これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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その瞬間は思っていたよりも早くやって来た。『PHANTOM PAY』の形だけの入金が始まってから数十時間。夜が明けて暫く過ぎた頃である。昨夜は上機嫌な淋鷹信の計らいで、身支度を整え、北京ダックやふかひれスープ等の高級料理を堪能した。だが、食事が終わって再びこの部屋に閉じ込められた時に、改めてパソコンの画面を確認した櫻井は、思いの外入金のスピードが早い事に気が付いたのである。

もっと時間が掛かると思っていたが、仮想通貨の場合現金とは違ってコンピュータ処理が早いのだろう。この様子だと明日の午前中には入金が完了しそうだと予測して夜を過ごしたのだった。そして翌日。櫻井の予測通り口座の移動は完了した。

詰まり『黒神会』に取って櫻井はもう用無しと言う事である。生きるか死ぬか、後は櫻井の運次第だ。最後のパスワードを打ち込み、入金を完了させた櫻井は部屋に備え付けてある洗面所で顔を洗い、髪を整えてその時を静かに待っていた。

入金完了画面の5兆8000億超の数字を見つめ、櫻井は密かにほくそ笑む。『Black Box』を開いての口座移動は形だけの物だ。だが、『黒神会』は櫻井の持つパンドラバンクの莫大な資金が、自分達の口座に全て入金されたと信じているだろう。親組織の『玄武会』に貢げば貢ぐ程、『黒神会』の本来持っていた資金は減って行くのだとも知らず…。

いつかそれがフェイクだと分かった時は恐らく『黒神会』は組織を持ちこたえる事も出来ない程にその屋台骨はガタガタになっているに違いない。いい気味だと思った。岡田の司令の元、『Dead line』は既に動き始めているだろう。だが、間に合うかどうかは櫻井にも分からなかった。

「そろそろお迎えがやって来るかもな…。さて、どうなります事やら…」櫻井は独りごちてドアに視線を向け、やがて近づいて来るだろう何者かの足音にじっと耳を澄ませていた。自分でも不思議な程気持ちは冷静である。

恐らく命が果てようとするその瞬間まで櫻井が動揺する事は微塵も無いであろう。やる事はやった。どう転ぼうが、後は野となれ山となれだ。それよりも最近始まったばかりの取り引きの方が櫻井には気掛かりだった。岡田が上手くこなしてくれればいいのだが…。

コツコツコツコツ.......。そんな事を考えながら櫻井が少しウトウトしかけていた時である。不意に石畳を駆け上がるかなり早足の足音が階下から響いて来た。ハッとして目を覚まし、櫻井がドアへと視線を向けた瞬間。ほぼ蹴破る様な勢いでドアを開いたのは淋鷹虎であった。

顔面は蒼白になり、その双眸は鋭く尖っている。「出ろ櫻井…」櫻井に銃口を向けながら淋鷹虎は低く呟いた。やれやれ…万事休すか…。櫻井は溜め息をついてゆっくりと両手を上げた…。

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それから遡る事15時間前。すっかり日も暮れた前日の午後10時の頃である。ネオン輝く不夜城の街並。取り分け目立つ電視塔から少し奥まった駄々広い一角にこの古びた建物があった。「こうして見るとすげぇなぁ〜♭まるで中国版のバベルの塔だぜ♭こんな大都会にあんな建造物があるなんてなぁ♭」


イメージ画像です☆因みにこんな建物は上海にありません(大滝汗♭)蘇州の古い建物の画像に、電視塔の写っている上海の背景を合成して加工した創作画像です(^^;)ゞあくまでも雰囲気だけの実在しない光景ですので、ご了承下さいm(_ _)m

特別に入れて貰った『当方明珠電視塔』の内部から、双眼鏡で建物を確認してしみじみと呟く潤に、智は「暫く廃墟だったのを『黒神会』が買い上げたらしい。かつては商人の屋敷だったそうだ。You-Rが内部の防犯カメラをハッキングしたところ、見た目に比べて内部はなかなかのハイテク仕様になっているらしいぞ」と説明した。

