これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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「いつテキサスから帰って来たんだ?翔さんに呼ばれたのか?」『CSI TOKYO ラボ』の駐車場。先程の一悶着で命を狙われた松本を救い、結果的に自分の正体をバラしたも同然の状況になってしまった智は、説明を求める松本と仲間のAi―Bの間に挟まれて、潔く覚悟を決めた。

松本は八重樫の急死を疑い、Ai―Bは智の裏切りを疑っている。どちらに転んでも智が助かる道は無いだろう。松本の車の中、運転席に松本、助手席に智、後部座席にはAi―Bが座っている。ふっ飛ばされたサイドミラーは応急処置で雑にガムテープで止めてあった。

今智が隙を狙ってこの助手席から飛び出し、そのまま姿を眩ませば、逃げ延びる事もあるいは可能かも知れない。だが、智が逃げればAi―Bは確実に松本を殺す。Ai―Bの動きを封じる為にも智はここを動く訳には行かなかった。

「…お前らって一体…?♭翔さんと言うのは『PARADOX』のオーナーじゃねぇのか?なぁSato―C♭お前らの周囲では何が起こってんだ?♭」松本の質問に悪びれもせずしれっと答えたのはAi―Bである。口調も顔つきも親切そうだが、愛用のナイフを使わせたら最強の超一流だと智は良く知っていた。

恐らくあの革ベストの内側にはいつでも松本を葬れる様、Ai―B特製のナイフが仕込まれている筈だ。腕っぷしも強い。

「何って見ての通りじゃん。あんたが命を狙われて、俺らの仲間の、言わば対立する立場のSato―Cが無謀にもあんたを助けた。だってあんた警察関係者だろ?あんたを助けるって事はSato―Cに取って自分の首を締めるのもおんなじな超ヤバい行為な訳よ。悪いけど俺、この事翔さんにチクっちゃうし♪」

少年時代に一緒に訓練を受けた戦友が生きるか死ぬかの瀬戸際だと言うのに良くもまぁこんなに陽気にバッサリと切り捨てられるものである♭智は呆れてやれやれと首を振った。

「お前らしいよAi―B♭聞いての通りだ松本君。例え何を聞かれても僕には答えてやる事が出来ない。何故なら答えを聞けば君は確実にこの男に消されるからだ。詰まり僕達はそんなダークサイドの人間って訳。それから翔さんの事は深掘りしない方がいい。君の味方は何処にも居なくなる。意味…分かるだろう?」

Sato―Cのそんな言葉に松本は大体のあらましを悟った。綺麗事だけでは生きていけない世界もある。それは公安部に所属する松本自身も嫌と言う程味わって来た道だった。さっきの身のこなしを見る限り、Sato―Cは何らかの黒組織に属する秘密工作員か何かで、背後のAi―Bも同類だろうと推察出来た。そして櫻井が組織のボスに違いない。

恐らく外部の人間、それも警察関係者に正体を知られると言う事はSato―Cの重大な失敗と組織に見なされる可能性があり、それは排除の対象とされる…。松本の嫌いな粛清だ。母体が黒組織なら確実に命に関わる話であろう。それなのに…。

「Sato―C…。どうして俺を助けた…?後ろのAi―Bの言う通り、ダークサイドの人間の割にゃえらく無謀だったんじゃねぇのか?」「さぁ…?何故だろう。ヤキが回ったと言う事にしておいてくれよ」まるで他人事の様にあっさりと言い切る智に、松本はどうしようもない切なさを感じた。この人は何故こんなにも醒めている…?まるで自分の命なんて初めから無かったかのように…。

「アヒャヒャ♪確かに回ってんなヤキ♪でもさ、俺がテキサスから帰ったのって翔さんに呼ばれたからじゃないぞ。『ゴースト・シールズ』が妙な動きを始めたからだ。俺は連中を追って日本に帰って来た。どうやら『ゴースト・シールズ』に資金を流している黒幕が居て、翔さんのシマを乗っ取りたがってるらしいんだよね。

んでもって手始めがここ、日本での翔さんの大物クライアントの抹殺だ。さっきのも『ゴースト・シールズ』の仕業じゃないか?理由は良く分からないけど、やったのは多分『クロウ』とか言うスナイパーだ」Ai―Bは先程松本を射殺しようとした犯人の置き土産でもあるライフルの薬莢を、2人に示して見せた。

「ほら、このチタンの薬莢…。カラスの刻印が入ってるだろ?これは『クロウ』の特別製なんだよ。『ゴースト・シールズ』は元々翔さんの親父さんである宗十郎さんの時代に、訓練を受けていた初期メンバーの1人が、独自に立ち上げた犯罪組織でね。そいつは一通りの訓練を終えてロシアに派遣された際、急に音信不通になった奴なんだ。

