人前で何かをする時、事前に練習していた時の出来よりも芳しくないと云う方は多いと思います。
学科試験にせよ、舞台にせよ、人前で話す事にせよ、「実力が発揮できなかった」事に悩む方が多く見られます。
そもそも「発揮されない実力」を「実力」とは呼ばないと言う方もいらっしゃいますが、今回は、事前に練習していた時の出来を肝心な時に人前で可能な限り再現できる方法を考えたいと思います。
今月に入り、ストリートピアノで1回につき交替しながら複数曲演奏する機会が多く、私自身も練習していた時の状態を再現する事にたびたび困難を感じていました。
そこで、実際にストリートピアノの現場にて、余裕を持って演奏していらっしゃると私が感銘を受けた方々に、人前で緊張しない秘訣を直接お尋ねしてみました。
餅は餅屋、緊張しない方法を訊くなら緊張していないように見える方々、です。
まず、演奏後に実際お声掛けした時の反応からして違うと感じました。
演奏に余裕を感じられる方々は、演奏だけでなく、話し方や歩き方も堂々としているのです。
疚しい事など何も無いと言わんばかりの貫禄。
状況としては、私自身も最低1曲は演奏が終わって、既に何巡かしている状態です。
私は、率直に、演奏を聴かせていただいた感想と共に、
「人前で練習通りに弾けるようにするよう心がけている事はありますか?」
と云う質問を投げかけてみました。
皆様から頂いたご回答の中には、「自宅で納得のいくまでとにかく練習あるのみ」と云う方もいらっしゃいましたが、度肝を抜かれたご回答が…。
「多分、あそこ(ストリートピアノ)で『ここ音抜けそうだな』と思ったら、もう潔くその音は省いていくんです。そうすればアレンジしたように聴こえるだけです。ポップスはそれが通用するから楽なんです。クラシック曲を選ぶと私も全然弾けませんよ」
選曲に秘訣があったようです。
他の方からは、「自分が楽しみながら弾く事。僕はその場にいる人達は全員『お客さん』だと思っています」と云う目から鱗のご回答が得られました。
その場にいらっしゃった他の方々からは、私に対し、一音一音に対して真面目に捉えすぎなのではないかと云うご指摘を受けました。
また、非常に興味深いやり取りが有りました。
或るポップス演奏者「自分を信じる事。自分を信じられるためには練習を重ねるしかない。だから1曲をひたすら練習しました」
ギャラリーの方々「大体、今の曲をどれくらい練習しましたか?」
前述のポップス演奏者「もう、ほとんど毎日練習を1曲で1ヶ月はします」
私「えっ…」
前述のポップス演奏者「クラシックは1曲仕上げるだけで半年とかでしょ、あなたさっきの曲なんて1年以上練習してるでしょ、それが判ってるから再開してクラシックは絶対練習しないって決めたの。クラシックは練習量の割に聴き映えがしないし…」
もはや選曲と云うより曲のジャンル選びに秘訣が有ると云う事でしょうか。
ただ、今まで複数の会場にて10人以上の方にお声掛けしたところ、「自分が楽しみながら弾く」と云うご回答が複数の方から得られた事は意外でした。
「とにかく自分がこの曲を好きだということをアピールするつもりで、曲の存在を知ってもらうつもりで弾いている」と回答されたマイナーなポップス曲の演奏者もいらっしゃいました。
クラシックであれ、ポップスであれ、ピアノを奏でるのは「音楽」ですから、「楽しみながら」と云う観点には納得がいきます。
「楽しむ」とは、どのような状態なのか、この点を突き詰めようと思います。
【本日のピアノの練習について】
・ツェルニー50番練習曲集 5番
・バッハ インベンション第1番 ハ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第2番 ハ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第3番 ニ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第9番 へ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第4番 ニ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第7番 ホ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第8番 ヘ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第12番 イ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第13番 イ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第5番 変ホ長調
・バッハ インベンション第11番 ト短調
・バッハ インベンション第15番 ロ短調
・バッハ インベンション第14番 変ロ長調
・バッハ シンフォニア第11番 ト短調(暗譜済)
(※ここまでそれぞれ1~2回通しただけ)
・ショパン エチュードOp.10-4 嬰ハ短調(暗譜済)
・ショパン エチュードOp.10-12(革命) ハ短調(暗譜済)
・ショパン エチュードOp.10-5(黒鍵) 変ト長調
・ショパン ノクターン第5番 Op.15-2 嬰ヘ長調
・その他(スケール、アルペジオ、半音階、その他)
先日、中学時代に終わらせたはずのツェルニー50番練習曲集は必要ないと記載したのですが、メカニック的スキルの向上のため、時間に余裕の有る時には少し取り組んでみようと思います。
ストリートピアノに参加してからずっと気になっていたのですが、私の打鍵力は非常に弱いのか、mfを出しているつもりでも他の方々に比べて音が小さい気がするのです。
余談ですが、ピアノの表面がデコレートされ、何も映らず、周囲の様子が判らない状態がより一層不安を増幅させる気がします。
映る塗装のピアノの鍵盤に向かっている時には、幻想即興曲の中間部の演奏中に周囲に居る人の視線を感じ、場合によっては目を合わせたりして雰囲気を感じ取れるのですが、何も映らないピアノの鍵盤に向かっていると、暗闇の中に放り出されたようです。
様々なストリートピアノ会場にて、陽気で寛容な方々に恵まれたので、盛り上がっている雰囲気を味わうのも良いかもしれません。
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