「見ろよ智。櫻井が捕まってるっぽい最上階の部屋は『黒神会』の手下共がガッチリ見張ってるぜ。結構な数だよな」潤の覗く双眼鏡の向こうでは、櫻井が囚われているらしい最上階の一角に、銃を隠し持った屈強な連中が囲むように立ちはだかっている様子が映っていた。

智も双眼鏡でその様子を確認し、「成る程。ダイアナが地下通路からの攻撃を選んだ理由が良く分かったな。だが、東京の岡田からの報告だと、『PHANTOM PAY』は予定よりも早く『黒神会』の口座に振り替えられそうだと言う事だ。この分じゃ僕達も少し早めに行動を始める必要があるかも知れない」と、スマホを取り出し、地下通路の入り口を見張っているダイアナに連絡を入れた。

「ダイアナ。そっちはどう?出来れば夜の内に片をつけて明日の午前中には翔さんを救出したいんだが、何とかなりそうか?」「あら?随分急ぐのね?作戦決行は明日の真夜中からじゃなかったの?」「それなんだが、明日の朝方には入金が終わりそうなんだよ。金が入れば翔さんを生かして置く理由が無いからね。淋鷹信、鷹虎父子は急ぐだろう?」

ダイアナは暫く沈黙して、「…そうね…。お父様よりもむしろ鷹虎の方が急ぐかも…。プライドの高い子だからショウ・サクライみたいな実力派タイプは疎ましがるでしょうしね。了解したわ、今夜の真夜中に決行しましょう」と直ぐに決断した。さすがは姉だけに鷹虎の性格を良く知っている。

「地下通路の入り口はアジト近隣にある地下道の中よ。黒い大きな鉄のドアに『黒神娯楽集団』と架空の会社名が書いてある。ドアは暗号式になっていて毎月変えられているわ。2時間後に地下道の入り口で合流しましょう」

通話を切った智は再び双眼鏡を覗いてから潤に振り向いた。「さぁ潤。始めるぞ。2時間後に戦闘開始だ」

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2時間後。櫻井救出チームの一同は地下道の入り口に集合した。真夜中0時の上海はさすがに人影もまばらになり、自動車の往来も途絶えがちで、華やかなネオンだけがひっそりとした街中を照らしている。

智と潤はお揃いの黒い革パンツに黒のVネックTシャツ。智のベルトには小さく折り畳まれた九節鞭が装着されて銀色の輝きを放っており、潤のベルトには警察手帳が挟まり、デザートイーグルを装着したガンベルトがぶら下がっていた。

だが、黒の防弾チョッキを身に付けているのは潤だけで智の方は殆ど生身の装いだ。「防弾チョッキは重くて動き難いんだ」と言うのが智の理屈だが、同じ理由で相葉も防弾チョッキは身に付けていない。しかも先に宣言した通り、相葉はブルース・リーが映画で着用していた黄色のジャンプスーツ姿である。

ただブルース・リーと違って相葉の腰の両側には革ケースに収まった片刃の短剣が2本装着されており、そもそもブルース・リーとは似ても似つかない事もあって、まるで早まったハロウィンみたいに、1人だけやけに浮きまくっていた。

「有り得ねぇ♭マジでそのスタイルかよ?♭」相葉の目立つコスプレ衣装に呆れた潤が思わず声を上げる。「それに引き換え女子チームは決まってんな♪」2人の女子に視線を移し、親指を立ててウインクする潤に、ダイアナがクスリと微笑った。

「アヒャアヒャ♪さすがはMJ♪アレクサも女子扱いだ♪」「ちょっとぉ〜♭元・でも何でも今は女子よ♭」余計な事を言う相葉にアレクサが猛抗議する。こんな緊張感のないやり取りに全員がリラックスしているのを肌で感じ、いい傾向だと智は思っていた。

とは言え彼女らの出で立ちはリラックスとは程遠い。ダイアナは下ろした黒髪に丈の短い黒のノースリーブシャツ。ブラックジーンズの腰には2挺の拳銃を装着し、腹部にはダイヤモンドのへそピアスが輝いている。一見華奢に見える女だが、ピアスの光る腹筋は鍛え抜かれたアスリートのそれだった。

