極寒の中、水仙の花が咲き誇っています。
バレリーナのチュチュのように安定した広がりを見せる花弁の様子は、どこかストイックな雰囲気を感じられ、この季節の寒気も相まって、心身ともに身が引き締まります。
バレエを習っていても、チュチュを身に着ける機会や見る機会は意外に少ないものです。
発表会やコンクールなど、舞台に立つ機会が無ければ、試着すらせず終わってしまう方も多いと思います。
そのチュチュを纏った舞を巡った問題について、興味深い事が有ります。
10年程前、小学生ぐらいの子どものバレエの発表会の動画撮影を契約したカメラマン(静止画も動画も担当)にバレエについての知識が全く無かったが故、見るポイントを大きく外してしまい、仕上がったDVDに、子ども達が一生懸命練習した足捌きの部分は全く映っておらず、上半身のアップ姿ばかりが映っており、保護者の方々が複雑な心境に陥るという話をしばしば耳にしていました。
今ではこの撮影事情が改善されつつあるのでしょうが、悪意なく、全くの門外漢がポイントを外してしまうと云う事はよくあることなのではないかと最近になって思う事が多いです。
ポイントを押さえたカメラマンとの契約料が、風景の静止画や人工的なテーマパークのイルミネーション動画を撮影する事を得意とするカメラマンとの契約料より高額になるのは必然です。
舞台撮影とは、或る意味特殊技術なのかもしれません。
バレエの場合、発表会当日、母親は裏方で発表会に出場する子どもの衣装やメイクの世話をするのが通例で、客席に座って鑑賞する事はほとんど出来ないお教室が多いようです。
お教室の事情にもよるのでしょうが、一般的に、母親は、別日程にて開催されたリハーサル時にしか舞台の上で踊る子どもの姿を見る事が出来ない事が多いとの事でした。
バレエの発表会で着用される衣装は繊細な作りでレンタルである事も多く、保管方法や着替え方について、小学校低学年の子どもが一人でこなす事が困難である為、裏方ではお母様のご協力が不可欠なようです。
子どもにとって、実のお母様のご協力は、金銭で以て「契約」する事は出来ない特殊技術だと私は思います。
ローンのように後払いする事は出来ず、日本円と外貨とを両替した現金でも代替が効かない、唯一のもの(「物」ではない)であるからこそ、AIがどれ程進化を遂げようと、取って代わられる事が無いと思います。
【本日のピアノの練習について】
・ハノン 1~20番
・バッハ インベンション第1番(暗譜済)
・バッハ インベンション第2番(暗譜済)
・バッハ インベンション第3番(暗譜済)
・バッハ インベンション第13番(暗譜済)
・バッハ インベンション第9番
・バッハ インベンション第4番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第7番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第8番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第12番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第14番
・バッハ インベンション第5番
・バッハ インベンション第15番
・バッハ シンフォニア第11番(暗譜済)
・ショパン エチュードOp.10-4(暗譜済)
・その他(スケール全調、アルペジオ、半音階、その他)
本日は、基礎練習に力を入れたため、バッハのシンフォニアの新曲運指考案は取り止めました。
一時期、ハノン1~20番に全く取り組まず、練習したい曲中に出現するフレーズの部分練習を繰り返していた事もあるのですが、何か根本的にできていない部分が有るが故、或る一定の水準以上に到達しない「壁」を感じ、基礎力の欠如を痛感し、ハノン1~20番やスケール全調を丁寧に練習する方向に変換しました。
バッハのシンフォニアについては、インヴェンションに全曲着手した後、丁寧に取り組み直す予定です。
私の手に合った唯一の指使いの最適解を導き出すべく、日々考案するのが密かなるピアノの楽しみです。