これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在の人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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松本巡査長との面会を終え、相葉公爵はその足で舞台の準備をする智の元へ赴いて行った。今日の出し物は古典芸能の名作、『娘道成寺』を現代風に焼き直した舞台芝居である。

安珍(あんちん)と言う名の旅の美僧に恋をした美しい姫、清姫(きよひめ)が、必ず戻ると言う安珍の言葉を信じて待っていたが安珍は戻らない。

いずれ騙されたと知った清姫は恋慕のあまり安珍を追いかけ、そのあまりに強い情念が、清姫を火を吐く大蛇へと変化(へんげ)させ、最終的には道成寺と言う寺の釣り鐘の中に匿われた安珍を焼き殺してしまう。

始めに登場する清楚な姫の姿と、後半に登場する大蛇へと変化した清姫の豪華絢爛な姿との対比をきらびやかな舞いに乗せて表現した演出は、『仮面遊戯』と同じ位に人気のある智の代表作であった。

相葉公爵が楽屋に行くと、女形の白塗り化粧をすっかり終えた智が、「おっ雅紀じゃないか?いつ来たんだ?」と、嬉しそうに聞いた。

「やぁ智義兄さん。今日も大層あでやかですね」相葉公爵は恐らく智以外には決して見せないであろう満面の笑顔を浮かべ、背後に控える風間から風呂敷包みを預かると、それを智に差し出した。

「長崎でかすてぃらを買って来ましたよ。長崎は異国の文化が盛んに入って来ていて活気がありますね。珍しくて美しい柄の反物を沢山仕入れて来ましたので、舞台衣裳にあつらえようと思ってます。義兄さんにも新しい着物を仕立ててあげますからね」

「んふふ♪いつもありがとう雅紀♪涼介、後で派出所に持って行ってゆーりやじゅんと一緒に食べよう♪」智が声を掛けると、涼介と呼ばれた安珍役の若者が、「はい、智さん♪御前様、いつもありがとうございます♪」と公爵に向かって恭しく頭を下げた。

美僧の安珍役にピッタリの美しい顔をした若者である。この紅薔薇楼では若手の一番人気だ。この涼介は近頃知念巡査と仲が良く、昼休みなどは良く一緒に昼食を食べているらしい。

「雅紀も一緒に食べる?じゅんの事も紹介したいからさ♪おれ、じゅんに今すげぇ世話になってんだ♪」その潤に対し、相葉公爵がどんな恐ろしい注文をしたか、何も知らない智は呑気にそんな事を言う。

相葉公爵は少々胸が痛んだが、それもこれも全ては智の為だと思い、なに食わぬ顔をして首を振った。「折角のお誘いなんですが、この後新しい事業の事で打ち合わせがありましてね。松本巡査長さんにはちゃんとご挨拶を済ませましたから、お茶は次の機会に致しましょう」

相葉公爵は涼介なる若者にも一言声を掛けてから楽屋を辞し、風間の運転する自家用車に乗り込んだ。この後溺愛する義兄(あに)に起こる事柄を考えると、流石にあの無邪気な笑顔をずっと見てはいられなかった。

「…御前様。本当に大丈夫なんですか?お義兄さんに大きな心の傷が残らなければ良いのですが…」心配そうに聞く風間に、相葉公爵は「大丈夫です」と呟き、車窓を見つめた。

「…きっと横山君が上手くやってくれるでしょう。私の思惑通りなら、松本さんは嶺岡喜三郎の元へと乗り込んで行くに違いありません。

あの人は智義兄さんの為に命を掛けると言って下さいました。あの言葉に嘘がなければ松本さんは義兄さんの為に命を落とす事になるが、そうなれば松本さんは紛れもなく義兄さんの運命の相手だと私も納得出来ますのでね…」

ゆっくりと巡る車窓の風景を眺めつつ、相葉公爵は心の内で、現在嶺岡喜三郎の元に隠密として潜入させている側近の部下に願いを込めた。横山君…。頼みましたよ……。


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その頃、松本巡査長は困惑の表情を浮かべ、櫻井と二宮の周章狼狽したやり取りを聞いていた。「何で御前様の前で命を懸けるなどと気安く宣言されたんですか?♭」そう櫻井が松本に詰め寄ると、後ろから二宮が加勢する。

「そーですよっ♭あんな優しそうな見た目ですけどね、御前様って人はとかく闇が深いんですから♭松本さんが宣言した直後の御前様の顔見ました?♭ニンマリ微笑ってまぁー怖い♭あの人本気ですよ?♭どーするんです?♭」

「和…♭御前様はまさか本当に松本さんを殺す気じゃないだろうね?♭」「そんなの分かりませんよ♭何か考えがおありになるんでしょうが、私には想像もつきません♭ただ、何やらおっかない事を企んでおられるのは間違いないですよ♭本当にどーします?♭」

二人の会話を聞けば聞くほど不穏な推測しか浮かばない♭だが、松本が相葉公爵に申し出た事柄には一片の偽りも無かった。相葉公爵が何を思って死ねと言ったのかは分からないが、松本はあの言葉に、サトシを命懸けで守って欲しいと言う相葉公爵の、義兄に対する確かな親愛の情を感じ取っていた。

