。「優しい子ねぇ〜♪ニノの事好きになっちゃうわ♪」喜ぶアレクサに二宮は少し照れた様に話題を変える。


「どうやら俺の部屋を荒らした犯人を追いかけてノスケがキーホルダーを持ち帰って来たらしいんだよね。そのキーホルダーに『Tokyoサンマリノ』って書いてあった訳。キーホルダーには鍵が3本。全てに番号が書いてある」


二宮はジャケットのポケットからノスケが持ち帰ったキーホルダーを取り出すと、それを智に渡し「オフレコは了解した。その代わりいい情報を頼むよ大野さん」とニンマリした。


「相変わらずちゃっかりしてやがんなぁ〜♭っつ〜かさ♭そのキーホルダーを犯人が持ってたって事はその犯人の誰かがこの施設と関係してるって事だよな?」潤の疑問に相葉が犯人から取り上げたパスポートを開き、「それ多分こいつ♪ベン・コラッソ♪就業ビザ持ってた♪」と、カード状のライセンスを示した。


「それってあれじゃない?ほら、あたし達が大使館に潜入した時にあったわよ。『南米外国人支援センター』多分マルティネス・ケンドリッジが就業の相談に来た外国人を雇ってんのよ」アレクサが大使館の中で見つけた場所の事をみんなに説明する。一同が成る程と頷いた。


「潤、見てみろ。このキーホルダーの鍵の1つに5069と刻印されている。この鍵…もしかして例のコンテナの鍵じゃないのか?」3本の鍵の内の1つを摘んで潤に確認する智に、潤は「マジか?♭」すぐに鍵を確かめた。湾岸倉庫でのアルバイトの際、コンテナの鍵を見ているからだ。


「間違いねぇ。こりゃ湾岸倉庫のコンテナの鍵だ。このキーヘッドの形にははっきりと覚えがあるぜ」潤は施設の入口に視線を向け、「取り敢えず中に入ってロッジの宿泊手続きでも取らねぇか?盗聴データーも調べてみようぜ」と提案した。


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『Tokyoサンマリノ』の宿泊用ロッジはテントの張られたバルコニーから森の風景が眺められる大層贅沢な施設だった。今日は1日天気が良かったので、バルコニーに出ると綺麗な星空が良く見える。


「気持ちいい夜ねぇ〜♪東京でもこんな綺麗な星空が見られるのね♪」バルコニーの床にお腹を付けて寝るノスケの側に座り込み、その頭を撫でてやりながら空を見上げるアレクサに、一同はほのかな安らぎを感じつつ、部屋で大使館の盗聴データーを確認していた。


二宮は自分が乗って来た相葉のワンボックスカーに受信機が搭載されていたのに驚いていたが、相葉の違法行為にはすっかり慣れっこになってしまったのか、大抵の事は黙認すると決めたらしい。何せ相手は外交官だ。正攻法ではどうにもならないと悟ったのだろう。


『毒を以て毒を制す』彼等工作員達と行動を共にしているとそんな言葉を嫌という程思い知らされる二宮だった。《それで?キーホルダーは取り戻したのか?》


マルティネス・ケンドリッジの声だけを拾って編集された音声が、相葉の持つレコーダーから聞こえて来る。どうやら今日の事を誰かから報告されているらしい。英語で話しているので内容は智が翻訳して二宮に伝えてくれた。


《何?!警察がジャーナリストのマンションに?!確かなのか?!♭》マルティネスは明らかに焦燥している様子でᶠᶸᶜᵏᵧₒᵤᶠᶸᶜᵏᵧₒᵤᶠᶸᶜᵏᵧₒᵤと早口で連発していた。「アヒャヒャヒャ♪俺やアレクサの服装を見て警察だって報告するなんて、こいつ日本に住んだ事ない奴だねっ♪」


報告者を小馬鹿にして笑う相葉に、潤が「まぁなぁ〜♭高橋刑事の一件もあるし、警備保障の制服は警官と似ているから外国人労働者にゃ同じに見えんだろうぜ♭まさか制服盗んで暗躍する様なコスプレ好きの工作員が絡んでるなんて夢にも思っちゃいねぇんだって♭」と、今ではすっかり普段着に戻った相葉を横目で見る。


まぁ普段着とは言え、警備員の制服の下に着てもかさばらない為の服装なので、黒いTシャツと超短い半パンと言う、まるで下着みたいなスタイルではあるが…。


因みにアレクサは丈の短い赤のへそ出しTシャツと、下半身にピッタリとした黒のスキニーパンツなので、制服を脱いでも何だかオシャレに見える。


《で?その警察にやられた連中は回収したのか?それならいい。だが、例のキーホルダーがもし警察の手に渡ったら厄介な事になる…。鍵そのものは何処の物なのか分かりゃしないだろうが、少なくとも『Tokyoサンマリノ』は目をつけられるかも知れん…。


施設を爆破するだと?それはやめとけ、事が大きくなり過ぎるし、あの施設はあの方が多少なりとも資金提供をされている新しいレジャー施設だ。もし騒動にでもなればあの方がいい顔はされないだろう。取り敢えず例の3人は国に強制送還させろ。後はあの方が処分してくれる筈だ。


何?♭パスポートとライセンスを奪われた?!♭分かった、パスポートはこちらで再発行してやる。兎に角、お前達は例のジャーナリストを何が何でも始末するんだ。


キーホルダーについては警察の動きがあるまで暫く様子を見てみよう。犬が咥えて逃げた物なら何処かに捨てているかも知れんしな。あまり派手に動いてもし、ロペスの間抜けが勝手に片付けた刑事の事が蒸し返される様な羽目になると面倒だ。


なぁに心配はいらない。日本の警察は余程の事がないとジャーナリストの身辺なんざいちいち警護しやしないさ。今度は絶対にしくじるなよ。次に失敗したらさすがにあの方も許してはくれないだろうからな》


話の流れから推察するに、どうやらマルティネス・ケンドリッジには未だこちらの動きが読めていない様子である。だが、二宮のマンションや職場は暫く近付けないだろう。二宮は編集長の東山に連絡を入れ、編集部に立ち寄れなくなる旨を説明した。


東山はすぐに納得して身の回りが安全になるまでは編集部に来なくてもいいと許可してくれ、大ちゃんや松本君に宜しくと伝えて欲しいと言った。


智は「東山さんなら分かってくれると思っていたよ」と微笑み、二宮に向かって強く頷いた。「相葉ちゃん。ニノの身を安全に保護出来る場所を確保してくれる?勿論ノスケも一緒にね」


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ノスケ君🐕の大活躍で外交官の悪事の証拠が少しづつ揃って参りましたウインク👌キーホルダーの鍵のひとつは怪しいコンテナの物でしたが、他の鍵は果たして何処の物なんでしょう?🤔?


潤智の調べで判明したチョコレートの行先も気になる所でございますねぇ〜ニヤリ次回、いよいよラスボス登場かも…グラサン