これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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本部でバイオアバターの対策会議が行われている頃。MTJ(マウントジャパン)テレビの撮影所では、1月から始まった智の新連続ドラマの撮影が行われていた。『格闘天使サトシ・オーノ』初めての主演映画で企業がつけた智のキャッチコピーである。

小柄で華奢でベビーフェイスな智のキュートな外見と、アスリート並の身体能力の高さのギャップから『格闘』と『天使』。この全くそぐわぬ2つの言葉が今ではアクション俳優大野智のニックネームの様になって世の中に浸透していた。

今度のドラマは毎回人気のあるタレントや俳優がゲストとして登場する、1話完結のエンタメ作品で、智は黒羽隼人(くろばねはやと)通称『ブラックファルコン』と言う凄腕の怪盗を演じている。

依頼人に応じてどんな無茶な物でもハヤブサの如く速さで必ず盗み出すのが『ブラックファルコン』の仕事であり、この役を智はスタントマン無しで演じており、彼の高い身体能力が存分に生かされた連続ドラマとなっていた。

今日は第7話の撮影で、しかもゲスト出演するタレントが問題の羽山ダニエル剣吾だったから驚きである。JMIは警視庁の極秘機関で公にはされていない。無論智がそこの捜査官だなどと知る者は業界の何処にも存在しないのだ。

智は楽屋に挨拶に来た羽山ダニエル剣吾に務めてポーカーフェイスを作り、いかにも主演俳優らしい微笑みで相対峙しなければならなかった。「初めまして。大野智です。本日はどうぞ宜しくお願い致します」

とっておきの笑顔で手を差し出す智に、羽山ダニエル剣吾は空々しい程の爽やかさで握手を交わして来た。羽山は身長が高いので、自然と智は相手を見上げる格好になり、愛くるしいベビーフェイスが更に際立っている。

「こちらこそ大野さん。お会い出来て本当に光栄です♪俺、大野さんの出演された作品全部観てるんですよ♪大ファンなんです♪」「本当に?ありがとう。僕も君の出演しているクイズ番組は良く観ているよ。すごい知識量だね。僕なんかクイズの方はからっきしでさ。台本に書いてある言葉でも意味が分からない時があるんだよ」

自虐的な言い方で相手を立てる智に、羽山ダニエル剣吾は満更でなさそうに「観て下さっているんですか?嬉しいです♪台本の事だったらいつでも言って下さい♪俺で良ければ即ご教授させて頂きますよ♪」と満面の笑みで答えた。

色素の薄い茶色の巻き髪や茶色の瞳。彫りの深い端整な顔立ちは明らかに外国人の遺伝子を感じさせる男である。ハンサムには違いないが、ハーフにありがちの二枚目と言った感じで、際立った個性は無く、智は(潤の方が魅力的でカッコいい♪)と胸中で再確認しながら表向きでは「ありがとう」と愛想良く返事を返した。

始めは社交辞令かと思っていたが、羽山ダニエル剣吾は本当に智のファンらしく、未だ売れる前のほんのワンシーンの役柄の事も良く知っており、撮影中も様々なサブスク等で配信されている、あらゆる作品についての造詣の深さを大いにアピールしては智の気を盛んに引いた。

撮影はほぼ1日で終了し、智は帰り支度を整えながら、JMI本部から送信されたメール内容を確認すると、続けて本部の潤にメールを打った。

【潤、今終わったよ〜ハート戦闘服カッコいいじゃんグッ実は今日の撮影のゲストタレントが羽山ダニエル剣吾で、俺のファンだと言って来た🤭何か探りを入れて貰いたい事があれば対応したいと思うから翔君に聞いといてくれる?何もなければこのまま本部に直行するよ〜🔙じゃあ後でね👋   智🍀】

すぐに本部の潤から返信が入る。【俺は反対したんだけど、班長がそのスマホにある『データX-RAY』ってアプリを使って羽山ダニエル剣吾のスマホデーターを盗み出せって言ってるよクソ〜ッパンチ!

