これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ。下差し

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アジトの襲撃を知り、慌てて父親の部屋に駆けつけた淋鷹虎は、鍵の掛けられたドアを何度も叩いて父親を呼んだ。[爸爸(とうさん)!♭爸爸!♭大変だ!♭][入るな!鷹虎!!♭]中から叫ぶ父親の声に、明らかな異変を知る。

いよいよただ事では無いと思い、鷹虎は更に激しくドアを叩いた。[爸爸どうしたんだ!?♭][ここはいいから早く!♭入金は終わった!♭お前は櫻井の所へ行ってすぐに奴を始末しろ!♭][クソッ!!♭♭]

淋鷹虎は吐き捨てる様に叫んで踵を返した。鍵を撃ち抜いて入室しても良かったが、もし父親が既に襲われていたとすればこちらの命が危うい。淋鷹虎はあっさりと父親を見限って櫻井が囚われている部屋に直行したのだ。こうなった以上、櫻井を盾に逃げるしかないと思ったのである。

部屋の前に居た見張りは誰1人として残っておらず、恐らくは不穏な気配を察知して仲間を助けに階下へ下りたのだと思われた。怒りをぶつける様にドアを蹴破り「出ろ櫻井」と銃口を向ける。相も変らずイラつく程の冷静さで櫻井はゆっくりと立ち上がった。

両手を上げる櫻井の背中に銃を突きつけつつ、中央エレベーターホールに向かう。だが、どんなに下矢印ボタンを押してもエレベーターが稼働する様子は無かった。「フフン。どうやらセキュリティーはすっかり乗っ取られちまったらしいな淋鷹虎。ウチには優秀なハッカーが居てね。『黒神会』も風前の灯火だな」

そんな皮肉を言う櫻井に鷹虎は忌々しげに喚いた。「黙れ!♭未だ終わるものか!♭屋上の格納庫には自家用ヘリがあるんだ!♭お前を盾に何処まででも逃げてやる!♭幸い金はたっぷりだしな!♭ヘリに乗り込んだらお前を切り刻んで上空からお前の仲間の頭上にばら蒔いてやるから覚悟しておくがいい!!♭♭」

鷹虎は銃口を突きつけたまま、櫻井を階段へと押しやる様に歩かせた。階下へ下りる階段は防犯壁で塞がれていたものの、幸い屋上への階段はコンピュータ制御ではなく、非常口を手動で開ける仕様にしてあったので、淋鷹虎は部屋着のポケットから鍵を取り出すと、それを使って非常口を開き、屋上へと向かった。

だが、それこそが落とし穴である。まるで屋上へと導く様に開かれた扉こそ櫻井救出チームが最後に仕掛けた罠であった。夜は明け、早朝の明るい光と爽やかな風が屋上のヘリポートを吹き抜けている。

「いい天気だな鷹虎。今日は暑くなりそうだ」太陽を振り仰ぎ、櫻井がのんびりと言う。その余裕に満ちた様子が、切羽詰まった鷹虎には不安で仕方がなかった。人っ子一人居ない無防備なヘリポートがかえって薄気味が悪い。嫌な予感がした。

そしてその嫌な予感は格納庫のドアを開いた時に確実に現実となったのである。「いらっしゃあ〜い!♪」タイミングを測った様に格納庫の明かりが灯り、ブルース・リーのコスプレをした相葉が元気いっぱいに声を上げた。その背後には潤とアレクサが控えている。

彼らの足元には櫻井の部屋を見張らせていた全ての手下が冷たくなり、累々と転がっていた。「また派手にやったなAi-B。アレクサもご苦労だった。松本君…はまぁいいか。仕事だしな」「おい!♭」櫻井の素っ気ない言い方に、潤が思わずツッコミを入れる。どうやら智をかっさらわれた遺恨は多少くすぶっているらしい。アヒャヒャヒャ♪と相葉が笑った。

「そこに居るのはダイアナかい?貴女の不肖の弟を連れて来たぞ」呼び掛ける櫻井の声に、明かりのスイッチから手を離して格納庫の奥から歩み出たのはダイアナだ。「遅かったわね鷹虎。待ってたわ」「姉さん…♭♭」

恐らく淋鷹虎に取って、この時のダイアナほどAnge Noail(黒天使)と言う名前に相応しい女は居なかったであろう。青ざめる鷹虎に終焉の足音がひたひたと近づいていた。

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一方。淋鷹信の部屋では寝巻きのままの鷹信が智と睨み合っていた。ダイアナから『黒神会』随一の達人はボスの淋鷹信だと聞き、智が彼の始末を引き受けたからである。

