これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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17

「冬場のワニは基本冬眠中だから水中から殆ど出ずにじっとしている事が多いんだよ。寒い地方の奴なんか鼻の先だけ出して氷漬けになってたりするんだよね〜♪」

そんなアイバチャンの豆知識もあり、クロコダイルマンも今の時期は食事時以外ほぼ外に出ないだろうと予測したが、果たしてそのトリビアが四季とは無関係なこの飼育ブースのバイオアバターに通用するのか…♭

櫻井チーフは戦闘服の背中に装着した、ボーガンみたいな形状の、アイバチャン作成クロコダイルマン撃退装置を引き抜きつつ、クロコダイルマンの檻から10メートル程離れた位置で、その生体を確認した。

羽山ダニエル剣吾の撮影した映像では、おやつタイムにのそのそと歩み寄るクロコダイルマンの姿しか映っていなかったが、全身を緑灰色のウロコ状の皮膚に包まれたクロコダイルマンは、鼻から下が少し出っ張った、半魚人をもっと人間的にした様な連中だった。

下半身にピッタリとしたウェットスーツみたいな黒いパンツを穿かされ、海藻みたいな薄い頭髪が生えていたが、あの頭髪の様子を見る限り、確かに濡れていた様に感じたのは、ずっと水中に居たからだろうと、ここから観察していると良く分かる。

クロコダイルマン達はかなり深い大型の水槽の中で顔だけ出し、まるで浮きの様に直立の姿勢でプカプカと浮いており、食事後で腹も空かせてないのか、それとも水中に居るせいでこの距離のチーフの匂いも余り感じ取れていないのか、想像よりもずっと落ち着いた様子であった。

良し、行けるかも知れない…。チーフは意を決して背中から引き抜いた装置を天井にある梁に向かってプシュッ!と噴射した。鉄筋で作られた梁に引っ掛けられたワイヤーはチーフの体を一瞬で引き上げ、そのまま速やかにクロコダイルマン達の檻の上空に運ぶ。

シャーッと言う大きな音に驚いたクロコダイルマン達は水に浮いたままで大きな口を開け、上空のチーフを威嚇した。尖った口の中には鋭い歯がビッシリと生え、まさしくワニのそれであった。

クロコダイルマン達の急な脈拍の変化に反応したのだろう、檻の鍵がクロコダイルマン達の着けた首輪に連動して次々と開いて行く。水槽から這い上がり、ノソノソと檻から出る者、水中でバシャバシャと暴れる者、その反応は五体五様だったが、冬眠中の時期だからか、いささか動きは鈍く思えた。

「ガォォォォ!」「ギャォォォ!」まるで恐竜の様に咆哮しながら天井の梁にぶら下がるチーフに両手を伸ばしたり、飛びついたりしようとするクロコダイルマン達だったが、良く見ると指の間には水掻きが付いており、檻に這い登る様な真似は出来ない様子であった。

「ごめんな〜♭皮膚が固そうだから、可哀想だけど動きを止めさせて貰うぞ♭」ワイヤーを調節して檻の上に舞い降りたチーフは、装置から伸びているワイヤーの先端を戦闘服の背中に取り付けると、レバーで『WIRE』から『MASK』へと切り替え、上に向かって盛んに威嚇するクロコダイルマン達の口元を狙ってパン!パン!と連射した。

アイバチャン作のクロコダイルマン撃退装置から強化ゴム製のマスクが次々と噴射される。マスクはほぼ100%の確率でクロコダイルマン達の口元にペシャリと被さり、口を覆われたクロコダイルマン達は口元をまさぐりつつ、暫くバタバタと暴れていたが、物の数秒でスローモーションみたいにゆっくりとした動きになって、その内嘘みたいに大人しくなった。

「マジか?♭アイバチャンさすがだなぁ〜♭♭」背中のワイヤーを少しづつ緩め、コンクリートの床に降り立ったチーフは、ワイヤーを取り外すと、大きな溜め息をついてボヤいた。「高い所は苦手なんだ♭」

チーフは腰のガンホルダーからアイバチャンと同じ型のバイオアバター専用のオートマチックを抜き、余り近づき過ぎない様に配慮しつつ、先ずは檻の外に出ている体長3mはありそうなクロコダイルマン達の、手の届くか届かないかギリギリの距離まで歩み寄って行った。

3体のクロコダイルマン達はシューシューと威嚇の音を出しながら、チーフを視線で追いかけていたが、上手く動けないのか、まるで金縛りに遭ったみたいにじっとしている。

「無抵抗の生き物を撃つなんて気が引けるが…♭許してくれよ♭」心の中でクロコダイルマン達に謝りつつ、チーフはオートマチックを両手で構えて狙いを定め、なるだけ苦しまない様、手前のクロコダイルマンから胸に2発、額に1発の計3発の銃弾で仕留めて行った。