兎に角、相葉公爵が松本の申し出を受け入れてくれたのだ。これでサトシや紅薔薇楼の若者が、今後世間から不当な扱いを受ける事も無くなるであろう。それだけでも良かったと思っていた。

それよりこの二人に不吉な事ばかりを聞かされている現状の方が相葉公爵以上に松本を暗澹とした心持ちにさせる♭今日の出し物はサトシの『娘道成寺』なのに、お陰で観損ねてしまったといい加減うんざりしていた。

だが、流石の不可思議巡査長も、よもや二人の会話通りの不吉な危機がサトシの身の上に起ころうとしていようとは、夢にも思わなかったのである。


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一方、大入り満員の大盛況で『娘道成寺』の舞台を終えた智は、楽屋で化粧を落とすと、相葉公爵から差し入れられたかすてぃらを、知念巡査や松本巡査長と一緒に食べようと、涼介を連れて派出所を訪ねて来た。

「ゆーり、じゅん、雅紀がかすてぃらを差し入れてくれたからお茶しよ…」「智さん来ちゃ駄目だ!!♭」知念巡査の切迫した声が響く。智の手から風呂敷包みがドサリと廊下に落ちた。

「公丈…!♭」派出所には知念巡査を羽交い締めにし、頭に短筒(たんづつ)を突きつけた中尊寺公丈が智を確かめ、不適な笑いを浮かべた。

だが、涼介が一緒に居たのは想定外だったのか、知念巡査の危機を見て涼介がいきなり「知念君!♭」と叫び、駆け寄ろうとしたので、公丈は焦って短筒の銃口を涼介に向け、「えぇい!♭来るなクソガキ!♭撃ち殺すぞ!♭」と脅しを掛けた。

その時、背後の物陰から、黒い物が飛び出し、涼介の後頭部に手刀を食らわせて昏倒させると、続けて呆然とする智の後頭部にも手刀を叩き付けた。

「智さん!!♭」知念巡査の悲痛な叫びと共に、黒い影は土足のまま座敷に上がり、公丈の持った短筒を素早い動きでもぎ取ると、そのまま、公丈の顔面をしたたかに殴り付けた。

鼻血を吹いてひっくり返る公丈に、黒い影は関西訛りの冷たい声で吐き捨てる。「お前は阿呆か?狙いは智と松本巡査長や。余計な殺しなんかしおったら俺らが嶺岡さんに処分されてまうわ。もっと頭使ぅて行動せぃ」

「す、済まん横山さん♭焦ってしまってつい…♭」公丈の様子から明らかに力関係が上だと見える横山に、知念巡査が「な、何者だ!♭」と、気丈に問いただす。

「俺か?俺は横山言うモンや。元々相葉公爵の側近やってたんやが、嶺岡さんの方がようさんお金をくれるよってな…」「何だと?!♭この裏切り者め!♭」「まぁあんまり騒がん事やな。無関係の警察のお人なんて殺(あや)めてしもたら体裁が悪いよって大人しいにしといてや」

荒ぶる知念巡査に短筒を突き付け、強い力で羽交い締めにしたままで、横山と呼ばれた男はまるでわざとみたいに知念巡査の顔を背後から覗き込み、自ら正体を明かした。

美形だが、やや神経質そうな色白の、未だ若い男である。黒く見えたのは横山の動きのあまりの素早さと、黒いシャツを着ていたからだと、知念巡査は短筒を突き付ける袖口を見て判断した。「ほら、中尊寺。何モタモタしとんねん。早よ智を連れて行かんかい」「は、♭はい横山さん♭」

恐らく元相葉公爵の側近だと言うのが効いているのだろう。中尊寺公丈はまるで横山の手下の如く情けない有り様で鼻血を拭き拭き、廊下に昏倒する智を抱き上げると、そのまま玄関口から走り去って行った。

「ほな、あんさんに伝言を頼んどきますわ。智を拉致したんは以前相葉公爵の側近やった横山で、智の身柄を返して貰いたかったら松本はんお一人で身代金を金塊で一万(約四億円)持って嶺岡喜三郎の屋敷まで来いって言うとりましたってな」

「一万なんて、そんな無茶な!♭♭」「無茶でも何でもそれが智の身代金でっさかいあんじょう頼みますわ。ええな?金塊で一万でっせ。確か相葉家の倉には豊臣秀吉の時代に作られた金無垢の大判が眠っとる筈や」

横山はそれだけ言うと、知念巡査の後頭部を銃尻でガツンとやってから派出所の柱に嶺岡邸の詳細な見取り図をナイフで縫いとめ、紅薔薇楼から立ち去って行ったのである。




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智君大ピンチですガーン相葉公爵が松本巡査長に言った、恐ろしい言葉の意味が段々と判明して参りましたねびっくり知念巡査があまりにも可哀想なので、アセアセ相方としてヘイジャン仲間の山田涼介君に登場して頂きましたウインク

風間ポンと並び、相葉公爵の側近のもう一人は相葉ちゃんのもう一人の親友である関ジャニヨコ君でございますてへぺろ

まぁ、ヨコ君に関しては、大ちゃんとも『ミツオ』で共演しておりますし、翔君とも『ザ・クイズショウ』で共演しておりますから、嵐君達とも関係が深いと言う事で、いいポジションじゃないかなと勝手に思ったりしておりますウシシ