まだ昼間の陽射しはやや強いものの、秋晴れの季節になりました。
夏の疲れが出る所謂「秋バテ」が危惧される時期になりましたが、今回は燃え尽き症候群について少し記したいと思います。
燃え尽き症候群とは、何か明確な目標を立て、それを達成した後、それまで張り詰めていた気が抜けてしまい、その後何もやる気が起こらなくなる現象を主に指します。
医学的には、うつ病の一種とされています。
代表的な例として、中学受験や高校受験、大学受験で合格したのはよいものの、「合格」をゴールとして自分のキャパシティを全てゴールの為に注ぎ、日々勉学に励んでいたが故、入学後にだらけた生活に陥ってしまったり、場合によっては不登校になってしまう事が挙げられます。
一部ではありますが、主に20代が受験する各種資格試験にも同様の現象が見られ、資格を取得したのはよいものの、就職後1年間以内、極端な例を挙げると1週間以内に辞めてしまい、肝心な「資格を使って業務を遂行する力」が残っていない人も毎年のように見受けられます。
私自身、現在趣味で毎日ピアノに取り組んでいるのですが、大人になって再開した身としては、中学生の頃までは難なく出来ていた暗譜に非常に困難を覚え、今年6月から暗譜の仕方について試行錯誤しながら自分なりに対策を練ってきました。
そこで、バッハの2声のインベンションの、たった見開き2ページ、演奏時間1~2分間程度の曲について、1曲暗譜を遂行する毎に、その日はピアノについては燃え尽きてしまい、達成感は得られたものの、1曲暗譜するのに費やす労力があまりにも膨大で、他に犠牲とする有形無形のものが多過ぎたため、暗譜については自分の能力を超えているが故、諦めた方が賢明だと云う結論に至りました。
そもそも、「暗譜」はゴールではなくあくまでも通過点で、暗譜する事により上手く弾けるようになるのかと問われると、実際に暗譜した曲の完成度を考慮してもあまり相関が無く、「暗譜すること」により得られるメリットと生じるデメリットとを秤にかけると、後者>前者であるため、一旦暗譜については休止していました。
上述のような「資格を取得したのはよいものの、仕事を続けるだけの力が残っていない状態」に陥ってしまっては、趣味の場合に於いても本末転倒で、自分の能力を把握し、受け容れることも肝要だと云う見解からこのような結論に至りました。
自分のキャパシティギリギリの地点を目標として定めてはいけない、大人の場合は、特にこの点に留意して物事に取り組む必要が有ると痛感する事例に多数遭遇しています。
【本日のピアノの練習について】
・ハノン 1~20番の中から5曲
・バッハ インベンション第1番(暗譜済←本日初☆)
・バッハ インベンション第2番
・バッハ インベンション第13番
・バッハ インベンション第9番
・バッハ インベンション第4番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第7番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第8番 (暗譜済)
・バッハ シンフォニア第11番
・ショパン ノクターン第20番(遺作)(暗譜済)
・ショパン 幻想即興曲(暗譜済)
・ショパン エチュードOp.10-12(革命)(暗譜済)
・ショパン エチュードOp.10-4(暗譜済)
・ショパン バラード第1番(一部のみ)
・その他(スケール、アルペジオ、その他)
上述の件と矛盾するようですが、バッハのインベンション第1番の暗譜に本日初めて成功しました。
暗譜について、今後の取り組み方を今月末までに結論付けようとして、第7番を暗譜で練習した後、そのまま楽譜を閉じた状態で第1番を弾いてみたら最後まで暗譜で正確に弾けてしまったという、意図しない結果でした。
ただ、ここに至るまで、通し練習だけでも累計700~1,000回はしたと思います。
単純計算として、インベンションだけで1日最低3~10回×最低100日間=最低300回、
この100日間(正確に記せば115日間)でインベンションに取り組まなかった日は全く無く、1曲につき大抵5~6回は通していたため、何度も通し練習をしているうちに自然と体が覚えてしまったと云うのが実情です。
それを考えると、ピアノ再開後、革命を累計7,000回は通して練習したのではないかと思います。
回数を重ねればよいという訳ではないのですが、回数を重ね、短期決戦に持ち込まず、長時間を費やした結果、ついてくる結果が「暗譜」で、暗譜に躍起になるよりもこのような方法の方が結果的によいのではないかと感じました。