これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ
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『FIVE STORM』のメンバーは先ず、加倉井博士が映像で示していたアカウントに接続し、研究所の現状を確認する事にした。博士の示したアカウントは確かに通常の通信手段では容易に繋がらない様な仕組みになっていたが、コンピューターの天才である二宮の手に掛かればどうと言う事はない。
加えてスーパーコンピューターの『未来予想クライム』の性能が半端ないのだ。複雑に入り組んだプログラミング用語をサクサクと処理して行く様は二宮の高速タイピングとの合わせ技で、難解な段取りをいとも簡単にクリアし、ものの数分であっさりと接続してしまう。
大画面に現れた加倉井博士は、自分の信号を発見し、アカウントを繋げてくれた『FIVE STORM』のメンバーが余りにも年若い事に驚きを隠せない様子だったが、班長の櫻井が警察手帳を示し、他のメンバーが次々とJMI捜査官の証である5色のバッジを示して自己紹介をした事で、漸く納得した。
「噂には聞いていたが、虹色の警察バッジを持つ秘密捜査官が本当に存在していたとは…♭」加倉井博士は一気に肩の力が抜けた様に大きな溜め息をつくと、櫻井の「博士の罪は重いですよ」と言う言葉に小さく頷いた。
「分かっている…。だが良く見つけて下さった。私の下らぬ虚栄心の為に大勢の命を危険に晒した事は万死にも値する大罪だ…。幾重にも償おう。たが櫻井さん、彼ら若い研究員達には何の罪咎もない。どうか彼らを助けてやって下さらないだろうか…」
項垂れながら頭を下げる加倉井博士に、他の研究員達が「博士」「博士」と呼び掛ける。どうやら『サイバードーム』の研究員達にとって加倉井博士はさほど悪い上司では無かったらしい。その様子に5人は安心した様に「勿論ですとも!」と力強く答えた。
「早速ですが加倉井博士。『バイオアバター』の詳細をお教え下さい。外見は?パワーは?確か全滅させる手段があるそうですが、何を使えばいいのでしょうか?」櫻井の質問に加倉井博士ははっきりと名言した。
「薬剤があるんだ。『バイオアバター』を無力化し、細胞レベルにミクロ化させる『リターニング・セル』と言う薬剤だ。もしもの時の為に別の場所に隠してある。『Ring-Seapark』から沖へ50メートル先にある海中魚礁の中に…」
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「加倉井博士はバカなのか?♭何で海中になんか隠すかねぇ〜♭大体チーフもチーフだろ?♭こんなクソ寒ぃ日に海なんか潜ったら死んじまうじゃねぇか♭」1月の寒々とした色を宿す波間を見下ろし、ウエットスーツの潤がひたすら文句を垂れる。
モコモコのダウンジャケットにモフモフの耳あてをした智がそんな潤をギュッと抱き締めた。「んふふ♪大丈夫だよぉ潤♪こうやればあったかいでしょ?♪」「お〜♪あったかいぜ〜♪どっかの人使いの荒い大卒と違って智は優しいな〜♪」
そこにウエットスーツをしっかりと着込んだ相葉が、ウミガメそっくりのモノを抱えて操舵席からやって来る。「アヒャヒャヒャ♪そんな事言ってたら班長に怒られるよっ♪俺は2人を見ているだけであったかいけどね♪」
相葉の抱えたウミガメの頭にはアンテナがくっついており、起動しているのかチカチカと点滅している。「死なない死なない♪心配いらないよ松潤♪『リターニング・セル』のありかはこのコが探してくれるし♪それにこんな寒い日は海中の方が暖かいんだよ」
相葉の抱えたウミガメもどきを潤と智は「良く出来てんなぁ♪」と感心しつつマジマジと眺め回した。
