これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き

。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実際する人物は無関係である事をご了承下さい、尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し


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羽山父子の逮捕劇が世間を大いに騒がせていた頃。『FIVE STORM』の面々は『サイバードーム』に赴き、バイオアバター達の飼育ブースがあった場所の解体作業を手伝っていた。加倉井博士や研究員達も一緒になり、和気藹々としたムードである。


取り分け大活躍を見せていたのは相葉とクマオ君だ。乗り物の類なら何でも操れる相葉が重機を操り、檻や壁をガンガンと破壊して行った後に残される鉄骨やコンクリートの塊を、クマオ君が軽々と持ち上げて表のトラックまで運び出す。


その様子は見ていて気持ちがいいほどで、相葉&クマオ君のコンビがいれば専門業者など殆ど必要がないくらいに手際がいい。朝のニュースを見てから就寝した二宮は、少し欠伸をしながら掃除をしたり、小さな瓦礫を片付けたりしてそれなりに頑張っていた。


片や二宮とは別の理由で早朝まで起きていた潤と智は、2人仲良く昼ごはんに必要な材料の買い出しに行った。因みに昼ごはんは智特製のスパイスカレーの予定である。二宮が「俺も買い出しがいい〜♭♭」とボヤキまくったのは言うまでもない。


一方、コンクリートの欠片を積んだ猫車を押し、ヨロヨロしているのは櫻井だ。頭にタオルを巻き、Tシャツの袖を捲って筋肉質な二の腕を見せつけ、見た目は誰よりもやる気が漲っているものの、その割には筋力が伴っていないのか、その重さに持って行かれそうになりつつ猫車を押す様子は、何とも心もとないものである。


櫻井よりもずっと歳上の加倉井博士にまで「大丈夫かね?♭」と心配されていて、他の研究員達にも「警察の人って柔道とか出来るんじゃないんですか?」と不思議がられていた。


「いや君達。柔道って言うのは相手の力も利用して投げ飛ばす訳で、『柔を以て剛を制す』と言う言葉の様に、己の力だけではなく色々とテクニックが…」「うんちくはいいから働いてよショウ隊長〜♭」眼鏡のフレームを指先で持ち上げながら講釈を垂れる櫻井に、二宮がやや食い気味に文句を言った。


「アヒャヒャヒャ♪おおちゃんと松潤が居てくれた方が良かったねぇ〜♪」ブルドーザーで檻と檻の間仕切り壁をバリバリと破壊しながら笑う相葉に、クマオ君が「ありゃ力仕事に向いてねぇな♪」と一緒になって豪快な笑い声を上げた。


クマオ君は加倉井熊雄として加倉井博士と養子縁組をする事が決まったらしい。来月の始めには正式に父子として認められるのだそうだ。これから『サイバードーム』は国の管理下の元でコンピューターウイルスの研究と対策。それと同時に金儲けではなく、法に則った遺伝子の観点から、同性カップルの為の妊活研究を推進して行く方針だ。


クマオ君が博士の秘密の研究から産まれたハイブリッドだと言う事は研究員達とごく1部の国の関係者しか知らない事実である。だが、『サイバードーム』の遺伝子研究に国の認可が下りる運びとなった今、クマオ君が現在よりも一層人間らしく生きて行ける様、彼の中にある獣の遺伝子も少しづつ改善して行く必要があるだろう。


「クマオ君!♪作業が一段落付いたら脱毛とヘアカットの時間だよ!♪超凄腕のメイクアップアーティストを知っているから後で一緒に行こう!♪俺も手伝ってクマオ君を今よりももっとカッコ良くしてあげるからねっ!♪」


相葉は去年のクリスマス時期に出会ったちょっと変わったメイクアップアーティストの事を思い出しながらクマオ君に伝えた。少し怖い雰囲気の女性(?)だが、彼女であればクマオ君の外見をもっと人間らしく出来る筈だと確信している。


