これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ。下差し

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一方、自分の過去の悪行まで露見していたとは夢にも思っていない羽山ダニエル剣吾は、5人の仲間を引き連れて『サイバードーム』に向かい、軍用トラックを走らせていた。彼等は金で繋がったゴロツキ仲間である。

これまでも羽山ダニエル剣吾がやらかした、色んな不祥事の後始末をして貰っており、言うなれば羽山ダニエル剣吾の為に父親の羽山庸三元外務大臣が用意した、汚れ仕事専門のプロ集団だ。彼等はいずれも若く、そして皆一様に何処かしらやさぐれた様な黒い匂いを放っていた。

どうやって調達したのか、全員迷彩服を着込んで自動小銃やらハンティングナイフやらの武器を有し、まるでサバゲーにでも参加するみたいにお気楽な調子である。「まさか猛獣狩りを日本でやれるなんてな」痩せぎすでロン毛の、病的な顔つきをした男がニヤニヤして言った。

「ただの猛獣じゃないぜ。人間と猛獣のハイブリッドだ。魂串は奴らを手懐ける調合フェロモンを持ってるからな。魂串をぶっ殺したらそいつを使ってバイオアバター共の檻に突入するぞ。
 
ついでに地下室に籠城している連中も皆殺しにして『サイバードーム』を爆破してやる。あれだけネットで拡散された以上、ほとぼりが冷めるまで日本から脱出しなきゃならないしな。俺を怒らせた魂串への置き土産だ。

心配しなくてもお前らの分のチケットもあるから思う存分暴れ回ってくれ。猛獣狩りと人間狩り、法治国家の日本で両方楽しめるなんて滅多に無いぞ。後は中南米にでも逃げてバカンスを楽しもうぜ」

「それサイコーだネ!ダニーボーイ!」ストリートギャングにでも居そうな黒人男が、達者な日本語で羽山に応える。どうやらこのゴロツキ仲間は羽山ダニエル剣吾に合わせて多国籍なメンバーで構成されているらしい。

この黒人の他にも軍人上がりの短髪マッチョな白人男が居て、羽山をダニーボーイと呼び、こっちも達者な日本語で羽山と会話をしていた。「おい百目鬼(どうめぎ)後どれくらいで『サイバードーム』に到着するんだ?」

羽山の呼び掛けに運転席の男が「あと20分くらいですかねぇ〜。今夜は高速が空いていて助かりますよ」と、即座に反応する。

夜間だと言うのに黒いサングラスを掛け、黒いスーツに身を包んでいる所を見ると、この百目鬼と呼ばれた男だけは恐らく父親の羽山庸三のシンパであろう。

今から元外務大臣の息子が人殺しをしようとしているにも関わらず、それを止める様子も無い。この部下の態度に今まで息子のどんな悪行も見過ごしにし、隠蔽して来た羽山庸三の腐った性質がそのまま透けて見える様であった。

「スメラギはいつ来る?そいつのチケットはナッシングだぜ」同乗している別の外国人が言った。恐らくこの男が逃亡先のチケットを用意したのであろう。いかにも中南米辺りの浅黒い皮膚をしたラテン系の男だ。

「住良木は合流して来た時に始末するからチケットは要らねぇよ。だって犯人役が必要だろ?幸い住良木は表立って武器商人達と取り引きをしていたからな。住良木が武器商人達と一緒になって『サイバードーム』を襲ったと思わせるさ」

「サスガダニーボーイ!頭イイネ!」白人男がもてはやす。「ついでに『サイバードーム』のコンピューターから、研究資料を盗み出して企業スパイにでも売りつけてやれば結構な儲けになるぞ。日本の技術は高く売れるからな」

羽山の言葉を受け、運転席の百目鬼が静かに窘めた。「それは構いませんが暫くは大人しくしていて下さいよ坊ちゃん。あまりお父上に手間を掛けさせないように」

「分かってるって。暫くは呑気に暮らすよ。どうせネットの噂なんて2~3年もすりゃ綺麗に消えて無くなるだろうしな。その内どデカい企業を興して故郷に錦を飾ってやるさ」

羽山ダニエル剣吾はスマホを弄り、こっそりと仕入れた智の電話番号を名残惜しそうに眺めた。「折角サトシの番号ゲットしたってのになぁ〜。こうなる事が分かってたらあの時強引にでも口説いとくんだったぜ」

「サトシってダニーボーイのリスペクトするアクターの事かい?」黒人男が聞いた。「そう言やお前言ってたな、格闘天使と共演したって。お前のやらかしのせいでそのドラマオクラじゃねぇの?」痩せぎすの男がニヤついた。元々こんな顔なのか、この男は常に口元が歪んでいる。

「田張(たばる)うるせぇ♭俺だってサトシとの共演は楽しみにしていたんだぜ♭何もかも魂串が裏切ったせいだ♭散々苦しめてぶち殺してやる♭」およそ知性とは縁遠い台詞を羽山ダニエルが吐き捨てたその時、運転席の百目鬼が「ん?」と呟いてバックミラーを見た。「あれは何だ?!♭」

羽山達が乗る軍用トラックの背後から物凄い勢いで追い掛けて来たのはメタリックブラックの戦車みたいな装甲車だ。黒人と白人とラテン系が揃って「WOW〜!♪」と叫び、後部ウインドウに振り返った。