「これは『浦島カメ吉』って言って加倉井博士が『リターニング・セル』の入った容器に内蔵してあるビーコンに反応する様に出来ているんだ。このカメ吉君が先に潜って魚礁を探索してくれるよ。
カメ吉君はクルーザーからリモコンで操れるから、このコが『リターニング・セル』を発見するまで俺達は潜らなくてもいい。で、カメ吉君がブツを発見したら俺達が潜って『リターニング・セル』を取って来る。
確か加倉井博士は『リターニング・セル』は重りをつけた保存用のアタッシュケースを鎖で繋いで魚礁の中に隠してあるって言ってたろ?ただ、廃船をそのまま沈めた魚礁の中だったから、具体的な場所までは分からないって。
でもこの海中カメラ内蔵のカメ吉君がいれは大丈夫♪『リターニング・セル』が発信するビーコンに反応してこの頭にくっついたアンテナのライトが緑から赤に変わり、それがクルーザーの海中モニターで確認出来るよ」
そう言ってカメ吉を海中に放った相葉は、潤と智をクルーザー内に誘い、中のモニターを示した。どうやらカメ吉の両目はライトになっているらしく、前方を明るく照らして海中を進む様子を甲羅内蔵のカメラに映し出している。映像はかなり鮮明で、そこに居る海洋生物の姿もはっきりと確認出来た。
「すげぇ〜♪この映像だけでも見応えあるぜ♪」「本当っ♪綺麗だねぇ〜♪相葉ちゃんってやっぱり天才だね♪」潤と智はカメ吉の映し出す映像を興味深そうに見つめ、暫しの海中遊泳を楽しんだ。
しかもモニター画面に映る海の生物は相葉が分かりやすく解説してくれるので、まるで良く出来たネイチャー番組でも観ている様な気分になる。
「どう?松潤。ちょっと潜りたい気持ちになって来たんじゃない?」「そうだなぁ〜♪『リターニング・セル』を持って来るついでに美味い海の幸を手土産にして智に食わせてやるか♪」「ホントっ!♪ありがとう潤♪嬉しいっ!♪」
さっきまでクソ寒ぃだの死ぬだのと文句を言っていたのは何だったのか、すっかりご機嫌の潤にアヒャヒャヒャと相葉が笑った。そうこうしている内にカメ吉の右前方辺りに巨大な影が浮かび上がって来る。
地元の海洋研究所が生き物達の住処として廃船を再利用した魚礁だが、まるで歴史の中に忘れ去られた沈没船の様なうらびれた風情でそこに佇んでいた。
「すげぇなぁ〜♪何か沈没した海賊船みてぇじゃねぇの♪」「魚達もいっぱいだね♪」「それじゃ早速カメ吉君に沈没船の探索をして貰おうか♪」相葉が手元のコントローラーを操り、カメ吉の進路を少し右向きにする。
カメ吉はあたかもそれが自分の意思ででもあるかの様に進行方向を変え、沈没船みたいな魚礁の中に入って行った。カメ吉の頭についたアンテナが緑から時々赤に点滅する。「やっぱりこの魚礁の中にありそうだね♪結構近いかも…♪」
一同がモニター画面を凝視する中、カメ吉は廃船魚礁の中をゆっくりと進行し、周囲の光景を鮮明に照らした。たくさんの魚や海藻、ヒトデやクラゲ等、何とも神秘的な魚礁の内部がモニターに映る。壁らしき部分の穴から細長いウツボがニュルリと顔を覗かせた。
「アヒャヒャヒャ♪このウツボでっかいねぇ〜♪可愛い顔してるけど手を出しちゃダメだよ♪指とか食いちぎられるから♪」「マジかよ?♭危ねぇ〜♭気をつけよっと♭」「ウツボって食べられるの?」
智の素朴な疑問に相葉が即座に反応する。「おおちゃんはすぐに食べたがるんだね♪ウツボはウナギの仲間だから結構美味しいよ♪あいつはデカイからかなり脂が乗ってる♪」「指食いちぎるやつ喰うのかよ?♭」潤が厭そうにツッコミを入れた。
その時不意にモニターからアラーム音が鳴り始める。カメ吉のライトが以前はキッチンだと思われる場所の、大きなワイン樽の付近を明るく照らしていた。頭のランプは真っ赤に光り、目的の物がそこにある事を明白に示している。無論、ワイン樽と言っても今では所々に穴が空き、小魚が出入りしているただのガラクタではあるが…。
