これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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先程までの騒動がまるで嘘の様に、正午時の凪いだ波間を、大型の貨物船がゆっくりと進んで行く。『黒神娯楽集団(Black god entertainment group)』そんな社名ペイントがされた黒い貨物船は、その巨大な腹の中に誘拐された日本人実業家を閉じ込めたまま、何事も無く横浜港を出港し、威風堂々と上海に帰還しようとしていた。

パスポートを持っていないのだが…。船員用の個室に監禁された櫻井は、そんな呑気な事を考えながら、ベッドで横になっていた。かなり大きな船だ。確か『黒神会』は中国フォーファーザーの傘下で、資金集めを担当しているらしいと裏のルートから噂に聞いている。

だからなのか、作戦は失敗してもさほどダメージを受けていない様子で、武器を調達してくれた半グレ集団にも、かなりの大金を気前良く渡していた。半グレにしてみれば女1人につき500万の賞金を手に入れ損ね、不満も出そうな所であったが、ボスの淋鷹信から言い値以上の金を受け取った事で、大人しく引き下がったらしい。

何よりそれだけの金を払っても回収出来る見込みが淋鷹信にはあるのだろう。今の所『黒神会』に、拘束したり、暴力を振るったりする気配は見受けられない。どうやら逆らいさえしなければ、ゲストとして扱う程度の分別は持ち合わせているようだ。

さぁて…どうするかな…?櫻井は冷静に今後の事を考えてみた。40年越しの野望が実現出来なかったのは、さぞかし悔しかったに違いない。だが、かつて商店街開発計画が失敗した時、すぐに効率のいい金儲けに転じ、息子を媒体とした壮大な長期繁栄計画を考えついた、淋鷹信の執念と粘り強さは感嘆に値する。

今回も櫻井を得る事で、より効率的な金儲けを企んでいるだろう。狙っているのは『櫻井グローバルCo.』のメインバンクか…。それとも黒社会らしく世界各国に点在する『パンドラバンク』か…。

『パンドラバンク』これは先代の櫻井宗十郎の時代から脈々と受け継がれて来た、櫻井一族の隠し財産である。この隠し財産は世界中のシークレットバンクに存在し、『櫻井グローバルCo.』のメインバンクに比べると、それぞれは少額だが、合算すればメインバンク以上の莫大な金額になる。

無論この『パンドラバンク』は表沙汰には出来ない資産であり、その財源の殆どは工作員達のダークな仕事で得た物だ。この隠し財産の全ては『Black Box』と言うネット上の幽霊会社で、頑強なセキュリティーの元管理されており、その詳細は櫻井と秘書の岡田にしか操作出来ない仕組みになっていた。

表向きのメインバンクと違い、『パンドラバンク』の存在は裏で繋がっている連中も誰一人として知らない資産ではあるが、蛇の道は蛇。噂くらいなら淋鷹信の耳にも入っているだろう。

何よりメインバンクは国も把握している『櫻井グローバルCo.』の総資産なので、ここを狙えば国の警察機関も動く。一介のチャイニーズマフィアにはいささかリスクの高い仕事になるだろう。恐らく狙うなら『パンドラバンク』の方だ。櫻井はそう踏んでどうにか秘書の岡田に連絡が取れない物かと考えていた。

秘書の岡田は櫻井が宗十郎の後を継いで『櫻井グローバルCo.』の代表に就任してからずっと、右腕として櫻井についてくれている男である。父の宗十郎が最も信頼し、可愛がっていた男で、その能力は折り紙付きだ。

確か智と同い年で第3期の訓練生だが、岡田は裏ではなく表の仕事を担う役割として、宗十郎に抜擢された変わり種である。宗十郎は詳しくを語らなかったが、櫻井は心密かに岡田は父の隠し子じゃないかと思っていた。

