any moka

any moka

ひににひ★
にひひに★
myaokanのanymoka★

Amebaでブログを始めよう!

急がなくちゃ。
ホームへの階段を駆け上がる。
手には教科書やノートの束。

すごく、重い。
帰りにカバンを買おう、絶対。

ホームに上がると二人の男が言い争いをしている。
片方の男が槍のようなものを取り出すと、もう一人に突き刺した。
「お前さえいなければ!!彼女を返せ!!」
「ははは、お前バカじゃねーの?」

ホームで騒がないで下さいと、駅員がどこかへ連れて行く。
串刺しの男にぶつかって、ノートが何冊か線路に落ちる。
人々は無感動に視線をそらし、電車を待ってる。

「駅員さん、落としちゃった。」
「今拾います。さぁ、どうぞ。」

電車に乗り込む。
ぎゅうぎゅうだ。

目的地に着いて、降りる。
階段を降りようとして前のめりになり、荷物を全部落としてしまう。

あぁ、急いでるのに。
一生懸命に拾い集めるのだけれども。
蹴られたり、踏まれたり。ちっとも集まらない。

きっと、もう、間に合わないな。
長い時間拾ってる、屈みこんだ体勢も、荷物を抱えた腕も辛い。
邪魔にならないように階段の端にまとめて置いた。

やっと全部拾い終わった。
立ち上がって、荷物を見ると。ない。
階段の下にばら撒かれてる。

また、拾わなくちゃ。


…ENDLESS

おはみゃおです★
今月10月22日の誕生日を前に既に今年のおしまいみたいな冬眠の雰囲気を感じます★

眠り続けて来年にならぬよう、一日を過ごしているわけですが。
消してしまったブログの童話。
「白い兎と黒い兎の絵本」

消えてしまったすべての童話を復活させました。
書き直したり、思い出したりと時間はかかりましたが。
どうしても作品を皆さんと共有した大事な時間を忘れたくなかったのと。

第二段を始めるにあたってやっぱり知ってもらいたいなと思ったので★

HPはこちら★

懐かしいと思い読む方も。
これから読む方も。

どうぞ、今一度お時間があれば見に来てください★
携帯からもPCからもアクセスできるサイトにしたはずなので見れるといいな★
2050/2/3/AM6:13
set up.....main system OK.
loading.....
error check....
loading.....
allmost ok...
wake up. my master.

・・・・・・

File[ mr.soda]
・・・・・・・・・

LODING 100%

・・・・・・・・・・・・・

「電源が入る瞬間。
ソーダ水がグラスに注がれる時みたいだろ?しゅわしゅわって。それはデータの泡なんだろな。だから、僕は毎朝ソーダ水が欲しくなるんだ」
マスターはグラスのソーダ水を飲み切ると、淵に残る炭酸の粒を眺めながら言った。
嬉しそうな顔がファイルに残っている。

マスターは私になんでもお願いしてくれた人だった。
朝昼晩のご飯は勿論。家中の掃除、洗濯。時にはトイレすらついて来て手伝ってくれと言った。
それは私を必要としている事だとプログラムを伝っている。

過去に三度、マスターは頭をかきながら恥ずかしそうに家族の話を聞かせてくれた。
「あの時僕はスランプで。それでいて自意識過剰だったから毎日酷い被害妄想の中だったんだ。目覚ましのアラームすら僕の研究を笑っているみたいでさ。そんな時ママと出会ってね、
非科学な事は理解した上で恋愛に未知の世界を創造して。研究者だからね、そう言う言葉に興奮せずにいられないのを自分が一番良く知ってたんだ。だから娘が生まれた時、僕は果てしないショックを受けたよ。甘んじて受け入れられるような余裕もなくて、せめて生まれてくるのが人間以外のモノになればなんて。人と同じ結果、つまり既存の結果の人間が生まれるってことが強い嫌悪感を感じさせたんだね。」
ここまで話した時、マスターの心拍数及び体内のアドレナリン数値が変化を起こしていた。でも、それは狩猟の際の攻撃的な物ではなく何かを必死で守ろうとする保守的な作用としてだった。
マスターは気を紛らわす様に煙草に火をつけて吐き出した煙の行方をしばらく眺めていた。
「窮屈だったんだ。それを僕は<我慢している、家族の為に自分のスペースを差し出している>と思ってた。物心ついた娘が『夢の中でもパパは私にルールばかり押し付ける!』と騒ぎ出したときは参ったよ。恋愛の世界から現実に戻された上、その出きた産物が自分の場所をさらに追い詰めるんだからさ。気づいたら離婚届けに名前を書いて、僕はリュックを背負って家から逃げていた。思えば逃げることばかりだ。今も、もしかしたら君を作ってこの環境に逃げているんだろうね。でも、僕もやがて逃げられなくなる。命があるからね、こればかりは逃げても終わりがやってくる。その時僕はどうするんだろう?やっぱりそれでも逃げようとするのかな?だとしたら、逃げ続けた僕の最後にふさわしい研究結果をださなくちゃね。だって僕は研究者だからさ。」
話し終わると、マスターの心拍数もアドレナリンの数値も正常値に落ち着いていた。
そして、テーブルに置かれた温度の下がったコーヒーがその時間をただただ物語っていた。

