4月下旬とは思えない程に蒸し暑さを感じ、電車の中でも日傘を携行している人を多く見かけるようになりました。
ふんだんに陽の光を浴び、手鞠状に咲く花が可憐で安定感のある紙風船に近付くような感覚です。
潰してしまいそうな気がして触れる事が憚られるけれど、風が吹いても揺れ動くだけで決して形そのものを変える事のないような存在。
強風に煽られていたので写真が非常にブレてしまいましたが、そのブレも跳ね回る手鞠のようでご愛敬。
先日、卵をいただきました。
物価高騰が甚だしい中、卵も例外ではなく値上がりし、web上ではエッグショックと呼ばれている記事が散見されます。
栄養面で非常に優れているだけでなく、調理の汎用性が高い食材である卵の高騰は、家庭にも飲食業界にも深刻に影響を及ぼす事が想像に難くありません。
今後は、物価高騰だけでなく入手自体困難になる物も数多く想定されるため、貴重な卵をいただけるうちに毎日有難く味わう事にします。
陰鬱な話だけではなく、今年の春節明け頃から、私のもとに朗報も次々と舞い込んできています。
私の周りには、長らく子どもを待ち望んでいながらもなかなか授からない夫婦が大勢いました。
そのような中で、奥様の妊娠が判明したという報告を受ける事が多く、報告時の弾んだ声や表情からも心底子どもを望んでいたことが窺え、私までもが幸福な気分に浸る事が多々有ります。
私の場合、妊娠した本人である奥様の方ではなく、ご主人から直接報告を受ける事が度々有りましたが、ようやく父親になれると云う嬉しさと今後の心構えとが入り混じったような、浮かれた気分の中に芯の安定性を感じる方が多いです。
ヒトは卵ではなく胎児として誕生しますが、第一子を妊娠中の夫婦は、比喩的に表現すると親としてはまだまだ卵の状態で、その卵のうちからご主人も育児に積極的な姿勢がみられる発言が多く、非常に喜ばしく思います。
かけがえのない命を授かったので、無事出産できる事を願っています。
周囲の人が幸せな気分でいると、他人事のようでありながら、私までも幸せを願う優しい気持ちを持てるので、気分やオーラは伝染するのではないかと思う事が多々有ります。
【本日のピアノへの取り組みについて】
・バッハ インヴェンション全15曲
・バッハ シンフォニア第11番 ト短調
(ここまで各1~2回ずつ通しただけ)
・ショパン ノクターン第5番 Op.15-2 嬰ヘ長調
・ショパン エチュードOp.10-12(革命) ハ短調(5日ぶり)
・ショパン エチュードOp.10-4 嬰ハ短調
・その他(スケール・アルペジオ・半音階)
本日、5日ぶりにショパン エチュードOp.10-12(革命)を練習したのですが、最初に暗譜で通すと、メロディー部分が飛び跳ねたような、何らかの言語を陽気な気分で発しているようなおかしな響きを発生させてしまいました。
上記添付画像の赤枠で囲んだ音にスタッカートを付けたような、音価は正確でありながら、響きとしては陽気な踊りを想定させるような、今までにない感覚を自分で弾いていても自覚したのです。
ここで、音の質と云う概念を説明する時、物体が空中に存在する概念で以て表すとしっくりくる場合も有るのではないかと考え始めました。
私は、日常生活の中で、何かものの概念を知覚する際、大抵の場合は実体に触れることなく主に聴覚と視覚とを用いて質感を想起しています。本日添付した手毬状に咲く花も同様です。アパレルショップで商品を目にした時に、直接手を触れる事無く触れた時の感触を即座に想起するのと似通った感覚です。
現時点では、私自身の思考が、まだ完全に水に溶解していない物質の欠片のような状態なので、飽和状態に調合された実感を掴めた時に再び記します。