これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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一瞬アニメの実写版かと思った。ポイントカラー違いの揃いのコスチューム。タイプは違えど明らかにその辺の男達とは異なるスター性。彼等の全てが何処か現実離れしたヒーローアニメみたいに住良木には感じられた。


「あのコスチュームは一体…♭」住良木の脳内にありとあらゆるアニメのキャラクターが浮かんで来る。だが、彼らの戦闘服に思い当たるアニメヒーローは居なかった。そんなオタク思考の住良木だったが、メンバー内に見知った顔があった事で、瞬時に焦燥へと変わって行く。


「あぁっ!♭おま…お前は『黄金創機有限公司』の李大龍!♭チュンリーさんは何処だ?!♭♭」MJを指差して喚く住良木にMJは至極意外そうな顔つきでニンマリした。「へぇ〜。俺の顔を覚えていたのか?魂串はチーフの顔を忘れちまってたのにな」


MJの言葉を受け、ニノが「顔面インパクトの差でしょ?」と微毒を吐き、MJの隣にいるオーチャンに「ねぇ?チュンリーさん」と話を振った。「社長サンごめんナサイ。私の会社、存在シマセン。てか、俺日本人だし」オーチャンは春麗の声音でネタばらしをすると、真顔に戻って言った。


「お、男〜〜〜〜?!♭♭」今度はオーチャンを指差した住良木は、春麗が男だったのがよっぽどショックだったのか、クタクタとその場にへたり込んだ。「終わった…♭完全に…♭♭」ズレた眼鏡と半脱ぎのジャケット。まるで意気消沈の見本の様な有様である。


「「プレゼンが終わったら住良木はもう用無しだな。武器商人達の仲介役はあいつだ。買い手が決まったなら、他に仮契約を取り付けた連中が『バイオアバター』を手に入れ損ねた事で奴を恨まないとも限らない。


なら住良木と繋がりを持つ我々との関係はさっさと断ち切った方が安全だろう?住良木の役目ももうお終いって事だ。火の粉がこっちに飛ぶ前に消火してしまおうじゃないか。仲介料の節約にもなるしね。現役時代は親父もよくやってたよ、所謂トカゲの尻尾切りってやつさ」」

羽山ダニエル剣吾のそんな薄情な声が駐車場に響く。ハッとして項垂れた顔を上げる住良木の視線の先に、ニノが操るタブレット端末があった。

「これは魂串が密かに保存していた証拠のひとつだ。SNSに拡散したのはそんな証拠の中の一部でね。これは羽山ダニエル剣吾が『サイバードーム』を訪ねた時の音声を魂串が保存した物だ。魂串は既に我々JMIが捕縛したが、これを聞けば誰が本当の裏切り者なのか、住良木、お前にも分かる筈だ」

チーフは5色の警察バッジを示しつつ、住良木に事の顛末を説明した。「ここでお前は捕縛され、更生施設に送致される事になる。だが、羽山ダニエル剣吾についてお前が我々JMIに協力をしてくれるなら罪の軽減も有り得るぞ」

「司法取引って聞いた事あるでしょ?聞いといた方がいいと思うよ。だって羽山ダニエル剣吾も魂串幻樹も君を殺そうとしたんだよ?そんな奴らを庇ってやる必要なんかないでしょ?」チーフの言葉を後押しする様にアイバチャンが付け加える。

「JMI…♭そうか…♭警視庁の都市伝説…♭民間から選出された特殊部隊が極秘裏に存在すると噂では聞いた事がある…♭君達が…♭♭」住良木はジャケットと眼鏡を直し、ゆっくりと立ち上がると、小さく頷いて溜め息をついた。「…分かりました…♭全てお話します…♭」

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住良木からの聞き取りは『サイクロンマークIII』の車内で行われた。羽山ダニエル剣吾について、訥々とした口調で語る住良木行弥の情報は実に驚くべき内容の物だった。「羽山ダニエル剣吾があの『鬼神同盟』に幹部候補として誘われていたって?!♭」

チーフの声に『FIVE STORM』の面々が絶句する。『鬼神同盟』の事件は約2年前に『FIVE STORM』が解決した、元未成年凶悪犯罪者達の秘密結社が発端の、実に印象深い事件だった。

