これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ
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「それにしても面白いイラストだった♪融合されるヒトゲノムにもよると思うけど、バイオアバターは想像以上に人間的な姿をしているねっ!♪俺は動物が劣性だとは思わないけど、遺伝子構造だとどうしてもヒトゲノムの方が優性遺伝子って位置付けだから、見た目に人間要素が顕著に現れるのは理解が出来るよ。
それにしてもこのメモにある身体能力は完全に融合された動物遺伝子の特徴が出ているから、俺の想像通りなら弾の命中率は格段に上がるんじゃないかな?例えばチーターマンだけど、このバイオアバターはクマやカバのバイオアバターに比べて比較的スリムだろう?
マッチョでもボクサーみたいな細マッチョって感じだよね?これはチーターの徹底的に軽量化されたボディーと非常に似ているのが分かるんだ。きっと顔もかなりの小顔だと思うよ。詰まり完全にスピードに特化したボディーだと言う事。
チーターのハンティングがライオンなんかに比べて成功率が高いのは走り出し僅か5秒程度でトップスピードに持って行ける瞬発力にある。当然人間なんかかなう筈無いよね?でも、スピードに特化したボディーは軽量化し過ぎている為にパワーに難がある。
だからチーターが自分よりも身体の大きな動物を狙う事は殆ど無いんだよ。顎が小さいから噛む力も弱いし、獲物が大物だと噛み殺すまでに時間が掛かり過ぎて別の肉食獣に横取りされたりしちゃうから、チーターが狙うのは殆どが小動物なんだ。
しかもどんなにスピードが早くても全速力で走れるのはたった20秒くらいで、持久力が無いしね。詰まりチーターマンは疲れさせる事が出来ればすぐにヘトヘトになって動けなくなるって事。
次にヒポポタマスマンだけど、カバって動物はめちゃくちゃ強くて凶暴なんだ。アフリカだとカバが1番多くの人間を殺すって言われている。何故ならカバってのは縄張り意識が強くって知らずにテリトリー内に入っちゃったりしたら、死ぬまでそいつを攻撃するからだ。
力も強いし、ある意味最強と言ってもいい。だけど、基本水中の動物なんで皮膚の乾きには超弱いんだよ。カバが赤い汗をかくのは紫外線から皮膚を守る為の、言うなれば日焼け止めみたいなもんでね。皮膚が乾燥するとひび割れてそこから雑菌が入ったりするからカバに日焼けは大敵なんだ。
詰まりヒポポタマスマンには大量の紫外線が効果的だって事。この特性を兵器に応用すればきっと上手くいくよ。それからクロコダイルマンだけど、このメモにある通り、ワニの噛む力は300キロと確かに強そうに思えるよね?
でも実はワニって陸上での動きは鈍くて噛むのは強くても、口を開ける力は激弱なんだよ。特に鼻周りは弱点でもあるから、口を開けなくすれば嘘みたいに大人しくなる。その為の兵器も既に設計図は出来てるし、クロコダイルマンに関しては楽勝だと思うよ。
でもベアーマンはちょっと厄介だね。スタミナもあるしパワーもある。走るスピードも早いし、水陸どちらでも順応する。急所は一応眉間と心臓と延髄なんだけどクマってのは体毛が深く、皮膚が厚くて心臓も奥にあるからね。
リターニング・セルの効能がどれほどのものか試す事が出来ないからさ、弾を当てれば確実に倒せるかどうか不明なだけに、遠距離での攻撃だと致命傷を負わせる事が出来ないかも知れないんだ。
だからベアーマンに関しては単独じゃなくて複数で対応する方がいいよ。前後に分かれて急所である延髄と眉間の両方を近距離で撃ち抜く方が効率的に倒せると思う。それにクマは唐辛子とミントの匂いを嫌がるから、匂い玉みたいのをぶつけて怯ませてから攻撃するのもアリじゃないかな?」
さすがは動物のプロフェッショナルである。一同は「へぇ〜〜〜〜〜」っと言う感嘆の声を上げて大画面の相葉を眺めた。「じゃあ俺はクロコダイルマンにする!」二宮が早速1番楽勝らしいバイオアバターとの対決を希望する。ところが相葉は「ニノにはヒポポタマスマンを任せたいんだけどな〜」などと何か対策ありげな様子だった。
「えぇ〜!?♭体長4メートルもある奴はヤだよ〜!♭」文句を言う二宮に相葉は「だってニノは基本サイクロンから出ないじゃん。ヒポポタマスマンだったらサイクロンに乗車したままで倒せるんだけど、そんなに嫌なら俺が担当しようか?」と答え、それを聞いた途端二宮は「サイクロンに乗ったまま?!♪あぁそうなの?!♪じゃあヒポポタマスマンでいいよ!♪」とソッコーで前言を撤回した。
「どうやら今回のバイオアバター全滅作戦は相葉君の意見を尊重した方が良さそうだな」櫻井は今回の戦略を相葉の采配に任せる事にして、その作戦内容を聞いている。相葉はそんな櫻井に向かって大画面の向こうから「班長は射撃って得意な方なの?」と尋ねた。
「勿論♪これでも一応現役の警察官だからな。射撃訓練は怠らないさ。命中率はかなりのものだと思うぞ」櫻井の返答に安心したのか、相葉は「それじゃあ班長にはクロコダイルマンを担当して貰うね」と割り振り、「接近戦が得意な松潤とおおちゃんは共同でベアーマンを頼む」と言った。
