これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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『サイバードーム』の見取り図が『未来予想クライム』によって『FIVE STORM』のメンバー達のスマホに一括送信された頃、羽山ダニエル剣吾との夕食会から帰って来た智がようやく合流した。「潤、みんなただいま〜♪どうだった?スマホデーターちゃんと送信されてた?」

嬉しそうに本部に駆け込んで来た智をしっかりと抱き締め、潤は心配そうにその顔を覗き込んだ。「良く帰ったなぁ智♪待ってたぜ〜♪大丈夫か?あの羽山ダニエルのヤローに変なコトされてねぇか?」「んふふ♪大袈裟だなぁ〜何もされてないよ♪」

「智く〜ん♪お帰り〜♪」櫻井がたちまち顔を綻ばせ、「バッチリ送信されてたよ♪いつもながら鮮やかなお手並みだね♪」と、智の手腕を褒め称えた。「何言ってんのよショウ隊長♭どう考えても俺の作ったアプリの実力でしょーが♭」二宮が呆れて物申す。

智も加わった一同は工房に詰める相葉とも回線を繋ぎ、もう一度改めて羽山ダニエル剣吾撮影の『サイバードーム』内部の映像を見直した。大画面が二分割され、半画面に映っている相葉が手元のスマホを覗き込みながら、バイオアバター達の動く姿をやや興奮気味に見つめている。

「成る程〜!♪調合フェロモンとは考えたなぁ〜!♪」「相葉さんさぁ〜、魂串とおんなじ調合フェロモンって作れないの?」二宮の質問に相葉は即座に「無理だねっ!♪」と言い切った。

「似た様な物は作れてもそっくり同じにはならないよ。ブレンドするのは魂串本人じゃないとね。多分バイオアバター達はちゃんと嗅ぎ分けられると思うよ。おやつに与えられる肉団子なんて完全に人の匂いが付着してるからね〜。それをずっと食わされてるんだ。残念だけどバイオアバター達はしっかり処分しないと」

相葉は本当に残念そうだった。もしバイオアバター達を躾けたのが相葉なら、バイオアバター達は人喰いの化け物などにならず、もっと人の役に立つ優しい生き物になっていたに違いない。結局動物は育てる者によってケダモノにも頼もしい相棒にもなり得るのだ。

「バイオアバター達も何だか可哀想だね。魂串や羽山ダニエルみたいな邪な奴らのせいで、生物兵器なんかに育て上げられて…」しんみりする智に、大画面の相葉が言った。「しょうがないよおおちゃん。バイオアバターは元々この世に存在しちゃいけない生き物だったんだ。俺達の手で元に戻してあげよう」

動物を心から愛する相葉の言葉は妙に説得力がある。智は「うんそうだね、相葉ちゃん」と頷き、自分が戦う予定になっている『ベアーマン』の様子を『未来予想クライム』に頼み、もう一度再生して貰った。焦げ茶色の体毛に覆われた、こちらも毛深いおっさんみたいな生き物である。体長は2m~3mはあるだろう。

チーターマンよりも一回り体が大きく、腕や肩周りや胸の筋肉も、ボディービルダーの様に盛り上がっていた。古着のカーゴパンツを穿いており、眉毛も太く、雄々しい顔つきをしている。

羽山ダニエル剣吾は他のバイオアバター達と同じ様に、おやつを与えて声を掛けながら、5体の『ベアーマン』を上手く手懐けていた。「ん?」その時突然スマホを眺める相葉が声を上げる。

「クラちゃんごめん。さっきのベアーマン映像だけど、5体目のベアーマンの部分をもう一度再生してくれる?」〖了解しましたアイバチャン5体目から再生します〗1番最後に羽山ダニエル剣吾からおやつを与えられるベアーマンの映像が再び再生される。

「クラちゃんもう一度」相葉は5体目のベアーマンだけを『未来予想クライム』に何度か再生させると、何を思ったのか「あ、そこ!さっきの所をスローで…ストップ!」と餌を受け取った後の場面で一旦停止させた。

それは羽山ダニエル剣吾が5体目の『ベアーマン』に生肉団子を与え「どうした?お腹空いてないのか?」と声を掛けるシーンである。他のバイオアバター達は両手に握った肉団子をおにぎりを食べる様にその場でがっついていたのだが、この『ベアーマン』だけはその場で食べず、両手に握った肉団子を檻の奥にある小部屋みたいな場所に持って行ったのだった。

「これって薄暗いけど昼間の映像だろ?時間が正午過ぎくらいになってんじゃねぇか。こいつら殆ど夜行性だって魂串も言ってたし、今は冬だからな、本来ならクマは冬眠中だぜ。飯より眠かったんじゃね?」潤が何がおかしいんだと相葉に聞く。

「そうじゃないんだ松潤。俺はこのベアーマンだけにちょっと違和感を感じたんだよ。確かに松潤の言う通り、熊は今頃の季節は未だ冬眠中だし、食料をすぐに食べないで貯蔵するって習性も持っているから、肉団子をその場で食わなかった事は別におかしかないんだけどさ。

ただこいつのビジュアルが、他のベアーマンと比べると顔つきがもっと人間的な感じが…。そうか、このベアーマン他の奴よりちょっと体毛が薄いんだよ!体長も少し小さい!」まるで大発見の様に興奮する相葉に、櫻井が「言われてみれば…♭でもそんなに変わらないんじゃ…♭」と首を傾げた。

