これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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上海から帰国して数日後。『真相報道Weekly』では、上海での朔大勘逮捕の瞬間が大々的に報道され、まさしく警察庁の面目躍如と世間の話題をさらっていた。

逮捕したのは公安部なので顔こそは報道されていなかったが、それでも世の中はこの報道をかなり好意的に受け入れ、その甲斐もあってか、先の公安委員長や国防大臣の不祥事も批判から一転、政府の迅速な辞職勧告などが評価された。

勿論櫻井の誘拐事件やそれに絡むチャイニーズマフィアとの攻防戦については極秘扱いとなり、日本はおろか本国中国に於いても、マフィアのアジトの地下室で、違法な武器の密売があり、誤って火薬や爆弾に引火して全員死亡したと言う、そんな報道に変えられていた。

だが、櫻井の救出でタッグを組んだ全員が喜んだのはそこではない。同じ号の中で事件の副産物として報道されていた、ダイアナとその母アンジーの再会場面である。お膳立ては広報部としての潤が『真相報道Weekly』と協力して全て整えた。

朔大勘逮捕に協力した功績者として五十嵐杏樹とその息子である本物の大勘を表彰すると言う名目で、都内一流ホテルの貴賓室を借り受け、『真相報道Weekly』がその様子を取材しているところにサプライズ的に娘のダイアナが登場。

そんな筋書きでこの再会シーンは作られたのだが、あのチャイニーズマフィアと百戦錬磨の死闘を繰り広げたタフな女性のダイアナが、(誌面では生き別れになっていた娘、杏奈(仮名)となっていた)

母親のアンジーを一目見た瞬間に号泣し、子供みたいに母親の胸で嗚咽を漏らしていた様子はそこに居た誰もが思わず貰い泣きをしてしまう程に印象深く、感動的な出来事であり、後で発刊された雑誌を読んだ時に、仲間達の誰もが歓喜で胸を熱くしたのだった。

ダイアナはアンジーの息子として育てられた本物の朔大勘にも好印象を持った様子で、「また必ず再会しましょう」と母子に約束して日本を発ち、その足で購入したタイの無人島へと赴いて、夢の実現に向かって新たな一歩を踏み出した。

実の弟である淋鷹虎の事も、また父親の淋鷹信の事も、恐らく彼女の口からはもう二度と聞く事は無いであろう。余談だが、ダイアナは鷹信、鷹虎父子の指を瓶詰めのホルマリン漬けにして『玄武会』の李史進の元へ郵送し、無事組織から離脱する事が出来たらしい。

これからはモデルクラブ『Ange Noail』の代表としてその活躍の幅をハリウッドへと拡げて行くに違いない。そんな中、本格的な取り調べを控える朔大勘こと淋鷹虎の収監された留置所では、大変な騒動が持ち上がっていた。

鷹虎の負傷した右人差し指の治療の為、警察の指定した医療施設での適切な医療措置が取られていたのだが、何度目かの治療の後、留置所で就寝していたら急激に具合が悪くなり、そのまま入院する事になったのである。

鷹虎の入院した病室では厳戒態勢で見張りが成され、蟻の這い出る隙間もなかったにも関わらず、朝になり巡回に来た医師が病床で冷たくなっていた淋鷹虎を発見した事で現場はパニックに陥った。

病室を見張っていた警察官の話によると、怪しい人間が病室に近づいた形跡はなく、巡回の看護師が何度か様子を看に来ただけだったのだが、早朝の巡回に訪れた看護師に関してはどうやら見慣れない人物だったらしい事が後から判明したのだった。

「淋鷹虎が病室で死んだぞ。原因は不明だが、どうやら早朝の巡回に来た看護師が怪しいらしい。まさかと思うが櫻井の差し金じゃないだろうな?」

いつもの訓練所で発売されたばかりの『真相報道Weekly』を見て一同が大いに盛り上がっていた時、警察庁からの緊急連絡を受けた潤がそこに居た相葉とアレクサを問いただす。だが、相葉もアレクサも櫻井からは何も聞いていなかったらしく、ひたすら驚いて首を捻るばかりであった。

「翔さんからの命令ならさすがに耳に入るって♭なぁアレクサ?」「そうよねぇ♭それに原因が不明なら病死って可能性もあるんでしょ?♭」「そうだそうだ♭だいたいウチでそんな卓越した技が使えるのはおおちゃんだけだしさっ」

相葉はマットでストレッチをする智にチラリと視線を移し、「逆に公安さんの方で消したんじゃないだろうね?公安室長だった時の極秘事項とか?取り調べで話されちゃ困る事も色々ありそうだしさ。翔さんの命令は利かなくてもMJの為ならやってくれるでしょ?」などと責任転嫁した。

「んな訳ねぇだろ?♭っつ〜か早朝なら一緒に居たわ♭密着してんのにこっそりベッドから抜け出りゃさすがに分かるっつ〜の♭」説得力満点の言い分である。アレクサが「や〜ん♪羨ましいわぁ〜♪」と、モジモジしながら両手で頬を挟んだ。

「それ、もしかしたら『玄武会』サイドじゃないのか?ダイアナは責任を果たして解放されたが、淋鷹虎の証言で困るのは『玄武会』も同じだしな。何より中国当局が奴が日本で生きているなんて状況を許すとは思えない」ストレッチを終えた智が潤に歩み寄りながらそう推測する。相葉が「成る程〜♪有り得るね!♪」と元気に答えた。

そこに顔を見せたのが櫻井だ。相葉とアレクサが近頃ちっとも『Dead line』の訓練所に来ないので様子を見に来たと本人は言い訳をしていたが、どうやら目的は別にあるらしい。あんな事件があったと言うのに、朝の7時から髪もスーツもビシッと決め、帝王感満載である。

