これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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「成る程ねぇ〜♪どうやらこれがあいつのやり方らしいよ♪」JMI本部。智のスマホから送信された羽山ダニエル剣吾のスマホデーターを目まぐるしいスピードで解析しながら二宮がクククと笑う。

「羽山ダニエル剣吾の奴。大野さんのスマホに番号交換のタイミングでGPSを仕込みやがった。多分大野さんの住所を知りたいんだろうね。

こうやって口説きたい相手の住所や居場所を探って偶然を装い、白々しくデートにまでこじつける腹積もりなんじゃね?こりゃ今まで噂になった女の子にもやってんね。大野さんガッツリ狙われてんじゃん♪相変わらず男にモテモテだねぇあの人♪」

二宮のそんな言い草に本部の潤があからさまにムッとして『未来予想クライム』の大画面を睨みつけ「羽山ダニエル絶対ぇぶちのめす!♭ムカムカ」と拳を握った。「出会ったばっかりで厚かましい♭智君を口説こうとするなんて1億万年早いわっ!♭ムカムカ」櫻井までイライラして眼鏡の奥の目を尖らせている。

「てか知らない事とは言えJMI御用達のスマホにGPS仕込もうとするなんて超間抜けだよねぇ〜♪この二宮さんがこんなショボいトラップ見逃す訳ねぇじゃん♪きっと今頃羽山ダニエルは大野さんの居場所に探りを入れているだろうけどそーは問屋が卸さないよ〜♪」

二宮は盗み出された羽山ダニエル剣吾のスマホデーターを次々と『未来予想クライム』に転送しながら、一方で智のスマホに仕込まれたGPSのプログラムをサクサクと書き換えて行った。

「ホイいっちょあがり〜♪羽山ダニエル剣吾が大野さんの居場所だと思い込んでいるのは一体何処でしょ〜か♪」二宮がエンターキーを叩いたのと同時に、大画面には書き換えられたGPSの内容が映し出される。

青いライトが点滅しながら都内のマップを移動しており、それはかつて六本木と呼ばれていたGiro-ppCityの方へと続いていた。「おいおいニノ♭この方向ってまさか…♭」潤が大画面のマップを見て思わず「酷ぇことするなぁ〜♭♭」と呟く。

「化け物使って人殺ししようとする様な反社革命家にはこれくらいやってやんなきゃねぇ〜♪まぁ本人バイ・セクシャルだって公言してたけどさすがにこの場所の秘密は警察関係者しか知らないでしょ?

地図上では普通の高級マンションだけど、その実ここは外国人ハードゲイの為の連れ込みホテル通称『地獄穴』。よっぽど飢えてなきゃ自ら赴く若い男は先ずいないからねぇ〜♪大野さんに会いたくて羽山ダニエル剣吾が張り切ってここを訪ねたりすると1発アウトでソッコー餌食になる。

ここじゃ元外務大臣だの元ハリウッド女優だの、そんな肩書きは全然関係ないしさ、幸い奴はイケメンだしね〜♪ゴリゴリの外国人ハードゲイのお兄さん達が超可愛がってくれるんじゃね?ムショに入った時の練習にもなるよ♪」

二宮の悪魔の様な策略に櫻井も顔をひきつらせて「『地獄穴』は警視庁でも組織犯罪対策課が常にマークしている危険地帯だぞ♭問題になるんじゃないのか?♭」と忠告した。

「心配いらないよショウ隊長。大野さんのスマホにインストールされたGPSは遠隔操作で消去したし、これが大野さんのスマホから発信されていると思ってんのは羽山ダニエル剣吾だけだから。それよかこっちの方が俺達には肝心じゃない?折角大野さんが頑張ってくれたんだから有難く拝見しとこうよ♪」

