これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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パーティー会場でとんだ騒動が持ち上がっていた時、櫻井はたまたま席を外し、アメリカの取り引き先からの電話を受けて、ホテル非常口の踊り場で、相手と会話を交わしていた。

「-OK- I will get back to you latar.【分かりました。後ほどご連絡を差し上げます】
-Alright-【それでは】thank you berry match Bye.」

通話を切った櫻井は続けて『櫻井グローバルCo.』の本社に連絡を入れ、秘書に先程の会話の詳細を伝えると、データーを作って後に先方に伝える様にと命じてから通話を終えた。ワーカホリックとはまさに彼の様な人物の事を言うのだろう。

色々と不穏な噂もあるにはあるが、事ビジネスに関してなら、彼ほど有能で、彼ほど勤勉な代表取締役は数える程しか居ないに違いない。だからこそ『櫻井グローバルCo.』は先代の宗十郎以上の大企業に発展したのだ。

櫻井に取って政界、財界から大勢の著名人が集まる今回の様なパーティーは、人脈を広げる恰好のビジネスチャンスなのである。正直、智を奪った松本から持ち込まれたボディーガードの話など、無視してやりたい所であったが、その発信元が日本平和党の友坂郡司だと言うので、それなら美味しいメリットもありそうだと考え、組織の工作員も派遣してやったのだった。

パーティー会場で様々な著名人と会話をし、櫻井のビジネスに興味を持ってくれた企業もあったので、彼はそれなりの手応えを感じて満足そうに大きく伸びをした。常に忙しく、仕事ばかりの毎日ではあるが、暇過ぎるとかえって落ち着かない性質な櫻井には、多忙なくらいが丁度いい。

そろそろパーティー会場に戻ろうかとホテルの廊下を歩き始めた時、会場の『華燭の間』の20メートル程手前にある『鳳凰の間』から黒っぽいスーツを着た、見るからに怪しげな一団が、ややざわつきながら早足で歩き出して来た。

皆んな一様に内ポケットの辺りが膨らんで見えるのは恐らく懐に武器を隠し持っているからだろう。先頭には一目で高級ブランドだと分かる仕立てのいいスーツを着た老紳士が歩いている。櫻井は咄嗟に襲撃に備えた『黒神会』の連中だと判断し、廊下の曲がり角にある大きな観葉植物の陰に身を隠して、その様子を注視していた。

「インフーか?どうした?」老紳士はスマホを取り出し、達者な日本語で淋鷹虎の名前を呼ぶと、「何?アンジーと朔大勘本人がか?♭分かった、作戦は中止する。非常口から出るからお前も合流しろ。分かったな?」と早口でまくし立てた。

老紳士は背後に従えている仲間に向かって「チャオゾゥシーパイ【作戦失敗】」と一言告げてから櫻井の潜む観葉植物の前を通り過ぎて行き、背後の仲間もそれに従って老紳士に続いていた。だが、その時最悪のタイミングで櫻井のスマホが着信の音を鳴らしたのである。「?!ニーシーシェイ?!【何者だ?!】」

マズイと思ったがもう遅い。櫻井は両手を上げて降伏の姿勢を取りながら観葉植物の陰から姿を現した。櫻井を見た老紳士が色めき立つ仲間を制してニヤリと微笑う。「これはこれは…素晴らしいゲストがご登場だ…」

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その頃、ホテルの地下駐車場では逃亡した朔大勘を追って『Ange Noail』の美女達と智と相葉。そして潤がその行方を探し回っていた。恐らく朔大勘は逃げる途中で待機中の父親に作戦失敗の連絡をしたのだろう。

潤の聞き込みにより『電脳エンターテインメント』なる架空の会社の名で別の会場が借りられていた事までは判明したが、そこに集まっている筈のイベントスタッフは既にもぬけの殻であった。

一同は直ぐに後を追い、ホテル中を探索したが、地下駐車場まで辿り着いた所で『黒神会』も、朔大勘も、その足取りはぷっつりと途絶えてしまっていたのである。

「どうやら逃がした様ね…♭」ダイアナは呟き、大きな溜め息をついて仲間の美女達や智らに振り向いた。「仕方がないわ一旦引き上げましょう♭」一同が諦めてその場から離れかけた時、智のスマホにYou-Rから緊急の連絡が入った。