櫻井のスマホと腕時計は取り上げられた。ノートパソコンはビジネスバッグの中、パーティ会場のロッカーに置いたままだ。櫻井が誘拐されたと表沙汰になれば騒ぎが大きくなり、かえって動きづらくなる。だから公にしないよう、水面下で工作員達が活動してくれる状況がベストなのだ。

それには櫻井の表の顔だけでは無く、裏の顔にも精通した岡田が中心となり、働いて貰う必要があった。それに岡田は『Black Box』の隠されたカラクリを知り、それを効果的に作動させられるただ一人の社員でもある。

最も期待出来るのは智の存在だ。智と岡田は訓練所でも親しい間柄だった。もし智が即刻岡田と繋ぎを取り、櫻井の誘拐について協力を仰いでくれれば、最短でこの一件を解決する事が出来るだろう。

が、問題はその智が既に組織を抜けていると言う点である。果たして櫻井の為に智がわざわざ危険だと分かっている『黒神会』との決着に臨むのだろうか…。始めは組織を裏切った腹いせに報復も考えた櫻井だったが、智がこの件で尽力してくれるなら、不本意ではあるが、手土産付きで放免してやってもいいと思っていた。

それにつけてもこう退屈だと時間が長く感じてしまってかなわない♭中国語はあまり得意ではないが、このままじっとしているよりはいいだろう。ベッドから起き上がった櫻井は、試しに外で見張っているはずの下っ端に「おーい!」と、呼び掛けた。

勢い良く船室のドアが開き、頭を五分刈りにした若い男が「チャオザー!【うるさい!】」と櫻井を怒鳴りつける。だが、ボスの淋鷹信からきつく命じられているのか、決して手を出そうとはしなかった。

「帯上DVD播放器或遊戯 (ダイシャンDVDボゥファンクゥイフォユゥシー)【DVDプレーヤーかゲームを持って来てくれ】」ゆっくりながらも、しっかりとした発音でそう告げる櫻井に、五分刈り男は感心した様に「アー」と頷いていた。

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東京都品川区。外資系企業が軒を連ねる、空港からほど近い場所に『櫻井グローバルCo.』の本社ビルは聳え建っていた。パーティー会場を潤や相葉に任せ、タクシーを使ってここに訪れた智は、空の風景を鏡の様にその側面に映し出している巨大な建物を見上げ、自動ドアをくぐり抜けた。

広々とした1Fフロアの受付には、知的な雰囲気の3人の受付嬢が笑顔でゲストを迎えており、智が岡田に面会を求めると、右端の女性が丁寧な口調で「アポイントメントはお取りになっていらっしゃいますか?」と聞いた。

「いえ、緊急の連絡なのでアポはありませんが、大野智が来たと伝えて頂ければ通して下さると思います」智の言葉に受付嬢は一瞬怪訝な顔つきをしたが、すぐに内線電話で先方に事の次第を告げた。

智の訪問に岡田は即只事ではないと悟ったのだろう。内線電話を切った受付嬢は、ゲスト用とは別にある社長室直通のエレベーターに智を案内してくれた。「ありがとう」エレベーターに乗り込んだ智は最上階まで一気に上がると、そこで待っていた岡田と懐かしそうに握手を交わした。

「久しぶりだなぁ大野。社長から聞いたぞ、『Dead line』を抜けたんだって?お前は生粋の人間兵器だと思っていたが、一体何があったんだ?」智の肩をポンポンと叩きながら、明るい声で聞く岡田に変わらないなと思う。

幼く見える智と違い、同い年の岡田は何処かしら貫禄があり、智と変わらぬ小柄な体躯も、見るからに筋骨隆々で、スーツ越しでもその分厚さがはっきりと分かる。もしあのまま訓練を続けていれば恐らく智以上の腕利きになれたであろう。

だが、岡田は先代の宗十郎直々の推薦で秘書として櫻井を支える表向きの役職へと転身し、今では『櫻井グローバルCo.』に無くてはならない重要な存在である。それでもこうして久しぶりに会うと、昔と変わらぬ親しげな調子で智に接してくれ、偉ぶる様子など微塵もない。櫻井が会社の重職をこれほど長く任せているのも、岡田のこんな人柄あっての事だ。

