最近ハマっているこのドラマ。
なんで目が離せないのかよくわからないんだけど、
見始めると、途中でテレビから離れたり、
他のことができないの。
私にはすごく面白い。
時代物好きだっていう自覚はあったけど、
私自身には全くない「絵」の才能。
このドラマを見ていると、
絵を描くのは苦手なのに
描くこと自体に興味が出てくるのはなぜなんだろう。
景色とか、建物、生活に必要な道具や、
衣装の色・形、靴、髪型、身につける小物に至るまで、
大きく現代と違うのはもちろん、
セリフの言い回しや、
俳優さんたちの所作、
そういうもののひとつひとつが気になってしまう。
実在した2人の絵師にスポットをあてたこのドラマ。
一人は天才絵師として国王の寵愛を受けるほどの人であり、
彼に関する資料もたくさん残っているとのこと。
もう一人は、実在したにも関わらず、本人に関する記録がほとんどないらしい。
絵師というと、その文字からは絵を描いて生計を立てている人のことかと思ってしまったが、
ただ絵が上手いというだけではだめで、
試験を受けて合格した者だけが「絵師」と呼ばれるようになるらしい。
このドラマの時代には、図画署という絵に関する役所があって、
ここで働く人は絵を描くわけだけれど、
絵を習う場面もあるので、そういう人材も教育・養成していた、
ということのようだ。
その試験というのもまた面白くて、
絵の題材になるものをいかに正確に模写できるかを見る場合と、
文章で表現されたことを、
自分なりに読み解いて、それを絵で表現するという場合がある。
後者のような試験だと、感性を問うわけで、
出題した側にも明解な答えがないわけだから、
出来上がった絵を評価する審査者の想像を超えていると
理解されないこともある。
絵師と呼ばれる立場になっても、
自分の描きたいものばかりを描けるわけではなくて、
その資格というか、階級というか、正確にはわからないけど、
やはり“格”があったようだし、
時には王命に従って、世の中の人の生活がわかるような絵を描くという場面もある。
今でも、
日本では普通になっているようなことが、
韓国では眉をひそめられるようなこともあるけど、
この時代は、今以上に身分重視、上下関係は厳しいので、
言論の自由、表現の自由は、
力関係によって握りつぶされてしまう。
見たままに、感じたままに
ただ絵を描くことが、
時には命を危険にさらすことにもなりかねない。
たかが絵、されど絵。
ちょっと時代が違いすぎるのと、
私が日本人だからわからないっていうのもあるだろう。
理解しづらい状況は多々あるけど、
師弟関係、男女関係、それに、
政治、権力、陰謀のようなものまで含んでいて
それらが複雑に絡み合いながら、
話が進んでいくから、とても興味深くて、面白くて、
ひとつの話が終わったときに、
「もう終わっちゃった!」って毎回思う。
このドラマの主人公である天才絵師キム・ホンドは、パク・シニャン。
そして、もう一人の重要な役どころシン・ユンボクは、ムン・グニョン。

どちらも大して作品を見てはいないのだけど、
どうしても好きになれなかったパク・シニャンが
すごくよくて驚いちゃった。
それに、秋の童話で初めて見たムン・グニョンは、
幼い少女だったけれど、
ここでは、とても表情豊かで、そして、
このドラマの設定上、女性であるはずなのに、
それを隠して男性として振る舞うので、
声色も低めで、本当に男性に見えるときがある。
今日、第9話めを見たところで、
この先話がどうなっていくのかがわからないんだけど、
続きが早く見たい。
今年の初めに見ようと思ってみたのではなくて、
たまたまチャンネルを変えたらやっていたこのドラマ。
前評判を聞いたわけでもないし、
1話だけを見て、面白いと思いながらも、続けて見られなくて、
いつか見たいなと思っていたら、
3月からアンコール放送が始まった。
同名の歴史小説を原作として実在の人物を描いてはいるが、
ユンボクを“男装の麗人”と仮定して描いているため、
名画にまつわるエピソードを交えながら、
史実そのままではなくて、
ロマンスが加わっているらしい。
第1話の導入部分が、とても意味深だった。
一幅の美人絵を眺めながら、
弟子であり、師匠であり、
友であり、そして、想い人であった、、、、
そんなふうにムン・グニョン演じるシン・ユンボクのことを思い出して、
はらはらと涙を流す、パク・シニャン演じる天才絵師キム・ホンド。



ここから、一気に風の絵師の世界にハマってしまった。
最近見ているドラマの中でも一番面白いかも。
正直、時代物に出ている役者さんは、
名前が覚えられないことが多くて、
2人以外は、誰なのかわかんない
時代物が好きといっても、
朝鮮の歴史に詳しいわけではないから、
どのあたりの時代の話なのかわからずに見ていたら、
ちょうどKNTVガイドに年表が載っていて、ようやくわかった。
朝鮮王朝の時代で、
チャングムやホジュン、イルジメ、チェオクの剣より後の、
1776年即位の第22代国王・正祖の時代の話だということなので、
日本でいうと江戸時代にあたるようだ。
この正祖という国王も芸術を好んだということで、
絵の専門家である図画署のお偉方の凝り固まった意見を
一喝するような判断を下したりするのも面白い。
2人の絵師にスポットを当てつつも、
ユンボクをとりまく人間関係のほうが多くて複雑な気がするから、
私は、主役はユンボクとして見てしまっているかな。
ユンボクの見たものをすぐに画像として記憶する力、
一瞬の閃きや豊かな感性にも驚くけれど、
ホンドの人間性、懐の深さというか、
弟子だからといつも上から目線ではなくて、
あらゆる圧力にも屈しない短気で強気なところもあるのに、
ユンボクの才能を認めて、信じて、それを大事にして
さらにその才能が伸ばせるように仕向けていったり、
時には冒険とも思えるような賭けに出ることもある。
一生のうちで、
親でも、先生でも、兄弟でも、友達でも
ホンドのような人にめぐり合うことができたら、
人生が変わるんじゃないかって思った。
全20話だということなので、
半分ほど見たところで、最終話を知らないけれど、
お勧めしたいドラマのうちのひとつに入れてもいいなと思う。
もしもチャンスがあったら、戦物ではないので、
ドキドキするような場面はあるかもしれないけど、
ゆったり見れるかも。