これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

3

翌日。未だ夜が明けきれぬ内に目覚めた松本は、洗面所で歯を磨き、顔を洗って眠気を覚ますと、黒のジャージとキャップ姿でジョギングに出掛けた。

ゴーグル風のサングラスにスポーツタオル、水分補給の為のミネラルウオーターとスマホを持参し、あえて階段を使って階下に降りると、朝に良く会う住人の女性が「松本さん、おはようございます」とにこやかに挨拶をした。

「おはようございます」松本も愛想良く挨拶を返して駆け出すと、東の空が薄っすらと明るくなりかけているのが確認出来る。松本の住むタワーマンションは、一階のロビーの奥にトレーニングルームが完備されており、毎朝のランニングを終え、そこでトレーニングを済ませてシャワーを浴びるのが日常的な松本のスタイルだった。

独り暮らしの松本にはいささか贅沢なマンションではあるが、仕事柄セキュリティ環境のしっかりと整った部屋を選んだ。都心からはやや離れているが、治安は悪くなく、住宅街や公園なども近所にあるので、ジョギングコースとしては最適なのだ。

往復で15キロ程のランニングを終え、帰りの公園で10分程度の休憩を挟む。早朝の気持ち良い空気の中、公園のドッグランで愛犬と戯れている散歩途中の人々の姿を眺めていると、今日も1日が始まったと言う、何とも清々しい気持ちになった。

今の仕事に不満はないが、自分がもし公安ではなく、ただの広報部の人間なら、もっとのんびりした生活も出来たのではないだろうかと時折考える。今の状況ではとても無理だが、ペットの居る生活に憧れがあった。

テッテッテッテッ…そんな足音を聞いてふと此方に視線をやると、黄色い首輪を着けた一匹の柴犬が嬉しそうに松本に向かって駆け寄って来るのが見える。「クソっ…♭」松本は小さく舌打ちをして飛び付いてくる柴犬を膝に乗せてやり、優しく頭を撫でてやった。

柴犬はハッハッハッハッと短く息を吐きながら、激しく尻尾を振り、何とも人懐っこそうな目で松本を見上げている。この柴犬がこんなに松本に懐いているのには明らかに飼い主の意図が働いているのだが、犬には罪がない。とは言え、時々こうしてジョギングの時間に出くわすと、「マジかよ?♭」と言う気になるのもまた事実なのだ。

「松本さんお早うございます♪ジョギングですか?偶然ですねぇ~」偶然な訳ねぇだろ?♭膝から飛び下り、飼い主の元へ駆け寄って行く柴犬を眺めてから厭そうに顔を上げる松本に、飼い主は愛想のいい笑顔を浮かべて近づいて来ると、了承した覚えもないのにベンチの隣に腰掛けた。

明らかに寝起きそのままと思われる寝癖だらけの髪によれたジャージ。髭だけはちゃんと当たっている様子だが、そもそもこんな童顔に髭なんぞ生えるのかとも思う。柴犬が柴犬を連れてやがる…♭松本は即座にそう思ったが、口には出さない事にした。何にせよスタイリッシュな松本と比べ、だいぶ適当な感じに見えるのがこの男の特徴である。

「松本さん。昨夜長谷川恭一郎と六本木の『PARADOX』に行ってましたよね?何か面白い事ありました?」「言うと思ったぜ♭相変わらず早耳だよな♭何処で聞いて来たんだ?」「ニュースソースは明かせませんよ。警察庁の広報部ならお分かりでしょ?」

このいかにも人の良さそうな笑顔こそ危険なんだ♭それを良く分かっているだけに松本はつい無愛想な対応をしてしまう。二宮和也。『真相報道Weekly』のジャーナリストである。良くあるゴシップ誌と違い、嘘も捏造も殆ど無い良心的な週刊誌で、それだけに民間の支持率も高い。

だからこそ松本は警戒してしまうのだ。何か嗅ぎ付けられたら確実に誌面に載る。この雑誌には忖度など皆無だった。何故なら編集長が元警視庁捜査一課のエリートで、その融通の効かなさから上層部の逆鱗に触れ、依願退職に追い込まれた清廉潔白な人物だからである。

東山さんと言うその編集長は、警察関係者の間では良くも悪くもとかく噂に昇る超有名人だ。上層部には余り評判が良くないが、若い警察関係者にはまるでレジェンドの様にリスペクトしている者も多い。かく言う松本もその1人だった。

警察庁と警視庁では似ている様で、その担う役割はだいぶ違うが、それでも松本に取って、東山さんは誰よりも尊敬出来る大先輩の1人である。だからこそ、この二宮に付きまとわれるのは正直迷惑なのだ。東山さんなら必ず正しい情報を世間に発表してくれる。

だが、政治の裏側やら警察官僚の不正やら、公安である松本の耳に入って来る黒い噂の中で、開示できる情報など0・01程度であり、その9割9分が表沙汰に出来ない事柄ばかりなのである。

