これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

4

上海は人口1400万人の中国最大の国際都市である。海外列強の疎開地として発展し、疎開地だった時代と、近年の経済発展での近代化が渾然一体となって成立している特殊な都市だ。

また、約4000年の悠久の歴史を持つ巨大な中国の中に於いて、上海は約700年と歴史が浅く、対戦前は海外からの諜報員が暗躍し、占領地を巡る駆け引きが横行していた、ある種の闇を内包する魔都でもあった。

大小様々な近代的なビルが建ち並び、街路樹が規則正しい配列で整然と植えられている。ここに来る前に目端で捉えた光景には、背の高い電波塔の様な前衛的な建物が聳えていた。恐らくあれが上海のシンボル的存在である『当方明珠電視塔』であろう。そう見当をつけた櫻井は、この場所が意外にも上海の都心部にあるのだと知った。

だが、それにしてはここはいかにも黒く澱んでいる…。まるで大都会の中心にぽっかりと開いたデッドゾーンの様に、この迷路の様な古い建物は古色蒼然とそこに存在していた。

元々何某か名のある人物の屋敷だったのだろうか。城の様な要塞の様な、大層頑丈そうなその風貌は、昔の中国の名残りもそのままに、広々とした敷地内でどっしりと門を構えており、古いながらも屋根や外壁には細かい彫り細工等が施されていて、その随所に贅を尽くされた意匠が残っていた。

だが、この建造物は時代に逆行してるかの如く、全てに於いてどんよりと凝っているのだ。一体この建物の内部で今までにもどれ程数多(あまた)の血が流されて来たのだろう。

櫻井が居るのは床に陰陽マークのタイルが敷き詰められた、硬い木製のベッドがあるこじんまりとした部屋なのだが、良く見ると壁には弾痕の様な跡もあり、かつてこの部屋の住人も殺害されたのではないかと推測された。

「長旅ご苦労様だったね。君が今まで寝泊まりしていた場所に比べるとだいぶ狭いかも知れないが、暫くは辛抱してくれたまえ」そう言って部屋に入って来たのは『黒神会』のボス、淋鷹信である。背後には息子の淋鷹虎も控えており、櫻井は改めて良く似た父子だと思った。

「いや、これはこれで中々興味深いですよ。随分古い建物みたいだが、どなたの御屋敷なんです?」「さぁね。はっきりとは知らんが確か昔の商人か何かの屋敷だったらしい。廃墟だったのを『黒神会』の先代ボスが買い取ってアジトにしたと聞いているよ。

私は極めて紳士的な性質(たち)なんで余り脅かす様な真似はしたくないのだが、この屋敷の地下には巨大な冷凍庫があってね。以前は牛や豚の肉が丸ごとぶら下げてあったもんだが、たまに人間の死体なんかもぶら下がっていたりね…。君の身の為にもそうならない様に賢く立ち回った方がいい」

極めて紳士的な男が死体を冷凍庫にぶら下げるとはとても思えないが、櫻井はあえて言及せずに「冷凍庫にぶら下がるのは御免だな」と、両手を広げて軽く肩をすくめた。そんな泰然とした櫻井の様子に、鷹信の背後に居た鷹虎がフフンと鼻で嘲笑(わら)う。

「さすがは若くして『櫻井グローバルCo.』を背負って立つCEOだ。顔色1つ変えやしない。ああ、そう言えばただのCEOじゃなかったな。どうやら我々と似た様な裏の顔も持っているらしい…。父上の時代から考えるとかなり儲けたんじゃないのかな?」そら来た…。櫻井は少し考える素振りをしてから、この父子の目が秘書の岡田に行くように上手く話を振った。

「生憎だが、そっちの顔を知っている社員はただ1人でね。我が社に身代金要求をするつもりなら、日本で大騒ぎになるのを覚悟しておいた方がいい。警視庁も、もしかしたら俺と関係しているアメリカの企業からの通報で、FBIまで動き始めるかも知れんぞ。何よりあんたは警察庁のお尋ね者じゃなかったか?」