「?ユーリ?どうした?」「Sato-C…♭どうやらマズイ事になっているみたいだよ…♭Sato-Cに言われた通りに、そのホテルのセキュリティセンターをハッキングして防犯カメラの映像を監視していたんだけど、5階の非常口から多分『黒神会』じゃないかと思う連中がボスを連れて逃げてった♭

ホテルの裏口に黒い貨物トラックが駐車してあってさ。そこであいつらSPみたいな男と合流して、そのままボスと一緒にトラックの荷台に乗り込んだんだ♭今道路にある防犯カメラを辿ってトラックの行方を追っているけど、どうやら海の方向へ向かっているっぽい♭」

「翔さんが?!♭」You-Rの言葉から智は作戦に失敗した淋鷹虎が『黒神会』と合流し、海路を使って国外に逃亡するつもりだと考えた。まさか儲け損ねた腹いせに翔さんを人質にして『櫻井グローバルCo.』から莫大な身代金を要求するつもりじゃあ…♭

「了解。ユーリ、とりあえずそのまま連中の行先を監視して逐一僕に伝えてくれ。恐らく奴らは表向き中国商社の名前で大型の貨物船を所持している筈だ。それで国に戻るつもりだろう。但しハッキングするなら気をつけるんだ。中国にはサイバーポリスが居るからな」「OK」

通話を切った智は相葉に向かって「翔さんが『黒神会』に誘拐された」と告げてからダイアナ・クワンに視線を向けた。「ダイアナ。『黒神会』の本部は何処にあるんだ?」「上海よ」ダイアナは怒りを含む眼差しで駐車場の出口を睨みつけ、「全く♭お父様も鷹虎も…♭何処まで私の邪魔をすれば気が済むのかしら…♭」と忌々しげに吐き捨てた。

「えぇっ?!♭翔さんマジでいないの?!♭誰も見てなかったのかよ~!♭」相葉がスマホに向かって他の仲間に文句を言っている。潤は「確か友坂の挨拶が始まった時は未だ会場に居たぜ♭『嶋本フーズ』の社長と話してたと思うけどな~♭」と言いながら、同じ広報部の同僚に連絡を入れた。

潤の同僚の話によると、櫻井は友坂郡司が『真相報道Weekly』の話題を始める直前くらいにスマホで何か話をしながら会場の外へと出て行ったらしい。それを聞いた相葉が「それ、多分アメリカの企業だよ。今日連絡が来る予定だって翔さん言ってたし…♭クッソ~♭朔大勘の騒動にすっかり気を取られてた♭」と、悔しそうに空を仰いだ。

「どうする?♭智」険しい顔つきで考え込む智に潤が尋ねる。「とにかく僕は『櫻井グローバルCo.』の本社に行って秘書の岡田に事の次第を説明して来るよ。場合によっては彼の協力を仰ぐ必要があるからね。相葉ちゃんは会場に戻って他のメンバーに報告を。潤は広報部の仕事を続けてくれ。警察には翔さんの事を知られない様に。それから…」

智は再びダイアナに視線を戻すと、『Ange Noail』の美女達にも確認しながら聞いた。「ダイアナ。貴女はどうする?」「私達はこのままクラブに戻るわ。お父様や鷹虎がショウ・サクライを誘拐したとなると多分目的は彼の莫大な資産だと思うから。作戦を練り直さなくちゃいけないもの。それから…」

ダイアナは遠い目をしてぼんやりと駐車された高級車の列を見つめた。「もしも可能ならお母様に会いたい…。私は鷹虎とは違う。お母様の事を愛しているのよ…」「ボス…」「ボス…」美女達がいたわる様な表情でダイアナに声を掛ける。

不思議な物で櫻井が彼女達の為に尽力した事で、美女達の顔つきが作り物めいた雰囲気から少し人間らしくなった様に潤には思えた。きっと『黒神会』の呪縛から解き放たれてから、彼女達の中でも何かが変化したのだろう。潤と巡り会ってから本当の愛を知った智の様に…。

