これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

13

二宮が『Ange Noail』で取材を行っている頃、神奈川でのカーチェイスを無事乗り越えた潤と智は一旦お互いの部屋に戻り、普段着に着替えてから再び合流すると、マンションの近所にある、潤行き付けの隠れ家的なワインバーの個室で、今日の出来事についてあれこれと話し合っていた。

「えっ?♭『クロウ』は女?♭マジかよ?♭それ、あのセクシーゴリラちゃんみたいなオネェじゃなくて?♭」「いや、後ろ姿だけだったから断定は出来ないが、革のつなぎを着ていたからな、あの体つきを見る限り男と言う感じはしなかった。ほら、アニメのキャラでいるだろう?『ルパン三世』のヒロイン。あんなイメージだ」「峰不二子?♭あんな体型の女ホントにいんの?♭それ、絶対ぇ怪しいじゃねぇか♭」

潤は以前テレビ番組で観たと言う、全身を整形してバービー人形みたいになった外国人女性の話を例に上げ、本物とは限らないと、しきりに怪しんでいる。

「っつ~か、その峰不二子もどきが『クロウ』だとすると、あのセクシーゴリラちゃん含め、『ゴースト・シールズ』のメンバーって女ばっか…と言うか、女っぽいやつばっかって感じしねぇ?♭だってさ、智の疑惑が確かなら『Ange Noail』の店長がリーダーなんだろ?♭」

スティックに刺されたチーズを口に放り込みながら、潤は「何か面倒臭そうな相手だよなぁ~♭」と、グラスのワインを飲みほした。すでにボトルは殆ど空き、次のボトルを注文しようかと言う勢いである。

「潤、少しピッチが早いぞ」智は一言注意をしてからグラスを傾け、静かな口振りで言った。「確かに面倒臭そうだ。まぁ、何にせよ二宮君から『Ange Noail』の店長と従業員の写真が僕のメルアド当てに届いたらおおよその見当はつくだろうけどね」「何で?智は『ゴースト・シールズのメンバーの顔知らねぇだろう?」智の心配をよそに、潤は内線電話で2本目のボトルを注文すると、ほろ酔い気味の顔で聞いた。

「顔なんて知らなくても匂いで分かるよ。組織に所属する連中ってのは独特の雰囲気を持っているものだ。それに聞いた話だと『Ange Noail』と言う店は最近銀座に出店したばかりの人気店らしい。日本語が堪能な美し過ぎる外国人女性が揃っていると評判だそうだ。日本語ペラペラの美し過ぎる外国人だぞ。東京の面接だけで集められるとはとても思えない」

智の鋭い指摘に潤はハッとしてたちまち顔をひきつらせた。「まさか…♭『Ange Noail』の従業員の写真を智が欲しかった理由って…♭」「うん。そうじゃないかと疑っている。彼女達が『ゴースト・シールズ』のメンバーじゃないか…とね。本物の女性かどうかは別にしても、『Ange Noail』の従業員がそのまま『ゴースト・シールズ』のメンバーだとすれば話が早いんだ。

高級クラブを隠れ蓑にして裏で活動し、翔さんの顧客である日本の権力者を闇から闇に葬り、翔さんの土台を潰す。この日本で翔さんとの繋がりがある権力者が消えれば、翔さんの勢力は衰え、政界、財界の裏側をそいつが抑え込む事が出来るんだ」

「そいつって?」「勿論、『ゴースト・シールズ』を裏で操っている黒幕だよ。『Ange Noail』と言う通り名のね…。詰まり銀座の高級クラブは『ゴースト・シールズ』のメンバーを、誰にも怪しまれる事無く一定期間、日本で暗躍させる為に黒幕が用意した表舞台なんだ。美しい外国人女性の集団なんて、ホステスでもやっていないと目立って仕方がないからね」

「美しい女テロリスト達を影で操る黒幕か~♭なぁ~んか生臭ぇよなぁ~♭っつ~かさ、そうなると長谷川先生の役目って何だろうな?まさかその影のリーダーが長谷川先生とかはあんま無さそうだし♭」長谷川の人となりを良く知っている筈の、潤のそんな見解に、智は「ほう?」と言ってテーブル越しに身を乗り出した。「どうしてそう思う?」

「いや別に深い理由がある訳じゃねぇんだけどさ、櫻井のシマを乗っ取る為に女テロリスト達を仕切ってるっつ~、ハードボイルドな黒幕にしちゃインパクトが弱いっつ~か?そりゃ長谷川先生が『Ange Noail』の店長と愛人関係なら、確かに怪しさ満点だし、立ち位置的には櫻井とも俺とも近ぇから、可能性としちゃありそうに思えるんだけど、何だかな~?♭

これはあくまで俺の個人的なイメージだけどさ、長谷川先生ってそこまで大物な感じがしねぇのよ。ほら、櫻井とかは初めて会った時にちょっと底の知れねぇ、一筋縄じゃ行かなそうな闇の帝王っぽさっての?そんなのが結構匂ったんだけど、長谷川先生はな~♭

