これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し


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〖走る。跳ねる。そして懐く。そのモフモフの感触はまるで本物の子うさぎみたい。『株式会社EARTH LIFE』が究極の癒し空間をあなたにお届けします。子うさぎ型ロボット『ラピット』6月15日より先行予約販売。おひとり様暮らしの寂しさも、この子が居ればお家時間が楽しくなります〗


そんなナレーションと共に穏やかな表情のお婆ちゃんに懐く、可愛らしい子うさぎの映像が映し出される。

 

見た目は本物の小さなうさぎなのだが、内蔵された人口知能がペットの生態を学習し、名前を覚えたり人に懐いたり出来る様に作られており、『手間の掛からない小型ペット』を売り文句に6月の半ばから先行予約販売される予定だ。


この映像には『独居老人編』『ファミリー編』『おひとり様暮らし編』『介護施設編』など数種類のパターンがあり、明後日からSNSやテレビCMなどで広告がうたれる手筈となっている。


この『ラピット』の売り上げ状況を指針として、『株式会社EARTH LIFE』では他の小型動物のペットロボットの製造も考えており、マーケティング部では市場調査としてインターネットや新聞の折り込み広告等で飼ってみたい小型動物のアンケートなども実施していた。


「このアプリ、俺みたいなIT困難者でも使いやすくていいな〜♪作ってくれたのIT戦略部なんだろう?」助手席に深く座ってスマホを眺め、アンケート結果を確認しながら大野は「ピグミーマーモセットって何?」と聞いた。


「あ、そのアプリ作ったの僕っすよ大野課長。マーケティング部の市場調査に使いたいからって櫻井部長から頼まれたんですよ。因みにピグミーマーモセットってのは世界最小の猿で、夜行性らしいですよ。大人でも手の平サイズです」「へぇ〜♪やっぱ頭ったまいいなぁ〜♪」


松本の説明に納得して無邪気に喜ぶ大野に、運転席の松本は横目でチラリと視線を向けて、「何か子供みたいっすね♪課長」と微笑んだ。「失礼な事を言うんじゃないよ♭俺35だぞ♭」だが、口を尖らせて年上を主張するその顔つきが大野を益々幼く見せている。


「大野課長って昔からそんな感じでしたっけ?あの頃は栗色のロン毛をファサ〜って感じにしてて、何かもっと大人っぽく見えましたけどね♪僕が子供だったからなんすかね?」これは意外だった。初めましての体で挨拶をして来たので、大野はてっきり松本は覚えていないと思い込んでいたのだ。


「えっ?♭松本君覚えてんの?♭」スマホから目を離し、目を丸くして驚く大野に松本は前方を見つめつつ独り言みたいに言った。「そりゃ覚えてますよ。始めは女の子だと思ったんですから。そしたら男だし、全然割引してくんないし、店長や他のバイトはいつも割引してくれてたから何だよこいつって…♪」


そうだった♭大野がバイトしていた時に始めて松本が店に来た時、大学ノートとシャーペンをまとめ買いし、高校生にしては高級なブランド物の財布を出して「じゃ2割引ね」と当たり前の様に言った。大野は「ん?何で?これバーゲン品じゃねぇけど」と正規の値段を受け取ったのである。


その時大野は松本の不良っぽい雰囲気に、彼はいつもこんな感じて店員を脅し、安く買っているのだろうと思い込み、睨みを効かせる松本に絶対に負けてなるかと精一杯の虚勢を張ったのだ。ものすごく怖かったが…♭


松本と入れ替わりに商品の補充に来た営業の井ノ原が、彼が社長の息子だと教えてくれたのはその時である。その後休憩から帰った店長に大野がしこたま叱られたのは言うまでもない。無論、当時の店長は松本が社長の息子だから特別扱いしていた訳で、それをバイトにも徹底させていた。


当然大野も知っているだろうとそれを説明し忘れていたのだ。事情を知らなかった事もあり、元々根が頑固なところもある大野にはそれがどうにも納得が出来なかった。


店に買い物に来るお客さんに社長の息子もクソもねぇだろうと、それからも大野が1人で店番をしている時には松本への特別割引は一切しなかったのである。また、どう言う訳だか松本は大野が1人で店番をしている時に限って買い物に来るので、結果ちっとも割引されないままだった。


「またあんたかよ?♭ツいてねぇわ〜♭」買い物に来る度に少年時代の松本がボヤいていたセリフである。こんな事をずっとやっていたらその内クビになるかも知れないと大野は覚悟を決めていたのだが、何とクビになったのは大野ではなく、店長の方だった。


どうやら店長は松本だけではなく、『株式会社EARTH LIFE』の幹部の子供や友人が店に買い物に来る度に、勝手に社員割引を適用していたらしい。それが社長の耳に入ったが故の解雇だったそうだ。