「へぇ〜すげぇクールじゃないか♪あっちの方がカッコいいぜ♪」「襲って奪うか?♪」はしゃぐ羽山と田張に運転席の百目鬼が「待って下さい坊ちゃん♭あれは只者じゃありません♭」と警戒の声をあげる。その言葉の通りクールな装甲車はグングンと距離を詰めて来た。「あれは明らかに我々を狙っています♭♭」「Why?!♭」「何だって?!♭♭」

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「おっしゃ〜!♪追いついたぞ〜!!♪」ハンドルを握るアイバチャンが前方に軍用トラックを捉え、勢い良くアクセルを踏み込んだ。「アイバチャン♭ちょっと飛ばし過ぎじゃないか?」

助手席のチーフが隣のアイバチャンに声を掛ける。後部座席の前列に座るニノが「怖ぇよアイバカ!♭加減しろって!♭♭」と文句を言った。ニノの隣には聞き取りのついでに連れて来られた住良木が乗っており、「ひぃぃ〜♭♭」と怯えて首を竦めている。

「軍用トラックかよ?クソが戦争ゲームでもやっている気なんじゃねぇのか?」「多分武器も持ってるだろうね。仲間も居るんじゃない?」後部座席の後列に座るMJとオーチャンが、冷静な声でそう分析した。どうやら戦闘要員の2人にはこんなスピードなど大した事ではないらしい。

「荷台部分がコンテナになっているからなぁ。後部ウインドウは付いているが中が良く見えないぞ。だが数人の人影は見える。あのコンテナの大きさから推察するに、武器を所持しているとしてだいたい4、5人ってとこじゃないか?」フロントガラスに顔を近づけながらチーフが言った。

すると、トラックの後部ウインドウが開き、迷彩服を着た白人男がこちらに向かって自動小銃の銃口を向けて来た。ダダダダダダダダ!!「おいおい♭いきなり撃って来るかね?!♭ここ日本だぞ!♭」周辺に他の車体がいないのをいい事にしてやりたい放題の敵に、さしもの冷静なチーフもキレかけている。

無論『サイクロンマークIII』は全身防弾仕様なので撃たれた所でビクともしない。弾丸を悉く跳ね返しつつ爆走する『サイクロンマークIII』…と言うよりも運転するアイバチャンは「撃ったねっ!じゃあこっちも行くよ〜っ!」と叫び、ハンドルに付いた小さなレバーを下げた。

それに連動して『サイクロンマークIII』のバンパー部分が開き、そこから複数の細長いパイプが現れる。「喰らえ!ゴミムシボンバー!!」プォォォォーン!!上向きになったパイプから大型トラックのクラクションみたいな爆音が響いた。同時に無数の黒い玉がトラックの開いた後部ウインドウに向かって、勢い良く噴射される。

黒い玉は自動小銃を撃ちまくっていた白人男にビシバシと当たり、男は悲鳴を上げながら背後にひっくり返った。だがそれだけでは終わらない。トラックの荷台の中は誰の物とも分からない叫び声と怒号で騒然となり、軍用トラックは蛇行運転を繰り返しながらインターチェンジの方へと降りて行った。

「どうだっ!参ったか!あの玉にはミイデラゴミムシの100度のオナラと似た成分の粉がいっぱい詰まってるんだぞ!クッサイし熱いし最悪だからなっ!」軍用トラックを追い掛けてインターチェンジを降りつつ、アイバチャンは中指を立ててアヒャヒャヒャと笑っている。

「もうさ〜♭ネーミングも武器も何気にマヌケなんだよな〜♭」ニノがボヤき、オーチャンが「100度のオナラするミイデラゴミムシってすごいね♪」と感心した。「今からそんなクサイ奴と闘うのかよ?♭」MJが嫌そうな顔をして「触りたくねぇ〜♭♭」と項垂れる。

余りに現実離れしたこれまでのやり取りに、ニノの隣の住良木は、拘束されたまま白目を剥いて倒れており、暫くは目覚める気配もなさそうだ。

インターチェンジを降りた軍用トラックは、ヨロヨロしながらパーキングエリアの駐車場に停車し、その車体を暫くユサユサと揺らしていたが、やがて中から転がり出る様に、迷彩服を着た5人の男と1人の黒服が飛び出した。

男達は「くっせぇ!♭」「アッチぃ!♭」「ファーック!♭」などと口々に喚きながら、追い掛けて来た『サイクロンマークIII』に向かって自動小銃を乱射したが、全て撃ち尽くした所で忌々しげに地面へと銃を放り投げた。

「さて、やりますか?」チーフの声に『FIVE STORM』のメンバー達が次々と降車する。「お前ら一体何なんだ?!♭♭」羽山ダニエル剣吾が立ちはだかる5人に向かって声を荒らげた。ゴミムシボンバーにやられたのか、目のふちが真っ赤になり、折角の2枚目が台無しである。

「番号交換したろ?忘れんなよ」煌々と灯る外灯の下、5人の着たロングコートが夜風に吹かれてフワリと舞い上がる。その中心でオーチャンの声が伸びやかに響いていた。

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軽くカーチェイス車なんかも書いてみました〜グッウインクゴミムシボンバー、中々に強烈そうでございます爆笑それじゃあそろそろ悪漢共を畳んじゃいましょ筋肉