これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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仮契約の相手は7人も居た。欧米や中近東、それぞれの仮契約書を確認しながら春麗は書類を指差し、その詳細をいちいち住良木に尋ねた。春麗から質問される度、胸が当たり、太腿が触れ、住良木の鼻息は俄然荒くなる。

だが、春麗がこうして契約書を1枚1枚手に取って指差すのにもちゃんとした意味があった。春麗の左手首にある女性物のブルガリの腕時計、そして春麗の右手中指にある大粒のサファイアの指輪、どちらにも小型のカメラが仕込まれているからだ。

詰まり、この仮契約書の内容はこの2つの小型カメラでJMI本部に全て筒抜けという訳である。後は本部でスタンバイする二宮が、相棒の『未来予想クライム』と共に送られて来た映像を解析し、国防省に情報を送ればいい。するとその国の捜査機関に、国防大臣の東山の名前で極秘に警告される仕組みになっているのだ。

後はその国の捜査機関が然るべく方法で処理してくれる。契約書の内容が漏れていると知れば住良木が仲介した、魂串幻樹の取り引き相手である武器商人達は『バイオアバター』が既に日本の捜査機関に摘発されたと思い、契約を取り消して手を引くだろう。

何せチームは5人しかいないのだ。『バイオアバター』と闘うだけでも大変だろうに、その上『バイオアバター』欲しさで海外の武器商人などが介入して来る様な事態になってしまっては洒落にならない。なので住良木を介在して魂串と取り引きをした武器商人達が来日する前に徹底的に排除しようとしている訳である。

「社長サンありがと♪私、コレでオ父サン怒ラレなくなりましたシタ。日本の技術ヤぱり凄いデスね。『バイオアバター』オ父サン絶対欲シイ言いマス。沢山お金出しマスよ。悲しケド中国元、世界に信頼されてナイデスね。だから取り引きアメリカドルが多いデス。社長サンはどうしマスか?」

住良木の持って来た仮契約書にサインしながら聞く春麗に、住良木は「そ、それじゃあアメリカドルで…♪」と、ほぼ言いなりな状態である。

「ハイ、ではアメリカドルで1億デスね。日本だと100億円なりマス。デスが、これはあくまでも仮契約デスから、少しダケ安くしてマス。オ父サン『バイオアバター』きっと欲シイ言いマスから、ここからモット高くなりマスよ。

私、親切な社長サンの為、オ父サンに一生懸命売り込みマスから社長サン待ってテネ♪いいお話聞けマシタ♪アリガト♪謝謝♪」春麗はなかなかの力強さで住良木をムギューッと抱き締めると、その頬にチュッとキスをした。住良木の頬に赤い口紅の跡がくっきりとへばりついている。

眼鏡のズレた腑抜けの顔で住良木は「必ず『黄金創機有限公司』さんに買って頂ける様私からも先方の研究員に働きかけます〜♪」と請け負い、ヘラヘラと緩んだ笑顔を春麗に向けた。始めの神経質そうな印象は何処へやら、今ではあらゆるネジがユルユルになってしまった感じである。

そろそろ潤の方も片付いている頃かな…?智は内心そう思いながら、テーブルのフルーツタルトを引き寄せ、フォークで切って1口食べると「ン〜♪美味しデスね♪」と言って傍らの緩み切った住良木に、飛び切りの愛想笑いを見せていた。

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一方、住良木の愛人らしき女子社員、加美山さくらを昼食に連れ出した潤の李大龍は、加美山さくらが行きつけだと言う某ホテルのランチバイキングで、皿に取り分けた料理を食べながら親しげに言葉を交わしていた。

「この料理美味いネ♪さくらサン、教えてくれてアリガトウ♪」「いいえ、私の方こそ奢ってもらってありがとうございます♪タイロンさんは日本語がお上手なのね♪あなたの様な素敵な男性にずっと寄り添って貰えるお嬢様が羨ましい♪私なんてデートすら滅多にして貰えないもの。あの人は仕事と趣味が1番、女なんてお金でどうにでも出来る程度の単なる添え物なのよ」

誰とは言わないが、恐らく社長の住良木の事だろう。やはり彼女はかなりの不満を溜め込んでいそうだと大龍は予想し、その方向で会話を進めた。「デート少ないデスか?さくらサンの彼氏冷たいデスね。私はお嬢様の秘書デスから、尽くすノハ仕事。

デモ女性には優シイの男がイイじゃないデスか?私、いつも思ってイマス。日本語とても難しネ。デモ言葉覚えるのコト、コミュニケーションに必要デス。私日本語覚エタ、だからさくらサンとお話シ出来マス。良カッタ」