「…絶対ぇ櫻井を助けねぇとな…。あんた達『Ange Noail』の為にもね…。アンジー・クワンの事なら俺に任せてくれ。警察庁広報部の名前に懸けて、1番いい形で母娘の対面を実現させてやる」潤のそんな言葉にダイアナが呆れた様に顔を上げた。

「ジュン♭私はあんたの命を狙った女よ?♭」「え?んな事あったっけ?♪もう忘れちまった♪」親指を立ててウインクする潤に美女達がクスリと微笑う。

「…変な子ね…。お人好しにも程があるわ…」ダイアナは小さく溜め息をついて「1つ借りだわね…。ジュン」と呟いた。その黒い瞳が僅かに潤んでいるように見えるのは駐車場の光の加減だろうか?

「じゃあ私も嵌められた事は忘れてあげるわ。アレクサンドリアは元気?」「あ”やっぱバレてた?♭」「分かるわよ。博多に派遣してから音沙汰無しだもの。きっとショウの所で楽しくやってるんでしょうね?」

ダイアナは仲間と電話をしている相葉を眺め、「アヒャヒャヒャ♪翔さんは悪知恵が働くから大丈夫だって♪殺しても死なないよ~♪」などと陽気に笑っている様子に「ほら、あんなのが部下に居るんだから」と、肩をすくめた。

「サトシ。今度こそ決着をつけるわよ。『黒神会』は所詮中国黒社会のフォーファーザーの1つ、『玄武会』の子飼いに過ぎない。だから『玄武会』から『黒神会』を切り離す事さえ出来れば『黒神会』を根絶やしにするのは可能だわ。

但し、法治国家の日本と違い上海は魔都よ。華やかな大都会の裏側では毎日沢山の血が流されている。下手な温情は命を落とす事になるから情け容赦は無用。それが例えお父様だろうと実の弟だろうと非情にならなければ決して生き残れない。上海の裏社会とはそんな場所よ」

聞きようによってはかなり冷酷に思えるダイアナのそんな言葉に智は強く念押しをする。「ダイアナ。貴女はそれでいいのか?」「ええ…そうね…。せめて苦しまずに死なせてあげて。それが私の彼らに対する最後の愛だと思って頂戴。勿論私もそうするわ」

まさかダイアナの口からそんな発言が聞けるとは意外であった。恐らく彼女は初めて誰かの為に命を賭して自分の親兄弟と戦おうとしてくれている。それも、敵対する相手である筈の櫻井の為に…だ。

櫻井がダイアナ達『Ange Noail』に齎(もたら)したアメリカ進出のチャンスはそれほどダイアナに取って大きな意味があったに違いない。きっと行方不明だった母親が生きていた事もダイアナの原動力になったのだろう。

ならば必ず勝たなくてはならない。巨大な黒い神に…。ダイアナの覚悟を知って智の気持ちも決まった。「分かったよ。ダイアナ。貴女がそこまで覚悟を決めたなら僕も力を尽くそう。だが、これだけは約束してくれないか?絶対に生きて帰ると…」

智の言葉にダイアナは晴れやかな顔つきで断言した。「当然でしょう?『黒神会』と共倒れになんかならないわよ」「逞しい女性(ひと)だ」「あんたより10年以上も長く生きてんのよ。人生経験が違うわ。ボ・ウ・ヤ…」電話を終えた相葉が「えぇぇぇぇぇ~~!!♭♭♭」と仰け反った。

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いよいよ第三章が始まりましたニコニコ『黒神会』に誘拐された翔君奪回作戦でございますグッグラサンキラキラ翔君のダークなお仕事の部分についてはこの第三章でより詳しく書いて行く予定ウインク

戦いの舞台は上海です中国とは言え私海外旅行は生まれてこの方1度も行った事ありません(えっポーンアセアセ)ので、上海と言ってもネット調べで書いて行く事になると思いますのでタラー細かい部分はいつもの如く生温い目でする~っとスルーしてやって下さいましアセアセ(Theオヤジギャグてへぺろ)

ではではP・A・R・A・D・O・X 第三章『魔都陥落』引き続きお楽しみ頂けましたら幸いでございます🙇‍♀️