ニノが作ったアプリなんだけど近距離じゃないと使えないらしいから羽山ダニエル剣吾を夕食にでも誘って番号交換しろってさ。とっとと片づけて早く帰って来い。絶対メシ喰うだけだからな智。待ってるぞ💗   潤】

「『データX-RAY』?」メールを読んだ智はスマホのホーム画面にある『DataX-RAY』と書かれた☠️のマークを確かめた。JMI御用達の仕事用スマホには二宮が開発に携わった色々な謎のアプリがインストールされている。

無論捜査以外で悪用する事は厳格に禁止されており、もし悪用が発覚すればその捜査官は問答無用で懲戒免職&逮捕だ。いかに民間から選出されたとは言え、JMIの捜査官に対する規律は本職の警察官以上にかなり厳しく設定されていた。

これは櫻井の父である元警視総監の櫻井睦郎(むつろう)がJMIのシステムを発動すると同時に設定した規律で、アプリの悪用だけでなく、他のあらゆる犯罪にも適用されている。

JMI捜査官の捜査は極秘なだけに違法性を含んだ内容の物も少なからずあった。だからこそ、捜査官は犯罪者の摘発以外の目的で、権力を行使する事は絶対に許されないのである。

ドクロマークなんて何事だろうかとホーム画面を見る度に思っていた智だったが、どうやらデーターをレントゲン写真の様に透視すると言う意味だったらしい。何にせよ捜査開始と言う訳だ。

智は仕事用のスマホを無造作にジーンズのポケットに入れ、いかにも普段使い用に見せ掛けると、羽山ダニエル剣吾の楽屋のドアをノックした。「羽山君。もし良かったら夕飯食べに行かない?いい店を知ってるんだ」

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羽山ダニエル剣吾との夕食会は概ね上手く行った。唯一智の計算違いだったのは羽山ダニエル剣吾が女好きだと思い込んでいた点である。良く週刊誌に撮られていると言ったのは潤がハニトラにかけた加美山さくらだったが、羽山ダニエル剣吾の女遊びは業界でも有名だったので、羽山が智に対して下心を持つとは考えていなかったのだ。

だが、酒が入った羽山ダニエル剣吾はかなり饒舌になり、智にもタメ口を利いて臆面もなく自分がバイ・セクシャルである事を告白した。「あ〜ホント♪サトシとのめるなんてマジで嬉しいわ♪夕食に誘われた時はガラにもなく舞い上がっちまってさぁ〜♪

俺の場合恋愛相手を性別で差別しない主義だし、こうして知り合えたのも何かの縁だろ?サトシが嫌じゃなかったらまた誘っていい?♪俺と付き合ってよ♪先ずは友達からでもいいからさ〜♪」

智の肩を抱き、顔を寄せて馴れ馴れしくアプローチして来る羽山に智は内心(オイオイ(^_^;))と思いつつ、「それじゃあ番号交換しようか?」と、こっそりドクロマークをタップしてからスマホを取り出した。

「いいの?♪やった♪」羽山ダニエル剣吾は喜んで自分のスマホをジャケットの胸ポケットから取り出し、智と番号交換を済ませると「サトシのテレフォンナンバーゲット♪」と顔を綻ばせた。

「さぁ羽山君。君との食事は楽しかったけど、そろそろお開きにしようか?僕は明日も早いし、これ以上遅くなると睡眠不足でグダグダだ」「ちぇ〜♭このまま二次会って思ってたのに残念♭でもあんまり強引過ぎてサトシに嫌われちゃ大変だしね♪今宵はこれで退散するよ♪」

店を出て、タクシーに乗り込みながら陽気に手を振る羽山ダニエル剣吾を笑顔で見送った後、智は大きな溜め息をついてまじまじとスマホを眺めた。「上手く送信されてればいいんだけど…」智は手を上げタクシーを止めると、行き先にJMI本部の隠れ蓑として警視庁が設立した偽のIT会社『CRESET-Co.』の名前を告げた。

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サトコでもハニートラップ、サトシでもハニートラップで智君大忙しでございますグラサンハート因みに智君のドラマはアメリカの小説『怪盗ニック』と言うシリーズ物のイメージで書いていますウインクとは言え原作の『怪盗ニック』は智君みたいな可愛い男性ではありませんが…ニヤニヤタラー

シリーズも4回目ともなると、『格闘天使サトシ・オーノ』が企業のつけたキャッチコピーだとか、JMI本部が表向き民間企業の振りをしているとか、そう言った諸々の初設定をつい忘れちゃうので滝汗(コラコラアセアセ)

私の思い出しの意味も含んだ今回の11話でございました〜てへぺろゞバイオアバターとの対決に向かって作戦は着々と進行しておりますグッ

最近やっと体調も元に戻り、だいぶ元気になって参りました〜チョキニコニコ皆様、ご心配頂き本当にありがとうございました〜(感涙笑い泣き)今週中にはどうにかバイオアバターとの対決にまでこじつけられればいいなと思っておりますウインク