もし外に漏らそうものなら首どころか命すらも危ない。それほど松本の属する警察庁公安部と言う部署は一般的な正義とは程遠い場所なのだ。国の為なら清濁合わせ飲む。この言葉がこれ程相応しい警察関係の部署はそうそう存在しないであろう。

「あんたらが期待する様な話は何にもねぇよ。『PARADOX』でステージショーを観てクラシック音楽の話をしただけさ。パフォーマーに上手いのが居てね、Sato―Cと言う若いダンサーだが、彼のショーにシューベルトのロックアレンジがあったもんでな」

Sato―Cの名前を聞いた二宮は、何かを知っている様な口振りでおもむろに話し始めた。「『PARADOX』のSato―Cね…。そいつなら知ってる。確かに上手いよな、歌もダンスも。『PARADOX』のホームページに所属ダンサーの紹介ページがあるんだけどさ、マイケル・ジャクソンを踊っている動画がアップされてんのを見たよ。人気なんだってな?」

二宮は少し間を置いて松本の顔色を伺うと、意味深な含み笑いを漏らし、「オーナーの櫻井には会ったのか?」と聞いた。「会ったよ。なかなかの切れ者らしい。長谷川先生とは父親の代からの付き合いみてぇだが、詳しい事は何も知らねぇよ」松本は素っ気なく答え、最後にもう一度柴犬を撫でてから立ち上がった。

これ以上は何も収穫が無さそうだと悟ったのか、二宮も立ち上がると、松本の肩に手を置き、その耳元で「あのSato―Cはオーナーとデキてるらしいぜ。また何か面白い話を仕入れたらよろしく」と呟いて柴犬の首輪にリードを繋ぐと、ヒラヒラと手を振りながら立ち去って行った。

Sato―Cが櫻井とデキてるだって…?♭何故二宮がそんな話を持ち出したのか分からないが、松本にはなかなかの衝撃だった。店には選りすぐりの美女を揃えているにも関わらず、オーナーの櫻井が愛人にしているのがあのSato―Cなのか?♭

性癖の事をとやかく言っているのではない。もしそれが本当なら櫻井と代々の付き合いがある長谷川が知らない筈は無いのだ。だが、長谷川からそんな話は全く聞かなかったし、長谷川自身それほどSato―Cの事に詳しい雰囲気も受けなかった。だって彼の脇腹にある白粉彫りの事すら、長谷川は知らなかったのだから…。

この事から推察するに、長谷川が自慢するほど櫻井は長谷川と親しくしているつもりはないのか、それともSato―Cが自分の愛人だと知られたくない、何か重要な秘密が櫻井サイドにあるのか…?もし後者なら二宮はそれを匂わせる事で、暗にその辺りの事を深掘りしてみろと松本に言いたかったのではないのだろうか…。

幾ら東山さんの小飼いとは言え、一介のジャーナリストが松本の公安としての顔を知っているとは思えない。恐らく二宮は元刑事局長の息子としての松本に、なにがしかの情報を期待しているのだろう。

それに…。二宮が探りを入れてきたのなら、それは東山さんからの発信に違いない。『真相報道Weekly』が何処までネタを掴んでいるのかは分からないが、櫻井や『PARADOX』に関しては少なくとも松本よりずっと多くのネタを入手しているのではないか…。ただそれは未だ噂レベルで決定的な証拠が無いのだろう。ならば…。

「…スッパ抜かれる前に深掘りした方がいいのかもな…」松本は独りごちて帰路へ走り出して行った。

**

「何ですって?長谷川恭一郎を…?」出所が判明しないよう、別のアカウントで入手しているスマホを片手に櫻井は険しい表情を浮かべた。都内一等地のペントハウス。都内を一望出来る、最高級の部屋が櫻井の自宅である。そしてそんな部屋を櫻井は世界各地に数件所有しているのだ。

その収入源は無論『PARADOX』だけではなく、マカオやシンガポール等、海外でのキャバレーやカジノ経営、そしてその他諸々の表沙汰には出来ない数々の汚れ仕事である。「長谷川は未だ使えますが…。何をそんなにビクついているんです?」通話相手が何を言っているのか、櫻井は先方の言い分を聞き鼻で嘲笑(わら)うと、店では決して見せない様な冷酷な顔つきで静かに言った。

「…了解しました。今夜中には…ええ、必ず…」通話を切った櫻井は手に持ったスマホから登録アカウントを削除し、そのままプラスチック製品用のダストシューターに放り込んだ。アメリカ製のそれはプラスチックゴミを細かく粉砕し、そのまま地下にあるゴミ箱に直下させるゴミ処理機である。

この部屋には可燃、不燃、プラスチック等、簡単にゴミを分別できるこんなダストシューターが常備されているのだ。スマホが放り込まれたダストシューターは暫くガリガリと硬質的な音を響かせていたが、やがて静かになった。