元々は宗十郎さんが関わっていたアメリカの軍事関連企業と利権を争っていたロシアの大物武器商人が居て、そいつを消す為に派遣されたらしいんだけど、どうやらその頃に敵に寝返ったみたいでさ。向こうのマフィアと手を組んで、対立していたアメリカの企業のトップや幹部達を悉く皆殺しにしちゃった訳。

で、結局主要メンバーを失ったその軍事関連企業は倒産し、その利権の全てがロシアの軍事関連企業に移行された。その事がきっかけで宗十郎さんは手を引かざるを得なくなっちゃって、そいつの事も切り捨てた。

ところがよ。2年位経ってからその大物武器商人がロシア当局に捕縛されて、芋づる式に武器商人と繋がっていたロシアンマフィアも摘発された。多分だけど武器商人が取っ捕まった事でロシアンマフィアに見切りをつけたそいつが、見逃して貰う代わりに仲間を売ったんだと思うよ。

そいつはロシアを出て水面下で新しい仲間を集め、犯罪組織『ゴースト・シールズ』を作り上げた。その資金を提供したのが翔さんのシマを狙ってる黒幕って訳。て事で…。ここまで話してやったんだからもういいよね?」

Ai―Bはにこやかに微笑みながら右手をサッと懐に忍ばせようとした。後ろ向きに助手席に座っていた智が電光石火の速さで身を乗り出し、その首と手首を素早く掴んだ。「やめておけ雅紀。君を殺したくない」「やっぱ速いねおーちゃん♪そんなにこのイケメンが気に入ってんの?♪」

Ai―Bはニンマリして降参の姿勢をすると「翔さん怒るぞ~♪俺知らないからね」と済ました顔で腕組みをした。「じゃあさ、あんたはどうすんの?この人逮捕する?この人多分拷問されても自白しないと思うよ。あ"日本の警察は拷問なんかしないか?」

恐らくこのAi―Bの言う事は真実だろう。彼は…Sato―Cはもうとっくに命を捨てている…。松本は少し哀しげに智に視線を向けた。「…例外はある…公安部の人間なら自白させるのに手段は選ばない…。ただ問題はお前を逮捕したところで上の連中は誰も喜ばねぇって事だ」

もう何も聞くまいと思った。聞かなくても見当はつく。八重樫を殺害したのはきっと…。「お前らの複雑な事情は俺にも理解出来るよ。俺だって似たようなものだからな…。やってる事はお前らとそう変わりゃしねぇよ…」「やっぱり君は公安部の人間なのか?♭」「言わね~よ。お互い様だろ?」

松本は片手で口を塞いで智に軽くウインクをすると、予想外の申し出をした。「んじゃま。俺もクライアントになろうかね?但し、櫻井じゃなくて直接Sato―Cに依頼させて貰う。俺の身辺警護と『ゴースト・シールズ』とか言う犯罪組織の摘発の手伝い。気に入らねぇが、櫻井のクライアントには抹殺させる訳にゃ行かない人間がごまんといそうだしな」

後部座席のAi―Bが即座に反応する。「おっ?♪見逃してくれんの?♪」「見逃さねぇ~よ。どっちにしろお前が櫻井にチクったらSato―Cも俺もヤバい事にゃ違いねぇしな。第一、お前らの属する場所ってこっちが見逃してやったからって矛先を納めてくれる様な、んな甘い場所じゃねぇんだろ?

なら俺はSato―Cのクライアントになって彼を側に置き、お前らの組織からも、対立する『ゴースト・シールズ』からも、自衛してくしかねぇんだよ。そうだろ?」松本は目をそらそうとする智の頬を両手で包み、強引に顔を上げさせて「こっち見ろSato―C。返事は?」と聞いた。

長い睫毛に縁取られた松本の大きな瞳が真剣に智を見つめる。その吸い込まれそうな程の深い輝きに智は激しく動揺した。そんな智の様子にAi―Bがほぅ?と言って目を丸くする。「…智…。俺の本名はSatoshi Sammy Ohno…。日本名は大野智だ。君の側につく以上、コードネームは使えないからな…」「そっか智か。俺は潤。松本潤。今日から頼んだぞ智…」

智は頷き、Ai―Bに向かって言った。「Ai―B。Sato―Cは組織を裏切って松本君についた。それでいいな?」「OK了解♪かつての仲間に免じて今日はスルーしてあげるけど、明日からは敵と味方だぞ。これが最後かも知んないから俺も名乗って置く。相葉雅紀、コードネームはAi―B。

因みに『ゴースト・シールズ』のリーダーは初期訓練生のナンバーワンで在日中国人。コードネームはDin―Q(ディンキュー)と呼ばれていたらしい。俺やおーちゃんは第3期の訓練生だから本名は分からないけど、ブルース・リー張りに強い奴で、集められたメンバーも全員なかなかの凄腕みたいだ。

