これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ。下差し

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ホテル内のレストランに赴くと、白いテーブルクロスが掛けられた中央のテーブルで、シルクサテンの黒地に、ゴールドの蔓と緋牡丹の華やかな柄が描かれたチャイナドレス姿のダイアナ・クワンが、隣の席に腰掛けて項垂れている、サマーニットのタイトなワンピースのアレクサに何やら話し掛けている所であった。

「あちゃ〜♭ありゃだいぶしぼられたなぁ〜♭」呟く相葉の脇腹を、それ見た事かと潤が肘でつついている。だが、智は「そうじゃない」と静かに呟き、テーブルに歩み寄って行った。「ハイダイアナ。やぁアレクサ、叱られたのかい?」

優しく声を掛ける智に、アレクサはパッチリとした瞳を潤ませてポニーテールの髪をふるふると振った。「違うの。あたし感動しちゃって…。ダイアナが幸せそうで良かったって…言ってくれて…」

どうやらアレクサの顔を見て、ダイアナには思う所があったらしい。智が微笑むとダイアナは少しバツが悪そうに「本当は張り倒してやりたかったんだけどねぇ…♭この子のこんな幸せそうな顔見ちゃったら何も出来ないわよ♭」と小さく溜め息をついた。

「悔しいけど認めるわ。人を使う時は恐怖で支配して管理するよりも、むしろ規律と放任を合理的に使い分け、個々の能力に見合った役割を与えて管理するって言うビジネスライクなやり方の方が上手く行く。ショウ・サクライの様にね。ファミリーだの絆だのを傘に着て無理矢理従属させるやり方はもう時代遅れだわ」

ダイアナはアレクサの頬を掌でそっと包み、「頑張りなさい。アレクサンドリア。何処に居てもあなたは私の可愛い娘よ」と、穏やかに言った。まるで母親の様なダイアナの口振りを聞いて、智が柔和に目を細める。「今の様な温かい絆ならあってもいいけどね。きっと貴女ならいい指導者になれるよ」

智の言葉に潤も相葉もニコニコと何度も頷き、揃って親指を立てた。ダイアナは吐息混じりに苦笑して「全く…♭あなた達って…♭」などと呆れていたが、その表情は何処かサバサバとして明るかった。

「それじゃあ作戦会議を始めるわよ。みんなもどんどん意見を言って頂戴。全員がなるだけ無傷で帰れる様に最適な方法を探りましょう」チャイナドレスの脚を組み換え、ダイアナが勇ましく檄を飛ばす。「了解!♪姐さん!♪」みんなが一斉に声を上げた。

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東京板橋区『言論社』。この雑居ビルの3階に『真相報道Weekly』の編集部がある。ジャーナリストの二宮は編集長の東山と共に、応接室で五十嵐杏樹、大勘母子の独占取材を行っていた。二宮が智からの報告を受けたのは今朝の事である。詳しくは話してくれなかったが、智はその時飛行機の中で、松本と上海に向かっていると言う事であった。

これは何かありそうだと、慌てて身支度を整え、いつもより早く編集部に出勤した所、インタビューの約束で再び編集部を訪ねて来ていた五十嵐母子と鉢合わせたのである。DNA鑑定の結果もそろそろ判明した頃だ。二宮は母子を応接室に通し、取材準備を整えてから編集長の東山に連絡を入れた。

東山はその時丁度出勤途中だったが、智が松本と上海に行ったと聞いて何か直感が働いたらしい。昔のツテを使って後輩の警察関係者にアクセスした所、極秘情報として櫻井が『黒神会』に誘拐された事実を知ったのだ。

話によると櫻井はあの伊達山国防大臣のパーティ中に運悪く『黒神会』と遭遇したらしく、公安部はあくまでも極秘捜査と言う名目で松本を上海に派遣した様だ。まさかあのてんやわんやのさ中にそんな事件が起きていたとは二宮にも寝耳に水だった。