マスターはそれからというもの、熱心に何かを作ることに没頭し、それ以外のことは全て私に頼んでくれた。
着替えから、髭剃り、髪の手入れ、料理を口に運ぶこと。私のプログラムに組み込まれた動作環境の全てをマスターは余すことなく使ってくれた。もちろん、毎朝のソーダ水から始まる朝も。

幾年の年月が経ち、時代は新しい技術を次々に生み出す。この時期のマスターはたびたび精神のバランスを崩し、感情のコントロールに支障がでていた。そのたびに補助システムが作動して私は幾度もマスターを抱きしめた。全身の体温を上昇させてぬくもりを保ち、その上で小さな体を包み込んだ。気が落ち着きレム睡眠に入り、数時間後のマスターはまるで記憶を奪われたように何も覚えていなく、私に汚れた部屋と壁にぶつけて壊れた機械を片付けるように頼んでくれた。その際、どうしてこうなったかは一度も聞かれていない。

マスターは日付の感覚をなくし、毎日が2040年2/2になった。全自動プログラムで私の日の行動は決められたとおりに進んだ。マスターの行動範囲は部屋の椅子とベッドまでの半径1メートルのみになった。それでも私は三部屋あるこの小さな家の中をただ毎日掃除をし続けた。ただひとつも埃のない広い家の中でマスターの周りの掃除だけが若干のずれがあるだけのいつまでも終わらない2040年2/2だった。

マスターの3年目の2040年2/2、私に新しいチップが導入された。マスターは涙を流し、震えていた。体のあらゆる数値が乱れ、私の補助システムはすぐに包み込むようにと指示を出した。包み込んだ腕の中でマスターはボイスレコーダーがぎりぎり反応するくらいの声をだした。
「見つけた。結局はここだと気づいただけなんだがね。見つけたんだ。あそこがやはり、僕の命の逃げ場所だ。だけど、安心してくれ。お前のスペースはほとんど全部と言っていいほどお前のものだ。二人のように<居場所がなくなった>なんてことはさせないよ。さぁ、これから忙しくなる。お前の居場所をお前がちゃんと使えるようにしなくちゃいけない。
これは僕のためでもあるからね、お前も大変だろうけどもう少し僕に付き合っておくれ。」
その日、私の補助システムはいつまでも停止を向かえなかった。止まったのは次の日の朝で、マスターの生体反応が止まったのもその時だった。
自動プログラムが作動したままの私は誰も飲むことのないソーダ水をテーブルに置き、時間がくるとそれを流しへ捨ててマスターを着替えさせた。その後部屋の掃除をして夜が来るとしわ一つないマスターの服を脱がせてパジャマに着替えさせてシャットダウンした。

1ヶ月するとマスターの現在地から異臭反応が出た。さらに時間が経ちその臭いは強くなり、二ヶ月を越えたあたりでマスターのID反応は完全に無くなり、そこには腐食物としてのゴミが置かれていた。


・・・END

・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・

〈このファイルを引き継ぎますか?〉

目から映し出されたスクリーン画面には簡素なメッセージ画面と〈はい〉と〈いいえ〉の選択肢がある。
リサイクルロボット制度、通称「re:bot制度」が開始されて3年。故人の思い出を尊重しようと、仕えたロボットの記憶を〈廃止〉から〈引き継ぎ〉できるようになった事は、ここ何年で大きなニュースになった。
私がこの場所に来たのはそのロボットのマスターに謝る為だった。少なからず、追い出してしまったという後ろめたい気持ちがなかったら行こうとは思わなかった。
逃げてばかりのこの主は今はゴミを越えて土に帰ってしまっている。てっきり家族を捨てこのロボットの中に逃げ場所を作ったのだと思っていた。
今更何を言えもしないこの主が最後に選んだ逃げ場所はそれでも私をひどく感動させた。

「ありがとう娘よ。ただいま!」とスクリーンいっぱいの家族写真を前に、彼の最後の逃げ場所が私達家族だったと知ったからだ。

自分の最後を知ってようがなかろうが、彼が最後まで私達を信じていた事が嬉しかったのだ。
錆び付いた体を引きずりキッチンへ向かい、ソーダ水を持ってくるロボットからグラスを受け取りグッと半分飲む。
しゅわしゅわの泡が体を突き抜け、ずっと言えなかったごめんなさいの一言を優しく包んで上へと運んでいく。
その泡に詰めた互いの思い出が割れる事で、長くかかった仲直りになればと思うと、自然と涙が流れていた。
それをまるで共感しているかのようにロボットもまたしゅわしゅわの泡を巡らす様にデータを処理している。

新しく埋めたチップが何かを探す為、そして、私はこのロボットとこれからも過ごして行こうと思う。
居場所をくれたマスターと与えられ損ねたロボットの為に、ここからは私が居場所をつくってあげるのだ。

残り半分のソーダ水を飲み干した時、私の中にありがとうと言ういつかの優しい顔が浮かんだ様に思えた。