これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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政府の重鎮や警察官僚がこぞって松本の肩を叩いて来る。「そういう事だから宜しく頼んだよ」と…。この風潮が本当に嫌いだ。上の方では八重樫剛弦の急死をただの病死だとしてさっさと終わらせてしまいたいムードがあからさまに漂っており、この肩叩きには口には出さなくとも「余計な事はしてくれるなよ」と、その表情や態度が明白に物語っていた。

だが、松本には八重樫の死をただの病死とは片付けてしまえない個人的な疑惑がある。政治家の死は例えどんな事情であれ、公安部には真っ先に報告が入って来るので、松本も一報を受けてすぐに現場のホテルへと向かった。鑑識は既に入っており、八重樫の遺体には外傷が全く見当たらなかったと言うことで、病死とされていた。

だが、八重樫の遺体が発見されたのがこのホテルのスイートルームだった事が松本には妙に引っ掛かったのである。いかに政治家とは言え、何の予定もなく1人でスイートに宿泊する男がいるのだろうか?八重樫の女好きは業界でも有名だった。

調べてみると八重樫は行き付けのバーで女と一緒だった事が分かり、バーテンに話を聞いた所、初めて見る女で、何処ぞのお嬢が酔って羽目を外した感じの、若くてスタイル抜群の美女だったそうだ。だが、そんな女が一緒だった事はあまり表沙汰にされたくないらしい。だからこその「宜しく頼んだよ」なのである。

とは言え、もし八重樫の死の原因がその女にあるとしたら、到底看過出来る話ではない。そこで松本は念の為、ホテルに設置されている防犯カメラ映像を全部確認した。すると、成る程確かに八重樫と一緒に若い美女が映っている。美女は八重樫と共にスイートルームに入ってから僅か数分で部屋を飛び出し、非常階段の方向へと走り去っていた。

見た感じでは、いかにも急に倒れた八重樫に驚いて逃げ出した様に思えた。だが、部屋に入った時と逃げ去った時では少し女の髪型が違っている様に松本には見えたのである。この女は髪を弛くアップに束ねていたが、その束ねられた髪に差してある、かんざしみたいなデザインのヘアピンの角度が明らかに変わっていた。

これは女が髪を1度ほどき、立ち去る時改めて髪を結い直したと言う事になる。目の前で急に男が倒れたのだ、本当に驚いていたなら髪を結い直す余裕など無いと思った。これはどうでも八重樫の遺体を確かめない事には納得出来ない。だが、八重樫の遺体は病死と判断された事で、既に家族の元へと帰された後だったのである。

一応上層部や警視庁の方にも掛け合ってみたが、そこで松本はまたぞろ上司や官僚に肩を叩かれたのだった。結局松本は何一つ納得出来ないまま、八重樫の事もホテルから立ち去った美女の事も、有耶無耶にされたのである。

「そりゃあ無理だよ潤。お前が熱心なのは分かるけど、ただの広報部にそう根掘り葉掘り調べられたんじゃ上の方も立つ瀬が無いってもんだ。特に警視庁のお歴々は警察庁の人間が嫌いだからな。

お前は嫌だろうけど、潤の場合は親父さんの威光もあるから未だ肩を叩かれるだけで終わってるんだぜ。これがお前じゃなく広報部の他の奴だったら上司に呼びつけられて説教&減俸食らってるぞ」

民間の監察機関である死因究明センター『CSI TOKYO ラボ』に勤務している友人の綾野は突然訪ねて来た松本の疑問点を聞くと、あっさりと一笑に付して「まぁまぁ」と肩を叩いた。「お前まで肩を叩くのかよ?♭」

綾野は松本が公安部の人間だとは知らない。もし知られたら今の様に親しくはなれないであろう。それほど公安部は秘密の多い機関なのだ。残念ながら八重樫の遺体を確認する事は出来なかったが、松本はせめて自分の中でだけでもある程度納得の行く解答が知りたくて、プロの意見を聞きにここを訪ねたのである。

「それにしても凄い事を考えるよなぁ。必殺仕事人じゃあるまいし、かんざしで刺し殺すとか、あり得ないだろ?」「やっぱり無理か~♭もしかして外傷をほとんど付けずに病死に見せかけるツボみたいのがあるんじゃねぇかと思ったんだがなぁ~♭」

松本は未だ女の線を捨て切れないでいた。聞くところによると、うなじの辺りにはドラマの様に、本当に息の根を止める急所の様な場所が存在するらしいので、そうやって人を殺害するのは可能かと医師免許を持つ綾野に聞きたかったのである。だが、現実はそんな簡単な事では無いらしい。少しがっかりした。

「いや、結論から言うと無理って事は無い。お前の言う通り、うなじと後頭部の境目辺りには、かんざしの様に長く鋭利な凶器を使えば、ほとんど外傷を残さずに相手を殺害出来る急所みたいな場所は確かに存在するんだ。