「1番厄介なバイオアバターは俺達かよ?♭マジで対策は万全にしてくれよな♭」いかにも嫌そうな顔をする潤を見上げ、智が「いいじゃん♪それだけ相葉ちゃんは俺達の実力を高く評価してくれてるって事でしょ?♪」と、ポジティブな捉え方をして優しく微笑う。櫻井が「やっぱり智君は寛大だなぁ〜♪」と眼鏡のフレームに触れながらデレデレと目尻を下げた。
「チーターマンは俺に任せて♪勿論、皆んなが戦い易い様にそれぞれのバイオアバターに対抗する為の兵器は完璧に準備して置くよ!♪題して『ヘンテコ猛獣をやっつけろ作戦』!!」張り切ってそんな宣言をする相葉に『未来予想クライム』が〖その前にちゃんと睡眠を取って下さい〗と説教じみた事を言った。
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このYOKO-BayCityから少し外れたKAWASAKI-CityAreaとの境界付近の市街地に『サイバードーム』研究所は存在していた。白いドーム型の屋根を持つ、大層近代的な建物で、まるで何がしかの商業施設みたいな風合いがある。
天井の高い特殊なゲージの中、合計20体のバイオアバター達はジーパンやら合皮のパンツやら、ディスカウントショップや古着屋等で購入された比較的安価なズボンを下半身に纏い、外国産の安い牛肉やら、豚肉やら馬肉やらの生肉のみを餌に与えられながらほぼ家畜の如く扱いで飼われていた。
「100億?その『黄金創機有限公司』と言う中国企業は問題無いのですか?住良木さん」電話の向こうで買い手を決めたと言う住良木行弥に、魂串幻樹は手元にあるノートパソコンで『黄金創機有限公司』のホームページを確認した。
『サイバードーム』のコンピュータブースである。事務所も兼ねたこの場所は今や魂串幻樹の個人オフィスとして怪しげな取り引きに利用されていた。
「…確かにかなりの大企業みたいですね…。分かりました、それじゃあ取り引き先は『黄金創機有限公司』に決めて下さい。バイオアバターのプレゼンは予定を変更して『インターナショナル・インテリジェンス・ミーティング』で行います。
インターネットのライブ中継で全世界に発信致しますので、その旨をお知らせ下さい。え?シェルター室の加倉井博士と研究員ですか?どうせ来月には備蓄食料が無くなりますから、放って置いても飢え死にしますけどね。
まぁ『インターナショナル・インテリジェンス・ミーティング』でのプレゼンが成功すれば、この研究所は爆破しますから、何の心配もいりませんよ。ハハハ確かに国際会議はリスクが大きいですが、こちらには切り札がありますからね。
ええ、住良木さんが紹介してくれたおかげで羽山ダニエル剣吾さんが乗り気なんですよ。既にバイオアバター達にも会って貰いましたしね。全ての手配は羽山さんがやって下さいますので、住良木さんはその『黄金創機有限公司』と言う中国企業さんとの速やかな手続きをお願い致します」
電話を切り、ホームページにある『黄金創機有限公司』の概要を細かく見聞しながら、魂串は静かにほくそ笑んだ。このホームページは二宮が作成した偽物のホームページだが、実際にある中国企業を元にして作成したリアリティー満点のホームページなので、フェイクだとバレる心配は殆ど無い。
住良木の人脈も手伝っているだけに魂串もすっかり信用して、いずれ手にする100億の儲けに胸躍る思いであった。自然に口元が緩み、含み笑いが込み上げて来る。
「フフフフフフ…♪」1人で笑う魂串に、「どうした?やけに楽しそうじゃないか」と、声を掛けたのは羽山ダニエル剣吾である。つい先程、研究所内にあるバイオアバターの飼育ブースから戻って来たばかりだった。
高身長に茶色の巻き毛と彫りの深い端正な顔立ち。典型的なハーフのイケメンである。さほど個性は無いが、わかり易い二枚目なので、影の薄い魂串よりは余程存在感があった。
「いやね、住良木さんが『バイオアバター』に100億の買い手を見つけてくれたんですよ。おかげで『インターナショナル・インテリジェンス・ミーティング』でのプレゼンが楽しみになりました」「そりゃよかった。あの国際会議はまさに世界革命の分岐点になるからな。だが…」
羽山は感情の読み取れない石膏像めいた顔で魂串を見下ろし、その頬に薄笑いすら浮かべてこう言い切った。「プレゼンが終わったら住良木はもう用無しだな。武器商人達の仲介役はあいつだ。買い手が決まったなら、他に仮契約を取り付けた連中が『バイオアバター』を手に入れ損ねた事で奴を恨まないとも限らない。
なら住良木と繋がりを持つ我々との関係はさっさと断ち切った方が安全だろう?住良木の役目ももうお終いって事だ。火の粉がこっちに飛ぶ前に消火してしまおうじゃないか。仲介料の節約にもなるしね。現役時代は親父もよくやってたよ、所謂トカゲの尻尾切りってやつさ」
羽山ダニエル剣吾は魂串の肩をポンポンと軽く叩いて「もうすぐ世界は大きく変わるぞ…」と呟いた。
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動物博士の相葉ちゃん、本領発揮でございます強そうな猛獣にも必ず弱点はあるんですね〜♪
今回の動物達の弱点については一応動物番組等で得た知識とネット調べで書かせて頂きましたが、同じ猛獣でもその個体によっての違いもあるかと思いますので、必ずしも正解ではないと言う事だけご理解下さいねゞ
さあ、いよいよ『ヘンテコ猛獣をやっつけろ作戦』の始まりでございます♪私も気合いを入れてまい進したいと思いますぞو☆