「そりゃ楽しみだ!♪いい男になって親父に喜んで貰わねぇとな!♪俺みてぇなモンスターを息子にしてくれたんだ!♪これからもっと人間の事を勉強して親父に相応しい息子になれる様頑張るぜ!♪」両肩にコンクリートの塊を担ぎ上げて笑顔を見せるクマオ君のその毛だらけな顔は、相葉の目に羽山ダニエル剣吾よりもずっとイケメンに見えていた。


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バイオアバターの飼育ブースを取り壊し、スッキリと片付けた相葉は、作業を終えたクマオ君を連れ、潤と智を伴ってインターナショナルアベニューにあるミタゾノビルに赴いた。クタクタになり、昼食後に厨房のテーブルで寝てしまった櫻井と二宮は留守番である。


サロンに訪れた潤智カップルと相葉を見て、このサロンのオーナーであるミタゾノは「あら?」と言って3人の背後に居る大柄で野性的な男に視線を向けた。長袖のシャツとキャップを被り、毛だらけの顔や腕は隠しているものの、2m以上はある筋肉隆々の立派な体躯は隠しようがなく、かなりの異彩を放っている。


「ミタゾノさん♪彼はクマオ君だよ♪相葉ちゃんも手伝うから脱毛とヘアカットして熊さんじゃなくして!♪」無邪気にそんな事を言う智に、ミタゾノは全て理解したのか、「成る程ね。了解ですわ大野君。彼を素敵な男性にしましょう」と微笑んだ。


クマオ君はキャップを脱いで「宜しくお願いします」と頭を下げ、改めてミタゾノを見て「あんたいい女だね♪」と白い歯を覗かせた。「マジか…♭♭」聞こえるか聞こえないかの微かな声で潤がボソっと呟く。


「松本君。聞こえてますわよ」怖い笑顔で潤に釘を刺したミタゾノは、「いい脱毛クリームがありますの。痛みも全くありませんので無駄な部分だけ処理してしまいましょう」と言って相葉を伴い奥に消えた。


「無駄な部分だけって♭クマオ君の場合ほぼムダ毛じゃね?♭」智の顔を見つめて要らぬ口を利く潤に智はふにゃりと微笑んで「でもミタゾノさんはワイルド系好きそうなんだけどね〜♪胸毛とかは残すんじゃない?」と答えた。


「じゃあクマオ君とか結構ミタゾノさんのタイプだったりすんのか?♭」「分かんない♪でもタイプだったら相思相愛だね♪」「怖ぇカップルだなぁ〜♭♭」顔をひきつらせて苦笑いする潤に、智は「俺達も相思相愛でしょ♪昨夜もすごかったじゃん♪」と、嬉しそうにニコニコした。


「こら智♪ここでそんな話すんじゃねぇよ♪」そう言う潤も何だか嬉しそうである。「なぁ智…♪加倉井博士の妊活研究成功すりゃいいなぁ〜♪俺の子を智に産んで貰いてぇのよ♪」「えぇ〜?俺が産むのぉ〜♭出産って鼻からスイカ出すみたいだって言うよ〜♭」「違ぇよ馬鹿♪男なんだから産んでも帝王切開だろ?♪」「んふふふふ♪そう言や俺男だった♪」


店のソファーで寄り添いイチャイチャベタベタ💜💙クマオ君の仕上がりを待っている間ずっとこんな調子だ。「俺の濃い顔と智の可愛い顔が混ざればきっとちょうどいい感じの超絶ラブリーな子供が生まれるぜ♪女の子と男の子1人づつ欲しいよな〜♪」「えぇ〜大変じゃ〜ん♪仕事休まなきゃ〜♪」


一体何の為について来たのか、潤と智はテーブルに置いてあるファッション雑誌をめくりながら、女の子ならこんな服がいいとか、男の子ならこんな服だとか、未だ研究も始まっていないのに子供を育てる気満々である。