店長の命令通りに割引きをやっていた大野以外の2人のバイトには特にお咎めは無く、暫くは2人の内の古株バイトが代理で店長をやっていたが、その一件がきっかけで1番下っ端の大野がバイトリーダーに昇格したのが気に入らなかったのか、3年後の更新のきっかけで2人共店を辞めてしまい、結局大野が店長に昇格した。


「あの時は親父に滅茶苦茶怒られましたよ♭今まで割引きして貰った分死ぬ程働いて返せって言われましたからね〜♭今から思うと僕が悪いんですけど、子供だったし、友達にカッコつけて「俺に任せときゃいつだって割引で買える」みたいな?そんな感じでしたから当時の課長の塩対応には思いっきりぶん殴られたみたいな気がしたものです♪」


「へぇ〜」それは初耳だった。だが、大野の日和らない態度が引いては松本の驕った気持ちを変えるきっかけのひとつになったのならそれはそれで良かったと思う。社長とは社員会議等でしか会う事のない大野だが、どうやら噂にたがわず謹厳実直な人の様だ。


「でも…何か嬉しかったんっすよね。あの店で俺の顔色伺わないのって大野課長だけだったから…。だからですかね、割引してくれないって分かってても課長が1人で店番している時にわざと買い物に行ったりしてました」「へ?♭あれわざとだったの?♭」


「課長。いくら何でも1週間に3回も文房具なんてまとめ買いしないですってww」笑いながら答える松本に大野は「すげ〜勉強好きなんだと思ってた♭♭」と、至極大真面目に言った。「それボケてます?♪」軽く受け流した松本は社用車を停車させると、「ホント鈍いですよね♪」と、大野を見つめて目を細め、目的地に到着した事を告げた。


「鈍いって何だよ?♭」「その内分かりますって♪」松本は味深なセリフを吐き、多くを語らないまま社用車を降車してスタスタと前方を歩いて行く。その後ろ姿はいかにも切れ者といった様子で、後ろをついて行く大野の方がまるで部下みたいに見えた。


2人の仕事は『株式会社EARTH LIFE』と取引のある企業を訪問し、売れ筋商品のリサーチを行う事である。細かい物流の動きを把握し、商品の開発促進に役立てるのも、マーケティング部の重要な役割なのだ。


都内じゃない企業の場合はインターネットで集計する時もあるのだが、それでも一月に1度は遠征してその企業の担当者と話をさせて貰う。顔と顔をちゃんと付き合わせて交流を持つ事が信頼関係に繋がると言うのが社長の経営方針だった。


大野と松本は都心から南方方面の担当である。午前と午後で計7箇所の企業を訪問し、販売促進部の担当者から様々な意見を聞く。無論、耳障りの良い言葉ばかりではないが、いい意見も悪い意見も、全ては消費者の為だ。


もっぱらメモ書きの大野に比べ、松本はタブレットを使っての的確かつ積極的な意見交換で、相手が思わず圧される程に熱心な様子である。「『EARTH LIFE』さんにはいい新人が入ったねぇ〜♪」別れ際にはそんな言葉で見送られ、異動1日目にして何とも頼もしい限りだった。


午前中のリサーチが終わり、最寄りの洋食店でランチを食べる。大野はエビフライ。松本はカニクリームコロッケのランチメニューだ。「やっぱりカニクリームコロッケにはオーソドックスなソースですよね♪」


先程までクールな切れ者感たっぷりにリサーチをこなしていた松本が、美味しそうにカニクリームコロッケを食べているギャップの微笑ましさに、大野もつい笑顔になる。


「何か可愛いねぇ〜♪松本君なら高級ステーキのランチメニューとか食べそうだけど…♪」「どんなイメージっすかそれ♭」松本は苦笑して「カニクリームコロッケに目がないんですよ♪」と大野のランチに視線を向けた。


「エビフライにはやっぱりタルタルっすか?♪」「ここはカキフライも美味いんだけどね♪今は時期じゃねぇから…」「へぇ〜♪」その時、大野のスマホがバイブ音を鳴らし、《智のエビフライすげー美味そう🍤俺も食いたい♡♡》とメールが送られて来た。


「えっ?♭」ギョッとして立ち上がり、周囲を見回す大野に、松本が怪訝な表情を浮かべる。「課長?どうしました?」「いや別に…♭」顔中で動揺を示し、椅子に腰掛け直してエビフライをパクつきながら、大野はそれを誤魔化す様に「さあ、午後も頑張ろうな♪」と微笑った。


「はい、頑張りましょう♪」松本も笑顔で返しながら、テーブルの下でスマホをそっとバッグの中に隠したのである。


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メールの送り主は潤君でした〜ウインク💜果たしてストーカーの正体も潤君なのでしょうか?普通のリーマンの生活っつ〜のが良く分からずに書いている相変わらず見切り発車なわたくしではありますが滝汗アセアセ


ちょっとだけスパイスを効かせた、切れ者部下と天然上司のライトなラブストーリーです💜💙そんなに凝ったお話にはならないかと思いますので、どうぞ長い目で見守って頂けましたら幸いでございますてへぺろ