これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ。
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何事かと幹部達が入り口の方向を向く。そこに飛び込んで来たのは黄色いジャンプスーツだった。「李小龍(ブルース・リー)？！♭♭」ギョッとして銃を構えようとする幹部達をものともせず、壁を蹴ってロケットの様に突っ込んで来た相葉は、逆手に握った2本の短剣をクルクルと回転させながらたちまち手前の8人を仕留めると、「アレクサ！そこの2人！」と叫んだ。
「はい！！」アレクサの持つ35口径のオートマチックが火を吹き、飛び掛ってくる2人を立て続けに射殺する。「偉いっ！♪良くやったぞ！♪」素早くアレクサの前に回り込んだ相葉は両手の短剣を構え、「あとは先輩に任っかせなさ〜い♪」とニンマリした。
急にやって来たブルース・リーもどきの猛攻に『黒神会』の幹部達が顔をひきつらせる。統率は完全に乱れ、窮地のダイアナも息を吹き返した様に戦闘を開始した。
艶やかな長い黒髪を躍らせ、敵の攻撃をバック転でかわすと、強烈な回し蹴りを決めてジャンプ。よろける相手のがら空きの喉に片脚を引っ掛けて着地ざま床に倒し、膝を締めて一気に首を折る。屈強な男を相手にする、力の弱い女ならではの鮮やかな戦い振りに、潤が感心して目を丸くした。
「超カッケ〜♪もうじきアラフィフにはとても見えねぇよな〜♪さすが第1期生ナンバーワン♪」そんな潤も百発百中だ。床を転がりながら敵の銃弾を避け、空の弾倉を捨てると一瞬で替えの弾倉を装着する。始めに武器を持つ利き手の肩、そしてとどめに胸のダブルタップで次々と敵を撃ち倒して行った。
まさしく形勢逆転。この階のフロア全体にも及ぶ広大な戦略本部に、一斉集合した数十名の『黒神会』NO.2、NO.3の幹部達が、たった3人の救援チームによって悉く始末されて行く。［あの3人は一体何なんだ…♭♭］
魯白安は忌々しげに呟き、中の1人が日本の警察手帳を身に付けている事に心底驚愕した。［まさか平和ボケした日本の警察機関にあんな恐ろしい戦闘員が所属しているとは…♭♭］
周囲に注意深く視線を巡らせつつ、魯白安はジリジリと入り口のドアに向かって後退する。どうにかここを出て最上階のボスと若に退却する旨を報告しなくては…♭♭特にあいつは駄目だ…♭♭とても人間とは思えない…♭♭
魯が最も恐れたのは3人の中でも一際小柄で子供の様なあどけない顔立ちの智である。ここの連中はダイアナの実力を良く知っていた。だから真っ先に狙いを定めるのは、ボスの娘のダイアナや、防弾チョッキを着た大柄なアレクサではなく、小柄で華奢な身体つきをした、見た目だけは未だ少年みたいな智だった。
見れば軽装で銃を持っている様子も無く、所持しているのは最も殺傷能力が低く、最も扱い難い九節鞭のみ。そんないかにも軟弱そうな雰囲気が、例え日本の警察機関に所属していたとしてもあいつは未だ新人だろうと勘違いするのである。
だがその勘違いこそが命取りだと相対峙してから激しく後悔させられるのだ。銃弾よりも早く動き、彼の持つ九節鞭は彼の身体の一部ででもあるかの如く、自由自在に波打ちうねり、目にも止まらぬ速さで回転して弾丸を弾き、武器を絡め取り、鋭利な突先で頭蓋を粉砕し、喉笛を突き破る。
加えてその拳も蹴りも破壊力は抜群で、筋肉のバネも強く、助走無しで信じられない程の高さにまで飛び上がっては、同時に数人を床に沈めてしまう。「レンレン…ウィクゥィ…(人間兵器)♭♭」魯白安は低く呻いて銃のグリップを強く握り締めた。
数人の幹部達が恐れをなして入り口に殺到する。魯白安もそれに乗じて踵を返し、この場から逃亡しようと試みた。ジャラジャラジャラ！！不意に強い力で足を取られ床に転倒する。魯白安が起き上がった時はヒラリと降り立った智が入り口に立ち塞がり、逃げ出そうとした残党達の行く手を阻んでいた。
「逃がさないよ…」挑戦的に言い放つ智に残党達が闇雲に銃を発射する。だが眼前の智は消え、ドアノブに絡まった鎖が入り口のドアをバタンと閉めた。
「拉屎(クソッ)！！♭♭」残党達は悔しげに吐き捨て、瞬時に背後へと移動した智に向かって遮二無二襲い掛かって行く。すかさず智が右手に巻き付けた九節鞭で応戦し、スピーディーなパンチが残党共の腹や顎にヒットした。
ただでさえ強力な拳の連打が、九節鞭を巻き付けた事でパワーを増し、まるで鉄球のアタックでも食らわせたの如く、多大なダメージを敵に齎(もたら)せる。僅か数秒で魯白安以外の残党は白目を剥いて智の足下で事切れた。
