先日、久々に日本庭園を散策して参りました。
庭園内にはアヤメが見頃を迎えており、4月下旬にしてはやや強い陽射しを感じながらも心地良いひとときを堪能できました。
庭園内には茶室もしつらえてあり、日本文化に触れる外国人たちの姿も散見されました。
以前から至る所で庭園散策を堪能するのが私の一つの趣味だったのですが、ここ数年間、休園していたり施設の一部が閉館していたりした理由から、以前のように散策するのが約3年ぶりとなり、久々に足を運ぶ庭園内にて、非常に懐かしい感覚が蘇りました。
結婚写真の前撮りをしている光景も見られ、園内は非常に穏やかな雰囲気に包まれており、退園した後もその余韻に浸る事ができました。
この庭園内は、場所によっては撮影禁止の処も有るため、ブログ記事内に掲載できる写真には制限があるのですが、散策しながら、ふと日本の伝統文化である茶道や華道などに於ける所作と、西洋を発祥とするクラシック音楽やクラシックバレエのステージマナーや鑑賞マナーには、何か通ずるものが有るように思いました。
私には、特に茶道や華道の心得が有るわけではないのですが、華道に於いて、拝見する時にも所作の決まり事が有るように、クラシック音楽の舞台を鑑賞する時にもマナーが有ります。
その空間に在る物、居る者、全てに於いて初めから終わりまで、守るべき規範が有る、これは、「道」としての芸事の範疇から少し外れている日本庭園散策に於いても類似(「同種」ではない)した事が言えるのではないかと感じる事が有ります。
日本庭園には、通常、順路が定められ、場所によっては撮影禁止の区域が定められています。
池の鯉に餌を与える行為も暗黙のうちに禁止されています。
施設管理者が常駐している本物の日本庭園を散策していると、見えてくる世界が溢れんばかりに出てきます。
この場所に花をつける植物は、水辺が近い事からショウブではないのかと思ったのですが、施設管理者の方に伺うとアヤメで間違いないとのご回答でした。
掲載した写真からは判別が難しいかもしれませんが、本物の植物を生で観賞していると、次第に解る事が多いです。
つい先日赴いた芍薬園にて、アヤメが咲いている様子を観賞できたので、花の様子を掲載しておきます。
こちらの芍薬園も施設管理者の方が常駐しており、ご案内して頂けました。
全体的にほっそりとして、やや尖った印象を受けるのですが、アヤメで間違いないとの事です。
4月下旬に開花している様子からもアヤメだと推測できますが、最近では、気候の変動が著しく、開花時期による見分けが以前のように通用しなくなりつつある気がします。
ほぼ同時期、全く異なる場所で、アヤメなのかショウブなのか、はたまた杜若(カキツバタ)なのか、判断に迷う華やかな花を見かけました。
ふわりと柔らかい印象でフリルのような華やかさを醸し出しています。
お調べすると、ジャーマンアイリス(レインボーフラワー)のようで、中途半端な予備知識で以て判断すると、アヤメかショウブなのではないかと迷いがちですが、アヤメ科のジャーマンアイリス(レインボーフラワー)で、アヤメと同属ですが、異種の植物です。
異種の植物には、固有の生態があり、異種がどこに移植されようと即座に判別できるようになるためには、実際に本物に触れる機会を多く作る事が肝要なのではないかと感じた次第です。
【本日のピアノへの取り組みについて】
・バッハ インヴェンション全15曲
・バッハ シンフォニア第11番 ト短調
(ここまで各1~2回ずつ通しただけ)
・ショパン エチュードOp.10-4 嬰ハ短調
・その他(スケール・アルペジオ・半音階)
クラシックピアノ曲に於いても、本物と類似物とを自分で聴いて見分けられるようになるためには、素人の投稿しているYouTubeを観るのではなく、本物のプロの演奏を鑑賞しに足を運ぶ事が必須なのではないかと思い、ここ数年間はYouTube自体アクセスを控えています。
最近では、植物に於いても、異種との交配が進み、本来の本物に触れる機会が少なくなったように思います。
ピアノのレッスンについても、本物のクラシックピアノに関する教育であるのか、キーボード操作鍛錬なのか、物真似なのか、判別が付くよう、多方面から自分自身が見る眼を養っておく必要があるでしょう。
本物と異種とは、生息地も開花時期も異なる場合であれば、棲み分けがなされ、素人にも容易に判別が付くのですが、偶然生息地も開花時期も同じである場合、何が本物であるのか、判別する眼が必要となります。
レッスンを受けても、そのレッスンが物真似ばかりであると、そのコピペが量産されるだけで、どこに行っても本物に出逢えず、本物が少数派となり、やがては淘汰されていく危機感を抱いています。