これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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Club『Ange Noail~アンジェ・ノアール~』フランス語で黒天使と言う意味のこの高級クラブは最近銀座に店を構えたばかりの人気店である。老舗の一流クラブからは「銀座にふさわしくない」と眉を潜められてはいるが、それでも客足が絶えないのは、兎に角粒よりの美女が揃っていると言うところが大きいであろう。

雑誌『真相報道Weekly』のジャーナリストである二宮和也は、この『Ange Noail』の店長、寧華蘭(ニン・ホワラン)と、日本平和党の代議士、長谷川恭一郎(はせがわきょういちろう)が愛人関係らしいと言う噂について検証する為に、今夜取材に訪れたのである。

『真相報道Weekly』では長谷川恭一郎の黒い交際について、数年前からずっと取材を続けており、この『Ange Noail』の店長との噂もそんな取材過程で出て来た物であった。

元々このネタの裏には、六本木にあるキャバレー。『PARADOX』を経営している青年実業家、櫻井翔と、長谷川恭一郎との癒着疑惑があり、二宮は始めそちらを追いかけていたのであるが、ここに来てどうも風向きが変わって来た。

と言うのも、当初櫻井の同性の恋人として二宮が密かにマークしていた『PARADOX』のダンサー、Sato―Cが何故か『PARADOX』を辞め、元警察庁刑事局長の息子で、現在警察庁広報部に所属する松本潤なる青年と急接近する様になり、しかもそのSato―C本人から「『Ange Noail』の店長とその従業員の写真が欲しい」と申し出があったからである。

当初は松本が長谷川恭一郎と親しかった事から、松本もその立場を利用して『PARADOX』や櫻井と怪しげな関わりを持っているのかと疑っていたのだが、Sato―Cが『PARADOX』を辞め、櫻井と切れて松本についた事を鑑みると、どうやらそれは二宮の見当違いだった様だと、矛先を変えてみる気になった。

Sato―Cは二宮に『Ange Noail』の店長と従業員の写真を入手してくれたら、『真相報道Weekly』に優先的に情報を流すと条件をつけてまでこの高級クラブの実態を知りたがっていたのだ。明らかに何かがある…。二宮はジャーナリスト特有の嗅覚でそれを素早く嗅ぎ取り、Sato―Cから提示された条件を飲んだのである。

そもそも二宮はSato―Cを憎からず思っていた所があった。何故なら編集長の東山が『PARADOX』への取材当初からやけにSato―Cに肩入れしていたからだ。何でも東山は以前警視庁捜査一課の刑事として働いていた頃、警察研修の一環として、アメリカのサンフランシスコ市警に1年だけ参加していた事があったらしい。

このサンフランシスコと言う街はアメリカで1番白人比率の少ない多国籍街で、当時東山はリトルトーキョーと言う日本人街のアパートに住んでいたそうだ。その同じアパートに住んでいたのがどうやら少年時代のSato―Cだったらしいのである。

二宮も詳しくは知らないのだが、Sato―Cは『サトシ』もしくは『サミー』と呼ばれ、松岡と言う、兄の様な、恋人の様な関係の日本人男性と一緒に暮らしていたらしい。

東山は同じ日本人の気安さからか、2人と親しくなり、松岡がタトゥーアーティストとして活躍中だった事や、サトシがバーのダンサーとして働き、松岡の生活を支えていた事等を知った。

所が1年の研修を終え、東山がそろそろ帰国しようかと言う時に、サンフランシスコの中でも取り分け危険なテンダーロイン地区で、麻薬中毒者によるコンビニ強盗事件が起きたのである。しかもその被害者の1人が松岡だった。

帰国時間が迫る中、それでも東山はサンフランシスコ市警の捜査官の1人として懸命に犯人の行方を追ったが、犯人を捕らえられないまま、遂にタイムリミットになり、東山は帰国しなければならなくなったのである。

心配したのはサトシの事だ。松岡の葬儀には東山も参列したが、教会で全ての葬儀を済ませた後、サトシはアパートからも、東山の前からも姿を消した。

コンビニ強盗が射殺されたと東山が聞いたのは、日本に帰国してすぐの事だったらしい。しかも犯人を射殺したのはサトシだと聞かされ、東山は大きなショックを受けた。

そんなサトシがどんな経緯からか六本木でダンサーとして働いていたのである。それも『真相報道Weekly』が長谷川恭一郎との癒着を疑っていた『PARADOX』で…。

サトシが日本へ帰国していた事にも驚きだったが、例え愛する人を殺害された怨恨とは言え、犯人を射殺したサトシが、何故逮捕もされないまま、無事に帰国出来たのか…。その時東山は『PARADOX』の創立者である櫻井宗十郎が怪しいと感じたらしい。

だから櫻井一族の事や『PARADOX』の事を東山が真剣に追いかけ始めたのは、サトシがきっかけだったと言っても決して過言ではないのである。刑事時代に突き止められなかった事を東山は今、事件記者として追及しているのだ。

二宮からの報告を受けた東山のあの嬉しそうな表情をきっと二宮は一生忘れないであろう。東山に取って櫻井一族からサトシが離別を果たしたと言う事は何よりも喜ばしい事実なのである。