淋鷹虎に視線を向け、逆に脅しを掛ける櫻井に鷹虎は顔色を変えて声を荒らげる。「貴様…!♭俺を脅すつもりか?!♭もっと自分の立場を弁えろ…!♭こっちはいつだって貴様を八つ裂きに出来るんだぞ!?♭」そんな鷹虎を父親の鷹信が冷静に止めた。

「挑発に乗るな鷹虎。弁えるのはお前だ。元はと言えばお前のそんな短慮が40年もの年月を無駄にしたんじゃないか」「父さん…♭」淋鷹信は侮蔑の視線を息子に投げ掛けると、櫻井に向き直って「ではそのただ1人とやらの社員に身代金を調達して頂こう。無論表沙汰には出来ない資産の方をね。当然溜め込んでいるんだろう?」と要求した。

**

岡田が手配してくれた航空便で、この上海の地を踏んだ智は、隣で嬉しそうに微笑む潤を見上げると、少し心配そうに声を掛けた。「本当にいいのか?危険な仕事になるぞ」「いいに決まってんだろ?今回は公務だしな。経費も落ちるしラッキーだぜ♪」

博多の時と違って今回の潤は公安警察としての職務だと言う。何せ公安部の室長が偽物で犯罪者だったのだ。しかもマスコミの前で国防大臣と公安委員長がそれに加担した疑いまで露見したのだから、国も名誉挽回に必死なのである。

パーティに参加した新聞社は号外を打つし、『真相報道Weekly』に至っては次の発売日を待たずして、40年前の一家惨殺事件から始まる今回の大事件を特集した臨時号を発売した。納涼企画の新刊と合わせ、臨時号は創刊以来の大ヒットとなり、増刷に次ぐ増刷で現在バカ売れ中である。

恐らく伊達山逸直も、寝屋川登見雄も辞職に追い込まれるだろうが、これだけ大騒ぎとなってしまっては、どうでも逃亡した朔大勘を逮捕して厳罰に処さなくては国に対する国民の信頼は地に落ちるだろう。警察庁のメンツに掛けても朔大勘を捕らえろと言うのが国からの命令なのだ。

特に公安部に対する風当たりは強く、警察庁上層部は自浄出来なければ公安部を総入れ替えするとカンカンなのである。そこで潤は自ら立候補して朔大勘捕縛の役目を申し出たのだった。

悪党とは知らず、狙撃された寝屋川委員長を助けた功績もさる事ながら、松本元警察庁刑事局長の息子だと言うのも、潤が選出された理由であろう。生きて捕縛するのが大原則ではあるが、やむを得ない場合は射殺もありだと命じられている。

極端な話、その身柄が朔大勘本人であると証明出来れば死体でもいいと言う訳だ。因みに櫻井の誘拐に関しては『櫻井グローバルCo.』の岡田からの要請もあり、警察庁でも公表はしないと決定された。

犯罪者をまんまと逃した上に民間人を人質に取られたとあっては、世間の謗(そし)りは免れないと判断しての、ありがちなお上の隠蔽工作である。従って経費は出るが、実質潤の隠密活動と言う事になる。いかにも警察庁の考えそうな事だった。

「櫻井の秘書の岡田って奴、だいぶあちこちに手を回してるみてぇだな?おかげで俺達も仕事がやり易いぜ♪相葉も来んのか?♪」「来るよ。アレクサも一緒だそうだ。あれほど淋鷹虎を恐れていたのに、翔さんの危機だと聞いてじっとして居られなくなったらしい。聞けば彼女はヘリの操縦なんかも出来るらしいからAi-Bは彼女の操縦するヘリで到着するだろう」

どうやらアレクサは恐怖よりもボスの櫻井を救出したい気持ちの方が勝っていたらしい。元はと言えば彼女を櫻井に託したのは智である。もしかしたら智は拳を交える事で、彼女の根っこにある義理堅さや優しさを敏感に感じ取ったのかも知れない。