最終的には現役警察官や自衛官達で結成された極右組織と手を組み、東山国防大臣の暗殺未遂と、毒ガスによるテロ未遂にまで発展した大きな犯罪事件である。(シリーズ第二章『暴走!鬼神同盟』参照)

あの鬼神同盟と言う秘密結社は、かつて凶悪犯罪を犯しながらも少年法の保護の元、僅か数年の懲役刑のみで保釈された元未成年犯罪者達が大人になり、リーダー野副亜久里の旗振りで再び集められて結成したテロ組織だ。

そこの幹部として羽山ダニエル剣吾が誘われていたのなら、羽山ダニエル剣吾は少年時代に何か凶悪な犯罪を犯した経験があったと言う事になる。住良木は「証拠がある訳じゃないんですが…」と前置きしてからある驚愕の事実を語った。

「…羽山さんは何度か私の会社を訪問して『インターナショナル・インテリジェンス・ミーティング』襲撃についての情報交換を行っていたのですが、彼は良く “自分は選ばれた人間なんだ” と言うような事を話してました。

何でも昔から偉そうな大人が嫌いだったそうで、特に教師と呼ばれる連中にムカついていたんだそうです。中、高生の時にわざと難しい質問をして、教師が答えられないと罰ゲームと言った遊びを何回もやったんだと自慢していましたよ。

どんな罰ゲームなのか、詳しくは話さなかったですが、数人の教師を退職に追い込んでやったと武勇伝の様に話していました。大学に入ってからはそんな遊びは辞めたらしいですけど…。鬼神同盟と言う妙な連中からコンタクトがあったのは2年くらい前の事だそうです。

『鬼神同盟』と言う組織名で羽山さんの所に「仲間にならないか」と、メールが来たらしくてね。丁度Tokyo-imperial-collegeに進学する直前だったらしく、参加しなかったそうですが、インターネットで犯行声明をやったりしていて、ちょっと面白そうな連中だったと言ってました。

何でも結局空中分解みたくいつの間にか消えていたので、羽山さんは止めて正解だったと嘯(うそぶ)いていましたけどね。私から『バイオアバター』の話を聞いて羽山さんが興味を持ったのも、その『鬼神同盟』とか言う妙な連中の影響があったせいかも知れません」

話を聞いている最中も、ニノはタブレット端末を操り、『未来予想クライム』に羽山ダニエル剣吾の中高生時代について調べさせていた。すると、該当する案件が幾つか発見されたのである。どうやら鬼神同盟事件の時、『未来予想クライム』にヒットしなかったのは、それが事件として扱われなかったせいらしい。

その内容は羽山ダニエル剣吾が通っていた中高一貫の名門校『聖鳳ジーニアス』で、5人もの教師が連続して退職したと言う奇怪な現象であり、学校側は新入生に悪影響を及ぼすと、その事を隠していた。

だが、この現象を更に掘り下げて検索してみると、5人の教師の内3人が自殺しており、残りの2人が事故死になっている事が判明した。ただ、そこに関連性が見つかっておらず、事件とはされなかったらしい。

「成る程ねぇ〜。多分ピースが足りなかったせいだな。『鬼神同盟』事件は過去に凶悪犯罪を起こした元未成年者が対象だったから、事件にすらなっていない羽山の事がヒットしなかったんだ。でもここに羽山ダニエル剣吾の罰ゲームとやらの一件を新たなピースとして入力すると、かなり状況が変わると思うよ」

ニノはタブレット端末から接続された本部の『未来予想クライム』に、住良木から聞いた羽山ダニエル剣吾との関連性を示唆した内容を新たな情報として入力し、その結果を待った。「これは…まさか…♭♭」ニノのタブレット端末を覗き込んだチーフが思わず声を上げる。

それは一見何の繋がりも持たない出来事が、1つのピースを加える事で恐ろしい絵図になって行くのをまざまざと見せ付けられる様な、そんな真実であった。

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ここに来て『鬼神同盟』と言う、急激に懐かしいストーリーが蘇って参りましたウインクこれが私の仕掛けた今回最後のカラクリでございますグラサン
やはりラスボスとの戦いは派手にしなくてはなりませんからね〜ニヤリ(ニヤリ☆)

さあ、いよいよラスボス羽山ダニエル剣吾との決着でございますグッウインクそんなに長引かせるつもりはありませんのでお楽しみ頂ければ嬉しいですニコニコ