「櫻井は息子が殺すぞ…♭助けに行かなくていいのか…?♭」「『年寄りの冷や水』だな…。息子より自分の事を心配したらどうだ…?」「…『青二才』と言う言葉もあるがね。君はどうかな?」淋鷹信はふてぶてしい笑みを浮かべて智に反論すると、じっくりと間合いを取りながら隙を伺っていた。

その様子は75歳の老人とはとても思えないほど、精気に満ちて威風堂々としており、今でも充分に戦える事を示している。出来る…。智は直感し、右手に巻き付けた九節鞭をしっかりと握り締めた。だがそう感じたのは淋鷹信も同じである。

黒社会に身を置く中で、命懸けの修羅場は幾度となく経験して来た鷹信だったが、そんな彼が七十余年生きてきた中で、目の前の若者は紛れも無く最強だと思えた。「成る程…櫻井の組織には君の様な精鋭が居たのか…。我が部下共が敵わない筈だ…」

淋鷹信は手に持った長刀をゆっくりと抜き、その鞘を背後に放り投げた。「日本じゃあ鞘を捨てると負けるんだ。知らなかったのか?」「しゃらくさい!♭ここは中国だ!!♭」気合いと共に鋭い切り込みが智を襲う。シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!

空間を切り裂く勢いで長刀の薄い刃先が翻り、避ける智の際どい所を突いて来る。その正確さとスピードはここに居た若い手下達の比ではなかった。あえて短く持った九節鞭が鷹信の攻撃を悉く弾き返す。「やるな小僧!!」

まるで最高の好敵手を得た老師の様に、淋鷹信の口角が上がる。中国には神と呼ばれる歴史上の武術家が何人か存在していた。方世玉。黄飛鴻。霍元甲…。幼い頃から武術を極めて来た淋鷹信に取って、彼等達人は掛け値無しの憧憬の存在だった。

天翔る龍の如く、強くしなやかに、そして優美に…。きっと彼ら伝説の武術家達の技はそんな素晴らしい物に違いないと、淋鷹信は彼等の様なレジェンド達を神龍(シェンロン)と呼び、目標として来たのだ。

叶わぬ願いではあるが、彼等神龍達と拳を交え、武術の真髄を感じてみたい…。だが淋鷹信よりも腕の立つ者は、今までにも出会った事が無かった。それがどうだろう、まさかこんな年若い日本人にこれほど使える達人が存在していたとは…。淋鷹信の武術家としての血が沸き立ち、その攻撃は更に勢いを増して行く。

この男…♭本当に強敵だ…♭疲れを知らぬ縦横無尽な長刀の攻撃は、さすがの智もいささか手こずっていた。少しでも油断をしたら命取りになる…♭狭い部屋の中で矢継ぎ早に猛攻する鷹信の、横薙ぎに払った刃先が、身体をひねって回避した智のTシャツをギリギリで切り裂いた。

シャッ!脇腹辺りの布が裂け、黒い繊維が虚空に散る。危機一髪だ。「おおっ!♭」その時、淋鷹信の鷲の様な鋭い双眸がカッと見開かれた。Tシャツを切り裂かれた智の左脇腹に、真っ赤に燃える紅龍を見たからである。その一瞬の隙を智は決して見逃さなかった。

「貰った!!」ベッドのスプリングを利用して高く飛び上がった智の九節鞭が空を突き抜け、淋鷹信の長刀を絡め取る。「うぬっ!!♭」呻く鷹信の手から離れ、宙に浮いた長刀を空中で奪い取った智は、床に下りざま淋鷹信を袈裟懸けに斬り捨てた。「ぐあぁ!!♭」

血飛沫が飛び、智の半顔を紅に染める。「み…♭見事…だ…♭神‥龍…♭」智に手を伸ばしながら床にくず折れ、そのまま事切れた淋鷹信の表情は何処か満足気であった。「貴方こそ見事だったよ淋鷹信先生…。来世では共に戦いたいものだ…」

両手を合わせ、淋鷹信の骸に礼を尽くした智は、洗面所で顔を洗うと、使ったバスタオルで淋鷹信の遺骸を覆い、ゆっくりと部屋を立ち去って行った。

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

こちらも忘れちゃいませんよ〜グッウインク長かったラストバトルもあらかた決着が着きましたウシシ特にラスボス淋鷹信との格闘シーンはかなり骨太な感じを意識して書きました〜ウインク

因みに作中に名前を挙げました中国の武術家は本当に存在した人達でございますグッ(方世玉は都市伝説と言うお話もありますが…♭)

次回がこの第三章最後のお話です♪(長かったわ〜タラー)第三章が終わりましたらいよいよ最終章に入りますよ〜音符

物語の同時進行は余り得意ではないのですがアセアセ幸い大ちゃんお誕生日企画とはストーリー展開が全然違いますので、今の所どうにか混乱せずに書き進められております鉛筆
頑張るぞー筋肉プンプン