遺体を見てみない事には何とも言えないけど、そこを刺せば、ほんの虫刺され程度の傷痕しか残らないし、あたかも脳出血で死んだ様に遺体を偽装出来る筈だ。でもな、潤。その場所は余程熟練したプロでも無い限り、頭蓋骨に邪魔されて上手く刺せないし、ちょっとでもずれたら血管が損傷して大量出血するし、物理的にはかなり難しいんだって。

しかもお前の疑ってるのって女だろ?もしその女が犯人だとすれば、八重樫と抱き合いでもして、相手を油断させておいてかんざしでグサッて感じだろうけど、ならその女ノールックであの急所を狙って正確に刺したって事になるんだぜ。

もしそうなら彼女絶対プロだ。それも凄腕。そんな凄腕のプロの殺し屋がやったとすれば、その殺し屋を雇った人物はかなりの大物だぞ。あんまり探らない方がいいんじゃないのか?だからさ、肩を叩かれて正解なんだよ」

そういう事か…♭謎の美女の存在を隠したがるのも、八重樫を病死にしたいのも、もしその美女がプロの殺し屋なら色々と都合の悪い人間が存在するからと言う訳だ…♭多分そんな所だろうと松本も薄々感じてはいたのだが、こうして客観的な意見ではっきり聞かされると、どうしてもモヤモヤせずにはいられない♭

ただ、これで八重樫と一緒に居た女が八重樫剛弦を殺害した可能性はかなり濃厚になった。とすると今度は別の問題が出て来るのだ。松本はホテルの防犯カメラの映像から、特に気になった部分をスマホで撮影していた。女の映像と、もうひとつはホテルの入り口の映像である。

関係があるのかどうかは不明だが、八重樫の死の前後、ホテルを出入りしていた人物の中に、松本の見知った人物が居たからだ。キャバレー『PARADOX』のダンサー、Sato―Cである。いや、正確にはSato―Cに良く似た感じの人物と言った方がいいだろう。

サングラスを掛けていたし、松本自身彼を見たのは『PARADOX』のショーでだけなので、確定した訳ではないのだが、その雰囲気や佇まいがSato―Cに似ている様な気がして仕方がないのだ。無論、だからと言ってSato―Cが犯人だと思っている訳ではなかった。彼がもしあの場に居たのなら何か知っているかも知れないと感じただけの話である。

確か『PARADOX』のサイトにはSato―Cがダンスを踊る宣伝動画が出ているとジャーナリストの二宮が言っていた。だからこのラボでSato―Cのダンス動画と松本が撮影した防犯カメラ映像を比較してもらい、ホテルの人物が彼なのかどうかを検証しようとしたのである。

八重樫の死を早々に片付けてしまおうとしているムードの中で、警察機関の鑑識にはとても依頼出来ないので、つてを頼って友人の綾野に頼んだと言う訳だ。「ところでさ、綾野。俺が持ち込んだ動画だけど…」言いかけた松本を遮るように掌をかざし、綾野はやや食い気味に「見た見た。彼、カッコいいねぇ~♪あれは惚れるわ♪」と明るく笑った。

「いや、別にそういう訳じゃなくてさ…♭てか、Sato―Cはがっつりオスだけど?♭」「何だその偏見wwお前は昭和初期か?オスだろうが何だろうがカッコいいもんはカッコいいだろうが?惚れたんじゃないなら何で同じホテルに居たってだけでそんなにあのダンサーが気になる訳?」「それはほら、何か見てないかと思ってだな…♭」

それを言われると弱い♭ただ、松本はもしSato―Cが何か見ていたなら話を聞きに行こうと思っていただけだ。そう説明すると綾野に更に突っ込まれた。「だって調べるなって肩叩かれたんだろ?話を聞きに行く必要ある?そりゃお前が聞き込みにかこつけて彼と話したいだけじゃないの?」「で、どうなんだ?♭」松本は強引に話を終わらせると身を乗り出して綾野に詰め寄った。

「お前は分かり易いな~♪まぁいいか、画像認証で診断した結果、ホテルの人物は間違いなくそのSato―Cってダンサーだね。これで満足か?」「サンキュー綾野♪恩に着る♪」綾野の手を握ってブンブンと振り回し、松本は張り切って『CSI TOKYO ラボ』の建物を後にした。

やっぱりあのサングラスの人物はSato―Cだった。ホれたハれたは別にしても確かに松本は彼ともう一度話がしたいと思っていたのだ。だが、彼と話すには『PARADOX』の会員にならないと難しい。あの店の会員はさすがに高すぎて松本には無理である。

だが、八重樫の死についての必要な聞き込みならば、松本が店を訪ねるのは可能だと思われた。広報部だって警察関係者だ。あの一癖ありそうなオーナーの櫻井だって松本の聞き込みを拒否する事は出来ないであろう。今頃Sato―Cはリハーサル中だろうか?そんな事を思いながら松本は広大な『CSI TOKYO ラボ』の敷地内を、駐車場に向かって歩き始めた。