今回『Ange Noail』の取材許可を東山が快諾したのも、それがSato―C発信だったからだ。可笑しなもので、東山の事情を知ると、二宮もサトシに肩入れしたくなり、また『PARADOX』のPR映像でのSato―Cのダンスは、肩入れするのに充分な程の魅力に満ち溢れていて、つい応援したくなってしまう。

それに…。この『Ange Noail』の寧華蘭と言う女は櫻井以上に謎が多い。大きな事件の匂いがプンプンしてくるのだ。これはきっと『真相報道Weekly』史上最大の事件になる。二宮はそう確信していた。

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」前もって取材の意向を伝えていたのが良かったのか、店長の寧華蘭は二宮の訪問を快く歓迎してくれた。華やかな雰囲気に満ち溢れたゴージャスな店内には、すでに多くの客が訪れており、女達の明るい笑い声がそこかしこから聞こえて来た。

二宮は1番奥まったテーブル席に案内され、向かいに腰掛けた寧華蘭以外に、2人の女性が二宮の両側に座る。1人はショートボブの赤毛にミニの黒いワンピースを着た細身の女で、もう1人は豊かにカールしたブロンドを肩に垂らした、物凄いナイスボディーの女だ。真っ赤なイブニングドレス越しにでも分かるその凸凹凸なプロポーションに、二宮は心の中で〔アニメキャラかよ?♭〕と軽くツッコミを入れた。

どちらも外国人らしく、日本語に多少の外国訛りがあるものの、さほど聞き取り難い程ではなく、言葉の障害はあまり感じさせない。ただ2人共驚愕するような美女なので、それが二宮にはどうにも不気味に感じられた。かなりの近距離に顔があるが、透き通る様な肌には小皺やシミの1つとして無く、まるでセルロイド製の人形みたいに見えるのだ。

美女も過ぎるとあまりにも作り物めいていて、とても血が通った人間だとは思えない。強く殴ると顔面がひび割れて、中から精密機械でも出て来るんじゃないだろうかと、二宮はそんな奇妙な妄想を浮かべた。そのせいか、ブロンドの女の方が右手首に包帯を巻いているのを見て、二宮は「何処か破損したの?」とついつい尋ねそうになってしまい、慌てて言葉を飲み込んだ。

不気味と言うなら店長の寧華蘭が最も不気味な女である。艶やかな黒髪をアップで結い上げたうなじには上品な色気を湛え、細っそりとした体つきは女性らしい柔らかさもあって、この中では1番人間らしい感じがするのだが、肌の質感があまりにも瑞々しくて、この女が46歳だとはとても思えないのだ。

どう老けさせてみても20代後半、いや22、3と言われても全然驚かないであろう。化粧が濃い訳でもなく、取り分け小柄と言う訳でもない。人よりも童顔とかそんな理由も当たらない。にも関わらず何故これ程若々しい美しさを保っていられるのか。まるでサプリメントの広告で、元々若い女を40代だと偽って商品を買わせる様な、そんな胡散臭さがこの寧華蘭と言う女には漂っていた。

この3人だけではない。ここで働く女達は皆眩い位に美しいのだが、皆一様に何処か偽物臭いのである。世にも稀なる美女達に囲まれて鼻の下を伸ばし、ちょっとしたハーレム気分を味わって悦に入るには二宮はいささか天の邪鬼的な性質があった。

だが、二宮のそんなジャーナリストらしい疑り深さが、ここの女達を冷静に観察する為の利点として働いてくれている。おかげで取材は横道にそれる事なく至極スムーズに進行した。寧華蘭は頭の切れる女で、二宮のどんな質問に対しても淀みなく的確に答えてくれたし、かなり際どい所を突かれても狼狽したり、言葉に詰まったりする事は一切無かった。

写真撮影の必要があるので、従業員の女達も入れ替わり立ち替わり二宮に付いてくれて、色んな事を話してくれたが、特筆するような事柄はさほど多く仕入れる事は出来ず仕舞いで多少肩透かしを食わされた様な形になった。

とは言え、全く収穫が無かったかというとそんな事はない。中には興味深い話もあり、取材内容としてはそこそこ充実した仕上がりのものが出来上がったので、二宮は満足して『Ange Noail』を後にした。直ぐに出版社に戻り、徹夜でパソコンに向き合いながら取材ファイルを作成する。全部書き上げた頃にはすっかり夜が明けていた。

二宮はデスクに座ったまま、大きく伸びをして、もう一度取材ファイルを確認してから、真っ先に智から聞いたメールアドレスへと寧華蘭や従業員の写真を送付した。「さぁ、いいネタ頼むよ~Sato―C♪」二宮は両手を合わせてメール画面を見つめ、Sato―Cから返って来るであろう情報の中身がなるだけ良質である事を祈っていた。

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今回はニノみぃ~キャラの取材内容が中心で、潤智の出番はほとんど無かったですが(ゴメンねぇ~えーん)智君キャラと東山編集長の関係だとか、『Ange Noail』の様子など、今後の進展に重要な要素もかなりありますので、少し細かく書かせて頂きましたニコニコ

ここの所かなりのハイペースで書き飛ばしておりますが、次の第二章までになるだけ重要な要素は書いてしまっておきたいので、どうぞお許し下さいまし~🙏アセアセアセアセ