クリーンじゃねぇとは思うから、櫻井辺りとつるんで裏であれこれ姑息な事はしてそうなんだけど、櫻井のポジションに自分が君臨して日本の政財界を牛耳るとか?そんな大それた野望を持ちそうなタイプにゃ思えねぇんだよなぁ~♭

せいぜい反社みてぇな連中とこっそり裏金のやり取りをして私服を肥やしたり、影で女作って店とかマンションとか買ってやったり?長谷川先生のやってる悪事ってさ、政治家にありがちのそんな俗っぽい内容じゃねぇのかと思う訳よ。

だからもし長谷川先生が『Ange Noail』の店長を愛人にしてるってんなら、確実に接近したのは女の方からだって気がするんだよな~♭例えばさ、本当の黒幕がバレない様に、いかにもそれっぽい長谷川恭一郎ってスケープゴートを用意して、何か不測の事態が起こった時の身代わりにするとか?」

酔いが回っている割にはなかなか的を射た事を言う。この潤の意見は政界の裏側を何度も見てきた公安ならではの洞察力に基づいての事であろう。智は感心して「成る程。あり得るな」と大きく頷いた。

「だろ?♪これでもなかなかやるんだって♪だから智も安心して俺に身を任せてみろ♪絶対ぇがっかりさせたりしねぇから♪」「ンフフ♪すごい自信だな。そんなに酔ってて大丈夫なのか?ベッドの上でも僕は手強いぞ」首を伸ばして唇を寄せる潤にキスで返しながら、智はその紅潮した頬を指先でちょっとつまんだ。

「そうやって年上振るんじゃねぇ♪どんぐれぇ手強いか俺がジャッジしてやる♪覚悟しやがれ♪」「おっ?大きく出たな潤♪いいだろう、受けて立とうじゃないか」

かなり酒が入っていた事もあり、いつの間にかそんなやり取りを始めた2人は、急いで精算を済ませると、まるで子供みたいにはしゃぎつつ、先を競ってマンションへと帰り、潤はそのまま智の部屋へと押し掛けた。

モノトーンで統一した必要最小限の家具だけの、非常にシンプルで洗練された部屋である。寝室の明かりをつけるのももどかしそうに抱き合い、智の背中を壁に押し付けた潤は、何度も口づけを繰り返しながら、慌ただしくパーカーとTシャツを脱ぎ捨てた。

そんな潤の動きに合わせ、智も上半身に纏っていた衣服を脱ぎ捨てると、互いにもつれ合いながら、ベッドの上へとダイブする。すっかりその気の潤に比べると、未だ頭の何処かに冷静さを保っていた智だったが、荒い 吐 息 の中に時折混じるリップ音がやけに生々しく耳孔に響き、次第に気持ちが高まり始めて行く。

やや荒々しく、性急に過ぎる潤の熱量が何故か愛しくてたまらないのだ。こんな感覚は久し振りだった。智の両膝を割って押し付けられる、布越しの 男 の 感 触 が、智の 下 肢 に 甘い 疼 きをもたらせる。「..ふ…そんなに..急..ぐな…じゅ……えっ……?♭」智の上に重なる潤の動きが急激に止まった。

おいおい…♭♭智をしっかりと抱き締めたまま、静かな寝息を立て始める潤に、思わず大きな溜め息が漏れる。「全く…♭しょうがない奴だ…♭人を散々煽っておいて…♭♭」

体の上から潤を転がし、あお向けに寝かせてやった智は、その子供みたいな無邪気な寝顔にクスリと微笑し、「仕方がない。冷水のシャワーでも浴びて来るか…」と呟くと、潤にブランケットを掛けてやってから起こさない様ゆっくりとバスルームへと歩いて行った。

**

火照った身体を冷水のシャワーで落ち着かせた智は、爆睡する潤の様子を確認してからリビングに赴き、ノートパソコンを取り出した。メールボックスを開き、約束通りに二宮からメールが入っていた事を確かめる。二宮はクラブ『Ange Noail』の店長と従業員の写真ファイルと共に、取材の中で参考になりそうな話をメールに書いてくれていた。

中でも二宮が面白いと思ったのは店名である『Ange Noail』についての質問をぶつけた時らしい。"黒天使"フランス語でそんな意味を持つ、ある種不吉な印象を受けるこの店名はどう言う意図があったのか?と聞いた時に寧華蘭は実に明快な解答をくれたそうだ。

「意図も何も、私達は天使だなんてそんな清らかなものじゃありませんもの。記者さんもお気づきになったでしょう?この店の女達はみんなそれこそ天使の様に美しいけれど、『美し過ぎる』とお思いになりませんでした?それが答えです。

私達は天使じゃない、そう、"偽物"『フェイク』なんですの。例えばさっきのブロンドの彼女。サンドラって名前ですが、素晴らしいプロポーションでしょう?胸とお尻にはシリコン。ウエストと脚は脂肪吸引。