だが、東山はそれを記事にするつもりは当面の間無さそうである。とかく色んな噂があるとは言え、櫻井はビジネス界屈指のニューヒーローだ。もし彼の身に何か深刻な事態が起きたなら、日本のみならず全米各地の財政にも大打撃を与えるに違いない。

記事にしたいのは山々だが、さすがに櫻井の安否が判明するまではそっとして置いた方がいいだろう。二宮から30分遅れで出勤して来た東山の様子を伺いつつ、二宮は心の中でそう考えていた。

インタビューは滞りなく進行している。DNA鑑定の結果、今二宮の質問に真摯に答えてくれている高身長の二枚目こそが本物の朔大勘だと先程判明したばかりだ。亡くなった朔大造の莫大な遺産を相続するのは本来彼だった筈である。

二宮がそう言うと、朔大勘ならぬ五十嵐大勘は「遺産など欲しくありません」とキッパリ拒絶した。

「亡くなった五十嵐史郎だけが俺の親父だと思っています。俺とお袋がこうして名乗り出たのは『真相報道Weekly』の納涼企画を拝読し、俺の戸籍を奪った偽物がまた何か大きな事件を起こすかも知れないと危惧したからです。これ以上危険な犯罪者を野放しにする訳には行きません。親父ももう鬼籍に入りましたし、お袋もそろそろ過去を精算してもいい頃じゃないかと決断致しました。

無論この事実を告白する事により、親父が職権を乱用してお袋の戸籍を何か作為的なやり方で日本人に変更したであろう違法行為も発覚する可能性はありますが、それでも見過ごしには出来なかったんです。こちらの編集長さんならきっと正しい記事を書いて下さると思っています」

そんな五十嵐大勘の告白に、東山は感慨深そうに大きく頷いた。「心配いりません。お2人の現在の生活に支障が無いよう身元は隠して報道致します。ましてやお母様が淋鷹信、鷹虎父子と関わりがあったのは40年も昔の事ですから、その頃の犯罪行為であれば既に時効が成立しています。今更蒸し返すまでもないでしょう。

何より杏樹さん。貴女は当時2歳だった大勘君をこんなに立派な青年として成長させて下さいました。犯罪の被害に遭われた御一家の無念はどんなに年月が過ぎようとも計り知れないものがありますが、それでも私は貴女にあえてお礼を言わせて頂きたい。

良くぞ…生きていて下さいましたね。大勘君の母親として彼を慈しみ、育てて下さりありがとう…。元警視庁の捜査官の1人として、貴女と、貴女のご主人の五十嵐史郎さんに心から感謝を申し上げたいと思います」

応接室のソファーから立ち上がり、深く頭を下げる東山に倣って二宮も頭を下げた。それを見た五十嵐杏樹が込み上げる物を抑え切れずに両手の平に顔を埋める。若々しい風貌とは裏腹に、その手の甲には年相応の年輪が刻まれており、この女がしっかり息子を育て上げた立派な母親であった事を物語っていた。

「二宮君。例の話を五十嵐さんに…」東山に促され、ソファーに腰掛け直した二宮が遠慮がちに声を掛ける。「そうそう、五十嵐さん。もし貴女さえ宜しければ…ですが、私の警察庁の知り合いが娘のダイアナさんと会わせたいと言っているのですが、どうされますか?

実は貴女の娘さんは現在淋鷹信、鷹虎父子と決別し、彼等を捕縛する為に警察庁の者と共に尽力して下さっています。ダイアナさんは貴女がお元気だと知り、とても会いたがっているそうです。ダイアナさんは今回の事件が解決した後に渡米してショービジネスを手掛けるそうなので、この機会を逃したらもう二度と会えなくなるかも知れません。

もし貴女がお会いになるのなら警察庁の彼が段取りを組んでくれるそうですが、如何ですか?」「ダイアナが…?♭まさかあの娘(こ)が『黒神会』と決別を…?♭ああそんな…♭大丈夫なんでしょうか?♭」たちまち狼狽える五十嵐杏樹の背中を隣の大勘が優しく撫でる。東山が力強く励ました。