次に『未来予想クライム』の大画面に映し出されたのは『サイバードーム』内を撮影したと思われる動画だった。「ショウ隊長の読み通りだったね。羽山ダニエル剣吾が住良木行弥を介さずに魂串幻樹と繋がってんだったら『サイバードーム』の内部に招かれてる筈だっての、どうやらビンゴだよ。

今ハッキングした『サイバードーム』内部の防犯カメラから『サイバードーム』の見取り図を作ってんだけど、バイオアバターの檻にはカメラが設置されてないから檻の位置がイマイチ良く分からなかったんだよねぇ〜。

もし羽山ダニエル剣吾が『サイバードーム』の中に入った事があるんなら念の為に内部の様子を撮影してデーター保存してるんじゃないかと思ってさ。大野さんに『データーX-RAY』を使って羽山のスマホデーターを盗んで貰ったって訳♪」

二宮は愉しげに大画面上に現れた無数の動画をみんなに示すと、その中のひとつをチョイスした。まるで病院の通路の様な清潔な廊下である。光源は低く、少し薄暗い。「バイオアバター達は基本的に夜行性なんで明かりは小さめにしているんですよ」

恐らく羽山ダニエル剣吾がスマホで撮影しているのだろう。魂串幻樹の地味な顔がそんな説明をしながら廊下を進んでいる。廊下の突き当たりには『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた分厚いドアがあり、魂串がパスワードを入力するとガチャンと言う重い音がしてドアが開いた。

「バイオアバター達は脳が萎縮した半獣体ですが、良く躾けたチンパンジー程度の知能はありますので、普通の猛獣よりは扱い易いですよ。これはバイオアバターのおやつ用に私が作った馬肉と鶏肉を混ぜた肉団子です。これを檻の専用窓から中に入れて喰わせてやって下さい。

スマホで撮影するのは構いませんが、フラッシュみたいな強い光は出さないで下さいね。バイオアバター達が興奮します。それからこれを…」魂串は撮影中の羽山にスプレーで何かをシュシュッと噴射すると、生の肉団子がたっぷりと入ったバケツとトングを手渡した。

「これはバイオアバター達を手懐ける為の調合フェロモンです。人間には分からない匂いですが、バイオアバター達にはこの匂いを味方だと認識する様に躾けてあります。

バイオアバター達に取って殆どの哺乳類は捕食する獲物ですからプレゼンテーションの『インターナショナル・インテリジェンス・ミーティング』では我々は必ずこのスプレーを噴射する必要があります。ですのでバイオアバターを売却する時にはこのスプレーもセットにしないとなりませんね。

では羽山さん。私と加倉井博士の生み出した最強の生物兵器達に会って来て下さい。この向こうがバイオアバター達の飼育場所になります。4種類のバイオアバター達はそれぞれ鉄のドアで仕切られた個別のブースで飼われていますので、先程お教えしたパスワードを入力してそれぞれのブースへどうぞ」

ここで動画は終わっていた。「それじゃあクラちゃん。バイオアバター達の動画をチーターから順番に見せてくれる?」二宮の声に『未来予想クライム』は〖了解ニノ。『チーターマン』『クロコダイルマン』『ヒポポタマスマン』『ベアーマン』の順番で再生致します〗と即座に答え、それぞれのバイオアバター達の動画を大画面で再生した。

魂串が開けたドアの奥を進むと、突き当たりには頑丈そうな鉄のドアが4つ並んでおり、それぞれに『Cheetah Man』『Crocodile Man』『Hippopotamus Man』『Bear Man』と書かれてある。

そして『Cheetah Man』のドアが開けられ、羽山ダニエル剣吾だと思われる撮影者は「動物園の匂いがするなぁ」などと呑気に呟きながら、奥に進み、やがてちょっとした体育館程のだだっ広い敷地に並べられた、二十畳敷程もある5つの巨大な檻の前に立った。

