あの日の答えを今なら間違っていたと言えるだろうか。その答えは今の私が知っている。
あの日、二人並んで自転車を漕ぎながら、隼人は言った。
「ぢゃぁやめとく?」
隼人は正しかったのかな。でも、あの時の私にその選択肢はなかった。バレンタインデーの浮かれた空気が冬の冷たい風にのって、やっと繋がった糸が切れてしまいそうで怖かったから。
これは、どこにでもある恋の話。だからこそ気づいてほしい。素直に生きて、そして掴んだものを離さないで…。