「心配いりませんよ杏樹さん。警察組織の威信に掛け、既に水面下では事態が大きく動き始めています。どうかダイアナさんの気持ちに応えてあげて下さい」「勿論ですとも…もし元気なら私も会いたい…ダイアナに…。その警察庁のお友達に伝えて下さい。絶対にあの娘を死なせないでと…。お願いします」

ポロポロと涙を零し、五十嵐杏樹は二宮に向かって祈る様に両手を合わせた。そんな母親の様子に瞳を潤ませ、五十嵐大勘も頭を下げる。「俺も会いたいです。血は繋がっていなくてもお袋の娘なら俺の姉さんですから。是非会わせて下さい」

母子のそんな言葉を聞いて、二宮も天に祈る様な気持ちになっていた。きっと東山も同じ気持ちであろう。「編集長、俺を上海に行かせて下さい。五十嵐さんの為にもなるだけ早く彼等の無事を確認して第1報を飛ばしますから」「良し分かった。くれぐれも気をつけるんだぞ」

**

上海『ヘンシャンモラーヴィラホテル』。食事を摂りながらの作戦会議もそろそろ大詰めになった頃、智のスマホに二宮からの連絡が入った
。「そうか、分かった。ありがとう二宮君。ダイアナにもそう伝えるよ」自分の名前が出た事で怪訝な表情を浮かべるダイアナに、智は母親のアンジー・クワンも会いたがっていたと言う旨を伝える。

「どうやら本当の朔大勘も君に会いたいと言っていたらしい。今アンジーは五十嵐と言う日本人として大勘と親子になり暮らしているが、大勘はアンジーを本当の母親の様に慕い、君の事を姉と同じだと言ったそうだ」それを聞いたダイアナが遠い目をして窓に視線を向ける。

「皮肉なものね…。実の弟には殺され掛けたのに血の繋がらない弟は私と会いたいだなんて…」「ダイアナ…」そんなしんみりとした空気を物の見事にぶった斬ってくれたのは相葉だ。アヒャアヒャヒャと一笑し、殊更陽気に言い放った。

「それでいいじゃん!♪今はその五十嵐さんが本物の母子なんでしょ?!♪じゃあダイアナもそっちの母子を本当のママとブラザーだと思えば?!♪あ"ママは本物か?!♪」「お前さぁ〜♭空気読めよ♭」ダイアナを気遣った潤がすかさず窘める。だが潤の意に反し、当のダイアナは何処か幸せそうだ。

「いいのよジュン。彼の言う通りだわ。何よりお母様が会いたいと思ってくれたのが嬉しい…。日本の弟にもね。俄然やる気が出て来たわ」ダイアナは卓上のタブレット端末を指差しながら櫻井が囚われているであろう『黒神会』のアジトの構造を一同に伝えた。

そこにはダイアナが記憶を辿って描いたアジトの詳細が記されている。まるで中国映画の時代劇にでも登場しそうなそこは、堅牢な石垣に囲まれた巨大な牙城の様だった。「まさに伏魔殿だぜ♭こんなのがこの大都会のど真ん中にあるなんてな♭」呟く潤に頷き、ダイアナがその牙城の上部辺りを示して言った。

「恐らくショウはここよ。この部屋は人質を閉じ込める為の特別な場所でね。上からの攻撃に対応する為、周囲に見張りを配置し易い造りになっているの。だから時間は掛かるけど見張りが手薄な地下通路から責めて行った方がいいわ」

ダイアナは攻撃の段取りを的確に伝えながら、各々の意見を取り入れ、それぞれの役割を決めて行った。こうして作戦会議は終了し、後は行動あるのみとなった時、まさしく絶妙なタイミングで今度は『櫻井グローバルCo.』の岡田から連絡が入ったのだった。

「『Black box』が作動し始めたぞ。明日の朝には世界中の『パンドラバンク』が開く。いよいよだ…」張り詰めた空気が一同を包み込んで行った。

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さあ、これでようやっと最終対決にこじつけられそうでございますチョキウインク翔君奪還作戦開始!急げや急げ〜🚝💨💨💨💨