「おいアイバ、あの二人ってデキてんのか?」動物的な聴力の良さで外の会話を聞き取ったクマオ君が後ろで髪の毛をカットしている相葉に聞いた。「聞こえるの?!やっぱり凄い聴力だねっ!♪松潤とおおちゃんは恋人同士だよ♪すっげーラブラブでいつもイチャついてる♪」


ハサミを動かしながら答える相葉に、クマオ君はたちまち笑顔になって丸椅子に腰掛けたまま両手を軽く打ち鳴らした。手の甲に塗られた脱毛クリームがプルプル揺れる。「そうか♪人間の世界も変わったなぁ〜♪それじゃあ早ぇトコ親父の研究を進めなきゃならねぇな♪」


そんな会話をしている間にもクマオ君の外見はどんどんと人間らしくなって行っていた。ボサボサの髪はソフトモヒカンにカットされ、顔中の髭はサッパリと剃り落とされて、目に被さっていたゲジゲジ眉毛も太く凛々しい感じに整えられている。尖った爪にもヤスリがかけられ、人間と同じ形になった。


ミタゾノはパンツ一丁のクマオ君の体を覆うフサフサした体毛にせっせと特製の脱毛クリームを塗りつけ、首や背中、肩や二の腕、太腿などの獣っぽく見える部分の毛を取り除こうと必死だ。何せ体が大きいので、クリームも大量に必要になる。


「胸毛は残して置こうかしらねぇ〜。その方が素敵だし…」ミタゾノは独りごちながら、クマオ君の逞しい肉体に見惚れ、「本当に素敵…♪」と溜め息をついた。


クマオ君の皮膚は浅黒く、ラテン系の人みたいで、その質感は人間と全く同じである。相葉はクマオ君の髪をカットしながら「熊の地肌は黒いからヒト遺伝子が混じる事で丁度いい皮膚感になって南国育ちみたいな感じになるんだねっ!♪」と嬉しそうに言った。


そうやって出来上がったのは、まるでラテンアメリカ系のフットボール選手の様な、ワイルドな雰囲気のハンサムな若者である。彫りの深い目元に高い鼻筋。良く締まった唇に少しエラの張った顎。ソフトモヒカンに刈った茶色の髪も良く似合っている。


残った体毛はごく自然な濃さになり、張り出した大胸筋の真ん中に残された胸毛も外国人的で、妙にそれっぽい。黒のVネックニットにジーパン。ちょっとゴツめの登山ブーツもやけに洒落ていて、こう言っちゃあ何だが魂串と加倉井博士の遺伝子からどうしてこんな男前が産まれたのか何とも不思議だった。


「何か自分じゃねぇみてぇだな」姿見を色んな角度から確認したクマオ君はちょっと照れ臭そうに微笑うと、ミタゾノと相葉の肩を大きな手で優しくポンポンしながら目を細めた。


「一度では完全に脱毛出来ないから毛根が小さくなるまで2ヶ月に一度はメンテナンスにいらしてね。爪切りも忘れては駄目よ」ミタゾノに見送られ、サロンを後にしたクマオ君を、潤と智が嬉しそうに見上げている。「すげぇなぁ〜♪こんな変わるかね?♪」「何だか『美女と野獣』の呪いが解けた後みたいだね♪」


この国際色豊かなインターナショナルアベニューも、今のクマオ君には大層馴染んでいる様で、ヘアカットした相葉も得意満面だ。


だが、何よりみんなインターナショナルアベニューを堂々と闊歩するクマオ君の様子が嬉しいのである。もう毛だらけの顔や腕を隠したりする必要も無い。その時潤と智。そして相葉のスマホに班長から【任務完了】と言うメールが入り、3人は互いにハイタッチをして満足気に頷いた。


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クマオ君が無事カッコ良くなりました〜爆笑イチャイチャ潤智も登場し、次回か次次回はいよいよ最終回となりますニコニコ勿論、潤智限定ページも登場ですよ〜💜💞💙