赤毛ボブのジェニーは眼と鼻を整形。頬にプラセンタ注射。勿論、私もアンチエイジングの為にフェイスリフトとか、それはもう色々。この店の子はみんなすっかり"改造済み"なんですのよ。ですから偽りの天使って訳」

寧華蘭の口調もそのままに二宮はその内容をかなり詳細に書いてくれており、智はかなり興味深くメールを読ませて貰った。聞けば2人程全身改造済みの元、男までいると言うのだから驚きである。どうやら潤が言っていた『本物とは限らない』疑惑は正解だった様だ。

フェイクを売りにする美女だらけの高級クラブねぇ…。智は従業員の写真の中に、手首に包帯を巻いた、恐らくはサンドラであろうと思われるブロンドの美女の姿を見つけ、納得したように口元を薄く綻ばせた。やはりな…。見つけたぞ『クロウ』…。

もうひとつ智の興味を引いたのは、彼女達には明確な目標があると言う事実だ。どうやら寧華蘭は東南アジア方面の無人島を購入して、そこに女だけの楽園を作りたいらしい。

すでにいくつか候補も決めてあり、そのいずれかを開拓して女性限定の総合エンターテイメント施設を設立し、モデルの育成や教育を行って、『Ange Noail』ブランドの美女達を大勢生み出し、世界中に発信する予定だそうである。

「…そうか…。そう言う事か…」智は呟き、テーブルのマグカップを引き寄せた。ホットコーヒーの香ばしい香りが、アルコールにぼやけた思考を明瞭にする。恐らく『ゴースト・シールズ』は購入予定の無人島に、かつて櫻井宗十郎氏が設立したような殺し屋育成訓練所を建設したいのだろう。

櫻井一族が築き上げた地盤をそのまま乗っ取れば、手っ取り早く世界中の顧客ルートを入手出来る。その為には翔さんの重要クライアントが最も多い日本から始めようと言う訳だ。殺し屋が美しい女達ならば需要も多く、『ゴースト・シールズ』は瞬く間に世界中の裏社会から注目される。

だが、黒幕の『Ange Noail』が目的とするのはあくまでも日本の重鎮達なのではないか?潤の命が狙われているのはそのせいだ。『ゴースト・シールズ』は櫻井一族の持つ裏ルートの乗っ取り、『Ange Noail』は日本の黒い重鎮達の始末と、それに付随する腐った政財界の一掃…。

ついでに莫大な権力も手に入れられれば日本の裏側は『Ange Noail』の思うがままだ。殺し屋組織『ゴースト・シールズ』と黒幕『Ange Noail』。それぞれ目的は微妙に違えども、互いの利害は完全に一致する…。自身が腐った政治家である長谷川恭一郎が『Ange Noail』の人物像とあまりそぐわない感じがしたのはきっとそれが理由なのだろう。

長谷川先生の悪事は俗っぽいか…。潤の奴、呑気な様で観察眼は抜群だな…。ノートパソコンの電源を落とした智は、もう一度寝室に行き、気持ち良さそうに眠りこける潤の寝顔を暫く眺めていた。「…さと..し…だか..ら言ったろ…俺はまだ…ま…だ…ヤ..れる…っ..て……。ふふふふふふ………」ぶつぶつとそんな寝言を言いながらニタニタ破顔している潤に思わず笑いが込み上げる。

「ンフフ…♪一体どんな夢を見ているんだか…」小声で呟き、その頬にキスを落とした智は、猫の様な足取りで寝室を出ると、リビングに戻り、何かの時の為に買っておいたプリペイド式の携帯電話をクローゼットから取り出した。旧式だが、メールを一通送信するだけならこれで充分事足りる。

【明日 AM10:30。西麻布オープンカフェ『Starlight Kiss』で待つ。  Sato―C】

仲間内でのみ通用するメールアドレス宛にこの一文を送信した智は、この携帯電話をリビングの花瓶の中にポチャリと沈めた。引っ越し祝いに階下の百合枝さんから貰ったカサブランカが、リビングに芳しい香りを振り撒きながら小さく揺れていた。

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

最近気がついたんですが、ブログの文字数が少し増えたらしいですねニコニコなので今回は少し長目に書かせて頂きましたグッド!読むの大変かも知れませんがアセアセどうかお許し下さいね~パーてへぺろ

潤智のシーン、きっと惜しい!と思われた方もいらっしゃった事でしょうウシシとは言え未だ諸問題が解決前の段階ですので、ちょくちょく甘色っぽいシーンを挟みつつ、もうちょい引っ張らせて下さいまし~(^人^)

さて、第一章『妖魔』は今回で一応完結と致します❣️次回からはP・A・R・A・D・O・X 第二章『熾天使VS黒天使』が始まりますので、また引き続きお楽しみ頂けましたら嬉しいです照れ