これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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ジョギングから帰った潤と智は、マンションにあるトレーニングルームで一通りの運動を終えると、それぞれの部屋に戻って行った。引っ越し前の智の部屋は未だ空っぽらしいが、家財道具さえ揃えれば直ぐにでも住める状態らしく、シャワールームは使えるからと潤の部屋には入らなかった。

朝食は食ったのだろうか…?バスルームで汗を流し終え、朝食の準備をしながら、潤は向かいの部屋に居る筈の、智の事をひたすら考えていた。秘密工作員としての実力は完璧だ。でも、智の心には頑強なシールドが張られていて、他者が立ち入る事を許さない様な、そんな頑なさを感じてしまう。

櫻井と智がどんな深い仲だったのか潤は知らない。でも智の言った事が本当なら、明らかに肉 体 的な関係もあったのだろう。それもかなり濃密な…。にも関わらず智から櫻井に対する愛情は全く感じられないのだ。そしてそれはまた櫻井も同じであろう。

愛のない肉 体 的な 欲 望のみの関係…。社会の裏側ばかりを覗いていたらそうならざるを得ないのかも知れない。でも、智はそんな櫻井とのある意味気楽で退廃的な関係を捨ててまで潤の身辺警護を引き受けてくれた。

少しくらいは希望を持ってもいいのだろうか…。いつか智の心のシールドが外れて孤高の人から脱却出来る時が来る事を…。真実の愛を知らない、いや知ろうとしない智が、誰かに愛し愛されて幸せそうな笑顔で微笑む時が来る事を…。

無条件で甘えて来るノスケを、嬉しそうに撫でていたあの智の姿が、きっと智の本質なのだろうと潤には思えてならなかった。出来ればそんな智の本質をどうにかして引き出してやりたい。「…結構…。楽しかったんだよな…。2人でジョギングするの…」

考えてみたら潤自身、常に何処か孤独を感じている少年だった。刑事局長の父親と書道師範の母親。生粋のエリート一家で家には家政婦。学校には運転手付きのベンツで送迎。友人は多かったが、どいつもこいつも潤の背後に父親を見てへつらって来るやつばかり。

学校の成績も良く、運動も出来たから将来は父親の跡を継いで警察関係の仕事に就く事は何となく決まっていた様なものだ。俗に言うキャリア組で、余りにもあっさりと警察庁に入庁を果たしたは良かったが、まさか公安部にスカウトされるとは青天の霹靂だった。

潤を公安部へと熱心に誘って来たのは公安室長の朔 大勘(さく たいかん)と言う男である。警察庁きっての切れ者で評判の男だが、その余りにも強すぎる正義感が災いして、稀に無茶な捜査をしたり、大を摘発する為に小を見捨てたりする様な、危険な思想の持ち主だ。

何度も言うように公安部は極秘部署で、外国人犯罪者の排除から汚い隠蔽工作まで、その職務内容は余り表沙汰に出来ない事柄の方が多い。なので何か不測の事態が起こった時には当然、潤の父親の肩書きが大いなる力を発揮する訳である。なので不測の事態が起こりがちな朔のやり方には潤の存在が不可欠なのだ。

正直潤は朔のやり方を余り好ましく思っていないし、結果嫌な思いをする事も良くあった。潤をスカウトしたがるのも、潤の父親の肩書きを利用して無茶な捜査をやり易くしたいが故だと分かっている。

それでも公安部に所属したのは、ぬるま湯的な広報部で周囲におだてられ、裸の王様みたいになりたくなかったからだ。無論父親は潤が公安部に所属する事に大反対したが、それを押し切って半ば家出同然の様な形で公安部に入ったのである。

だが、潤が想像していた以上に公安部の仕事は過酷だった。仲のいい友人は居ても彼らは潤の本当の姿を知らないから腹を割る事は出来ないし、結局何処か薄っぺらな付き合いになってしまう。だからなのか、あえて孤高の世界に身を置き、他人をある一定の距離以上寄せ付けまいとする智の気持ちに、何処かしら通ずるものを感じてしまうのである。

今日の朝食はトーストと、ベーコンエッグ。トマトのスープである。特に食パンは都内三ツ星ホテル御用達のこだわり食パンで、グラスフェッドバターを塗って食べるのが潤流のスタイルだ。智の生活様式がどうなのかは知らないが、スープを作り過ぎてしまったのでふと智を誘ってみようかと思い付いた。