それは同じ様に工作員として訓練を受けた者同士にしか分からない、闘う者としての熱いファイティングスピリットの様な、そんな物なのかも知れないと潤は思った。まぁアレクサはファイティングスピリットなんて言う男らしい言葉とはだいぶ縁遠い場所にいるけどな…。

思わずクスリとなる潤を、智が不思議そうに見つめて柔和に微笑う。近頃智は良くこんな穏やかな顔を見せる様になった。それが自分と出会ったからだと思えば何とも幸せな気分になって来る。

上海の窓口とも言われる『外灘(ワイタン)』の街並みをグルリと見回した潤は、本当に上海に来たのだと実感した。この外灘は上海開港以降、疎開の玄関口となり、各国金融機関や商社などが立ち並ぶ、“東方のウォール街”などと称されていた大都会である。

国民総監視社会とも呼ばれる中国では、街の至る所に監視カメラがあり、当局の捜査官が常に見張っていると言う。警察庁ではその辺りの事も加味した上で中国当局には極秘捜査の旨を通達してあった。だから『黒神会』に関わる事柄であれば、何が起ころうとも当局はそれを関知しないであろう。

櫻井の秘書の岡田が地元警察に手を回している事もあり、ある意味『黒神会』とそれを捜査する日本からの訪問者に取ってこの上海は無法地帯の様な状況になっているのだ。恐らく日本だとこうはスムーズに行かないであろう。後ろ盾があると無いとではその対応に大きな差があるのも、言うなれば中国らしさなのかも知れない。

「所で智。『黒神会』のアジトはこの上海の何処にあんのかもう分かってんの?」「You-Rから随時報告が上がってるよ。あの辺りだ」智が指差す方向には揚子江の支流である『黄浦江(ホワンプーチャン)』を挟んだ、外灘と真向かいの位置に、当方明珠電視塔が聳えていた。

「マジかよ?♭これが東京だったら東京タワー周辺っつ~事になるぜ♭超都心じゃねぇ~か♭」「そうだな。マフィアのアジトだから郊外に隠れて…みたいな事は無さそうだ」「魔都って呼ばれるだけの事はあるな~♭」

潤の言葉に笑顔で頷きながら、智は上海に前入りしている筈のダイアナ・クワンに連絡を取った。2回のコールで直ぐに繋がったダイアナは「ハイサトシ。ようこそ上海へ」と挨拶をすると、上海滞在中の拠点場所を伝えた。

「『玄武会』の李史進がいい宿泊先を抑えてくれたわ。馬勒別墅飯店(ヘンシャンモラーヴィラホテル)。勿論貸し切りよ。ここは昔マーラーって言うヨーロッパの大富豪が娘の為に建てた私邸でね。2002年にホテルとしてリニューアルされた場所なのよ。

外資が入っているので当局からの介入も少ないし、英語も通じるから海外からのゲストにはもってこいよ。上海ではここをアジトにするからジュンにもそう伝えて頂戴」「了解した。それじゃあ後で」電話を切った智は耳をそば立たせる潤に向かって親指を立てて応え、「潤、いよいよ始まるぞ。覚悟はいいか?」と聞いた。

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

いつの間にかアメブロがリニューアルされているんですね~タラー下書き機能が付いて、代わりにブラウザが使えなくなっているもんだから焦りましたよ~滝汗アセアセ

私の場合1度全画面ブラウザ表示してから文章の長さや誤字脱字を確認するもので、それが出来なくなると何だか使い難くてね~えーんアセアセ新しくなってかえって使い勝手が悪くなるのは困っちゃいますのぅ~ショックタラー←(私だけか?アセアセ)

1度下書き保存して文章を書き足したら自然に更新されると思いきや、書き足したらまた下書き保存し直さないと更新されないんですねぇ~タラー何も知らないから書き足した部分を何度も書き直してしまった超アナログ人間な私でございます笑い泣き

何はともあれ一同魔都上海に上陸でございますよ~ウインク