背後にいる黒幕は今の所正体不明。『Ange Noir(アンジェ・ノアール)』と言う通り名だけしか今の所は分かっていない。フランス語らしいから意味はさっぱりだけどね。ウチの組織がどうするかは翔さんの出方次第だけどさ、今回暗殺に失敗した『ゴースト・シールズ』はまた別の手を使って松潤を狙って来ると思うから頑張ってね♪」

Ai―Bこと相葉は底抜けに明るい調子で敵宣言をすると、言うだけ言ってあっという間に後部座席から居なくなった。勝手に松潤などとニックネームを付けておきながら、明日からは命のやり取りも厭わない宿敵となって戦う現状に、松本は櫻井宗十郎が設立した黒組織の、得体の知れない不気味さをひしひしと感じていた。

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「何だって?!♭智が組織を捨てただと?!♭」PARADOXのリハーサルに一向に現れない智の事情を相葉から聞かされた櫻井は、怒りに任せてテーブルにセッティングされた椅子を蹴り飛ばし、ワナワナと身を震わせた。何事にも動じない、いつもの冷静さはすっかり影を潜め、固く握った拳は、報告する相葉を今にも殴り飛ばさんばかりに、関節を白く浮き上がらせている。

「俺もまさかあのSato―Cが体を張って松本を守るとか思わなかったんですがねぇ~。どうやら松本は『ゴースト・シールズ』のスナイパーにターゲットにされていたっぽくて、あれを見ちゃったら消すしか無いでしょ?で、仕方なく2人に接触したんですよ。

翔さんからの命令も無かったんで、どうしようかとは思ったんですがねぇ。未だSato―Cの目的がはっきりとは分からなかったもんですから、ソッコー消すのも違うんじゃねぇかと…」「そりゃあそうだろう♭智はウチのナンバーワンだ♭お前の実力は認めるが、2対1ではさすがに分が悪いだろうしな♭賢明な判断だったよAi―B…♭それにしてもまさか組織を裏切ってまであの若造を助けるとは…♭」

険しく眉間を寄せて苛立つ櫻井に、相葉はまさしく洗いざらいと言った体(てい)で、まるでこの状況を面白がっているかの如く、あれこれと喋り続ける。

「それなんですがね、翔さん。あの松本とか言う男は恐らく公安ですよ。広報部はカムフラージュだと思います。本人ははっきりとは認めませんでしたが、下手につつくとちょっとばかし厄介な相手になるかと…。『ゴースト・シールズ』の話をしたら、翔さんのクライアントには始末されたら困る連中が多いので外敵は摘発したいとか…?そんなニュアンスの事を言ってましたよ」

松本が公安かも知れないと聞いた途端、櫻井の苛立ちは嘘みたいに止まった。「何?警察庁公安部…。あの松本がか?じゃあ長谷川恭一郎と懇意にしているのはもしや…」そんな独り言を呟いた櫻井の口元が半月形にニヤリと吊り上がる。それは次第にクックッと言う忍び笑いに変化して行った。

「成る程公安か、そうか…。いいねぇ~……。面白い……」「あの…♭翔さん?♭」「良く分かった。暫く様子を見てみよう。お前はこのまま日本に滞在し、彼等の監視をしてその都度俺に報告するんだ。但し、手は出すな。いいな?」

櫻井は相葉にそう命じてから支配人室に赴き、常備してあるノートパソコンを開いた。複雑なパスワードを入力し、別のパソコン内に隠してある極秘ファイルを呼び出してみる。それは彼の父、櫻井宗十郎が暗号化し、保存してある古い極秘文書のファイルだった。

「『ゴースト・シールズ』ね…。どうする智…。随分と面倒臭い相手がご登場だぞ…」デスクの上で両肘をつき、込み上げる笑いを噛み殺しながら櫻井が凝視している画面には、30年前の初期訓練生らしいダイアナ・クワンと言う名前の美少女が、凛とした表情で映し出されていた。

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誰?びっくりって感じで終わりましたけど、そんなに引っ張りませんのでどうぞご安心下さいニコニコ敵なのか味方なのか今一つ把握出来ない感じの相葉ちゃんキャラが、私のお話にはあまり無い雰囲気で珍しいかもですね🤠

ここからお話は一気に潤智の関係が深まって行き、LOVEあり、アクションありのエキサイティングな展開になって行きますよ~👨‍❤️‍💋‍👨炎ルンルン気持ちはハリウッド映画『ボーン・アイデンティティ』なんですが(えっ?ポーンタラー)書くの私なのでアセアセ先行きは分かりません~おーっ!

翔君キャラに「いいねぇ~」と言わせたかったので、今回はそのシーンが書けて良かったですてへぺろ