彼女も防弾チョッキは身に付けておらず、徹底的に鍛え上げたプロ中のプロに取っての防弾チョッキは身を守る手段では無く、かえって邪魔なアイテムである事が良く分かった。

一方アレクサはお馴染みのポニーテールに、防弾チョッキ。下には真っ赤なタンクトップを着ていて、黒革のホットパンツに編み上げのロングブーツと言う露出度高めなスタイルである。背中に自動小銃を背負っているのが実に勇ましい。

普通ならこれだけあからさまに武器を身に付けている集団は地元警察に逮捕されそうな物であるが、話が行き届いているのか、パトカーはおろか制服警官のただ1人として見かける事は無かった。

「準備はいい?」ここではほぼリーダー的存在のダイアナが皆に声を掛ける。彼女は肩に黒いリュックの様な袋を担いでおり、中には手榴弾や爆弾等の物騒な代物が入っているのだ。どうやら徹底的に叩き潰すらしいダイアナの意気込みに、智は櫻井を救出するミッションが、ダイアナに取って何よりも重大な役目になっている事を認識した。

地下鉄に続く地下道は、作業員らが直接プラットフォームや線路上に行く為の側溝が掘られていて、入り口にはドアが備え付けられているが、『黒神会』はこの地下道にアジトまでの隠し通路を、偽物の会社名『黒神娯楽集団』の名義で勝手に作っていた。

国営の鉄道にそんな事をしても許されるだけの土壌があるから出来た事であろうが、そんな自由が通るのも今夜限りである。一同は地下道に降り、『黒神娯楽集団』と書かれた鉄の扉を探し歩いた。

人っ子一人歩いていない地下道にそれぞれの靴音が反響する。やがて一際大きな黒い鉄の扉が地下道の側壁にどっかりと現れ、ダイアナは早速ザックの中から暗号解読用の機械を取り出すと、プッシュボタンの下部に取り付けた。すかさず智がスマホでYou-Rに連絡を入れる。

「ユーリ。僕らの姿が見える?」智が地下道の天井付近にある防犯カメラに向かって手を振って見せると、通話口から「バッチリだよSato-C♪Ai-Bはブルース・リーかい?ウケる♪」と言う若々しい声が聞こえて来た。

「若そうな声ね?♪君は何処で待機しているの?♪」智と共に防犯カメラに手を振るアレクサの質問に、スマホの向こうのYou-Rは明るく答えた。「アメリカだよ♪こちらはマサチューセッツ州さ♪現在昼休み中♪大学院のパソコンを使ってるよ♪心配しなくてもこのハッキングは未だサイバーポリスにも気付かれてない♪」

それを聞いたダイアナが驚いて目を見張る。「中国のサイバーポリスをやり過ごすなんて優秀ねぇ♭どうやって暗号を解読するの?♭」「心配ご無用♪美人のお姉さんの為にチャチャっと解読するよ♪任せて♪」するとダイアナが取り付けた暗号解読装置が勝手に作動し始め、ものの数秒後にはカチャンと鍵が開いた。

「やるわね♪」ダイアナが防犯カメラに向かってウインクをする。きっとアメリカでも何らかのサインを送っているのだろう。「YEAH〜!♪」と言うYou-Rの弾んだ声に、Ai-Bが横目で智を見ながら「アヒャアヒャヒャ♪You-Rって相変わらず歳上好きだねぇ〜♪」と茶々を入れた。

「先ずは地下通路の奥にあるセキュリティルームよ。一気に片をつけてマサチューセッツの彼に『黒神会』の防犯設備を遠隔操作で乗っ取って貰う。さぁ行くわよ」ダイアナのショートブーツが魔窟の入り口へと闘いの一歩を踏み入れた。

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

長くなりそうなのでここで一旦切ります(ごめんなさい〜えーんアセアセ)相葉ちゃんキャラのブルース・リーコスプレが何だかふざけた感じですがタラーストーリー展開上ニノみぃのキャラを戦いに参加させる訳には行きませんのでアセアセ

相葉ちゃんが黄色のジャンプスーツを身に付ける事によって出番のないニノみぃにも参加して貰っているよ〜💛的な感覚でコスプレ好き設定の相葉ちゃんキャラに黄色を着せましたウインク

次回も直ぐに取り掛かりますので暫しお待ちを…照れ