これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ
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『リターニング・セル』を持ち帰ってからの『FIVE STORM』のメンバーの動きは早かった。先ずは班長の櫻井が、永田町へ赴き、国防大臣の東山にアポイントメントを取って面会に行く。
国防大臣の東山は、かつての『鬼神同盟事件』で自身の暗殺を『FIVE STORM』が未然に阻止し、命を救われてからと言うもの、彼等の仕事振りを高く評価しており、何かと目にかけてくれていた。『サイバードーム』研究所に纏わる騒動について、櫻井からの報告を聞いた東山国防大臣は、執務室のデスクで眉を顰め、「何て愚かな事を…♭」と小さく首を振った。
「加倉井博士に罪を償う覚悟は出来ています。が、いかんせん今は『バイオアバター』とそれを操る魂串幻樹が研究所を支配している状況です。博士も研究員達も、シェルター室から出られない。『バイオアバター』は人を喰う化け物なんです。
どうやら魂串は海外の武器商人に、生物兵器として『バイオアバター』を高値で売りつけようと画策しているらしい。今うちの二宮が魂串の動きを監視し、魂串が取り引きをした武器商人を調べているところです。
博士が隠した『バイオアバター』を無力化する薬剤『リターニング・セル』は松本と相葉と大野が入手しました。現在相葉はこの『リターニング・セル』を原料とした武器の作成を担っております。
ただ、今回の敵はかなり特殊な相手になりますので、それなりの経費がかさむかと思われます。国防大臣には魂串の取引先が判明した時のサポートと『バイオアバター』対抗措置に関わる資金援助をお願い致します」
頭を下げる櫻井に東山国防大臣は「分かった」と、強く頷き、改めて櫻井に確認した。「出来るのか?『FIVE STORM』で…」「…分かりません。我々にも未知の領域ですから…。ですが全力を尽くします」「頼んだぞ。櫻井君」
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その頃JMI本部では『サイバードーム』研究所のセキュリティー網を突破し、内部カメラやコンピューターに侵入を果たした二宮が、研究所内を監視する傍ら、魂串幻樹が『バイオアバター』の密売を持ちかけた武器商人が誰なのかを探っていた。
「どう?クラちゃん。魂串が誰と取り引きしたのか分かりそう?せめて取り引き相手の国籍くらいは今日中に突き止めたいねぇ」〖クラちゃん?それは私のニックネームですか?〗「そりゃそうだよ。俺が1番クラちゃんと付き合うんだからさ、堅苦しいのは無しにしねぇ?」
〖嬉しいです。では私もニノと呼ばせて頂いても?〗「いいよ〜♪じゃあこれからはニノとクラちゃんで行こうか?ね?クラちゃん。」〖ニノ♪〗「クラちゃん♪」〖ニノ〜(^○^)/〗「クラちゃ〜ん♪」
そんな二宮と『未来予想クライム』の会話を聞きながら、潤と智が本部の隅っこに固まっている。「怖っ♭ニノがコンピューターとガチ会話してやがるぜ♭」「すごぉ〜い♪『未来予想クライム』って人間みたいだね♪」
〖オオチャン、MJ、聞こえてますよ。少し寝不足気味なお顔をしていますからお仕事にミステイクが無いよう、お気をつけ下さい。仲がいいのは結構ですが、ほどほどに〗
そんな余計な事を言う『未来予想クライム』に、潤が「うるせぇ♭ミスなんかするかよ♭」と眉を吊り上げ、智が「えぇ〜♭そんなにいっぱいしてないよぉ〜♭」と耳を赤くして唇を尖らせた。その時丁度タイミング良く班長の櫻井が永田町から本部に戻り、たちまち肩を落としている。
「クラちゃん駄目だよそんな事暴露しちゃ♪班長の撫で肩が極まっちゃってんじゃん♪」二宮がくつくつと笑いながら、『未来予想クライム』に言った。〖これは失礼致しました〗「やり難いわ〜♭AIのやつ段々ニノに似てきてんじゃね?♭」〖当然ですよMJ。ニノと私は今や一心同体ですから〗
どうやら毒舌がもう1人増えたらしい。櫻井は咳払いをして眼鏡のフレームを指先でちょっと持ち上げ、東山国防大臣との面会を皆に報告し、『バイオアバター殲滅作戦』の経費が割り増しになった事を伝えた。二宮が片手でガッツポーズを作る。「相葉君はもう『相葉ドットコム』?」櫻井の問いかけに潤と智が同時に頷いた。
「『リターニング・セル』を発見してからすぐに工房に持ち帰ったよ。前の『ジェネラル・ゴールド事件』で、英国情報部のQRさんってお爺さんが俺達の為に作ってくれたお揃いのコートがあったじゃん?