加倉井博士が作った、バイオアバターをミクロ化させる薬剤、『リターニング・セル』の弾丸で見事に急所を撃ち抜かれたクロコダイルマンは、まるで蒸発するかの如く、ほんの一瞬で霞の様に消えた。

コンクリートの床にはクロコダイルマンが穿いていた黒いウェットスーツのパンツと首輪。そして口を塞いでいたゴム製のマスクだけが残り、先程までチーフを威嚇していたあの半魚人みたいな超生物は影も形も無くなってしまったのである。

次にチーフは鍵の開いた檻の中に侵入し、水槽の水に浸かったままで硬直する残り2体のクロコダイルマンの側頭部を慎重に狙った。多少距離があり、1発で当てるのは難しそうだったが、弾丸は未だ11発は残っているので、どうにか仕留められそうに思えた。

1発目、2発目をギリギリで外す。チーフは決して射撃が苦手な訳ではない、むしろ警視庁内でも得意な方なのだが、目測でも高さ5、6メートルはありそうな大きい水槽の中で、プカプカと浮いている不安定な状態のクロコダイルマンの、頭部のみを狙って撃っても弾道の風圧で微妙にズレが生じ、上手く目標が定まらない。

少し角度を変え、もう一度撃ってみる。今度は上手くヒットして水槽内のクロコダイルマンは煙の様に消滅した。だが、水槽内に居たもう1体のクロコダイルマンを仕留めるべく、次の檻に向かおうと外に出た時、さっきまで水槽内に居た最後の1体がそこに居ない事に気づいた。

「…?♭妙だな…♭」チーフは呟き、最後のクロコダイルマンが居た檻に歩み寄り、水槽に穴が空いて水が漏れ出しているのを見つけた。恐らく2発目に外した弾丸が、檻に跳ね返って水槽に当たったのだろう。動けなかった筈のクロコダイルマンがいつ水槽から這い出したのかは不明だが、うかうかしては居られなかった。

「こりゃマズイ♭」急いで檻から駆け離れ、飼育ブースの隅に避難する。小さな水槽の穴はみるみる内に四方八方にひび割れを作り、その水圧はやがて水槽を粉々に砕いて、大量の水をバシャーーッ!!と飼育ブース内いっぱいに流出させた。「おわっ!♭♭」その迫力たるや、檻から遠くに避難したチーフもうっかり足を取られ、そのまま水溜まりの中にすっ転んでしまう程である。

「あっぶね〜♭」QR爺ちゃん特製の戦闘服は、防水加工も施されており、どうにかびしょ濡れになるのは免れたチーフだったが、前方からシューシューと言う音を聞いた途端、背中に冷水を浴びせられた様な危機感を感じた。

「水中のワニは陸上の数倍強いから水の中で戦う様な事にだけはならないでよ」アイバチャンのそんな忠告がチーフの脳裏に蘇る。慌てて身を起こし、オートマチックを構えるチーフの数メートル先には、中腰で身構える最後のクロコダイルマンが、鋭い牙を剥き出しにしてシューシューとワニ独特の威嚇音を発していた。

頬に弾丸がかすった様な白っぽい傷跡がついている所を見ると、恐らくは水槽に穴を開けた弾丸が、その前にクロコダイルマンの口元に当たり、口を塞いでいたゴムマスクを剥がしたのだろう。一体どんな神様のイタズラなのか、形勢逆転。確実に大ピンチの状況であった。

シューシュー!シューシュー!クロコダイルマンは明らかに興奮している様子だったが、チーフの持つオートマチックが仲間を消し去った事だけは理解しているのだろう、いきなり飛び掛かる様な真似はせず、間合いを取りながらチーフの動きをじっと観察している様に見えた。

目を逸らした方がやられる…♭チーフは片時もクロコダイルマンから目を離さずに、オートマチックを両手で構え、ジリジリと後退して行くと、遂に飼育ブースの壁にまで追い込まれた。クロコダイルマンとチーフとの距離が徐々に縮まって行く。

グアァァァァァァ!!クロコダイルマンが大きな口を開け、地響きが立つ様な咆哮を上げた。今だ!!♭ドゥ!ドゥ!チーフの銃口が火を吹き、大きく開いたクロコダイルマンの口内を狙って残りの8発が連射される。ジャバッ!水面が波打ち、中身を失った首輪やパンツが浮いた。

「はぁ〜♭死ぬかと思った♭」大きな大きな溜め息をついたチーフ櫻井は、任務中はコンタクトなのも忘れ、ついいつもの癖で眼鏡のフレームを持ち上げようと、自分のこめかみを指先で強く擦るのだった。

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1番手は翔君キャラの戦いにスポットを当てて書かせて頂きましたニコニコあんまり楽勝なのもどうかと思い、最後の方にちょっとピンチになるシーンも導入してみましたてへぺろ

次はニノみぃ〜キャラの戦いになりますニコニコ字数の関係でそれぞれの戦いを分けて書く事になると思いますので、ラスト潤智の戦いまでなるだけ急ピッチで書いて行きたいと思いますチョキ