これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し


サングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラス

5

『ラピット』の未発表広告の流出発覚のきっかけはIT戦略部の社員が観た動画配信サービスだった。飼ってみたい小動物のアンケート集計に伴った、モデルになる小動物の動画をチェックした時に、子うさぎそっくりの『ラピット』の未発表広告の映像がヒットしたのである。

IT戦略部は急遽配信元に警告をして、動画配信は強制的にストップさせたのだが、アカウントを辿ると、それが大野の社用パソコンからアクセスされていたのが分かり、IT戦略部部長の櫻井が直々にマーケティング部に乗り込んで来たと言う訳だ。

「それにしても誰がこんな事を…♭なりすましにしても、外部から遠隔操作で侵入された形跡が無かったんだ…♭詰まり誰かがこの大野課長のパソコンから直接IT戦略部の広告動画情報にアクセスしたと言う事になる…♭」

社内のインターネット関連情報を管理するIT戦略部の事だ。外部からの遠隔操作の可能性は一番初めに考えただろう。当然その為のアカウント検索も行った筈なので、櫻井が大野を疑ったのは無理もない話である。だからこそマーケティング部には関係の無い事だとも言えた。

シルバーの上フレームがついたシンプルな眼鏡を掛け直した二宮は、「この眼鏡超軽量だからすぐ掛けてんの忘れんだよね〜」などと軽口を叩きながら、考え込む櫻井部長にわざとらしく溜め息をつくと、少し辛辣に言い放った。

「だからさ、櫻井さんの気持ちは分かんだよ。外部からアクセスされた形跡がないんなら、当然そっちの情報を盗んだのは社の誰かって事になる訳だしね。だけどそれが大野さんのパソコンからだとしたら尚更このマーケティング部の連中な訳ねぇんだって。

だって見たでしょ?さっきの大野さんのポンコツ振り。ここの社員はみんなそれ知ってっから、よりにもよって大野さんにハッキングの罪を擦り付けるような真似しねぇんだわ。だって大野さんじゃねぇってすぐバレるじゃん」

口調は明るく巫山戯ているが、二宮は少し腹を立てている様に見える。マーケティング部が疑われた事もあるだろうが、何より大野が疑われた事が気に食わないのだろう。他の社員達も心配そうに大野を見守っていて、ここでの大野の愛され振りがよく分かった。

「どうやらアウェイみたいですよ櫻井部長。犯人が誰かは分からないですが、会社のパソコンは社員がみんな自分で設定したパスワードを使ってデータを管理していますしね。きっと大野課長のパソコンが1番使い易かったんだと思いますよ。多分ですけど、大野課長って自分の誕生日をパスワードにしていません?」

松本の意見に大野は「何で分かんの?♭」と驚いた。「大野さん♭誕生日は社員名簿に出てるからパスワードに使っちゃ駄目って言いませんでした?♭」二宮はやれやれと首を振って「ホントごめんなさい櫻井さん♭それなら多分大野さんのせいです♭」と両手を合わせる。

「そんな事言ったって複雑な番号は覚えらんねぇんだよ♭」むくれる大野に松本が愛情満タンの微笑みを浮かべ、その肩を優しく叩いた。「それなら大野課長しか開けられない様に僕が指紋認証のアプリを設定してあげますよ。櫻井部長もそれで宜しいですか?」

「うん、そうだな♭」櫻井はまじまじと松本を眺め、「ウチにいる時は冷静沈着なクールな奴だったお前がまたえらい変貌振りだな♭『ラピット』発売に向けてマーケティング部にウチから1人派遣ってなった時に、お前が物凄い圧で希望して来た時はどうしたものかと思ったが…♭楽しそうで良かったよ♭」と苦笑した。

「内部犯行だとすれば大野君がパソコンが
苦手な事を知らない社員だろうな…。もしかしたら我が社に産業スパイが紛れ込んでいる可能性もありそうだ…。『株式会社 EARTH LIFE』の全商品の市場情報はこのマーケティング部に集約されているから情報管理には気をつけて欲しい。IT戦略部でも犯人を探してみるよ」

櫻井はもう一度二宮に向かって「悪かったな」と謝ると、今度は大野に向かって「成る程な…。どうやらマーケティング部にはリアルラピットが居たようだ」と意味深な笑みを浮かべ、小粋に片手を上げて歩き去って行った。

こうしてIT戦略部未発表広告動画の流出に伴う大野の疑惑は晴れ、マーケティング部も通常営業に戻ったが、松本には疑問に思う点もいくつかある。先ず犯人はいつこのマーケティング部に来て大野のパソコンを使ったのかと言う事だ。

IT戦略部は社内で最もセキュリティの頑強な部所である。だからセキュリティの甘いマーケティング部のパソコンを使ったのは何となく理解が出来るものの、だからと言って他の部所の社員がここに来て、デスクにあるパソコンを片っ端から調べ、大野のパソコンに行き着くのはいかにもリスクが高い気がするのだ。

櫻井にはああ言ったが、誰の目にも触れずにその作業を行うのはちょっと難しい。ならば犯人は大野のパソコンのパスワードが誕生日だと知っていて、マーケティング部の社員が出払っている時を見計らい、人目につかぬ様なるだけ短時間で作業を終わらせたと言う事にならないだろうか?