あれをアレンジしてシャツとパンツを作りたいんだって。ほら、あのコートって弾丸を跳ね返せる特別製だったから、シャツとパンツにして俺達の身をより安全に守れる様にするって。だって『バイオアバター』に噛まれちゃったりしたら大変でしょう?」
智の返答に櫻井が大きく頷き、「そりゃ大変だよ♭智君が化け物に噛まれたりしない様に俺が全力で守ってあげるからね」と相変わらずの過保護振りを発揮する。潤が「智より班長の方がよっぽど危ねぇと思うけどな♭」と、憎まれ口を利いた。
〖私のデーターではチーフ櫻井よりもオオチャンの身体能力の方が明らかに高度です。戦闘に向いてます〗『未来予想クライム』がまたぞろ余計な事を言い、櫻井を軽くdisる。二宮がププッと吹き出した。
「言えてる♪何たって未知の生き物だからね。もし噛まれた人間も『バイオアバター』に変化するみたいな副作用があったらマジで洒落にならないしさ、どうせなら手袋やブーツも作って欲しいよ。
QR爺ちゃんがちょっと布を分けてくれたらいいんだけどねぇ〜。いや、出来る事なら相葉さんじゃなくてQR爺ちゃんがあのコートをリメイクして新しいユニフォームを作ってくれないかとすら俺は思ってるよ。
ネーミングセンスひとつ取ったってさ、どう考えても相葉さんよりQR爺ちゃんの方がお洒落なユニフォーム作りそうじゃん。どうするよ?もし相葉さんが『5色戦隊アラシーズ』みてぇなネーミングのユニフォーム作っちゃったら♭」
ニノの意見に微妙な空気が一気に漂い始める。恐らくここに居る全員が『鬼神同盟事件』のヒーローショーコスプレの事を思い出したであろう。「うわぁ〜♭そんなの絶対ぇ着たくねぇ〜♭♭」潤の嘆きに智がすぐさま相葉をフォローした。
「でもファッションより命の方が大切だよ潤。それに相葉ちゃんの作ったユニフォームならきっと可愛いよ」「智君そうだよね?見た目より命が大切だよね?俺は相葉君が何を作っても受け入れるぞ」櫻井が頼もしい事を言うが、指先が眼鏡のフレームを何度も上げている辺りに心の葛藤が現れている。
『未来予想クライム』が、〖オオチャン以外の皆さんの心拍数が上昇していますよ。動揺は闘いに於いて不利になります〗と忠告した。
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その頃『相葉ドットコム』と言う相葉専用の工房では、相葉がそれぞれの『バイオアバター』に対抗するべく新兵器の設計図を手書きで作成していた。コンピューターで製図する方が効率的だが、相葉は今でもアナログな手書きの製図を採用している。
ニノと違い、相葉は余りコンピューターが得意ではないのだ。たったひとつの入力ミスで不良品が出来てしまったら、仲間の命を危険に晒す事になる。だから不安なコンピューターよりも慣れた手書きで様々な便利グッズをこの工房で編み出して来た。
そのせいか、『相葉ドットコム』のコンピューターには秘密兵器の情報が全く入っていない。せいぜい好きな音楽や友達のメルアド程度である。だから二宮は以前英国情報部のクリスチャンとのやり取りにここのコンピューターを使ったのだ。
現在相葉はパソコンからお気に入りの音楽をランダムに流しながら、海中から引き揚げた『リターニング・セル』を使った弾丸を作成している。
人体には影響が無く、温度変化にも強い薬剤だと加倉井博士には聞いていたが、なるだけ不純物が混じらない様、『相葉ドットコム』の内部は大型の空気清浄機が5台も稼働し、相葉自身もマスクにゴーグルに防護服と、完全防備のスタイルだった。