部屋着のままで向かいのドアを叩き、インターフォン越しに朝食を一緒にどうかと聞いてみる。「それは有り難いな。今はちょっと手が離せないから10分後にそっちに行くよ」引っ越しの準備でもしているのかと、さして気にも止めず智を待っていると、きっかり10分後に潤の部屋のドアが叩かれた。

「お言葉に甘えて朝食を呼ばれに来たよ」部屋に訪れた智を見て思わずドキリとする。ふわふわと下りた前髪が、彼のベビーフェイスを余計に際立たせており、そのせいか小柄な体躯が、さっきよりも一層いたいけな風情を纏って、まるで幼い少年の様に見える。

だが、何よりTシャツ姿の智の右上腕部に巻かれた包帯が、薄っすらと血の染みを滲ませている事に潤の心拍数は瞬時に跳ね上がったのである。「智?♭どうした?♭怪我したのか?♭それとも誰かに襲撃されたのか?♭」

慌てて智を部屋に引き入れ、早口で尋ねる潤に、智は至極のんびりした口調で「いや、左手で縫ったから上手く行かなくて少し出血が増えただけだ。もう血は止まったから心配いらない」などと、秒速で肝が冷える様な事を言って静かに微笑んだ。

「左手で縫ったって…♭それ自分でやったのかよ?♭どうして?♭」智を強引にリビングのソファーに座らせ、急いで救急箱を持って来た潤は、大雑把に巻かれた智の包帯をほどき、ガーゼの上からサージカルテープで雑に止められた、未だ痛々しい傷跡を険しい表情で見つめた。

2、3センチ程の切り傷を下手な裁縫みたいにギザギザに縫っているそこは未だ完全に血が止まっておらず、ごく少量の出血が確認出来る。ただ、針と糸はちゃんと医療用のを使っているらしく、潤はいささかホッとして、ピンセットでつまんだ綿を使って消毒薬を塗り、その上から医療用の止血薬を使って出血を止めると、肌色の絆創膏でピッタリと傷跡を覆い隠してから新しい包帯で丁寧に巻いた。

智はその間、ちょっと目を閉じただけで、痛がる素振りは微塵も見せずにおとなしく潤の応急措置を受けている。「よし、これでOK。ったくいきなりビビらせんなよな~♭てか、処置雑すぎだから♭」「ありがとう潤。君は手際がいいな」智は右腕を2、3度振って満足そうに頷くと、驚きの告白をした。

「右腕に埋め込まれていた小型のGPSを外したんだ。あれが入っていると僕の行き先が翔さんに知られてしまうからね。外したGPSは丁度走って来たごみ収集車に放り投げて置いたよ」「GPS?♭マジかよ?♭」

自分の為に14年も働き、しかも体の関係まで持っていた相手にGPSを埋め込んで管理するなんて…♭まるでシリアルナンバーを付けられた便利グッズみたいな智の扱いに、潤は言いようのない怒りと悔しさを覚えた。でも…。

「…良かった…。智が櫻井の元から離れてくれて…」「そんな顔をするな潤。折角のイケメンが勿体ないぞ」潤の頬を軽く叩いてダイニングを指差した智は、「さあ、君の自慢の美味い朝食を食わせてくれ」と、いたずらっ子みたいな笑顔を浮かべた。

スープを温め直し、とっておきのパンとバターで智をもてなす。自分の作った朝食を本当に美味しそうに食べる智を見ているだけで、潤はやけに満たされた気分になって来る。誰かと一緒に朝食を摂る事がこれ程心安らぐとは潤自身思ってもみなかった。

こうして改めて見ると、智が秘密工作員だなどとは誰も想像出来ないであろうと感じる。この可愛らしい顔立ちや細っそりとした小さな体が、あの見事なダンスを踊り、類い稀なる身体能力を見せるなんて嘘みたいである。

「潤、伏せて」いきなり響く智の冷静な声にギクリとしてテーブルに身を伏せる。その頭上を弾丸の様なスピードで飛んだのは智が使っていたフォークだ。ズドッ!フォークは勢い良くダイニングの壁に突き刺さり、その先端には一匹の大きな黒蝿が火花を散らせて煙を上げていた。

「何?!♭蝿?!♭」「…違う。超小型のマイクロカメラだ。ったく♭Ai―Bのやつ油断も隙もない♭さては翔さんに監視役を頼まれたな?♭僕がGPSを外したんでこんな真似をしたんだろう。悪気は無いんだろうがいささかやり過ぎだな♭」「とても悪気が無いとは思えねぇ…♭」

潤は昨日会ったAi―Bの、一見優しげな風貌を思い出して思わず顔をひきつらせた。そしてそれと同時に、智との朝食につい気を緩めていた己の無防備さを後悔した。油断大敵か…♭参ったねぇ♭♭