目を凝らしてモニターを良く見ると、そのワイン樽の影から錆びた鎖とアタッシュケースの持ち手の様な物が僅かに覗いていた。「見ぃ〜つけた♪」相葉がニンマリして、両脇に居る潤と智にそれぞれ視線を向けた。
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クルーザー内のキッチンの鍋から美味しそうな匂いが漂っている。「まさかあんなにエビが採れるなんてね〜♪カニやアワビも採れたし大収穫だねっ♪」潤お手製のブイヤベースを楽しみに待ちながら、相葉はホットプレートの焼きガニにフーフーと息を吹きかけた。
智と潤は焼きアワビに舌鼓を打ちながらすっかり宴会気分でブイヤベースの完成を待ちわびている。魚礁から引き揚げたアタッシュケースは全部で4個もあった。加倉井博士から聞いた番号を入力してアタッシュケースを開けると、中は個別に間仕切りされ、細長い容器に入れられた半透明の液体が10個詰められていた。
アタッシュケースも中の容器もしっかりと密閉されていた為、内容物への影響は全く無さそうである。「『あれがリターニング・セル』か。アタッシュケース1個につき10個。全部で40個だな。人体には全く影響が無いって加倉井博士は言ってたけど、これだけで『バイオアバター』専用の弾丸はどのくらい作れそうなんだ?」
引き揚げられた4個のアタッシュケースに視線を向けて聞く潤に、相葉は暫く考えて「そうだねぇ〜。濃度は変えられないだろうから100個が限界かな?弾丸は1人20ってとこだろうね」と答えた。
「20か〜♭『バイオアバター』は20体いるんだろ?1人4体倒すとしてもなかなか厳しい数字だよな♭1発でくたばってくれりゃいいけどさ、連中の化け物レベルがどんくれぇか未だ分からねぇし、何か対策ねぇか?」潤の心配に智が同調する。
「確かにねぇ♭ニノの話じゃ『バイオアバター』は猫科肉食獣の遺伝子を融合したって事だったけど、加倉井博士は別の動物でも作ったって言ってたもんね。何かワニとかカバとか言ってなかった?ところでカバって肉食なの?♭」
「言ってたねぇ〜♪チーターと、ワニカバクマ♪どの動物も強いよ♪因みにカバは基本的には草食だけどまれに肉を食べる事もあるんだって♪今回は人間の遺伝子との融合だから元のカバより人間に近い食生活って事じゃない?
ほら、博士のお弟子さんが肉を与えて仕込んだって話だからさ、例え草食動物の遺伝子を持っていても肉しか食べさせて貰えないと肉食になり得るって事なんだよ♪
それにしても20体って言うのはそれぞれの動物の遺伝子を持つ『バイオアバター』が5体づつで4種類いるって事でしょ?♪すごいよねぇ〜♪俺ワクワクしちゃうよ!♪」不安そうな潤や智と違い、相葉はとても嬉しそうである。
それが生物学者の性なのか、人間と最強動物のコラボクローンと言うものに純粋に興味津々なのだ。早く対決してみたいと大層乗り気だった。「すげぇなぁ〜♭未知の生き物相手に良くそんなノリノリになれるもんだ♭ひとつ間違えば命に関わるんだぜ♭」
物申す潤に相葉はアワビを頬張りながら、にこやかに胸を叩いた。「大丈夫大丈夫♪チーターやワニ、カバ、クマ、ならそれぞれに適した戦い方があるよ♪俺に任せといて」
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遺伝子開発された化け物相手にどう戦うのかと思いきや、ちゃんと薬剤がありましたいつもの如くご都合主義な展開でございます
今回のお話では生き物博士の相葉ちゃんキャラの得意分野と言う事で、ちょくちょく動物ウンチクなんかも織り交ぜつつ物語を展開させて行こうかなと考えております
さて、相葉ちゃんの考える最強動物対策とは何なのでしょう?♪久々にあの愉快なお爺ちゃんも登場します