女性が望むカッコいいを全部集約させた様な魅力的な微笑みである。海外から来たイケメンが覚えたての日本語で、誠意を持って懸命に会話してくれているのだ。例えお世辞だとしても女性なら悪い気はしないだろう。彼氏の住良木に不満のある加美山さくらなら尚更だった。

「私もこんなに楽しいランチは久しぶり♪昼休みがこのまま終わらなければいいのにって本当に思うもの♪」などとすっかり大龍の術中にハマっている。

「デモ、さくらサンの会社はハイテクノロジーで素晴らしデスね。お嬢様と共ニ社長サンのお部屋行きマシタが、新し物タクサンありマシタ。社長サン忙し人デスね。色んな国、やり取リしてマス」

「そうなのよタイロンさん。私も詳しくは知らないんだけど、住良木社長は近頃良く海外のバイヤーと話をしているの。うちの会社はスマートフォンやパソコンのアプリケーションなどを開発してマーケティングするのが主な業務なので、その殆どがデスクワークなのね。

だから住良木社長は海外企業ともインターネット上で商談したり交渉したりして、契約を行うんだけど、最近ではタイロンさんの会社みたいに、海外からバイヤーが来日して直接社長と商談する事が多くなったの。

確かタイロンさんの会社って乗り物や大型機械の部品とか、精密機器の組み立てとかをやっているんでしょう?ホームページも拝見したけれど、かなりの巨大企業よね?

今回は新型の介護ロボットに組み込む情報システムの共同開発を住良木社長に依頼しに来られたそうだけど、きっと大きなプロジェクトなんでしょうね。私が知る限り、住良木社長に直接交渉に来た海外企業の中では間違いなくタイロンさんの会社がトップクラスだわ」

加美山さくらは少し間を置いて周囲の目を確かめると、少し声のトーンを落としてから大龍に「ここだけの話だけど…」と切り出した。来た来た…♪いい流れである。潤の大龍はいかにも興味深そうに耳を傾けると、「何デスか♪さくらサンの話、とても聞きたいデス♪」と加美山さくらの自尊心を煽った。

「実はね、タイロンさん…。私見ちゃったのよ、有名人…。あれは1ヶ月位前だったかしら?会社にスマホを忘れちゃったので夜中にこっそりと取りに行ったのよね…。そしたら社長室に明かりが着いてて…。

こんな時間に住良木社長は何しているのかと思ったんだけど、どうも秘密の会合っぽかったので、つい物陰に隠れてコソコソしちゃったの。そしたら住良木社長と一緒に社長室から出て来た人が居たのよ。

タイロンさんはご存知ないかも知れないけれど、その人日本では有名人でね、東大の特等生だけが入学出来る『Tokyo-imperial-college』の現役大学院生で、テレビのクイズ番組にも良く出演しているインテリタレントの羽山ダニエル剣吾(はやまだにえるけんご)って言う人。

お母さんが元ハリウッド女優でね、お父さんは元外務大臣の羽山庸三(はやまようぞう)さん。次世代のインテリスターって呼ばれているイケメンで、派手な女性問題なんかで良く週刊誌にも撮られたりしているから、私はあまりタイプじゃないんだけど、その彼が住良木社長と夜中にこっそり…。

何でも彼、次の『インターナショナル・インテリジェンス・ミーティング』でスピーチするらしいのよ。多分お父さんの肝いりだとは思うんだけど、各国の政府関係者や学会の有名人達がこれからの世界のあり方について話し合う国際会議なんですって。

きっといいスピーチをする為の便利な装置みたいなものを社長に依頼したんだと思うわ。だって、インテリを売りにしている人がベタなスピーチじゃカッコつかないでしょう?でもこれは絶対に秘密よ♪」

加美山さくらは人差し指を唇に当てて「シーー」などと茶目っ気たっぷりに言っていたが、潤の大龍は平静を装うのに必死だ。またえらく厄介な名前が出て来やがったぜ…♭微笑みを絶やさぬ様務めてはいたが、ともすれば顔がひきつりそうになるのを懸命に抑えていた潤であった。

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潤智コンビのハニートラップ大成功の巻でございますww爆笑チュンリー智💙にタイロン潤💜どっちも結婚詐欺師ばりの引っ掛けっぷりでございましたグラサン

何だかクセの強そうな羽山ダニエル剣吾なるキャラクターも登場し、いよいよ『バイオアバター』撲滅作戦が本格化して行きそうな予感ですウインク

因みに作中に登場する東大特等生だけが入学出来る『Tokyo imperial college』なる学校制度は存在致しませんので←(そんなのばっかアセアセアセアセ)いつもの様にヌルっとスルーでお願い致しますo(_ _*)o