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一方、そんな松本を密かに尾けていたのが当のSato―Cである。テレビのワイドショーで松本を見かけてから、智はすぐにホテルへと赴き、こっそりと松本の動向を追いかけていたのだが、どうもマズイ感じだと危機感を覚えていた。

松本はホテルのバーに話を聞きに行った後、警備室を訪ね、続けてこの民間のCSIを訪れている。この動きから推察するに松本は確実に八重樫と一緒に居た女に疑惑を持っているらしい事が伺えた。仕事は完璧だった筈だ。現に警察もマスコミも八重樫を病死だと結論している。にも関わらず、松本は独自で真相に近付いている様に感じた。

どうやら松本をただの広報部の人間だと油断しない方が良さそうだ。もしや広報部はカムフラージュで何か別の極秘機関に所属している捜査官では…?警察庁公安部が匂った。だとすると長谷川恭一郎と親しいのは何故なのか。長谷川は櫻井とかなり密接な関係がある。詰まりはクリーンじゃない政治家と言う事だ。

もし松本が公安部の人間なら、長谷川の様な男と親しくしている理由は一つしかない。「潜入捜査…」智は呟いて、『CSI TOKYO ラボ』の敷地内を、駐車場に向かって歩く松本を物陰からじっと見つめていた。このラボは東京郊外の工業地帯に建っている。都心と違い今の時間の人影は殆どなく、ここでなら容易く消してしまえるに違いない。だが…。

「…未だ公安だと決めつけるのは早いか…」充分な距離を取って松本を尾行しながら、智にしては珍しくその決断に大きな戸惑いを覚えていた。このまま見逃せばいずれ自分に取って厄介な人物になるかも知れない。分かってはいるのだが、心なしか嬉しそうに見える松本の様子に妙な純粋さを感じてしまい、例のざわめきが起こるのだ。訳の分からぬそんなもどかしさが、智からいつもの冷徹さを削ぎ取っていた。

1つのスペースに軽く100台は駐車出来そうな、無駄にただっ広い駐車場が計3つ。恐らく国際的な医学会議などで使われる事も多いラボなのだろう。今でこそがら空きだが、これだけの立地だとかなりの外資が動いているに違いない。松本の乗ってきた車は国産の普通車だ。白のボディーで良く手入れされていたが、元刑事局長の息子が乗る車の割にはやけにありふれていた。

松本がキーをかざしながら自分の車に近づこうとしたその時。別の車の影から松本を観察していた智の、研ぎ澄まされたレーダーが、明らかな殺気を感知したのである。その殺気ははっきりと松本に狙いを定めていた。

「危ない!!」無意識に体が動き、思わず飛び出した智は、松本を突き飛ばしてコンクリートに倒し、そのまま側にある柱の影に引きずり込んだ。松本の車のサイドミラーが銃弾に弾かれてふっ飛んで行く。

「おま…♭サト…♭♭」驚愕する松本を見つめ、智は人差し指を口元に持って行き、小さく首を振った。ヒリヒリした緊張が柱の影に潜む松本と智を包み込む。智は耳を澄まし、あらゆる感度をフル回転にして敵の出方を探っていた。

やがて2人の周囲から殺気が消えた頃、何やらキラキラした物が風に舞いつつ、潜む2人の足元に降って来る。それはひとひらの孔雀の羽であった。それを見た智はしまったと言う顔つきをして背後の松本に一瞥をくれると、半ばやけくその様に「Ai―B(アイビー)!お前か?!♭どう言うつもりだ?!♭」と叫んだ。

「そっちこそ。らしくないじゃんSato―C。てか、さっきの俺じゃないけどね♪」その場で立ち上がった智は、身構えながら前方を鋭く見据え、ブーツの足音を響かせながら歩いて来るその人物を睨み付けた。

派手なバックルのジーパンにチェックのシャツ。茶色い革のベスト。まるで西部劇にでも登場しそうな出で立ちの、背のすらりとした細身の若者である。茶色い直毛のサラサラヘアに人懐っこそうな優しい顔立ち。

Ai―Bと呼ばれたからには明らかにSato―Cの仲間だろうと思われるが、その表情に緊迫した鋭さは無く、陽気な爽やかカウボーイと言った雰囲気の、やたらにスタイルのいいイケメンだった。そのあまりにも急激過ぎる展開に、唖然とする松本を背後に庇い、智は全てを諦めた様に大きな溜め息をついたのである。

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ここで漸く相葉ちゃんキャラ登場でごさいますニコニコ潤君の友達役で綾野君も初登場照れさて、智君うっかり潤君を庇ってしまって自爆しましたグラサンお話はいよいよ潤智が潤智らしくなって行きますぞ~💜💙