恐らくそれぞれのバイオアバター達は同じ位の広い敷地内で飼育されているのだろう。ワニやカバ等の水の生き物にはプールの様な水槽も用意されているに違いない。

各檻の中には剥き出しの水洗トイレがしつらえてあり、バイオアバター達はそこで用を足しているものと思われた。先程の動画で魂串が、バイオアバターには良く躾けたチンパンジー程度の知能が備わっていると説明していたが、トイレで用を足せるとなると、確かにただの獣と言う訳では無さそうである。

檻の中には全身黄金の体毛で覆われた毛深いおっさんみたいなバイオアバターが、古着のジーパンを穿いた上半身裸の姿で、腹を下にして簡易ベッドに横たわっており、その姿はイラストにあったチーターマンそっくりだった。

チーターマンは羽山に噴射された調合フェロモンの匂いを嗅いで飼い主だと思ったのか、ベッドから立ち上がると、ちゃんと二足歩行して檻に近寄り、その姿が別人だった事で、不可解そうにガルルと鳴いた。

だが敵だとは思っていないのか、牙を剥いたり威嚇したりする様子は伺えない。首にゴツイ首輪の様なアクセサリーをつけていて、まさに飼育されていると言った感じである。

「やぁチーターマン1号君。俺はパパの友達だよ」羽山はチーターマンの一体を撮影しながらそう声を掛け、腰ほどの位置にある専用窓を開いて引き出し状の餌箱を引っぱり出すと、そこにソフトボール程の大きさの生肉団子を2個入れて「ほら、君におやつをあげるから俺と仲良くしてくれる?」と聞いた。

体長は2mに少し足らない程だろうか?人間としてはかなり大柄ではあるが顔は小さく、ボクサーみたいな無駄のない筋肉を身につけている。チーターマンは鋭い爪の生えた毛むくじゃらの両手に1つづつ生肉団子を握ると、それをガツガツと貪りながらグルグルと喉を鳴らした。

羽山ダニエル剣吾は同じやり方で全てのチーターマンにも生肉団子を与えると、「ヨシヨシ。いい子にしていれば今度お出掛けして美味しいご馳走をいっぱい食べさせてあげるからね」と優しく言ってチーターマンの飼育ブースを出て行った。

これでチーターマンの動画は終了である。羽山ダニエル剣吾は同じ要領で他の飼育ブースにも赴き、おやつを与えてバイオアバター達を手懐けると、満足そうに動画撮影を終えた。これでバイオアバター達は羽山ダニエル剣吾を飼い主の魂串幻樹の友達だと完全に認識した様子である。

「バイオアバターは思ったより頭がいいな…♭羽山の言葉をちゃんと理解している様に見える…♭」動画を見終わった櫻井が呟いた。「ニノ、飼育ブースに入る暗号の解析は出来てんのか?」潤の問い掛けに二宮は「勿論♪」と答え、注意事項を説明した。

「でも動画を見る限り、バイオアバター達が飼育されている檻にはセンサーが取り付けられているね。あれはバイオアバター達の体温や脈拍に反応して檻が開閉出来るようになってるよ。

詰まりあの調合フェロモンのスプレーが無い俺達が飼育ブースに侵入した途端、バイオアバター達は餌だと認識して興奮状態になり、その変化を感知したセンサーが檻を開ける。

どうやらバイオアバター達がつけていた首輪状のアクセサリーと連動しているみたいだから、遠隔操作じゃどーにもならないよ。要するに侵入者はバイオアバター自身が始末してくれる仕組みになってんだろうね」

「…哺乳類は全部餌か…♭直接対決は必至っつ〜事だな♭」潤がやれやれと溜め息をついた時、『未来予想クライム』が見取り図の完成を告げた。「さすがはクラちゃん♪仕事が早いねぇ〜♪」二宮が褒めると『未来予想クライム』が〖恐縮です〗と答える。大画面に『サイバードーム』の立体的な見取り図が映し出された。

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長くなりましたのでここで一旦切りますねニコニコそれにしても『地獄穴』ってやな響きですね〜ww