おかげで相葉は暖房などしなくても体が冷える事は無い。漸く半分程の弾丸を作り終えた所で、パソコンから懐かしい声が聞こえて来た。「アイバー♪元気かー?わしじゃ、わしじゃ♪QRじゃよ♪」パソコン画面に映っていたのは、前の『ジェネラル・ゴールド事件』で世話になった英国情報部の兵器開発担当のQRなる老人だった。
あの事件は英国情報部と共同で解決した事件であり、QRは英国情報部のメカニック部署の職員達と来日し、テロリスト集団と闘う為の最新鋭の兵器をこの工房で作ってくれたのだ。「あぁ〜♪QRさ〜ん♪お久しぶりです〜♪」どうやらライブ映像らしく、相葉が手を振るとQRもニコニコ笑顔で手を振り返してくれた。
当時相葉はテロリスト集団が襲うとされていた全寮制の学校に教師として潜入していたので、実際この工房でQRに会ったのは相葉の代理の二宮だったが、このQRが相葉の書いた製図を大層褒めていたと後で二宮から聞かされたのである。
それが嬉しくてお礼の意味も込め、相葉の方から連絡をしてみた所、すっかり意気投合したと言う訳だ。今日もQRはいかにも博士然とした風貌を綻ばせ、英語の声を勝手に翻訳して発声してくれると言う魔法の様な自動翻訳機を喉にくっつけて、達者な日本語で相葉に話し掛けていた。
「えらい恰好じゃのうwwまるで何処ぞの研究所みたいじゃ。実はな、さっきお仲間のニノ君から連絡を貰ったんじゃよ。アイバが困ってるから助けてやってくれんかと言うてな。ユニフォームの生地が足りんとか言うておったが、何か危ない奴らと闘うらしいのぅ〜」
二宮に困っていると言った覚えは無かったが、確かにあの英国情報部御用達の不思議な生地のコートだけでシャツとパンツは難しいかも知れないとは思っていた。そこで相葉はシャツを半袖にするか、パンツをハーフにするか迷っていたのだ。足りない部分はどうにか別の素材を工夫して、長い手袋か、長いブーツにするつもりであった。
「そうなんですよ。獣と人間のハーフみたいな化け物でね。事件の詳細は話せないんですが、噛まれたら命に関わりますので、QRさんから頂いたあの最強コートを上下セットのユニフォームにリメイクしてみようかと思っていたんです」
相葉は自身の動物の知識を活かした兵器でどうにか敵の弱点をつき、布の足りない部分をカバーするつもりだったのだとQRに説明した。それを聞いたQRは難しい顔つきをして頷いた。
「そりゃ危ないのぅ〜。いかに君らが強者でも相手が獣じゃとひょっとしてと言う事もあるかも知れん。アイバが動物に詳しいのは良ぅ分かるが、そこに人間が混じるとなるとどんな攻撃をしてくるのか予測不可能じゃよ。5人しかおらんのじゃから身体はなるだけ護った方がええじゃろう。
良し分かった。わしに任せておけ♪前にコートを作ったから皆のサイズは把握しておるからの。獣どころかメカゴジラの牙も通さん様な機能的で強力なユニフォームを作って2、3日中には日本に送ってやろう。楽しみに待っておれ」
これはありがたい申し出だった。QRがユニフォームを作ってくれるなら相葉の手間は半分で済む。それだけ早く救出作戦を決行出来るのだ。相葉はQRに感謝の言葉を述べて、何かお礼をさせて欲しいと言った。QRは暫く考え、「美味い日本酒を1ダースがええの♪」と答え、丸眼鏡の奥の双眸を優しく細めた。
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『FIVE STORM』の『バイオアバター殲滅作戦』がいよいよ始まりました東山国防大臣やQR爺ちゃんも久々に再登場で、シリーズ物らしい雰囲気になって参りました
次回は潤智が大活躍の予定☆ミタゾノさんも登場する…かも?