「まぁ世間話は後にしようや。お前が俺を訪ねるなんて余程の事だろう?社長は今日国防大臣の就任記念パーティーに行っていたが、そこで何かあったんじゃないのか?」さすがに話が早い。社長室に内側から鍵を掛け、入室禁止にした岡田は、智をソファーに促しながら話の詳細を聞いた。

尻が埋まりそうになるフカフカのソファーに、若干の居心地の悪さを感じつつ、智はこれまでの成り行きを説明し、パーティーの途中で席を外した櫻井が『黒神会』なるチャイニーズマフィアに誘拐された事を告げた。

「…その時間なら社長がアメリカの取り引き相手への返信を俺に頼んで来た頃だな…。恐らくは近くの会場を押さえていた『黒神会』の連中と運悪く遭遇したんだろう…。『黒神会』の目的が社長の資産だと言うのは確かなのか?」顔を強ばらせながらも冷静に話を聞く岡田に、智も安堵して言葉を繋ぐ。

「40年越しの野望が水泡に帰したんだ。多分相当な資金も注ぎ込んでいるだろうから、手っ取り早く取り戻すには翔さんの所有する資産が最も効率的だ。淋鷹虎の姉の話しでは『黒神会』は中国の四大勢力の1つ『玄武会』の子飼らしいから失敗しましたじゃあ面子も保てないだろう」

智の話しに何度も頷き、岡田は「それなら社長は連中との交渉に『Black Box』を利用する筈だ」と言った。「『Black Box』?」「そう、『Black Box』は櫻井一族の隠し財産『パンドラバンク』を管理するネット上の幽霊会社だ。世界中に点在する…まぁ言うなれば櫻井家の壮大なヘソクリみたいなものでね。

そんな『パンドラバンク』の金蔵を開く秘密の鍵が『Black Box』って事さ。社長の資産はこの『櫻井グローバルCo.』のメインバンクか、隠し財産の『パンドラバンク』の2択になる。だが、メインバンクは長者番付でも発表される社長の総資産で、ここに手を付けると社会的な騒動は避けられない。

恐らく社長はそうなる事を好まないだろう。だから社長は『黒神会』と上手く交渉して、必ず『パンドラバンク』の資産を相手に提示する筈だ。だが、鍵を開く『Black Box』にはちょっとしたカラクリがある。仮想通貨『PHANTOM PAY ファントム・ペイ』の存在だ」「ファントム・ペイ?」小首を傾げる智に、岡田はニヤリと微笑した。

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岡田君って我がブログではお初でしたかね?キョロキョロ?翔君に関係する人と言えばアニキ会の上田君や菊池の風ちゃんがウチではありがちなんですが、今回は社長付きの有能な秘書と言う役割だったもので、風ちゃんでは若過ぎだし、かと言って上田君が秘書と言うのも何か違う様な気がしたものですからアセアセ(若頭ならねぇ~滝汗←こらタラー)

どうしようかと思った所でふと先週の『嵐にしやがれ』を思い出しまして、そう言えばV6ってあんまり書いた事ないなぁ~σキョロキョロなんて考えてたら、岡田君がかつて翔君とドラマ共演して「ぶっさん」「バンビ」と呼び合っていた仲だった事がパッと浮かんだんですよ💡

おおっ♪確か岡田君は軍師官兵衛でもあったじゃないかと、秘書は岡田君に決定致しましたグッウインク岡田君なら恒例の先輩後輩バトルで大ちゃんキャラとも共演させ易いし、キャストとしてはいいかなと思ってますてへぺろ

それにしても智君の属する組織が『Dead line』と言う名前だったとここに来て初めて書いたと言う…(大滝汗アセアセアセアセ)

果たして『PHANTOM PAY』とは何なのか、その詳細は次回にて…ウインク