「あの超小型マイクロカメラはかなり高額だからね、Ai―Bによる次の侵入はもう無いだろう。だが問題はAi―Bよりもむしろ『ゴースト・シールズ』だ。彼等もあの蝿と同様の高性能偵察マシンは所持しているだろうから気をつけるんだ」

智はそう説明するとジーンズのポケットの中から小さなピンバッジを取り出すと、潤に手渡した。「これは違法電波を探知して妨害するマイクロチップが内蔵されているピンバッジだ。これをジャケットやワイシャツの襟に取り付けて盗聴や盗撮機器から君の個人情報を守れ。暫くは窮屈かも知れないが敵はプロ中のプロだ。用心に越したことは無いからな」

智は壁に突き刺さったフォークを抜き、ダイニングの床に落ちた黒蝿型のマイクロカメラをスリッパの底で踏みつけた。

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ビビッー!と言う音と同時に手元のタブレット端末が真っ黒になったのを見て、マンション屋上のAi―Bこと相葉は肩をすくめてイヤホンを外した。「嘘でしょ?♭さっき飛ばしたばっかだよ~♭」恐らく単なる破砕ゴミと化したであろう黒蝿型マイクロカメラにがっくりと項垂れながら、相葉はスマホを取り出して、櫻井に電話を掛けた。

「あっ、翔さんすいません♭例の小型カメラですが、松本に朝食を誘われたSato―Cにソッコーで見破られました♭やはりSato―Cは自分でGPSを取り外したらしいです♭はい、このまま監視は続けますが、カメラとか盗聴器とかそう言うのはこれから警戒されるでしょうからもう無駄だと思います♭」

相葉は言うだけ言って報告を済ませると、さっさと電話を切って大きな溜め息をついた。「あ"ぁ~♭もうっ♭おおちゃん怖ぇよ~♭全部バレちゃうじゃん♭あのカメラ超高いのにぃ~♭」相葉は今頃ペントハウスの部屋で苛ついているであろう櫻井の姿を想像して、「あっちも怖ぇ~♭」と亀の子みたいに首を縮めた。

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相葉の予測通り、櫻井はベッドルームの枕を思いっきり壁に投げつけ、イライラと前髪を掻き上げた。枕の中の羽毛が散り、そんな櫻井の頭上からハラハラと舞い落ちている。相葉から智が組織を抜けたと報告は受けていたが、心の何処かでまさかと言う気持ちもあったのだ。

少年時代から組織の中で生活していた智である。他の世界で生きていける筈はないと、相葉の接触を受けた事で智が思い直し、もしも櫻井の元に戻って許しを乞えばその時は再び受け入れてやってもいいとすら思っていた。

だが、そんな櫻井の思いに反し、智は櫻井の持つ電子端末の全てから自分の痕跡を消し去った。これは智自ら腕に埋め込まれたGPSを取り外し、櫻井に自分の足取りを探られない様に細工をしたと言う事だ。そこに櫻井から完全に決別したがっている智の、明白な意思表示の様な物が感じ取れた。

ダンサーとしての実力は勿論、殺し屋としての能力の高さも櫻井は充分に買っていたつもりだ。だから智には誰よりも高額の報酬を与え、誰よりも贅沢な暮らしをさせてやっていたのである。

時には強引に身体を開き、 性  奴 の様な扱いをしていた事もあったが、それだとて智が嫌がっているようには全く見えなかった。むしろ 敏 感 な 場所を 責 め 立 ててやると、肌のドラゴンを真っ赤に染めて  淫  らに 悶 え 啼 き、 腰 をくねらせていたものだ。その風情がまたたまらなく美しかった。

だからこそ櫻井には信じられない。松本が店に来た時の智の反応がいささか気になりはしたものの、未だ会って間もない、いわば真逆の立場である公安部の若造に智の気持ちが動き、よもやここまで完璧な決別宣告をされるとは夢にも思っていなかったのだ。

「まだだ…♭まだ諦めはしないぞ智…♭俺の元を去ればどうなるか…♭お前が思い知るのはこれからだ…♭」いつもは愛嬌のある櫻井の煌めく相眸が、暗い嫉妬の炎に爛々と燃え盛っていた。

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翔君激オコですガーンさっきまでZERO観ながら書いていたので、テレビの穏やかな翔君とのギャップに「ひぇぇぇアセアセ」となりました~滝汗

いつもより少し焦れったい進展にはなりますが、潤智も徐々に距離が近づいて行きますよ~💜左右矢印💙