「拉屎！♭拉屎！♭拉屎！♭」迫り来る智に魯白安は完全に度を失い、盲滅法に銃を乱射する。だがその弾丸は智にかすりもせず、やがて全ての弾を使い果たした時には九節鞭が首に巻き付き、その喉元には鋭利な先端が突き刺さっていた。
魯白安の大柄な身体が地響きを立てて床にくず折れる。身体を返してチームのサポートに戻ろうとする智の目に、潤とダイアナが最後の残党を仕留め終わった様子が映っていた。
＊＊
その頃、最上階の自室でのんびりと酒を飲みながら、映画などを鑑賞していた淋鷹虎は、画面の重低音とは異質の、妙な振動を階下から感じた。［…？変だな…？］画面を消し、神経を集中して耳を澄ませる。振動は戦略本部から伝わっていて、鷹虎は嫌な胸騒ぎを覚えた。
銃を持ち、ゆっくりとした足取りで階下へと確認に行こうとする。櫻井の居る部屋の前では5人の見張りが［把公子？何かありましたか？］と聞いて来た。
［いや、良く分からんが、どうも階下が騒がしい気がする。こんな刻限に誰が戦略本部を使っているんだ？］［ああ、それなら魯白安さん達ですよ。ボスの命令でNO.2とNO.3の主要幹部達を集めて対策会議をやっているんです。ほら、日本に居る奥様やダイアナ姐姐の事ですよ。奥様見つかったそうじゃありませんか？］
そう言う事か…。パーティーではしくじったが、恐らく父の淋鷹信は母も姉も許すつもりは無いのだろう。櫻井の隠し財産を全て奪ったら、櫻井を始末して再び日本へ行き、今度こそ母と姉の首を持って帰ろうとしているに違いない。だがその為には新たに作戦を練り直す必要がある。それもかなり大掛かりな作戦を…。
淋鷹虎は納得して部屋に戻ると、再び画面に目を向けて映画鑑賞をし始めた。櫻井が死ねば遅かれ早かれ日本では大騒ぎになる。だからと言ってほとぼりが覚めるまで待っていては母も姉も身を隠してしまう可能性があった。始末をつけるにしても急ぐ必要がある。
だから幹部達を集め、こんな時間になるまで喧々諤々(けんけんがくがく)しているのだろうと、淋鷹虎はさして大事とも取らずにあっさりと引き下がったのだった。
鷹虎はソファーの傍らに置いてあるノートパソコンの画面の中で、『黒神会』の口座の入金額が順調に増えて行っているのを満足そうに見つめ、狡そうな微笑を見せる。［まぁ、明日の朝にはかなり大掛かりな作戦でも充分に備えるだけの資金が手に入るだろう…。パーティーの失敗は多少痛かったが、その分大きな儲けになったな…］
だが、鷹虎がそんな呑気な事を呟いている間にも櫻井奪回作戦は着々と進行していたのだった。セキュリティールームが乗っ取られ、襲撃する階の防犯壁が下ろされている事で、騒音も振動も最小限に抑えられている事実を、最上階の人間が誰一人として気づいていないだけである。
明日の朝には巨万の富が『黒神会』のものになる…。淋鷹虎は組織が向かえるであろう明るい夜明けを夢想しながら、やがて眠りについたのだった。
＊＊
翌朝。部屋を激しくノックする音でまどろみから覚めた淋鷹虎は、ドアの向こうで短剣を腹に突き立てたままの部下が、虫の息で倒れていた事に心臓が止まる程驚愕した。
［坊武天(ファン・ウーティエン)？！♭どうした？！♭何があったんだ！！♭］この部下は櫻井が居る部屋の真下で仕切りをさせていた若者である。その残忍さもさることながら、武術の腕も高く、25の若さで幹部に昇格した凄腕だった。
そんな武天がこんなに簡単にやられるとは考えられない。だが、また武天だからこそ重傷を負いながらもここまで知らせに来られたのかも知れないと、淋鷹虎は武天を抱き起こし、しっかりしろと声を掛けた。
［把..公子…♭逃げて下さい…♭櫻井…の..仲…間…♭］そこまで言って息絶えた武天に、鷹虎は櫻井の組織による襲撃が起きた事をようやく知ったのである。［くそ…っ！♭昨夜の騒動はこれだったのか…♭♭］
武天の腹に突き立てられた短剣を見て、鷹虎はそれが中国武術で使う2本セットの短剣の一つである事に気付いた。これを扱う武器商人は上海では1人しかいない。［…朱家角(ジュージージャオ)の『水滸飯店』か…♭♭］淋鷹虎は事切れた武天を見下ろし、親組織である『玄武会』から見捨てられた事実に愕然と立ち尽くした。
［何故だ…♭何故『玄武会』は『黒神会』を見限ったんだ…♭もう少しで巨万の富が手に入ると言うのに…♭♭］こうしては居られない。淋鷹虎は銃を持つと、部屋着のまま自室を飛び出し、急いで父親の淋鷹信の部屋に駆け付けて行った。
長い戦闘シーンもやっとこさ次回で終息しそうです/”(｡´-д-) =3先ずはラスボス1そしてラスボス2と言う感じで一気に解決まで突っ走りたいと思っております
大ちゃんお誕生日企画も始動しました〜♪こちらの方は潤君お誕生日企画で登場したちょっと濃ゆい目の潤智コンビが再登場予定です