Web2.0を捉えた著作の中では、「ウェブ進化論」以来の良著であった。冒頭でも著者がいっているように「市井レベルのWeb2.0的仕事術」という姿勢が非常にわかりやすくてよい。ただし、個人的にはもっと「現実の仕事をWeb2.0的ツールを使って効率よくするハックス」的なものと思っていたのだが、そうではなく起業、ネットビジネス本としてとらえるべきである。
実例も多く有効だが、それよりもこれからどういう心構えでWeb2.0世界で生きていくかという戒めみたいな部分がもっとも有効であった。
①自分の力だけで道を切り開く時代ではなくなった
②Web2.0的思考を早く始めた人が勝つ
すべてはこの2点に集約される。そして、ビジネスにおけるWeb2.0とは「他人が効率的に自社の価値を高めてくれる便利なもの」という視点は特に重要だ。
・Web2.0は間違ってもビジネス弱者の味方ではなくビジネス強者の味方
・Web2.0はフラットな世界で、大企業も零細企業もフラットな戦いができるのだが、他者の力を上手に使ってコンテンツの量と質を作れる時代になった今、動員力の差がそのままWeb上の力量の差をなって現れはじめている
・どんどん強者は勝ち、どんどん弱者は負ける
・勝機は特定分野で自分自身がWeb2.0的手法でNo.1になる だれよりも早く「価値の蓄積」をしてしまうことである