詰まり情報漏洩犯は初めから大野をピンポイントで狙っていたのだ。情報漏洩の犯人として嵌める為に…。幸い大野はハッキング出来る程パソコンには長けておらず、疑いは直ぐに晴れたが、もし嵌められたのが松本なら恐らく無実を証明するのは困難を極めただろう。

犯人はまさかマーケティング部の課長がパソコンが全く出来ないなどとは思ってもいなかったに違いない。もし犯人の目的が産業スパイとか、そんな企業絡みではなく、大野を情報漏洩の張本人に仕立て上げ、会社に居づらくさせる事だったとしたら…?ストーカーの存在が匂った。

ストーカーと言うのは自分の想いが相手に通じないと、理不尽な嫌がらせをしたりする事もあるらしい。自分の存在を相手に分からせる為に…。もし電車の痴 漢や盗撮の主と、大野のパソコンをハッキングに利用したのが同一人物だとしたら、少し危険な傾向である。

松本は大野のパソコンに指紋認証のアプリを設定してやりながら、先程の満員電車を思い出していた。大野の様子の変化に気づき、もしや触られているのかと敏感に感じ取った松本が、大野を庇う為に後ろへ回り込んだあの時、視線の届く範囲で周辺の怪しい人物を探した。

無論松本も『株式会社 EARTH LIFE』の社員全員の顔を把握している訳では無いのだが、少なくとも松本の知る顔は見ていない様に思う。詰まりマーケティング部とIT戦略部の社員では無いと言う事だ。

「それにしても犯人はいつ大野課長のパソコンを操作したんでしょうか?昨日マーケティング部のみんなはリサーチの為に外出していましたけど、二宮部長はここに居た筈ですしねぇ…。とすると仕事が終わった夜間って事になりますが…。夜間は警備員が絶えず見廻りをしていますから…」

パソコンのカメラに手をかざし、画面に〖認証しました〗と言う文字が出てパソコンが立ち上がった時、「すげ〜♪」と本気で感心していた大野だったが、どうやら松本の発した “警備員” なるワードに引っ掛かったらしく、急に動きを止めて小首を傾げると、天井を見上げて暫くポカンとしていた。

その顔が幼稚園児みたいに幼くて松本は思わずクスリと微笑ってしまったのだが、大野の「ん?何か見たなぁ〜」と言う呟きに笑うどころではなくなってしまったのである。

「ほら、昨日飲み会でさ、俺酔っ払ってたから夢かも知んねぇんだけど、松本君と一緒に1回会社の駐車場に行ったと思うんだよね〜。何か松本君が車に忘れ物取りに行ったじゃん?あん時警備員が見廻ってて、あいつ誰だっけ?って思ったんだよなぁ〜。

結構若そうな奴でヒョロっとしてて…。いつものおっちゃんじゃねぇし、非常口の辺りで道に迷ったみてぇにキョロキョロしてたから大丈夫かよ?って思って…んふっふふふ♪」その事は松本も覚えている。酔った大野をマンションまで送る為に、自分の車に現金を取りに行っていたのだ。

松本は普段現金をあまり持ち歩かず、支払いは殆どカードか電子マネーなのだが、乗り込むタクシーによってはカードも電子マネーも使えない場合があるので、念の為に車に置いてある現金を財布に入れて置こうと、酔っ払い大野を連れ、会社の駐車場にある自分の愛車に現金を取りに行ったのである。

あの時松本は常に現金を収納してあるコンソールボックスを探っていたので、駐車場の非常口など見てはいなかったが、駐車場の非常口は夜間でも一際目立つので、大野の目には入ったのであろう。例え向こうからこっちは見えなくてもこっちから向こうは良く見えるのだ。

「大野課長!♭多分…つ〜か確実にそいつですよ!♭」勢い込んだ松本は「大野課長!♭今から警備員室に行きますよ!♭」と叫び、「何?!♭何?!♭」と慌てる大野の手をしっかりと握ってそのまま警備員室へと駆け出したのであった。

サングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラスサングラス

どうやらストーカーの正体が割れそうでございますチョキグラサンそれにつけても、かなりの重要目撃案件にも関わらず、夢だと思い込んでいる大野課長の純粋培養な天然振りがww音符

今回の大ちゃんキャラはなかなかの大ボケでございます🤭ハート大野課長はこの深蒼鮮紫史上最年長の35歳でございますが、思わずクスリとしてしまう程愛らしいキャラとなっておりますので、そんな所も楽しんで下さいましたら嬉しいですウインク