「八重樫はもう無理だな。昨夜長谷川と一緒に来た警察庁の彼の事を聞いて震え上がっていたよ。自分の事が長谷川から彼に漏れるのを恐れて長谷川の始末を頼んで来た。長谷川は未だ使い道も多いが、八重樫はそろそろ潮時だね。生かして置いたらこちらが迷惑する…」

櫻井の言う八重樫は以前仕事を請け負ったクライアントだ。八重樫剛弦(やえがしごうげん)この男は衆議院の古狸だが、3年前、あるゼネコンとの癒着がバレそうになり、関係者の口封じを頼んで来た。あの時は未だ八重樫も政界で力を持っていたが、国会での失言やセクハラ問題で有権者の支持を失い、対立する長谷川恭一郎に引退を迫られていた。

長谷川恭一郎は前回の衆議院選挙でトップ当選した事もあり、八重樫は常々煙たがっていたのだが、最近長谷川が味方に取り込んだ警察庁広報部の松本が、元警察庁刑事局長の息子だと知って周章狼狽し、過去の悪行が露見するのを恐れて今度は長谷川恭一郎の始末を櫻井に依頼してきたのだ。

「消すのは長谷川じゃなくて八重樫の方…?」ベッドの中で気だるそうに前髪を掻き上げ、静かな声で聞く青年に、ゆっくりと近づいた櫻井は「ああそうだ…。いつもの様にスマートにアニーを消してくれよ…。俺のSmooth Criminal 君…」と微笑み、軽くキスをした。「上手に出来たらまたお前の大好きなご褒美をやろう…。お前の脇腹の美しいドラゴンが真っ赤に染まる程のとても美味しい御馳走をね…」

青年は言うまでもなくSato―Cである。本名の智をもじり、芸名風に名付けたのは櫻井だが、Sato―Cの頭文字を取るとSCとなり、これはそのままマイケル・ジャクソンの名曲の1つであるSmooth Criminal に通じている。

痕跡を残さず、罪にも問われず、スムーズに殺人をやり遂げる犯罪者を歌ったこの歌はSato―Cの十八番だが、彼のショーは本来ステージ上ではなく裏の世界でこそ最大限に活かされるのを櫻井は良く承知していた。彼こそまさしくSmooth Criminal~スムーズ・クリミナル~なのだ。

「…今夜のショーは休んでもいいぞ…。だが、夜明け前までには必ず帰って来るんだ…。分かっているだろうが裏切りは許さない…」「裏切る…?僕が…?何故…」未だ物足りないとでも言いたげに両腕を絡めて来る智を優しくいなして櫻井は言った。

「お前が ふ し だら なのは知っているが、そんなに欲張るな…。ご褒美が欲しいならそれに見合った成果を残せ…。俺はな智…昨夜からモヤモヤが止まらないのさ…。お前があの松本とか言う男に妙に反応していた様な気がしてな…」「何だ、それなら大した事じゃない。彼が警察庁刑事局長の息子だと聞いたからちょっとピリッとしただけ…」

凍てついた微笑みだと櫻井はいつも思う。いつの頃からか智の微笑には感情が無くなった。だが、感情がない割には何処かしら妖しい魔性をはらむ微笑みでもあり、そこに情愛などは存在しない。あるのはただ 肉 体 の 快 楽 をひたすら貪る 淫 蕩 な魔物だけだ。

無論、智をそんな風にしたのは他でもない櫻井自身だと自覚はしているし、そんな智の 淫 ら さ を愉しんでいるのも櫻井なのだが、どうしてだか、昨夜長谷川と共に『PARADOX』を訪れたあの松本とか言う若造には何か特殊な雰囲気があり、嫌な危機感を覚えるのだ。

虫の知らせにならなければいいが…。智の 両 膝 を 割 りながら、櫻井はあの猫科の肉食獣に似た、ゴージャスで凛々しい松本の、クールな美貌を思い出していた。

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

潤智よりも先にお山が登場するパターンはかなり珍しいですねぇ~ウシシこの感じをどう後の潤智ストーリーに繋げて行くかは現在絶賛思案中でございますチョキウインク

ここでニノみぃキャラのジャーナリストが初登場♪私が見た夢ではニノみぃは目撃者と言う立場で殺し屋大ちゃんを脅迫するのですが、ただの脅迫者よりも若干複雑な絡み方をするポジションの方が話が盛り上がるので、役割を変更致しましたてへぺろ

大ちゃんキャラが何気にエロくていいですねぇ~酔っ払いダークな翔君キャラのご褒美って何でごさいましょう?もうアブナイ匂いしか致しませんが…ちゅー18禁

因みにマイケルのSmooth Criminalは昔『~しやがれ』の潤智ロサンゼルスデートで大ちゃんが好きだと言っていた曲のタイトルでございますカラオケこれは殺し屋の曲なので今回のお話にはピッタリですね~グラサン