「いや、ショウ隊長。案外相葉さんのホームランかもよ。クラちゃん、このベアーマンが肉団子を持って行った檻の奥の辺り拡大鮮明化出来る?」二宮が目を凝らして大画面の暗がりを見つめつつ、『未来予想クライム』に言う。〖了解ニノ。拡大鮮明化します〗

たちまち大画面の半分が真っ黒になり、徐々にその部分が明るく鮮明化されて行く。「嘘…♭だろ…?♭」潤が驚いて目を丸くした。どうやら檻の奥は他の檻に居る仲間達とケンカにならない様、姿を隠せる小部屋の様な物が作られているらしい。

ところがこのベアーマンの檻の奥には、本来ならそんな場所にある筈のない物が置かれていたのである。ガスコンロとフライパン、そしてオリーブオイル。塩やコショウ等の調味料だ。まるで外から隠す様に置かれたそれらの物が、このベアーマンの特殊性を明確に物語っていた。

「まさかこいつ…♭生肉食わずに料理しているのか…?♭」唖然とする櫻井に二宮は念の為、他のバイオアバター達の檻の奥も『未来予想クライム』に拡大鮮明化させた。だが、調理道具を置いているのはこの少し体毛の薄いベアーマンだけだったのである。

「やっぱりそうだ!こいつだけ違和感があったんだよ!他のバイオアバター達と歩き方や音に対する反応の仕方が違ってたから!何て言うのか、人間がわざと獣っぽく振舞っている様な…!そんな感じがしたんだ!多分こいつは加倉井博士唯一の成功例なんだ!」

半画面の中で大騒ぎする相葉を制し、櫻井がやや焦りながら言った。「待て、それじゃあこの第5のベアーマンはここに映っている調味料や調理道具をどうやって調達したんだ♭羽山ダニエルにおやつとして生肉を持たせた事を考えても、魂串はバイオアバターに成功例が混じっている事実に気づいてないぞ♭」

「だとしたらこのクマオ君が自分で調達したって事だろうねぇ。詰まりこのクマオ君は檻から出る事が出来るんだよ。クラちゃん、このクマオ君の檻の中に隠し穴とか掘られてる形跡はない?」二宮の声に『未来予想クライム』が〖探します〗と応答する。

作られたばかりの『サイバードーム』の見取り図が、ベアーマンの飼育ブースに近寄って行く。ドアを突き抜け、1体目、2体目、3体目、4体目と飛ばし、やがて5体目のベアーマンに辿り着いた時、『未来予想クライム』は奥の小部屋の隅に深い穴が掘られた形跡があるのを発見した。

〖これはニノの仰るクマオ君の檻の小部屋です。調理道具が置かれた場所の更に奥の隅に、直径1メートル50センチ幅の深い穴が掘られています。この穴は下の階の空調ダクトに繋がっている様ですね。おや?クマオ君は文字も読めるみたいですよ。

隠し穴の上に沢山の本が並べられていますね。この本で穴を隠しているのでしょう。いずれにしろクマオ君はこの穴から空調ダクトを移動し、研究所内にある備品等を拝借しては檻に持ち帰っている様子です〗

「もう完全に人間じゃん♭じゃあどうしてクマオ君はこんな檻の中で生活してんの?♭他の奴らみたいに動物扱いされるの嫌じゃないのかな?♭」二宮が勝手に命名した“クマオ君”はすっかりこの5番目のベアーマンの名前になったらしい。智のそんな疑問に、相葉が暫く考えて「もしかしたら…」と持論を語った。

「加倉井博士の置かれた状況を心配しているからなのかも知れないね。加倉井博士は言うなれば自分を生み出してくれたお父さんみたいな存在だろう?穴を掘ったり、調理をしたり、本を読んだり…。

そんなクマオ君の高い知能なら、何度も檻を抜け出している内に、弟子の魂串の裏切りに気づいた可能性はあるよ。幸いクマオ君にはバイオアバターとしての並外れたパワーと身体能力がある。魂串の計画を知ってそれを阻止しようとしているのかも…。

もし俺の考えが正しければ、バイオアバターを襲撃する前にクマオ君とコンタクトを取る必要があるね。本が読めるならきっと言葉が喋れる筈だ。俺達が加倉井博士を助けに来た味方だと知れば協力してくれるかも知れないよ」

どうやら事態は思わぬ方向に向かって行っている様子である。相葉以外のメンバーはクマオ君に何処までの信頼性があるのかとかなり懐疑的だったが、クマオ君が他のバイオアバターとは確実にその性質が異なっている事だけは納得したらしい。取り敢えず話だけはしてみようと結論した。

「但し、クマオ君が俺達に攻撃してくる様なら問答無用で始末する。それでいいな?」櫻井の厳しい言葉に相葉は頷き、後2日で全ての武器を作り終える事を約束した。

『インターナショナル・インテリジェンス・ミーティング』は4日後である。櫻井は『サイバードーム』の加倉井博士救出作戦をその前日に設定し、『FIVE STORM』のメンバーに檄を飛ばした。

「作戦決行は明後日の正午だ!頼むぞみんな!」「了解!!」いつもの様に手を重ねるメンバーに、画面の相葉も一緒になって手を差し出していた。

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バイオアバターに成功例が居ましたグッド!グラサンどうなんだこの設定タラーとも思ったんですが、近未来なら遺伝子融合の成功例も少しはあった方がいいかもと考え、極めて人間的なバイオアバターを1人だけキャラとして作ってみました〜ウシシ

次回はいよいよバイオアバターとの対決ですグー炎果たしてクマオ君は敵になるのか味方になるのか、いつもの如くご都合主義で突進したいと思っておりますてへぺろ