「智、ちょっと」櫻井は顎をしゃくって智を呼ぶと、ムッとする潤に向かって「そんな顔をするな。すぐに済む」と言い置いてから倉庫の外に連れ出した。

櫻井は開口一番「…淋鷹虎が始末されたらしいな智…」と切り出すと、苦笑する智を強く睨んだ。「貴方もそれか。残念だけど僕じゃない。潤が証人になってくれるさ。それとも…。昨夜の事から詳しく話して聞かせようか…?」

クスリと微笑う智に櫻井は「いや、必要ない」と小さく溜め息をつくと、全く関係のない話を始めた。「『PARADOX』の事だ。お前に運営を任せられないかと思ってな」「どう言う事?」思いもよらない話である。怪訝な表情を浮かべる智に、櫻井は「何だその目は?別に怪しい話じゃない」と肩を竦めた。

「実はな智。アメリカで手掛けているショービジネスが軌道に乗り始めたんで俺は暫くそっちに本腰を入れようかと思っているんだ。それで『PARADOX』の運営から手を引こうと考えたんだが、あの店は親父の代からやっている俺なりに思い入れの深い店なんで潰すのもどうかと思ってな。

正直、お前が引いてから『PARADOX』の売り上げはかなり落ちている。だから支配人兼パフォーマーとしてお前に戻って貰いたい。もしやってくれるなら明日にでも権利書の名義をお前に変更して丸ごと譲る。他の従業員にも既に話してあるんだ。Sato-Cが戻るなら大歓迎だとみんなも納得している。

それにな智。お前のダンスや歌の才能はこのまま終わらせるには余りに惜しい。お前が『PARADOX』のステージに再び立ってくれるなら客も戻って来る。お前だっていつまででも無職のままじゃいられないだろう?」

いい話だと思った。だが櫻井の事だ、どうしても何か裏があるんじゃないかと言う疑念が残る。ダンスをする事は好きだったし、出来れば続けたいとも考えていた。だが…。

「いいんじゃね〜の?俺も智のパフォーマンスは観てぇしさ♪出来ればちょいリーズナブルなお値段にして貰えると俺も会員になれるし助かるんだけどな♪」そう言って2人に声を掛けたのは潤である。智を心配して様子を見に来たタイミングで話を聞いたのだ。

「『PARADOX』は確かにいい店だ。智がオーナーになるんなら俺も上客になりそうな先生方に声を掛けてみるぜ。ま、俺がしなくても多分長谷川恭一郎先生がやるだろうけどな。

長谷川先生も生死の境を彷徨ったとは思えねぇ程今じゃすっかり元気になっちまって新国防大臣としてバリバリやってるぜ。『Ange Noail』がなくなって、『PARADOX』のホームページからは智の動画も消えちまったからさ、「あの白粉彫りの青年はいつ戻るんだ?」なんてたまに言っててな。

櫻井さんが店を手放したとなりゃ、もうひとつの『お仕事』に関しても誰も話を持って来なくなるだろうし、これからは純粋にショーだけを楽しめる店として運営して行けるだろうぜ。折角櫻井さんがくれるっつってんだから餞別代わりに貰っとけって♪」

そんな潤からの後押しもあり、智は櫻井から『PARADOX』を受け継ぐ事を決めたのである。「ありがとう智…。お前には最後まで世話になった…。残された従業員達の事、頼んだぞ…」「分かった。僕なりに精一杯やってみるよ翔さん…」

最後の抱擁はこれまでのしがらみや葛藤を全て平らかにする様な、優しくて少し切ないものだった。そんな様子を後ろから覗いた相葉が「あ”〜MJ♭おおちゃんが翔さんと抱き合ってるよ♭いいの?♭」とうるさく騒いでいる。

「お前うるせぇ♭今大事な話してんだから水差すな♭」潤は訓練所の中へと相葉を押しやりつつも、「それ以上はダメだからな」と一応釘を刺してから中へと引っ込んで行った。

「元気でな、智。俺の元を離れた落とし前は『PARADOX』の運営を成功させる事できっちりとつけてくれ。必ず幸せになれ、ならないと許さん」櫻井は智に人差し指を突きつけてそう警告すると、手を挙げてそのまま立ち去って行く。

この訓練所のある『お助けウエアハウス』の前には黒のベンツが停車されており、運転席には岡田が座っていた。クラクションが鳴り、それを聞いた相葉とアレクサが訓練所から飛び出して来る。

「おおちゃんまたね!♪MJも!♪俺もアレクサも翔さんについて渡米するから暫く会えなくなるけど寂しがるなよ!♪」相葉は元気に言って、潤と智を順番に軽くハグすると、バタバタと手を振りながら櫻井の後ろをついて行った。

続くアレクサも「あ〜ん寂しくなるわぁ〜♭2人とも元気でね♪」と、なかなかの力強さで潤と智にハグをしてくれる。

「ああ見えて凄腕だからな。相葉が櫻井の側にいりゃ心配はねぇさ。GPSで工作員を管理するやり方にゃどうにも賛同出来ねぇが、櫻井もあれで結構いいボスだったのかもな」

走り去って行くベンツを見送りつつ、潤がしみじみと呟いた。そんな潤にそっと寄り添い、智が穏やかに目を細める。「これでようやく僕も先を見つめて行けそうだ。潤、君と一緒に…」「おう♪任せろ♪」智の肩を抱き、はっきりと答える潤の双眸は、朝の光の中で生き生きと輝いていた。

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これでだいたいの事柄が回収出来ましたニコニコ後は潤智のイチャイチャをしっかりと書いてオチに持って行こうかと思っていますウインク